2019/06/05
さぁファンキーな音楽を演奏しよう!米国白人ファンク最高峰⁉ワイルドチェリーを聴こう♪
ワイルドチェリーが1976年にリリースしたデビュー作『Wild Cherry』をご紹介します。
“Play That Funky Music”の大ヒットで有名な米国白人ファンク・バンドの最高峰⁉
前回のスレイヴに引き続きこちらもオハイオ・ファンクです!
米国オハイオ州で結成されたこのワイルドチェリーは、バンドリーダーのボブ・パリッシを中心にメンバー全員が白人で構成されています。
「ファンク=ブラック・ミュージック」の公式から外れるバンドです。
“Pick Up The Pieces”のヒットで有名な英国スコットランド出身のアヴェレージ・ホワイト・バンドも同じ白人ファンク・バンドですが、こちらのワイルドチェリーの方はブラック・ミュージックの本場アメリカのバンドです!
今でこそ白人ファンク・バンドも特に珍しくはないのですが、当時としては新鮮だったと思います。
そんなワイルドチェリーの1976年のデビュー作『Wild Cherry』を今回はご紹介したいと思います。
Wild Cherry – 『Wild Cherry』
01.Play That Funky Music
02.The Lady Wants Your Money
03.99½
04.Don’t Go Near the Water
05.Nowhere to Run
06.I Feel Sanctified
07.Hold On
08.Get It Up
09.What in the Funk Do You See
アルバムの内容
当時のファンク・バンドらしい(?)なんとも卑猥なアルバム・ジャケットなのですが、このデザインからしても「ファンクを演奏するバンド!」だというのが伝わってきますね。
1976年にリリースされたこのデビュー作『Wild Cherry』は、何と言っても1曲目の代表曲”Play That Funky Music”が有名ですね。
ワイルドチェリーのことは知らないけれども、この曲だけは知っている!といった方も多いと思います。
もちろんこの曲は全米1位を記録した大ヒット曲です!
実は僕がこの曲を知ったのはワイルドチェリーのオリジナル・バージョンからではありませんでした。
僕が知ったのは英国のハードロック・バンドのサンダーがカヴァーしていたバージョンを先に聴いてからでした。
そのサンダーのバージョンの”Play That Funky Music”が収録されていたのが1999年にリリースされた6thアルバムの『Giving the Game Away』でした。
アルバムに収録されているだけでなくシングルカットもされています。
当時まだ10代だった僕は70年代のバンドのワイルドチェリーのことなど知りもしなかったです。
しかしエアロスミスでハードロックには目覚めていたので、その繋がりからサンダーは4thアルバムの『Behind Closed Doors』からリアルタイムで聴いていました。
そして1999年になり『Giving the Game Away』の7曲目に収録されていた”Play That Funky Music”を聴いてこの曲のことを知りました。
最初に聴いた時からすぐに「他の収録曲とは毛色が違うな~」と思ったのですが、ライナーノーツを読んで70年代のファンク・バンドのワイルドチェリーがオリジナルだということを知りました。
そこからワイルドチェリーのこのアルバムも購入して今に至るといったわけです。
ちなみにワイルドチェリーのオリジナル・バージョンよりもサンダーのバージョンの方が演奏力が高かったりします!
何と言ってもダニー・ボウズの粘っこい歌い方とルーク・モーリーの弾くテクニカルなワウギター・ソロが絶品です♪
…と、今回はサンダーのご紹介ではありませんでした。
ワイルドチェリーに戻りましょう。
単純な歌唱力やギターのテクニックに関してはサンダーの方が上ですが、しかし独特のファンクネスはワイルドチェリーの方が勝っています。
どうしてもこの”Play That Funky Music”がずば抜けて名曲なため、「”Play That Funky Music”だけのバンド」となってしまいそうなのですが……本作はそれだけではないんですよ!
他のボブ・パリッシ流ファンク曲も捨てたもんじゃありません!
2曲目の”The Lady Wants Your Money”もボブ・パリッシの自作曲です。
この曲も「これ黒人ミュージシャンが書いた曲でしょ?」と言いたくなるようなかっこいいファンク・ミュージックです!
同じオハイオ州出身のオハイオ・プレイヤーズが演奏していてもおかしくなさそうなファンク曲です♪
3曲目”99½”は、ウィルソン・ピケットが1966年に歌った”Ninety Nine And A Half Won’t Do”のことです。
この曲はウィルソン・ピケットとエディ・フロイドとスティーヴ・クロッパーの共作です。
ワイルドチェリーのこのカヴァー・バージョンでは、イントロにまるでジミ・ヘンドリックスがバンド・オブ・ジプシーズで演奏したバディ・マイルスの”Changes”のようなフレーズで始まります。
R&B曲のカヴァーなのですが、どこか先の2曲よりもポップに感じます。
4曲目”Don’t Go Near the Water”もボブ・パリッシの自作曲です。
歌メロが”Play That Funky Music”とそっくりなのですが、バックの演奏はファンクというよりもロックですね。
この辺はいかにも70年代の白人ミュージシャン的でもあります。
5曲目”Nowhere to Run” は、60年代のモータウン・グループのマーサ&ザ・ヴァンデラスで有名な曲のカヴァーです。
続く6曲目”I Feel Sanctified”は、ライオネル・リッチーが在籍していたコモドアーズの楽曲です。
この辺のカヴァー曲の選択からしてもボブ・パリッシはブラック・ミュージックが大好きだったんでしょうね。
ただ、どの曲もオリジナルを超えるようなものではありません。
あくまでも趣味の域のカヴァーに感じます。
やはりワイルドチェリーは、自作曲こそ聴くべきだと思います。
次の7曲目から最後の9曲目までは全てボブ・パリッシの自作曲です。
7曲目”Hold On”は、スウィートなバラード曲です。
8曲目”Get It Up”は、テンポ速めのファンク・ロック曲です。
最後の9曲目”What in the Funk Do You See”は、パーラメントの曲のような粘っこいファンク曲です。
どしても原曲を超えることが出来ていないカヴァー曲よりもボブ・パリッシの自作曲がおすすめです♪
以上、【さぁファンキーな音楽を演奏しよう!米国白人ファンク最高峰⁉ワイルドチェリーを聴こう♪】でした。
“Play That Funky Music”だけじゃない米国白人ファンク・バンドの最高峰⁉ワイルドチェリーを聴きましょう♪
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