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カテゴリー:Music

2019/10/08

チャーリー・ハンターがボビー・プレバイトと『Come In Red Dog, This Is Tango Leader』を聴こう♪デュオで制作した濃密作品

チャーリー・ハンターがボビー・プレバイトとデュオで制作した『Come In Red Dog, This Is Tango Leader』をご紹介します。

たった2人のミュージシャンが作り出す濃密な音世界を体験しよう♪

今回は実験的なサウンドが興味深いアルバムを……。

 

それはこのブログでも何度か登場している、変則8弦ギターの使い手チャーリー・ハンターの一風変わったアルバムです。(※時期によっては7弦のギターも使っているようです。)

 

チャーリー・ハンターは、ギターパートとベースパートを1人2役で同時に弾く達人です。

 

そのチャーリー・ハンターが、前衛ミュージシャンのジョン・ゾーンの作品にも参加したドラム奏者ボビー・プレバイトと組んで制作したアルバムを今回はご紹介したいと思います。

 

たった2人のミュージシャンによるデュオ作品になりますが、チャーリー・ハンターが1人2役でギターとベースを弾くことが出来るので、サウンド的にはトリオと変わりありません。

 

本来ならギタリストとドラムのデュオだと低音部分がスカスカになるのですが、チャーリー・ハンターならその心配は一切ありません。

 

それでは今回はその2人が2003年にデュオで制作した実験的作品『Come In Red Dog, This Is Tango Leader』をご紹介します。

 

 

Charlie Hunter And Bobby Previte – 『Come In Red Dog, This Is Tango Leader』

 

01.All Hell Broke Loose
02.Ow!
03.Up There
04.Said God
05.The Red Dog Strays
06.Okay, Okay
07.Wave Link
08.Can You Hear Me, Tango Leader?

 

Personnel:
Charlie Hunter – 8 Strings Guitar
Bobby Previte – Drums, Percussion
Kate Previte – Voice [Samples]

 

アルバムの内容

 

本作はワーナー・ミュージック・グループの傘下にあるアメリカのレコード会社ライコディスクから2003年にリリースされています。

 

クレジットの記載によるとNY州ブルックリンにあるグッド・アンド・イーヴル・スタジオでライヴ録音されているようなので、おそらくスタジオのジャムセッションから発展して曲が出来上がっていったのでしょう。

 

全8曲は2人の共作になっています。

 

また曲によっては女性の声がサンプリングされているのですが、彼女の名前はケイト・プレバイトと書かれているので、ボビー・プレバイトの奥さんなのでしょうか?

 

その辺はよくわからないのですが、まぁ気にしないでおきましょう。(笑)

 

ところで本作は、中身の音楽だけでなくアルバム・ジャケットのポップアート風のデザインも素晴らしかったりするのですが、アンドルー・カニンガムがアートディレクターを務める『FIRM』がデザインを手掛けているようです。

 

このジャケットのデザインからもその内容が伝わってきそうな雰囲気なのですが、やはりジョン・ゾーンの作品に参加していたボビー・プレバイトとのデュオということもあって前衛的な楽曲が中心となっています。

 

といっても、完全なフリージャズ寄りの作品ではないので、そこまで聴きにくい作品ではないと僕は思うのですが……その辺に関しては聴く人によるとしか言いようがないですよね。

 

まずは1曲目”All Hell Broke Loose”のイントロから、チャーリー・ハンターによるギター・カッティングから始まります。

 

空間系エフェクターのコーラス/トレモロ/フェイザーを混ぜ合わせたような「シュワシュワ」っとしたロータリースピーカー系のサウンドが印象的ですね。

 

ギターの音色だけでなく不安定に空間を漂うような不協和音系のコードに、独特のリズム感で弾くカッティングがなんとも不思議な雰囲気です。

 

そこにボビー・プレバイトの芯の強いドラムが合わさり、まるでジョン・コルトレーンとラシッド・アリが作り出した世界観のような音世界が形成されていきます!(もちろんコルトレーンの音楽性とは全く違うので雰囲気がってことです。)

 

