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カテゴリー:Music

2019/08/28

60年代風ソウル・ジャズが現代に甦る⁉ザ・ニュー・マスターサウンズのエディー・ロバーツが在籍していたオルガントリオ『The Three Deuces』を聴こう♪

60年代風ソウル・ジャズが現代に甦る⁉エディー・ロバーツがグラント・グリーンになったライヴ盤『Keep On It』!

ギタリストのエディー・ロバーツがザ・ニュー・マスターサウンズ結成前に在籍していたオルガントリオ『The Three Deuces』をご紹介します。

このブログでもちょくちょく登場する60年代オルガン系ソウル・ジャズは、僕が特に好きな音楽ジャンルになります。

 

そんなソウル・ジャズ作品を、これまた僕の大好きなバンドのザ・ニュー・マスターサウンズ(以降:ニューマスター)のリーダーでギタリストのエディー・ロバーツが90年代にリリースしています。

 

そのバンドは、ザ・スリー・デューセズという名前でニューマスターが結成される2~3年前に活動していたオルガン・トリオです。

 

もちろんギターを弾いているのはエディー・ロバーツで、そこにイアン・ローズのオルガンとビル・ホワイトのドラムが合わさるバンドです。

 

ベースラインは、通常のオルガン・ジャズものと同じようにオルガンのフットベースに拠るものです。

 

というわけで、今回はエディー・ロバーツがニューマスター結成前に在籍していたバンド、ザ・スリー・デューセズの1996年のライヴ作品『Keep It On』をご紹介したいと思います。

 

 

The Three Deuces – 『Keep It On (Live At The Yardbird Suite)』

 

01.Keep It On
02.Face To Face
03.Is That All
04.Boogie On Reggae Woman
05.Mr Ed
06.Down At Art’s

 

Personnel:
Eddie Roberts -Guitar
Ian Rose -Hammond Organ
Bill White – Drums

 

– Special Guest –
Sam Bell – Percussion

 

Live at the Yardbird Suite, Leeds, 27th April 1996.

 

アルバムの内容

現在、この作品はまるでベイビー・フェイス・ウィレットのアルバム『Behind the Eight Ball』のようなビリヤードの写真が使用されたジャケット・デザインで再発されていますが、オリジナル盤は壁(?)のような写真に文字が書かれたジャケットです。

 

 

僕の持っているCDはビリヤードのジャケット柄のデザインなのですが、ニューマスターが活躍し始めた2007年に日本限定で再リリースされたものになります。

 

本来は壁(?)のような写真に文字が書かれたジャケットです。

 

個人的にはこのビリヤード・デザインの方がソウル・ジャズらしくって気に入っています。

 

さて、ザ・スリー・デューセズ唯一のアルバムは、英国リーズにある「ヤードバードスィート」というライヴハウスで1996年4月27日に録音されたこの『Keep It On』のみになります。

 

なので、ニューマスター・ファン(特にエディー・ロバーツ・ファン)としては、大変貴重なアルバムだと言えます。

 

なによりも本作のエディー・ロバーツのギターは絶好調なので、エディ・ファンとしては必聴のアルバムだと言えるでしょう。

 

エディー本人もインタビューなどで話しているように、彼の演奏スタイルはグラント・グリーンやアイヴァン・”ブーガルー”・ジョー・ジョーンズにメルヴィン・スパークスや初期のジョージ・ベンソンなどから大きな影響を受けています。

 

クリーントーンのセミアコ(もしくはフルアコ)のギターを使って、ペンタトニック・スケールを中心にメロディアスなギターソロを展開していくスタイルです。

 

ジャズではお馴染みのオクターブ奏法や、ブルース/ロックでお馴染みのチョーキングなどはほとんど使わずに(全く使わないわけではない。)シングル・ノート(単音)を中心に極力シンプルでわかりやすいフレーズを弾いています。

 

本作におけるエディーのギター奏法も、時に高速3連や息もつかぬようなレガートフレーズを使ったり、連続したフレーズを繰り返すシーケンス・フレーズの多用、そしてグラント・グリーンも得意としたジャズ風のスウィープ奏法なんかをよく使っています。

 

なので、エディー・ロバーツ本来のギタープレイを楽しめるという点でも本作はおすすめのアルバムとなっています。

 

ニューマスターの音楽性は、どちらかというと「ファンク」が中心だと思います。

 

ミーターズ風のリフにJB風の勢いあるカッティング、そこにグラント・グリーン風のギターが乗っかるのがニューマスターの基本のスタイルだと思います。

 

そもそもニューマスター自体も「ミーターズ風のバンドをやる」ということで始まっていたはずでしたから。

 

しかしニューマスター以前にエディーが在籍していたこちらのザ・スリー・デューセズの方は、完全にオルガン系ジャズを演奏しています。

 

エディーもニューマスターの時のように、ワウペダルやブースター等のエフェクターを使うことなく、直アンによるクリーントーンでギターを弾いています。(※直アンとは、間にエフェクターなどを挟まずに直接アンプにギターのみを差し込むことです。)

 

そのためちょっとしたミストーンも誤魔化すことの出来ない緊張感と共に熱いライヴ演奏が繰り広げられています!

 

まず1曲目”Keep On It”は、アルバム・タイトルにも使われたエディー・ロバーツ作の熱いソウル・ジャズ曲です。

 

この1曲目から既に本作が名作であることが伝わってきます!

