カテゴリー:Music

2019/01/04

ルー・リードの名盤『Transformer(トランスフォーマー)』をワイルドサイドを歩きながら聴こう♪

デヴィッド・ボウイとミック・ロンソンがプロデュースしたルー・リードの名盤『Transformer』をワイルドサイドで聴こう♪

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドからソロ・アーティストへ!

今回はニューヨークを代表するロック・ミュージシャンの代表作をご紹介します。

 

それもニューヨークの裏世界の代表です!(笑)

 

ビリー・ジョエルが表世界のニューヨーク代表だとしたら、ルー・リードはまさに裏世界のニューヨーク代表ですね。

 

1967年に現代芸術家のアンディ・ウォホールの力を借りてヴェルヴェット・アンダーグラウンドという伝説的なロック・バンドのフロントマンを務めたのがこのルー・リードです。

 

正直、歌はヘタなのですが……曲作りの才能は天才的です。

 

ギターもそこそこ弾けます。

 

普段はリズムギターを弾くことが多いのですが……1990年代にヴェルヴェット・アンダーグラウンド(以下:ヴェルヴェッツ)が再結成した際に、ジョン・ケイルのフリーキーなバイオリン演奏に合わせて、ノイズまみれでメロディーライン無視の轟音ギターソロをアドリヴで弾いていたのは、楽器演奏の技術面を超えた何か芸術を生み出している瞬間のような名場面でした。

 

その精神は、ソニック・ユースのサーストン・ムーアに受け継がれていると感じます。

 

また当時のニューヨークの裏社会《麻薬・売春・殺人》などをそのまま表現したような歌詞も鮮烈でした!

 

僕が初めてヴェルヴェッツを聴いたのは、大学生の頃だったのですが、音の古さよりもテクニックを超えた何かを感じました。

 

ジャズやブルースを聴いた後に聴くと、はっきり言って演奏はヘタです。

 

R&Bやポップスを聴いた後で聴くと、歌もだいぶヘタです。

 

近年のオルタナ/グランジを聴いた後に聴くと、古臭く感じます。

 

しかし、そのどれもには存在し得ないアート性が感じられました。

 

ルー・リードの書く曲を聴くと、なぜかアート作品のように聞こえます。

 

僕も実際にNYに旅行することがあるのですが、初めてMoMA(ニューヨーク近代美術館)に行ってアンディ・ウォホールの作品を生で観た時は、ビリー・ジョエルが頭をよぎることはありませんでした。(笑)

 

その時は今回ご紹介する『Transformer』に収録されている”Satellite Of Love”が頭の中で流れ続けました。

 

この曲は、U2がカヴァーしていたので先にそっちで聴いたのと、当時は映画『ヴェルヴェット・ゴールドマイン』の挿入歌として使われていたので知りました。

 

 

あの映画はデヴィッド・ボウイとイギー・ポップをモデルにした2人のキャラクターを中心に物語が展開されていますが、やはりこの2人が登場すると忘れてはいけないのがルー・リードの存在ですね。

 

1970年にヴェルヴェッツを脱退したルー・リードは、その後ソロ活動を行うようになります。

 

1972年にファースト・ソロ作品の『Lou Reed』をリリースしますが、どうもイマイチな出来でした……。

 

「ロックの幻想」なんていう、なんとも言い得て妙な邦題まで付けられていました……。

 

そこで、本作制作前の2か月前に名盤『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars(ジギー・スターダスト)』をリリースしたばかりのデヴィッド・ボウイが、当時ボウイのバンドにいたミック・ロンソンと組んでプロデュースしたのがこの『Transformer』になります。

 

ルー・リードにとって2作目のソロアルバムなのですが、実質的には本作がルー・リード復活の始まりだったと言ってよいでしょう。

 

 

Lou Reed – 『Transformer』

01.Vicious
02.Andy’s Chest
03.Perfect Day
04.Hangin’ Round
05.Walk On The Wild Side
06.Make Up
07.Satellite Of Love
08.Wagon Wheel
09.New York Telephone Conversation
10.I’m So Free
11.Goodnight Ladies
– Bonus Tracks –
12.Hangin’ ‘Round [Acoustic Demo]
13.Perfect Day [Acounstic Demo]

