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カテゴリー:Music

2019/09/06

ジョシュア・レッドマンが参加した新世代のスーパーバンド『ジェイムス・ファーム』を聴こう♪

現代を代表するサックス奏者ジョシュア・レッドマンも参加した新世代のジャズ・バンド『ジェイムス・ファーム』

4ビートの枠に捉われない自由な発想の新時代のアコースティック・カルテット!

今回ご紹介するのは、このブログでも何度か取り上げたことのある僕の好きなサックス奏者ジョシュア・レッドマンが参加したスーパー・ジャズバンド『ジェイムス・ファーム』です。

 

2009年末に結成されたこのバンドには、ジョシュア・レッドマンの他にも現代ジャズを代表するミュージシャンが揃っています。

 

バンドのハーモニーを部分を担当するピアニストに若手のアーロン・パークスが参加しています。

 

このバンドが結成された当時はまだ26歳でした。

 

当時既に40歳になったばかりのジョシュアとは一回り以上年齢に差があります。

 

しかし若手といえどもアーロンは、現代を代表するコンテンポラリー・ジャズ・ギタリストのカート・ローゼンウィンケルのバンドに参加していたり、トランペット奏者のテレンス・ブランチャードのバンドに起用されたりとキャリアとしては申し分ありません。

 

しかも90年代に青春時代を過ごした世代だけあって、レディオヘッドやエイフェックス・ツインのようなロック/エレクトロニック・ミュージックも聴いて育ったようです。

 

そのためアコースティック・ピアノを演奏する際にも、エレクトロニック・ミュージックの要素を絡めたりと柔軟なアイデアを持って弾いていたりします。

 

アーロンの他には、2人の強靭なリズム隊のメンバーが参加しています。

 

まずベーシストのマット・ペンマンは、カート・ローゼンウィンケルを始めブラッド・メルドーやアーロン・ゴールドバーグ、コンテンポラリー・ジャズ・ギタリストのジョナサン・クライスバーグ等と共演した凄腕です。

 

ドラムを担当するエリック・ハーランドは、これまたカート・ローゼンウィンケルのバンドに参加していたり、デイヴ・ホランドやチャールス・ロイドのような大御所からも認められたミュージシャンです。

 

ジャズの4ビートに捉われず、ヒップホップやポストロックの要素も混ぜ込んだ新時代のリズム感覚はエリックならではのグルーヴ感覚だと言えます。

 

ジョシュア以外の3人は、アーロン・パークスの『Invisible Cinema』で共演しています。

 

そのアルバムを聴いたジョシュアが3人の革新的な演奏を聴き、従来のジャズ・バンドとは違う新しいコンセプトのバンドを組みたくなり声を掛けたようです。

 

さて、この4人が集まったジェイムス・ファームというバンドは、ジャズでいうところの一般的な『ワンホーン・カルテット』の形式をとっています。

 

サックスが主役となってテーマを吹き、楽曲のハーモニー部分を一手に担うピアノとバンドのアンサンブルを担うリズム隊という4人組です。

 

もちろん昔ながらのジャズ・バンドと同じでアコースティック楽器を主体として全ての楽曲が演奏されています。

 

本作には、ジョシュア・レッドマンのエラスティック・バンドのようなエフェクター音を活かしたエレクトリック・サックスは登場しません。

 

エレピやシンセサイザーも存在せず、終始アコースティックのピアノのみで演奏されています。

 

編成や使用楽器のみを見れば、「いつものジャズ・カルテット」なのですが……しかしリズムが変わるだけでこうも違ってくるのか⁉と驚くようなバンド・サウンドに仕上がっています。

 

メロディーやハーモニーも重要ですが、しかし楽曲のジャンルや新旧を決めるのはやはり「リズム」なんだな~と本作を聴けば納得できるのではないでしょうか。

 

ジェイムス・ファームは、アコースティックの楽器を使った新世代のジャズ・バンドです!

 

それでは今のところリリースされている『James Farm』と『City Folk』の2作品をご紹介したいと思います。

 

 

 

James Farm – 『James Farm』

01.Coax
02.Polliwog
03.Bijou
04.Chronos
05.Star Crossed
06.1981
07.1-10
08.Unravel
09.If By Air
10.Low Fives
– Japanese Bonus Track –
11.The Trickster

 

アルバムの内容

2011年にリリースされた1stアルバムの『James Farm』です。

 

新時代のジャズ・バンドなのですが、敢えて全楽器はアコースティックに拘っていて、バンド名もまるで70年代のフォーク・ロック・バンドの様でもあります。

 

アメリカの田舎の家をモチーフとしたアルバム・ジャケットのデザインも、まるでバッファロー・スプリングフィールドやクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの様な素朴な感じがします。

 

新しい時代のリズム感覚に、古い時代のアコースティックに拘った温もりのある楽器を使うというこのバンドのコンセプトの様なものは1曲目の”Coax”から感じ取ることが出来ます。

 

イントロでアーロンの弾くピアノのリフは、まるでレディオヘッドやモグワイの楽曲が始まるかのようです。

 

そこにジョシュアの吹く伸びやかなサックスのメロディーは、まるでトム・ヨークやジェフ・バックリィの歌声のようでもあります。

 

このバンドは従来に枠に捉われないことをコンセプトとしているので、もちろんバックのリズムは4ビートではありません。

 

場面ごとに複雑に変化していく現代的なリズムにこのバンドの目指す音楽性を知ることが出来ます。

 

