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カテゴリー:Music

2019/10/15

ブルースも歌うジャズファンク・ギタリスト フレディ・ロビンソンの『At The Drive-In』を聴こう♪

ジャズファンク・ギタリストのフレディ・ロビンソンが1972年にリリースした作品『At The Drive-In』をご紹介します。

「アブー・タリブ」の名でも知られる異色のジャズファンク・ギタリスト

このところずっと続いているジャズファンク・ギタリストのご紹介記事です。

 

ジョージ・フリーマンから始まり、メルヴィン・スパークス、グラント・グリーン、オドネル・リーヴィー、カルヴィン・キーズ、カル・グリーンと順にご紹介してきました。

 

7回目となる今回は、フレディ・ロビンソンをご紹介したいと思いまます。

 

ギタリストのフレディといっても、4つ切りスウィングの権化フレディ・グリーンや、エリック・クラプトンに多大なる影響を与えた3大ブルースキングのひとりフレディ・キングとは異なります。

 

残念ながらその2人よりも遥かに知名度の低いフレディ・ロビンソンです。

 

フレディ・ロビンソンは、1939年2月24日にテネシー州ネンフィスに生まれています。

 

出生地を聴いただけでもブルースやR&Bの香りが漂ってきそうなのですが、ずばりその通りで基本は渋いブルースギターを得意とするギタリストです。

 

なのでジャズファンク・ギタリストといっても、フレディ・グリーンのような正統派ジャズギタリストとは程遠く、むしろフレディ・キングの方に近い感じです。

 

それでも豪快なフレディ・キングと比べると大人しめの演奏なので、敢えてブルースギタリストで例えるならボブ・カークパトリックに近いんじゃないかな?と思ったりします。

 

テキサス・ブルースマンのひとり、ボブ・カークパトリックのデビュー作『Feeling the Blues』を聴こう♪

そういった経緯もあって50年代~60年代に掛けては、リトル・ウォルターやハウリン・ウルフにジミー・ロジャーズと正統派ブルースマンのセッションに参加していたりします。

 

その後70年代に入ると、ブルース魂を基にブルー・ミッチェルのジャズファンク期のアルバム等にギタリストとして参加しています。

 

当時の音楽ブームがジャズファンクに向かっていたためフレディ・ロビンソンもそういったジャンルのセッションに参加しているようですが、おそらく本人としてはブルースをやりたかったんじゃないのかな?と感じられることがあります。

 

今回ご紹介する1972年のリーダー作『At The Drive-In』からもフレディ・ロビンソンのそういった思いのようなものを感じられる箇所があります。

 

ちなみにフレディ・ロビンソンは、70年代に入ってイスラム教に改宗してからアブー・タリブというイスラム名に変わっています。

 

そのため英語サイトで”Freddy Robinson”で検索しても”Abu Talib”と出てきますが、同一人物です。

 

フレディ自身も改宗後も元の「フレディ・ロビンソン」の方も使っていたようなので、アルバムクレジットでも”Freddy Robinson”と記載されています。

 

残念ながら10年前の2009年10月8日に亡くなっていますが……少ないながらもいくつかのリーダー作を起こしてくれています。

 

それでは今回はフレディ・ロビンソンが1972年にリリースした作品『At The Drive-In』をご紹介したいと思います。

 

アット・ザ・ドライヴ・インと言っても、マーズ・ヴォルタに繋がるあのロックバンドではないですよ。(笑)

 

 

Freddy Robinson – 『At The Drive-In』

01.It’s The Real Thing
02.Sweet Clara
03.Miss Black America
04.Creepin’ Lightly
05.I Found My Soul Last Night
06.At The Drive-In
07.Wonder What It Is
08.Bluesology

 

Personnel:
Freddy Robinson – Vocals, Guitar, Harmonica
Joe Sample – Piano, Organ
Monk Higgins – Organ
Al Vescovo – Guitar
Wilton Felder – Bass
Paul Humphrey – Drums, Percussion
Harold Mason – Drums
Bobbie Hall – Congas, Percussion
Alex Brown, Clydie King, Vanetta Fields – Background Vocals

 

アルバム参加メンバー

フレディ・・ロビンソンは、メインストリーム・レコードの多くの作品にセッション・ギタリストとして参加していたためか、豪華なメンバーが本作の制作にかかわっています。

 

まずジョー・サンプルとウィルトン・フェルダーというザ・クルセイダーズ組の参加が目に付きますね。

 

もちろんウィルトン・フェルダーは、サックス奏者としてではなくベーシストとして参加しています。

 

そこに西海岸最強のセッション・ドラマー、ポール・ハンフリーが参加しているのですから鉄壁のリズム隊です!

 

東のバーナード・パーディに対する西のポール・ハンフリーといったところでしょうか。

 

それにウィルトン・フェルダーとポール・ハンフリーと言えば、ジミー・スミスのジャズファンク最強ライヴ盤『Root Down』に参加したメンバーでもあります。

 

豪華すぎるリズム隊を呼べたのもフレディ・ロビンソンの人脈の広さが伝わってくるかのようです。

 

アルバムの内容

本作はオリジナルリリース時のレコード盤と2007年に再発されたもので曲順が大きく変わっているようです。

 

でも収録されている8曲に変わりはないとようですので、僕の所有している2007年版の曲順でご紹介したいと思います。

 

というのも、原盤レコードを手に入れるよりもこちらの再発盤の方がネットで簡単に購入できますので2007年版をおすすめしたいと思います。

 

曲順が変わっていますが、僕としてはブルース系の楽曲を最後にまとめた再発盤の方がよりまとまっている気がします⁉

 

