カテゴリー:Music

2018/12/08

R&Bやジャズファンク、カリプソまでも!エリック・ゲイルがKUDUレーベルに残した唯一のリーダー作『Forecast』を聴こう♪

アメリカを代表するセッション・ギタリストのエリック・ゲイルがKUDUレーベルに残した唯一のリーダー作『Forecast』

日本でも大人気のフュージョン・バンドStuffで、コーネル・デュプリーと共にツインギターの一角を担っていたセッション系ギタリストのエリック・ゲイルが1973年にCTIレーベルのブラック・ミュージック部門KUDUレーベルに残した唯一のリーダー作『Forecast』についてご紹介します。

 

1973年なので、まだStuffを結成する前で、セッション・ギタリストとして活躍していた頃ですね。

 

以前このブログでもご紹介していたマイケル・ブレッカーも参加したレアなセッションアルバム『Crystal Green』を制作するよりも前になります。

 

Stuffのメンバーとマイケル・ブレッカーが参加したRainbowの『Crystal Green』

エリック・ゲイルは、もともとモータウンやアトランティックなどのレコード会社で1950年代後半からセッション・ギタリストとして活動していました。

 

後にStuffで一緒に活動することになるコーネル・デュプリーよりも4歳年上で、そもそもコーネル・デュプリーにセッション・ギタリストの仕事を回していたのもエリック・ゲイルでした。

 

すでにセッション・ギタリストとして引っ張りだこだった人気者のエリック・ゲイルが、忙しすぎて対応できないレコーディングに代打にコーネル・デュプリーが向かう……といった感じだったようです。

 

まぁどちらのギタリストもR&B系の音楽を演奏させたら超一流なんで、仕事が失敗することはまずなかったでしょう!

 

僕もこの2名のギタリストは、同じギター弾きとして、とても尊敬しています。

 

Ryo@Dixiefunk Lab.のTwitterアイコン
Ryo
もちろん影響も受けました!

 

【#自分を作り上げたギタリスト4選】影響を受けたギタリストを4人選んでみました。

そんあエリック・ゲイルのソロアルバムの中でも、僕が特に好きな作品を今回はご紹介したいと思います。

 

よく考えたら、このブログでエリック・ゲイルのリーダー作を取り上げるのは今回が初めてでした!

 

エリック・ゲイルがサイドマンとして参加した作品については、これまでにも数多くご紹介していたのですが……肝心のリーダー作は今回が初めてだったんです。

 

つい先日、ブログ内検索用に“Eric Gale”のタグを制作したのですが、その時に自分で気づきました。

 

 

 

ブログタグ:Eric Gale

 

 

 

なので、せっかく専用タグを作ったんだから、なるべく早めにエリック・ゲイルのリーダー作をご紹介したいと思い、今回この『Forecast』を取り上げることにしました。

 

それではいつものように1曲ずつご紹介していきたいと思います。

 

 

 

Eric Gale – 『Forecast』

01.Killing Me Softly With His Song
02.Cleopatra
03.Dindi
04.White Moth
05.Tonsue Corte
06.Forecast

 

Personnel:
Eric Gale – Guitar
Bob James – Piano, Organ, Percussion, Synthesizer
Hubert Laws – Flute, Piccolo Flute
Pepper Adams – Baritone Saxophone
Jerry Dodgion – Tenor Saxophone, Alto Saxophone
George Marge – Tenor Saxophone, Flute
Alan Ralph, Garnett Brown, Tony Studd – Trombone
Gordon Edwards – Bass(tracks: 01, 03)
Bill Salter – Bass(tracks: 02 to 06)
George Ricci, Seymour Barab – Cello
Idris Muhammad – Drums
Ralph MacDonald – Percussion (tracks: 01 to 04, 06)

 

Recorder:at Van Gelder Studios, January 1973.

 

アルバム参加メンバー

リーダーのエリック・ゲイル以外は、鍵盤に後にフュージョン系ミュージックで大ヒットをするボブ・ジェームス、同じくクロスオーバー系のお得意様のヒューバート・ロウズがフルートで、ジョー・ファレルがサックスで、そしてドラムにアイドリス・ムハマッドが参加しています。

 

この4人に関しては、エリク・ゲイルと同じようにこの年代のこういった作品の多くに顔を出していますね。

 

他には1曲目と3曲目に、後にStuffのメンバーとして同じバンドで活動することになるベーシストのゴードン・エドワーズが参加しています。

 

これだけでも一流のミュージシャンが集まっているので、演奏面での心配はなくなりますね。

 

またこの作品には、エリック・ゲイルが好んで演奏するレゲェやカリプソといった南国風味溢れる楽曲を盛り上げるためにパーカッショニストのラルフ・マクドナルドがスパイスを加えてくれています。

 

 

アルバムについて

エリック・ゲイルの祖父はカリブ海のバルバトス島出身なんです。

 

そのためエリック・ゲイルは、そういった中南米のリズムを取り入れた楽曲をリーダー作にいくつか残しています。

 

また、この作品を録音する前の1972年にアルコール依存症の療養でジャマイカに少しの間滞在していました。

 

その際にボブ・マーリーが所有していたスタジオにて、ザ・ウェイラーズのベース奏者アストン・バレットやギタリストのピーター・トッシュにジョー・ヒッグスやスカタライツにも参加したサックス奏者のセドリック・ブルックスなんかとセッションアルバムを残しています。

 

特にジョー・ヒッグスの参加は凄いことですね!

 

ヒッグスは、トレンチタウンでジミー・クリフやボブ・マーリーらに音楽を教えたことから「レゲエの父」と呼ばれている偉人です!