 

Personnel:
Lou Reed – Vocal & Guitar
Mick Ronson – Guitar
Herbie Flowers, Klaus Voorman – Bass Guitar
Herbie Flowers – Double Bass
Barry Desouza*, John Halzey*, Ritchie Dharma – Drums
David Bowie, Mick Ronson, The Thunder Thighs – Backing Vocals

 

 

アルバムの内容

ギターを抱えてメイクアップしたルー・リードの表ジャケットと、ジーンズが破けそうなぐらいモッコリさせたゲイ風の男に見つめられ股間を押さえる女装したドラッグクイーンという衝撃的な裏ジャケのデザイン……ん~なんともニューヨークな感じ!

 

『Transformer』というタイトルも、あのコンボイが出てくる変形ロボットアニメとは関係なくって「性転換」の意味合いだと思います。

 

しかしルー本人はこういったことには無頓着だったようで、単に当時のニューヨークの状況を歌にしたんだと思います。

 

メイクアップに関しても、ボウイを始めとするグラム・ロックが流行っていたからなんでしょう。

 

まぁしかしそういった危なっかしい表現も、世界一の大都会ニューヨークのイメージの一つですね!

 

さて、1曲目”Vicious”からヴェルヴェッツ時代のようなロック・ソングで始まります。

 

どことなくヴェルヴェッツ時代の名曲にしてルーの生涯を通しての代表曲”Sweet Jane”と似た雰囲気の曲です。

 

ルーの歌いだしと同時に、ミック・ロンソンのギラついたエレクトリック・ギターのリフが鋭く刻み込んできます!

 

これこれ、これですよね!

 

1stアルバムに足りなかったのは、このギターです!

 

ロックをやるならギラついたギターは不可欠なんです!

 

ルーの歌い方は相変わらず詩を朗読しているビートニク気分なのですが……ミック・ロンソンのギターとおそらくボウイによるキャッチーなアレンジがこの曲を印象的なものに仕上げています。

 

ルー・リードってアートな曲作りの才能に溢れた不世出の天才だと思うのですが、どうもわかりづらい曲調や盛り上がりどころがない曲も多く書いていると思います。

 

そこをボウイのキャッチーなアレンジによって誰にでも聴きやすい曲に変わっています。

 

この曲は、これ以降のルー・リードのライヴの定番曲になりました。

 

ライヴではミック・ロンソンのギターパートをロバート・クインが痙攣するようなビブラートをかけて弾いていました。

 

ちなみに”vicious”とは「不道徳」という意味です。

 

1曲目から最高の曲名で幕を開けます!(笑)

 

2曲目”Andy’s Chest”のアンディとは、もちろんアンディ・ウォホールのことです。

 

“chest”は「胸、胸郭、肺」の意味で、アンディ・ウォホールの胸の傷を表していると同時に、アンディ・ウォーホルの実験室とでも言うべき「ファクトリー」のことでもあります。

 

“chest”のもうひとつの意味に「収納箱」や「金庫」の意味があります。

 

ルー・リードもヴェルヴェッツの初期の時代は、ウォーホルの「ファクトリー」に入り浸っていたようです。

 

その時の体験などもこの曲のテーマになっているのでしょう。

 

英単語には、それ1語に様々な意味合いが含まれていることがあります。

 

それが難しい部分でもありますし、面白いところでもありますよね。

 

まさに文学向けの言語だなって思います。

 

ボウイの「パパパパパ~パ~♪」というコーラスが可笑しいです。(笑)

 

3曲目”Perfect Day”は、ルーの作った数々の曲の中でも特に素晴らしい出来だと思う名曲です!

