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カテゴリー:Music

2018/12/30

ジョージ・ベンソンが原点回帰した⁉2011年の名盤『Guitar Man』を聴こう♪

ギターだけでなくボーカルも超一流のジャズ・ミュージシャン、ジョージ・ベンソン!

2018年度の締めはジョージ・ベンソンで!

今年最後のアルバム紹介になります。

 

ちなみに昨年の最後はフリージャズの作品で終わりました。

 

それはオーネット・コールマンの名盤『At the Golden Circle』の2枚のご紹介でした。

 

【フリージャズの名盤!】ゴールデン・サークルのオーネット・コールマンの衝撃!

年末はずっとブルース系のご紹介が続きましたが、やはり今年も最後はジャズにしようと思います。

 

といったわけで、今年最後のアルバムご紹介は、僕の好きなジャズ・ギタリストのひとり、ジョージ・ベンソンにしました!

 

しかも最近の作品です!

 

2011年にリリースされた原点回帰とも言えるギター多めの名盤『Guitar Man』をご紹介したいと思います。

 

この『Guitar Man』は今のところ、ナット・キング・コールのトリビュート作となった2013年の『Inspiration a Tribute to Nat King Cole』を省けば、最新のオリジナル・アルバムとなります。

 

今年最後をこの作品に決めたのは、もちろん僕がこのアルバムが大好きだからです。

 

 

 

ギターもボーカルも超一流のジョージ・ベンソン!

 

ベンソンは、ギターの腕は言うまでもなく超一流です。

 

それも単なる超一流ってだけでなく、ウェス・モンゴメリーやジョー・パスにジム・ホールらと同じようにジャズ・ギターの歴史に永久に残る程のレベルの高さです!

 

しかしそれだけでなく、ベンソンはボーカルまで超一流です!

 

もちろんベンソンは、ギタリストとしてデビューしているのですが…

 

良くも悪くも歌がうますぎるので、70年代後半~80年代ごろはAOR系のボーカル作品を多く作っていました。

 

その当時も、ちょくちょく原点回帰してマッコイ・タイナーと共演してジャズ・アルバムも制作していました。

 

しかし90年代から2000年代になってまたボーカル作品が多くなっていった気がします。

 

僕も嫌いではないのですが、2004年リリースの『Irreplaceable』はもはやジャズ・ギタリストとしてのベンソンが感じられないような歌モノ・アルバムでした。

 

当時の音楽シーンに合ったような、コンテンポラリーなR&B作品ではあったのですが、「これってベンソンが歌う必要あるのかな?」と思ってしまうこともあります。

 

エリック・ベネイやジャヒームとかブライアン・マックナイト辺りに歌ってもらったらいいんじゃないかと。

 

やはり個人的にはベンソンにジャズ・ギターを弾きまくってもらいたいと思います。

 

僕の望むベンソンのアルバムは、スムース・ジャズ・ギターの始祖とも言うべきベンソンの卓越したジャズ・ギターをたっぷり聴けるアルバムです。

 

それから2009年に『Songs and Stories』を挟んで、ついに2011年になって僕の待ち望んでいたようなアルバムがリリースされることとなりました!

 

当時、事前情報で最新作のタイトルが『Guitar Man』になると知ってすごく期待しました!

 

発表されたアルバムのジャケット・デザインを見ても、ベンソンが愛用のアイバニーズのフルアコを持っている写真だったので期待も倍増です!

 

そして作品を買って聴いてみると…驚きの1曲目で始まりました!

 

果たしてその1曲目の内容とは⁉

 

それでは、アルバムのご紹介をしていきたいと思います。

 

 

George Benson – 『Guitar Man』

01.Tenderly
02.I Want To Hold Your Hand
03.My Cherie Amour
04.Naima
05.Tequila
06.Don’t Know Why
07.The Lady In My Life
08.My One And Only Love
09.Paper Moon
10.Danny Boy
11.Since I Fell For You
12.Fingerlero

 

 

アルバムの内容

さて、さっそく先ほどの驚きをご紹介したいと思います。

 

1曲目のジャズ・スタンダード曲”Tenderly”は、なんとベンソンがナイロン弦のアコースティック・ギターでソロ演奏をしています。

 

イントロからテーマメロディーにギターソロから曲の最後までベンソンがギター1本で独奏しています。

 

さすがの腕前です!

 

過去にベンソン・チルドレンのひとりでもあるロドニー・ジョーダンが、ベンソンの自宅スタジオを訪れた際にベンソンがひとりで1時間以上もソロギターを演奏しているのを観たらしいです。

 

その時の演奏があまりにも素晴らしかったので、「(ベンソンが)ソロギターのアルバムを残していないのが残念でしょうがない!」とロドニー・ジョーダンは言っていたようです。

 

ベンソン自身は、長年バンドの中でプレイすることに慣れていたけれども「ギター1本でプレイしたら一体どんな感じなんだろう?」とふと思って今回この”Tenderly”を独奏するに至ったようです。

 

ギターのチューニングは、6弦のEの音を1音下げたドロップ・D・チューニングで演奏しているようです。

 

これはコード音に混ぜてベース音を自分で弾くためだと思います。

 

テンポはルバートであえて揺らぎを残したラフな演奏をしていますが、速いテンポのクロマチック・ラインの下降フレーズやセンスあるダブルストップの使用など高度なテクニックは申し分ない名演に仕上がっています!