まずは1曲目”It’s The Real Thing”は、本作ではオルガン奏者として参加しているモンク・ヒギンズがコーラス隊の1人アレックス・ブラウンと共作した曲です。

 

モンク・ヒギンズは、ウィルトン・フェルダーのようにオルガンだけでなくサックスも吹くミュージシャンです。

 

女性シンガーのアレックス・ブラウンがこの曲のバックコーラスでも参加しています。

 

曲調的には爽やか西海岸の風が心地よく吹いてきそうなAOR系の楽曲です。

 

コーラス隊のボーカルがバックに入っていますが、テーマメロディーを弾くのはフレディのギターです。

 

ギターの弾き方やトーンがどことなくフィル・アップチャーチやエリック・ゲイルを思わせます。

 

2曲目”Sweet Clara”は、フレディ・ロビンソンの自作曲です。

 

本作にサイドギターで参加しているアル・ヴェスコヴォのワウギターのイントロから始まり、フレディの連続スウィープ奏法から曲が始まります。

 

前回ご紹介していたカル・グリーンのように、ウェス・モンゴメリーからの影響を感じさせるオクターヴ奏法も織り交ぜつつテーマメロディーを弾きあげます。

 

ギターソロに移ると、ジャズらしさは少し減ってエリック・ゲイルのようなチョーキングを主体としたブルージーなソロを弾きこなします。

 

3曲目”Miss Black America”は、1曲目と同じくモンク・ヒギンズとアレックス・ブラウンの共作曲です。

 

ボーカルを想定して書かれた曲なのでしょうか、フレディがギターでテーマを弾くわけでもなく、まるでバックトラックだけのカラオケのように聴こえなくもないです……。

 

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Ryo
曲自体は良い曲なのですが、どこか未完成のままのような感じですね。

 

4曲目”Creepin’ Lightly”は、フレディ・ロビンソンの自作のジャズファンクです。

 

オクターヴ奏法で弾くテーマメロディーに、高速スウィープ奏法も交えたフィル・アップチャーチ風のギターソロ……先ほどのカラオケ曲と比べると申し分ない出来です!

 

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Ryo
本作中最もジャズファンク度の高い楽曲です♪

 

中盤から登場する歪ませたギターを弾いているのは、アル・ヴェスコヴォです。

 

クリーントーンのフレディのギターとの絡み合いが最高です♪

 

5曲目”I Found My Soul Last Night”は、原盤では1曲目だったモンク・ヒギンズとアレックス・ブラウンの共作曲です。

 

おそらくこの曲はボーカル曲なので再発の際に後半に回されたのでしょう。

 

2007年の再発盤だと前半4曲はギターインスト曲で固められています。

 

5曲目以降の4曲は全てボーカル曲になります。

 

ちなみにこの”I Found My Soul Last Night”は、フレディ自ら歌うR&B調の楽曲です。

 

悪くない曲ですが、ジャズファンクというよりもスタックスのアルバムに収録されていそうな緩いR&Bといった感触です。

 

本作のタイトルトラックでもある6曲目”At The Drive-In”は、フレディ自作のブルース曲です。

 

それもアコギを弾き語る本格的カントリーブルースなのが驚きです!

 

バックには自身が吹いたブルースハープの音も重ねられています。

 

むしろこういったブルースこそがフレディ自身が一番やりたかったことなのでしょうね。

 

ジャズファンクは時代の流れに合わせて演奏しただけにすぎず、フレディ自身はブルースマンだったのでしょう。

 

急にアコギのブルース曲が始まって違和感を覚えますが……しかしこれが悪くなかったりします。(笑)

 

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Ryo
フレディの緩い歌声がカントリーブルースにピッタリです♪

 

モンク・ヒギンズとアレックス・ブラウンが共作した7曲目の”Wonder What It Is”も正統派ブルース曲です。

 

もはやジャズファンクと関係ないようなシカゴブルース勢が歌いそうなシャッフルブルースなのですが、フレディのギターソロは水を得た魚の如くゴキゲンにブルースを弾いています♪

 

アルバム最後の8曲目”Bluesology”もフレディの自作曲で、曲名通りにブルースの曲です。

 

今回は歌というよりもジョン・リー・フッカーのような語りで曲が進みます。

 

ギターソロの後にはブルースハープのソロまであったります。

 

後半にボーカルありのブルース曲が続くので、ここまでくるともはや何のアルバムだったのか?忘れてしまいそうになりますね。(笑)

 

後半に登場する女性シンガーは、アレックス・ブラウンです。

 

 

 

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Ryo
おすすめ曲は、#1 #2 #3 #4

 

 

 

以上、【ブルースも歌うジャズファンク・ギタリスト フレディ・ロビンソンの『At The Drive-In』を聴こう♪】でした。

 

ジャズファンク・ギタリストと言っても、これまでのご紹介してきた人達と違って、おそらくフレディ・ロビンソン自身はブルースをやりたかったのでは?と思われるアルバムだったりもします。

 

原盤ではボーカル曲やインスト曲がバラバラに散りばめられていたのを、再発に当たり前半はインストのジャズファンク・ナンバーで後半は歌ありのブルース・ナンバーに分けられています。

 

おそらく歌ありブルースこそがフレディのやりたかったことのような気がしますが、しかしブルースを聴くのであればそれこそフレディ・キングを聴いた方がもっと凄いです!

 

なのであくまでもブルース魂を兼ね備えたジャズファンク・ギタリストとして聴くのが一番良いんじゃないのかな?と思います。

 

そう思うと、再発盤の前半4曲こそがジャズファンク好きにとっても目玉と言えますね。

 

インストソウル系のフィル・アップチャーチやエリック・ゲイルにコーネル・デュプリーがお好きな方にもおすすめのアルバムです♪

 

 

 

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