 

その作品は『NEGRIL(ネグリル)』というタイトルでリリースされています。

 

 

イマイチ録音状態の良くない作品なのですが、本場のレゲェミュージシャンらと共にエリック・ゲイルが初めて制作したリーダー作品になりました。

 

そういった経験もあって、エリック・ゲイルはレゲェ風の音楽を演奏するようにもなりました。

 

Stuff在籍時のライヴ音源を聴いてみると、コーネル・デュプリーがギターソロを弾くバックで、レゲェ風のギターカッティングをしているエリック・ゲイルが聴けたりします。

 

『NEGRIL(ネグリル)』の次の作品となった『Forecast』は、エリック・ゲイルのキャリアにとって2作目のリーダー作品になります。

 

またKUDOレーベルで制作したリーダー作としては、唯一の作品となります。

 

『NEGRIL(ネグリル)』はどちらかっていうと、ジャマイカでのセッション作品だったことを考えると、この『Forecast』が初めてエリック・ゲイルが自分のやりたい音楽を録音した実質的に1stリーダー作と言えそうですね。

 

 

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アルバムの内容

全6曲中2曲がカヴァー曲で、残りの4曲はエリック・ゲイルのオリジナル曲になります。

 

まず1曲目のロバータ・フラックが歌って大ヒットした”Killing Me Softly With His Song(やさしく歌って )“からアルバムは始まります。

 

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Ryo
日本ではネスカフェのCMで有名な曲ですね♪

 

エリック・ゲイルは、ロバータのアルバムでもこの曲のレコーディングに参加していました。

 

本作では、ロバータが歌った歌メロをギターで「優しく奏でて」います。

 

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Ryo
はっきり言って……めっちゃくちゃ上手いです!

 

まぁ今の時代となっては、周知の事実なのですが、エリック・ゲイルが弾く歌もの曲は絶品です♪

 

曲中はギターソロはなく、終始歌メロを丁寧に弾いて終わります。

 

2曲目のカリプソ風の曲”Cleopatra(クレオパトラ)“は、この作品のベストトラックだと思います。

 

エリック・ゲイルが自身のルーツでもある中南米のリズムを取り入れた楽曲です。

 

楽し気なテーマの後に、まずはヒューバート・ロウズがフルートでソロを吹きます。

 

その次にエリック・ゲイルのギターソロが始まります。

 

間にボブ・ジェームスのシンセサイザーのソロを挟んで再びエリック・ゲイルのソロに戻ります。

 

4分4秒当たりから同じフレーズをこれでもか!と繰り返すラン奏法が始まり、そのまま曲はフェードアウトしていきます。

 

こういったトロピカルな楽曲だとエリック・ゲイルのギターも活き活きとしているように感じられますね♪

 

3曲目の”Dindi(ジンジ)”は、アントニオ・カルロス・ジョビンでお馴染みのブラジリアン・ナンバーです。

 

アストラッド・ジルベルトの歌でも有名ですね。

 

もちろんエリック・ゲイルは歌わないので、ギターインストで演奏しています。

 

Stuffの曲でも聴くことが出来るのですが、こういったゆったりとした優しい雰囲気の曲調で、じっくりと感情を込めてギターを弾かせたら天下一品!の上手さですね。

 

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Ryo
静かに耳を澄ませて美しいギターの音色に聴き入ってください♪

 

4曲目のジャズファンク系の曲”White Moth”はエリック・ゲイルのオリジナル曲です。

 

ドラムのイントロの後に怪しいシンセサイザーの音色が加わって、更にホーン隊が曲の始まりを盛り上げます。

 

そしてエリック・ゲイルのブルージーなテーマメロディーが始まります。

 

この曲のギターソロではワウペダルも使っています。

 

こういったジャズファンク曲を演奏してもエリック・ゲイルは本当に上手いんですよね!

 

3分30秒頃にいったんドラム以外の楽器が止まり、クールダウンします。

 

その後、シンセサイザーとホーン隊が静かに入ってきて、4分5秒からホーンの勢いある音を合図に再度ギターソロが始まり盛り上がっていきます。

 

後半の盛り上がりもかっこいい曲です!

 

5曲目の”Tonsue Corte”もエリック・ゲイルのオリジナル曲で、リズムがアフロ・レゲェ調の曲です。

 

心地よいギターカッティングが左チャンネルから聴こえてきて、中央よりの右チャンネルから優しい音色のリードギターが鳴っています。

 

どちらもエリック・ゲイルのギタートーンなので、おそらくオーバー・ダビングですね。

 

まるで夕日が沈む砂浜の景色を眺めているかのような錯覚に陥る切ない楽曲です……。

 

アルバム最後の6曲目の”Forecast”もエリック・ゲイルのオリジナル曲です。

 

アルバムタイトルにもなっている”Forecast”とは、「予言する」とか「前もって計画を立てる」と意味があります。

 

今後の自身のキャリアを「こういった音楽性で成功する!」と予見してのことでしょうか。

 

最後のこの曲は8分近くあるミドルテンポで長めのジャズファンク曲です。

 

テーマやソロでもボブ・ジェームスが活躍しています。

 

エリック・ゲイルも中盤からギターソロを長めに弾きまくっています!

 

メインのエリック・ゲイルのギターの音の他に、歪んだギターの音も聴こえるのですが、これもオーバーダブでしょう。

 

2本のギターの音が重なってツインリードを弾きつつ曲はフェードアウトしていきます。

 

 

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Ryo
おすすめ曲は、#1 #2 #4

 

以上、【エリック・ゲイルがKUDUレーベルに残した唯一のリーダー作『Forecast』】のご紹介でした。

 

Stuffで活躍する前のエリック・ゲイルが制作した初期のリーダー作をぜひ聴いてみて下さい。

 

R&Bやジャズファンクにカリプソやレゲェ風など、様々なリズムの楽曲が収録された名作です♪

 

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