 

もうこの1曲目だけで、本作が素晴らしい名盤に仕上がっているんだろうと感じさせてくれています。

 

ちなみにケニー・バレルも2011年にリリースした『Solo Guitar Concert』で”Tenderly”を演奏しています。

 

 

2009年にケニー・バレルがソロギター・ライブを行った際の音源です。

 

本作のベンソンの演奏とケニー・バレルの演奏とを比べてみるのも面白いかと思いま♪

ジャズ・ギター好きは、どちらの作品も要チェックですね♪
次の2曲目のビートルズの曲”I Want To Hold Your Hand”と、少し飛ばして5曲目の”Tequila”はどちらもバンド形式で演奏されているのですが、これはもちろんグラント・グリーンとウェス・モンゴメリーの影響のようです。

 

“I Want To Hold Your Hand”は、グラント・グリーンが1965年に同名タイトルのアルバム『I Want To Hold Your Hand』で取り上げていました。

 

 

そして”Tequila”の方は、1966年にウェス・モンゴメリーがこれまた同名タイトルのアルバム『Tequila』で取り上げていました。

 

 

ベンソンはこの2人の先人たちから大きな影響を受けています。

 

その昔、グラント・グリーンとよくつるんでいたベンソンが、2人で一緒にウェスのライヴを観にいたところ、そこには同じくウェスの演奏を聴きに来たパット・マルティーノがいたらしいです。

 

ライヴ終了後にウェスも併せてこの4人で朝までギター談義が繰り広げられたとさ…。

 

ジャズ・ギター好きからしたら夢のような豪華な組み合わせですよね!

 

ちなみに本作収録の”I Want To Hold Your Hand”には、サイドギターでマイケル・ジャクソンのアルバムでお馴染みのギタリスト、ポール・ジャクソン・ジュニアが参加しています。

 

この曲でもベンソンは、ナイロン弦のアコースティック・ギターで演奏しています。

 

歌は歌わず、グラント・グリーンのようにギター・インストで演奏しています。

 

もちろんグラントのように歌心抜群のギターは、もはやボーカルいらずの腕前です!

 

アレンジもゆったりとオシャレで、ビートルズの曲だって忘れてしまいそうなぐらいです。

 

僕の勝手な思い出話なのですが、この曲を聴くと…イタリアに行った時に観たカプリ島の美しい海岸線を思い出します。(当時はまだこの作品はリリースされてはなかったんですがね。)

 

雲一つない晴れたヨーロッパの海の街で朝日を眺めながら聴きたくなるような素敵な演奏です。

 

“Tequila”の方には、ベースに初期のクリスチャン・スコットのバンドにも参加していたベン・ウィリアムス、ドラムにベンソンの盟友ともいえるフォープレイのハーヴィー・メイソンが参加しています。

 

どちらも超一流のリズム・プレイヤーですね♪

 

ピアノには、まだ亡くなる前だったジョー・サンプルが参加しています。

 

ウェスに敬意を表してオクターヴ奏法も交えたギターソロをベンソンが弾きまくっています!

 

こういうベンソンのジャズ・ギターを待ってました!という名演です。

 

ジョー・サンプルのファンキーなピアノソロも最高です♪

 

さて、3曲目に戻りましょう。

 

3曲目はスティーヴィー・ワンダーの名曲中の名曲”My Cherie Amour”です。

 

この曲でもベン・ウィリアムスとハーヴィー・メイソンの最強のリズム隊がバックを支えています。

 

またこの曲ではベンソンがボーカルもとっています。

 

過去にスティーヴィー・ワンダーの”Lately”を取り上げた際は、ボーカルは取らずにギター・インストでカヴァーしていたのですが、今回の”My Cherie Amour”は歌いたかったようです。

 

もちろん歌も上手いベンソンなので特に問題なく名演に仕上がっています。

 

ギターソロは、ベンソンお得意のスキャットしながらユニゾンでギターソロを弾いています。

 

“I Want To Hold Your Hand”と”My Cherie Amour”とポップな曲が続いた後は、なんとジョン・コルトレーンの名バラード曲”Naima”が登場します。

 

こちらの曲もナイロン弦のアコースティック・ギターで演奏しています。

 

先ほどと同じリズム隊の2人とデヴィッド・ガーフィールドのピアノがバックで静かにベンソンのギター演奏を支えてくれています。

 

意外な選曲のようにも感じるのですが、ベンソンによると、生前のコルトレーンに何度か会ったことがあるらしいです!