またこのバンドには明確なリーダーは存在していません。

 

フロントマンを務めるジョシュア・レッドマンがどうしても目立ってしまいますが、本作の収録曲は各メンバーの持ち寄った楽曲で構成されています。

 

1曲目” Coax”と6曲目”1981″と10曲目”Low Fives”の3曲をマット・ペンマンが書いています。

 

2曲目”Polliwog”と5曲目”Star Crossed”と9曲目” If By Air”の3曲をジョシュア・レッドマンが書いています。

 

3曲目”Bijou”と4曲目”Chronos”と8曲目”Unravel”、そして日本盤のボーナストラックの11曲目”The Trickster”の4曲をアーロン・パークスが書いています。

 

そして7曲目” I-10″のみエリック・ハーランドの書いた曲です。

 

しかし不思議とバラツキがなく、アルバムを通して聴いても浮いた曲がないのが素晴らしい所です。

 

まるで60~70年代のロック・バンドのように、バンドメンバー各人が持ち寄った楽曲で構成されたアルバムなのに1つのコンセプトの基にバンドのカラーが統一されている感じです。

 

そのためどの楽曲もクォリティーに差がなく、良く言えば「捨て曲なし」なのですが、悪く言えば「目立ったヒット曲のない地味な作品」と考えることができます。

 

 

 

 

James Farm – 『City Folk』

01.Two Steps
02.Unknown
03.North Star
04.Mr. E
05.Farms
06.Otherwise
07.Jury’s Out
08.Aspirin
09.City Folk
10.What Remains
– Japanese Bonus Track –
11.The Power Of Now

 

アルバムの内容

ジェイムス・ファームのメンバーはそれぞれ作曲能力や演奏能力も高く、自身のリーダー作やサイドマンでの仕事が多くあります。

 

かなり忙しい売れっ子の4人がなんとか集まって結成したバンドなので、前作『James Farm』から3年が経った2014年になってようやく2ndアルバムの『City Folk』がリリースされました。

 

1stアルバムを聴いてこのバンドを好きになった僕は、「たった1作で終わった企画だけのバンドなのかな?もったいないな~……。」と勘違いしてしまう程でした。

 

しかし2014年に相変わらずの素朴なアルバム・ジャケットで2作目のアルバムがリリースされたことはとても嬉しいことでした。

 

本作も1stアルバムと同じようにマット・ペンマンの書いた1曲目”Two Steps”で始まります。

 

この他にもペンマンの書いた曲は7曲目”Jury’s Out”と8曲目”Aspirin”の全3曲が収録されています。

 

アーロン・パークスは、2曲目”Unknown”と5曲目”Farms”に6曲目”Otherwise”の3曲を提供しています。

 

ジョシュア・レッドマンは、4曲目”Mr. E”と9曲目”City Folk”と10曲目”What Remains”の3曲を提供しています。

 

エリック・ハーランドは3曲目の”North Star”の他、日本盤のボーナストラック11曲目”The Power Of Now”の2曲を提供しています。

 

前作と同じくどの楽曲も作曲者が違えど統一感があり全ての楽曲にこのバンドのコンセプトが反映されているかのようです。

 

ジョシュアとアーロンのソロこそありますが、それは従来のジャズ・バンドが各楽器陣で腕を競い合うかのような白熱したアドリヴ演奏をするようなものではありません。

 

あくまでも60年代~70年代のロック・バンドのように、楽曲の主となるテーマメロディーを基調とした演奏に徹しています。

 

2人のソロに関しても、ロック・バンドの歌の合間にあるコンパクトにまとめられたギターソロのような感じです。

 

本作の聴き方は、アドリヴソロを聴くためにあるのではなく、バンドとしてのアンサンブルを楽しんで聴くのが一番良いかと思います。

 

 

 

 

以上、【ジョシュア・レッドマンが参加した新世代のスーパーバンド『ジェイムス・ファーム』を聴こう♪】でした。

 

ジョシュア・レッドマンは、過去にも1998年の5作目のリーダー作『Timeless Tales (for Changing Times)』で、スティーヴィー・ワンダーやボブ・ディランにビートルズの楽曲を取り上げていました。

 

その時も、ハード・バップ時代のジャズマンがカヴァーする時のような長尺アドリヴソロや、他楽器陣との腕の競い合いのようなソロは存在していませんでした。

 

あくまでも楽曲重視でジャズ・アレンジを施して演奏していました。

 

ジェイムス・ファームは、その延長線上にあるかのようなバンドだと思いました。

 

白熱のアドリヴソロ合戦を求める人には本作はあまりおすすめではありませんが……しかしコンパクトにまとめられたジャズを聴いてみたいという方には良い作品だと思います。

 

もしかしたらロック的な要素も少しはありますので、ロックを聴いてきた人がこれから初めてジャズを聴いてみる最初の1枚としても良いかもしれません。

 

まずは耳なじみの良いメロディーが多く、4ビートだけに捉われないロック・バンドの様なジャズを聴きたい人におすすめです。

 

但し、音圧のあるエレキギターはありませんので、あくまでも素朴なアコースティック・ピアノの音色が主体のアルバムです。

 

エレキの音圧による激しさではなく、アコースティックな音色を楽しんでください。

 

そういった点では、フュージョンやフューチャージャズ系のエレピやシンセサイザー等の電子楽器の音色に飽きた人にもちょうど良いバンドです。

 

 

 

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