 

まるで60年代のブルー・ノート・レーベルやプレスティッジ・レーベルに残された偉大なるオルガン系ソウル・ジャズ作品が現代に甦ったかのような楽曲です。

 

しかし軽くなりすぎないメロディーの構築やリズムの取り方が現代風で、「新しさ」も感じさせます。

 

60年代の香りを漂わせつつも、明らかに90年代以降に登場し始めた「新世代のグルーヴ」を感じさせてくれます。

 

テーマメロディーを弾くのは、もちろんエディー・ロバーツのギターです。

 

ニューマスターの時みたいにギターを歪ませたり、ワウペダルを使ったりはせず、グラント・グリーン直系の中音域が豊かなクリーントーンで弾いています。

 

そしてこの曲のテーマメロディーが異様にかっこいいんです!

 

今現在は一切演奏されなくなったのがもったいなく感じるとてもかっこいい楽曲です。

 

テーマメロディーのキメのようなパートでは、お得意のトレモロ・ピッキングによる複音フレーズも登場します。

 

テーマが終わるとそのままエディのギター・ソロに移ります。

 

その次にイアン・ローズのオルガン・ソロが始まるのですが、これがまた聴きものです!

 

この人物が今何をしているのか?は、わかりませんが……オルガンの腕前はかなりのものです!

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
熱いオルガン・ソロは必聴です♪

 

1曲目からテンションの高いライヴ盤『Keep It On』は、次の2曲目”Face To Face”で楽しくなっていきます♪

 

“Face To Face”は、先に登場していたオルガン奏者のベイビー・フェイス・ウィレットが1961年にブルー・ノート・レーベルに残した作品『Face To Face』収録のソウル・ジャズ曲です。

 

 

アルバム『Face To Face』には、本家グラント・グリーンも参加しています。

 

なので、エディーのお気に入り曲を取り上げたという感じでしょうか。

 

オリジナル録音にはフレッド・ジャクソンがサックスを吹いていましたが、本作ではエディーのギターがテーマを弾いています。

 

ベイビー・フェイスのバージョンとは違い、本作にはニューマスター時代にもよく共演しているパーカッション奏者のサム・ベルが参加しているため、よりリズム面を強調したグルーヴィーな演奏に仕上がっています。

 

テンポもかなり速めで、勢い重視といったところでしょうか。

 

エディーは、自分の好きなグラント・グリーンやブーガルー・ジョーンズになりきって気持ちよくギターを弾いています。

 

ここでもオルガンのソロが燃え上がります!

 

本当に今何しているんでしょうかね?これだけ弾けるのにもったいない……(笑)

 

3曲目”Is That All”は、”Face To Face”と似た雰囲気のオリジナルの楽し気なソウル・ジャズ曲です。

 

1分35秒辺りのシーケンス・フレーズ→トレモロ・ピッキングの合わせ技や1分58秒辺りの細かくスライドを繰り返す個所は、グラント・グリーンや初期のベンソンを感じさせますね。

 

4曲目”Boogie On Reggae Woman”は、ご存じスティーヴィー・ワンダーの名曲カヴァーです。

 

2008年に発掘されたスタッフの『Live at Montreux 1976』でも取り上げられていましたね。

 

 

スタッフのバージョンではコーネル・デュプリーがテーマを弾いていましたが、本作ではもちろんエディ・ロバーツがギターで弾いています。

 

この曲での細かいスライドによるフレージングや繰り返しフレーズの多用もエディ・ロバーツならではの演奏です。

 

5曲目”Mr Ed”は、ファンキーなギターのイントロから始まるオリジナルのソウル・ジャズ曲です。

 

ここではイアン・ローズのオルガンがテーマからソロまで大活躍しています。

 

最後の6曲目”Down At Art’s”は、ザ・スリー・デューセズの1stシングルにも選ばれた楽曲です。

 

当時のライヴでは、このバンドの定番の人気曲だったようです。

 

個人的には1曲目の”Keep It On”の方がかっこいいとは思うのですが、ノリの良さや聴きやすさはこの曲の方が上かもしれませんね。

 

エディーのギター・ソロは、60年代のベンソンを彷彿させる6連フレーズやスウィープも登場しています。

 

 

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
おすすめ曲は、#1 #2 #4 #6

 

 

以上、【60年代風ソウル・ジャズが現代に甦る⁉ザ・ニュー・マスターサウンズのエディー・ロバーツが在籍していたオルガントリオ『The Three Deuces』を聴こう♪】でした。

 

僕のような60年代ソウル・ジャズ好きとしては、このザ・スリー・デューセズの『Keep It On』は、とても好きな作品なのですが……しかしニューマスターの音楽性と比べるとなるとどうしても地味で古臭くは感じてしまいます。

 

その後エディー・ロバーツがニューマスターを結成することになって良かったかなといったところです。

 

残念ながらこのザ・スリー・デューセズのような音楽性だと、ニューマスターのように世界的なヒットはしていなかったことでしょう。

 

もしそうだとしても、僕を含めオルガン・ジャズ好きの人ならこの作品の存在に気付いてはいるかもしれませんが、エディー・ロバーツというギタリストも「本当に知る人ぞ知る」という存在になっていたかもしれません。

 

本作に参加しているオルガン奏者のイアン・ローズのように「上手いプレイヤーなんだけど、今はどこで何してるんだろう?」状態になっていたかもしれませんよね。

 

そう考えると、ザ・スリー・デューセズでの活動はこの作品のみにして、その後ニューマスターで大活躍したことはーエディ・ロバーツ的にも成功だったのかもしれないですね。

 

本作は、ニューマスター好きの人はもちろん、60年代ソウル・ジャズ好きの人にもおすすめしたいアルバムです。

 

ジミー・スミスやジミー・マクグリフ等が好きで、オルガン・ジャズの熱いライヴ盤が聴きたいという方はぜひ!

 

 

 

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