 

ミック・ロンソンの弾くピアノのメロディーに導かれルーが静かに歌いだします。

 

この曲は、ルー・リードが最初の妻であったベティ・クロンスタッドと共にニューヨークのセントラル・パークで一緒に過ごした長い時間の中で書かれています。

 

ストリングのアレンジがとても感動的です。

 

CD盤のボーナストラックとして13曲目にこの曲をアコースティック・ギターで弾き語ったデモ・バージョンも収録されています。

 

このデモの時点でも既に素晴らしい曲なのですが、更にボウイとミック・ロンソンのアレンジを加えることでルーの代表曲へと進化していったということが聴き比べてみてわかりますね。

 

僕は、やはりデモよりもこの完成品の”Perfect Day”の方が感動的だと思います。

 

4曲目”Hangin’ ‘Round”も12曲目にアコギの弾き語りデモが収録されています。

 

デモだとフォークソングっぽいですが、アルバム収録バージョンではロックにアレンジされています。

 

5曲目”Walk On The Wild Side”は、ルー・リード一番の代表曲にして有名曲ですね♪

 

様々なジャンルのミュージシャンがカヴァーする名曲です!

 

ウッドベースの印象的なベースラインに、ボウイの弾く軽やかなアコギの音色……そして女性コーラス隊の「ドゥットゥルットゥル♪」という小粋なコーラス部分……名曲です!

 

ちなみに歌詞にある”Hey babe, take a walk on the wild side”というのは、当時のニューヨークの売春婦が客に声を掛ける時の決まり文句でした。

 

“Hey babe”が”Hey honey”だったり南部訛りの”Hey sugar”だったり色んな地域の女性がニューヨークにやってきていますね。(笑)

 

さすが「人種のるつぼ」です。

 

曲の最後にバリトン・サックスを吹いている人物ロニー・ロスは、幼少期のボウイのサックスの家庭教師をしていた人物でもあります。

 

男性が化粧することを歌ったチューバの音が印象的な6曲目の”Make Up”を挟んで、7曲目に僕の一番好きなルー・リードの曲”Satellite Of Love”が始まります。

 

この曲は、ヴェルヴェッツ時代からデモ制作されていました。

 

そのデモ音源が聴けるのは、下記のCDセットになります。

 

1995年にリリースされたCD5枚組ボックスセットの『Peel Slowly And See』に収録されていました。

 

 

このボックスセットのDisc-5の11曲目にバンドで演奏した”Satellite Of Love”が収録されています。

 

サビ部分の歌い方が異なっています。

 

このままでは印象が薄い気がしますね……。

 

1997年にリリースされたヴェルヴェッツの4作目『Loaded』のフル・エディションの2枚組CDセット『Loaded (Fully Loaded Edition)』にも収録されています。

 

 

Disc-2の13曲目に別バージョンのデモ音源が収録されています。

 

こちらにはバックコーラスが入っていません。

 

ルー・リードがひとりで歌っています。

 

しかしこの曲にはやはりバックコーラスが必要なんだなって『Transformer』収録のバージョンを聴くと感じますね。

 

曲の終盤にボウイの喉がはち切れそうなコーラスを聴くと、音楽って凡曲でもアレンジ次第で名曲に変えることが可能なんだな~と感じます。

 

またヴェルヴェッツ時代の荒いギターサウンドよりも、こちらのミック・ロンソンの流れるようなピアノのメロディーの方がより洗練された曲調に進化していると思えます。

 

サビ部分の歌い方を変えたことで、初めてこの曲を聴いた人でも口ずさめそうなぐらいキャッチーに変わっています。

 

またブリッジ部分の”I’ve been told that you’ve been bold~”の前に一旦ブレイクを入れて演奏が止まるところにボウイのセンスを感じます。

 

ヴェルヴェッツ時代のデモ音源ではそのままギターをジャカジャカ♪弾いて、少し時代遅れの60年代ロック風なのですが、ボウイのこのアレンジによって洗練された曲へとなっています。

 

この後も4曲ほど続きますが……特に目立つ曲でもないのでここで終わっておきます。(笑)

 

“Perfect Day”と”Walk On The Wild Side”と”Satellite Of Love”というルー・リードのキャリアを代表する名曲が3曲も収録されたアルバムということで、もう十分だと思います。

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
おすすめ曲は、#1 #3 #5 #7

 

以上、【デヴィッド・ボウイとミック・ロンソンがプロデュースしたルー・リードの名盤『Transformer』】のご紹介でした。

やはり”Perfect Day”、”Walk On The Wild Side”、”Satellite Of Love”の3曲は、ロック好きの方は必聴の名曲だと思います!

 

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