少し不思議なリズムではありますが……しかしタイム間のないテンポ・ルバートで演奏されているわけではなく、聴く人もノリを合わせることが出来るので、そこまで聴き辛くはありません。

 

中間にチャーリー・ハンターのソロのようなものがあります。

 

「ソロのようなもの?」とおかしな書き方をしましたが、通常のジャズ作品のようにコード進行に沿ってメロディアスなアドリヴ演奏をするのではなく、アウトフレーズの「ポワ~ンポワ~ンポワ~ン」といったどこか間抜けな音色を繰り返しています。

 

それ以外の部分では基本的には、コードカッティングをしながらベースラインも同時に弾く形です。

 

しかし頭の中どうなってるんでしょうね?よくこんがらがったりしないものです。(笑)

 

チャーリー・ハンターが実際にどのペダルを使っているのか?はちょっとよくわからないのですが……

 

しかしチャーリー・ハンターのコーラス/トレモロ/フェイザーを合わせたようなロータリースピーカー系の揺らぎサウンドは、STRYMON(ストライモン)の『レックス・ロータリー』を使えば似たような音を出すことが出来ます。

 

 

このエフェクターはロータリースピーカーを再現したようなサウンドを作り出すことが出来るので、まるでオルガン・サウンドのような音色をギターで出すことが出来ます。

 

もちろん頑張ってコーラス/トレモロ/フェイザーの3つを合わせて作ることも出来なくはないと思いますが……しかし大変です!(笑)

 

2曲目”Ow!”は、曲名通りに「アウ!」と言っているケイト・プレバイトの声をサンプリングして使っている曲です。

 

この驚いたようなユニークな声をボーカルとしてではなく、敢えて楽器の一つのように使っています。

 

そこにアウトフレーズも含んだチャーリー・ハンターのギターがテーマを弾き始めます。

 

「アウトしているけども完全には外れていない」この絶妙なメロディーラインがクセになります♪

 

次は、ドラムのチキチキ音から始まり、ベースが入ると共に機械音の様なSE音を混ぜたイントロで3曲目の”Up There”が始まります。

 

水中で音を鳴らしているかのようなチャーリー・ハンターの揺らぎサウンドによるギター演奏がなんとも不思議な空間を作り出しています。

 

この曲でも終盤にケイト・プレバイトの声をサンプリングして使っています。

 

テンポよく続いた3曲の後に、スローな4曲目の”Said Yad”が始まります。

 

どことなく「ギターを歪ませていないモグワイ」のような曲調です。

 

何かをこすりつけるようなノイズからこれまた様々なSEを織り交ぜた5曲目”The Red Day Strays”、絶妙なアウト感覚を以てテーマを弾く6曲目”Okay, Okay”、90年代以降のジョンスコが書きそうな7曲目”Wavelink”、そしてタイトルトラックの8曲目”Can You Hear Me, Tango Leader?”まで実験的な楽曲が続きます。

 

多少の前衛的な曲作りではありますが、しかしそこまで聴きにくいことはないのが本作に特徴でもあります。

 

「どこか変だけど、でも心地良いリズム♪」……そんなアルバムです。

 

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
おすすめ曲は、#1 #2 #3 #6 #9

 

 

以上、【チャーリー・ハンターがボビー・プレバイトと『Come In Red Dog, This Is Tango Leader』を聴こう♪デュオで制作した濃密作品】でした。

 

チャーリー・ハンターの作品群の中ではあまり目立たない方ではありますが、たった2人のミュージシャンが作り出す実験的なサウンドは聴きものです。

 

ちなみにこの作品の後にもボビー・プレバイトとの共演作はいくつかあるのですが、しかし最近ではチャーリー・ハンターはT.J.カーク時代の盟友ドラマーのスコット・アメンドラとデュオで演奏することが多いようです。

 

チャーリー・ハンターのファンの方はもちろん、90年代以降のジョンスコがお好きな方やメデスキ、マーチン&ウッド、それにオズ・ノイなんかのジャムバンド系がお好きな方におすすめの作品です♪

 

 

 

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