2019/08/29
ジェームズ・メイソンの ギターカッティングがかっこいい! レアなジャズファンク・アルバム 『Rhythm Of Life』を聴こう♪
メロウ・グルーヴ・クラシック!ジェームズ・メイソンの唯一のリーダー作『Rhythm Of Life』をご紹介します。
レア・グルーヴ盤としても人気のコズミック・ファンク・サウンド!
今回ご紹介するのは、70年代のロイ・エアーズのバンドに参加していたギタリストのジェームズ・メイソンの『Rhythm Of Life』です。
本作は1977年にリリースされたジェームズ・メイソンの唯一のリーダー作になります。
まるで同時期に活躍したウェルドン・アーヴィンやロニー・”リストン”・スミスのようなコズミック・ファンク・サウンドが特徴の名作です♪
特にジェームズ・メイソンによるキレの良いギター・カッティングの鋭さは、ファンク・ギター好きの人は必聴です!
それではさっそくご紹介したいと思います。
James Mason – 『Rhythm Of Life』
01.Sweet Power Your Embrace
02.Good Thing
03.Free
04.Mbewe
05.Funny Girl
06.Slick City
07.Rhythm Of Life
08.Hey Hey Hey
09.I’ve Got My Eyes On You
10.Dreams
– CD Bonus Tracks –
11.I Want Your Love
12.Nightgruv
13.Sweet Power Your Embrace [Single Edit]
14.Sweet Power Your Embrace [Unreleased Mix 1977]
Personnel:
James Mason – Guitar, Piano, Electric Piano, Synthesizer, Vocal on Track 08
Clarice Taylor – Vocals
Mbewe Ninoska Escobar – Backing Vocals
Justo Almario – Saxophone
Philip Woo – Piano on Tracks 04, 08
Gene Torres – Bass
Narada Michael Walden – Drums on Tracks: 01 to 06, 08, 10
Dwayne Perdue – Drums on Tracks: 07, 09
Mustafa Ahmed – Congas
アルバムの内容
ジェームズ・メイソンの唯一のリーダー作『Rhythm Of Life』の基本となるサウンドは、70年代後半に多く見られたスペイシーなエレピやシンセサイザーの音色が目立つフュージョン系の音作りが中心となっています。
それは1曲目の”Sweet Power Your Embrace”が始まってすぐに聴くことが出来ます。
モーグシンセサイザーの遠くから響くような音が鳴り始め、フェンダーローズと思われるエレピが低音中心でこの曲のテーマであるリフを奏で始めます。
この辺の電子鍵盤系の楽器を演奏しているのもジェームズ・メイソン本人の様です。
メインのリフが始まると、キレの良いギターカッティングやグルーヴィーなベースとドラムのリズム隊、そしてユニゾンでテーマを吹くサックスなどの他の楽器陣も演奏に参加していきます。
そのまま楽器陣だけで2分以上演奏が続きます。
「インストの曲なのかな?」と思い始めた2分42秒から女性ボーカリストのクラリス・テイラーによる歌が始まります。
といってもほとんど曲名の”Sweet Power Your Embrace”と少しの単語を繰り返しているだけなので、歌詞にそこまで意味はないと思われます。
むしろボーカルも楽器の一部として聴くのが良いと思います。
この作品は、歌の背景にある歌詞を考察するためのものではありません。
楽器陣の素晴らしいアンサンブルを聴くのが一番良い聴き方だと思います。
とにかくジェームズ・メイソンのキレッキレのリズム・ギターとジーン・トーレスのベースとナラダ・マイケル・ウォルデンのドラムが作り出すグルーヴを楽しみましょう♪
ちなみに曲の後半の4分34秒辺りから最後にフェードアウトするまでギター・ソロがあります。
サックスのソロと交わるように少し歪んだオーバードライヴ・サウンドのギター・ソロが始まります。
5分6秒辺りから繰り返しのシーケンス・フレーズが始まり、そこにサックスも同じようなフレーズで絡んできて盛り上がったまま曲はフェードアウトします。
この1曲目の雰囲気が基本となり他の楽曲もそれに続きます。
オシャレなボーカルが活躍する2曲目の”Good Thing”に、コンガのリズムがファンキーな3曲目”Free”と歌モノ曲が2曲続きます。
4曲目”Mbewe”は、ピアニストのフィリップ・ウーが加わったインスト曲です。
まるで70年代のドラマのBGMで使われそうなメロディーの楽曲です。
次の5曲目”Funny Girl”と6曲目”Slick City”も引き続きクラリス・テイラーによる歌が中心の楽曲です。
タイトル・トラックの7曲目”Rhythm Of Life”は、かなり速いテンポのフュージョン系ファンク曲です。
アルバム・タイトルに選ばれたのも納得の出来です!
ファンクギター好きは必聴です!
この曲にもかっこいいギター・ソロがあります!
この7曲目と9曲目の”I’ve Got My Eyes On You”のみドラムがデュエイン・パーデュに代わっています。
ナラダ・マイケル・ウォルデンのドラムと比べると細かいリズムで叩いています。
8曲目”Hey Hey Hey”では、再びフィリップ・ウーのボーカルが登場し、なんとジェームズ・メイソン自身も曲の終盤に少し歌っています。
次の9曲目の”I’ve Got My Eyes On You”もドラムがデュエイン・パーデュに代わってタイトル・トラックの”Rhythm Of Life”のような高速ファンク曲に仕上がっています。
個人的には特にこの2曲の出来が素晴らしいと思うのですが、この2曲でドラムを代えたのも楽曲のクォリティーを考えてのことでしょうか。
そしてオリジナル盤の最後の曲となる10曲目”Dreams”は、心地良いグルーヴにオシャレなボーカルが乗っかる楽曲です。
終わりにふさわしい楽曲なのですが、CD盤だとこの後にデモ音源っぽい11曲目の”I Want Your Love”と12曲目の”Nightgruv”が続きます。
そして13曲目と14曲目に”Sweet Power Your Embrace”のシングル・バージョンと未発表だったエクステンデッド(長尺)・バージョンも収録されています。
はっきり言って蛇足です。
未発表曲が聴けるのは嬉しいのですが……そういうのは別の企画盤にまとめて収録してもらいたいところです。
やはりオリジナルの10曲の流れを楽しみたいところですね。
以上、【ジェームズ・メイソンのギターカッティングを楽しむアルバム『Rhythm Of Life』を聴こう♪】でした。
僕がいつもこのブログでご紹介しているオルガン系のジャズ・ファンク作品とはまた違ったフュージョン系のサウンドのアルバムにはなりますが……その代わりこの時代の音楽がお好きな人にはおすすめのアルバムとなっております。
ミーターズ系のイナタいファンクやジェームス・ブラウン系のビシッと決まったファンクものとは違いますので、その辺の音楽がお好きな人はご注意を。
しかしたまには、こういったエレピやシンセが活躍するコズミック・ファンクものも聴いてみてはいかがでしょうか?
アース・ウィンド&ファイアーのアル・マッケイやシックのナイル・ロジャース系のファンク・ギターがお好きな人には特におすすめです。
レア・グルーヴ系としても人気の高いアルバムのひとつです。
また近年のインコグニートやザ・ブランニュー・ヘヴィーズ系のアシッド・ジャズがお好きな人にも、おすすめですよ♪
むしろそういったアシッド・ジャズが生まれた背景には、こういったジェームズ・メイソン達が70年代後半に作り出した音楽が基になっていると言えなくもないですからね。
まぁ何しか、無理やりにでもまとめますと……(笑)
「ファンク」がお好きな人にぜひ聴いてもらいたいアルバムです!
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