 

初めてコルトレーンに会ったときは、感動で身体が震えたのだとか、その気持ちなんとなくわかる気がします。

 

このブログのプロフィール欄にもあります通り、僕は音楽家としてはジョン・コルトレーンを一番尊敬しています。

 

僕が生まれるよりも遥か以前にコルトレーンは亡くなっているのですが、もし過去の人物で誰か1人だけ会えるとしたら、僕は迷わずコルトレーンに会って、生で演奏を聴かせてほしいと思います。

 

ベンソン自身もこの”Naima”をいつか自分のアルバムに収録しようと思っていたようです。

 

次の5曲目の”Tequila”は先ほどご紹介しましたので、1つ飛ばして6曲目の”Don’t Know Why”です。

 

もちろんノラ・ジョーンズが歌ったあの大ヒット曲です!

 

 

この名曲をキーボードとパーカッションのみをバックにベンソンがナイロン弦アコースティック・ギターを弾いています。

 

あえて歌わずインストで演奏しています。

 

本作収録曲で僕が一番気に入ってるのは、インストで演奏したこの”Don’t Know Why”です。

 

次の7曲目”The Lady In My Life”は、ロッド・テンパートンが書いた曲です。

 

マイケル・ジャクソンのモンスター・アルバム『Thriller』の最後に収録されていた名バラード曲です。

 

 

この曲にこそポール・ジャクソン・ジュニアが参加すべきなのに、なぜか参加はしていません。

 

ベンソンはギター・インストで演奏しています。

 

曲の最初の方ではシングルトーン中心でギターを弾いているのですが、ブリッジ部分のメロディーからオクターヴ奏法に変わっていくところがスリリングです!

 

ギターソロでは、相変わらずのセンス溢れるダブルストップを交えてソウルフルに弾ききっています。

 

8曲目”My One And Only Love”は、グラント・グリーンやウェス・モンゴメリーなど多くのジャズ・ギタリストが取り上げたスタンダード曲です。

 

この名バラードのイントロをベンソンが約1分ほどギターで独奏した後、バンドが入ってきてベンソンが歌いだします。

 

まるでジョン・コルトレーンがジャズ・ボーカリストのジョニー・ハートマンと共演した1963年の『John Coltrane & Johnny Hartman』のようでもあります。

 

 

相変わらず全く違和感なく歌いあげています。

 

本業ジャズ・ギタリストなのに歌が上手すぎてボーカリスト顔負けのベンソンですね!

 

9曲目”Paper Moon”は、ナット・キング・コールがピアノで演奏した”It’s Only a Paper Moon”のことです。

 

ベンソンってほんとナット・キング・コールがお好きなんですね。

 

ジョー・サンプルのピアノをバックにベンソンはギターでこの曲を小粋に弾ききっています。

 

10曲目”Danny Boy”もビル・エヴァンスやジョニー・キャッシュにアンディ・ウィリアムスなど多くのミュージシャンがカヴァーしたアイルランドの民謡の曲です。

 

この曲を取り上げた理由として、ベンソンは自分にはアイルランドとウェールズの血が流れているからだと語っています。

 

イントロでは、アイルランドのケルト・ミュージックなんかでよく聴くことのできるバグパイプの音をベンソンがギターで再現しています。

 

これはギターの1弦開放弦の音に、5フレットや7フレットのスケール上の音を素早くハンマリングして出すことが出来ます。

 

難しい奏法ではないのですが、ノイズの一切ない綺麗な音を出そうとするとかなりの集中力が必要となってきます。

 

バグパイプ奏法の後は、この曲もベンソンのアコースティック・ギターの独奏を聴くことが出来ます。

 

11曲目”Since I Fell For You”は、バディ・ジョンソンが書いた美しいバラード曲です。

 

ジャズ・トランぺッターのリー・モーガンが1958年の名盤『Candy』で取り上げていた曲です。

 

 

その他に1963年に歌手のレニー・ウェルチが歌ったボーカル・バージョンもあります。

 

 

本作ではベンソンがレニー・ウェルチのようにソウルフルに歌い上げています。

 

そして最後の12曲目”Fingerlero”は、70年代にベンソンのバンドにも参加していたオルガン奏者のロニー・フォスターが書いた曲のようです。

 

ロニー・フォスター自身は参加していませんが、ジョー・サンプルやベン・ウィリアムスにハーヴィー・メイソンがバックを固めています。

 

ベンソンがお得意のスムース・ジャズ系の楽興です。

 

イントロからさっそくスキャットしながらユニゾンでギターを弾いています。

これこそまさにベンソン印の楽曲ですね♪

 

特にギター・インストで演奏した“Don’t Know Why”は必聴です♪

 

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以上、【ジョージ・ベンソンが原点回帰した⁉2011年の名盤『Guitar Man』】のご紹介でした。

 

今年最後のアルバムご紹介は、僕が自信を持っておすすめするジョージ・ベンソンの素晴らしい名盤『Guitar Man』でした。

2018年度最後のアルバムご紹介に、自分が大好きな作品をご紹介できて良かったと思います。

 

もちろんこの作品を聴きながら書きました♪

 

また来年も引き続き、ジャズにブルースにR&Bやファンクにレア・グルーヴ系など幅広い音楽をご紹介していきたいと思います。

 

ぜひ今後もこのブログを読みに来てください♪

 

 

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