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2021/03/12

ケニー・バレル参加作品もあり!オルガン奏者フレディ・ローチがブルーノート・レコードに残した5作品

 
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オルガン奏者フレディ・ローチがブルーノート・レコードに残した5作品をご紹介したブログ記事のタイトル画像です。

オルガン奏者フレディ・ローチがブルーノート・レコードに残した5作品をご紹介します。

ケニー・バレルが参加したオルガン・ジャズの名作もあります。

ジャズの名門ブルーノート・レコードには、数多くのオルガン奏者が名作を残しています。

 

ジミー・スミスを筆頭にベイビー・フェイス・ウィレットやブラザー・ジャック・マクダフにビッグ・ジョン・パットンやラリー・ヤング、そしてリチャード・グルーヴ・ホームズやジミー・マクグリフ等の錚々たる面子が名を連ねています。

 

今回ご紹介するフレディ・ローチは、ブルーノート・レコードにとって、ジミー・スミスとベイビー・フェイス・ウィレットに続く第3のオルガン奏者として1962年にリーダー作を残しています。

 

そんなフレディ・ローチが、名門ブルーノート・レコードに残した5作品を順にご紹介したいと思います。

 

 

Freddie Roach – 『Down To Earth』

1962年8月23日に吹き込まれたフレディ・ローチの初リーダー作『Down To Earth』には、ジャズ・ギタリストの名手ケニー・バレルが参加しています。

 

何と言っても本作の一番の魅力は、このケニー・バレルの参加にあると言えますが、しかしそれだけではなくフレディ・ローチの書いたオリジナル曲の出来の良さにもあります。

 

ブルーノート・レコードの創始者のアルフレッド・ライオンは才能のある新人に積極的に自作曲を吹き込むように進めた人物だったようですが、このフレディ・ローチに関しては異例な程に自作曲の収録を認めています。

 

曰く、「フレディにはいつも確たるアイデアがあった。そのことに私が口を挟む必要はなかった。そもそも彼のプレイや音楽が気に入ってレコーディングを行うようになったんだから、よほどのことがない限り、私は彼に何も言わなかった。」とコメントを残しています。

 

全6曲収録の本作に於いても、ヘンリー・マンシーニ作の3曲目”Lujan”以外の楽曲は、全てフレディ・ローチの自作曲になります。

 

初リーダー作の新人に定番のスタンダード曲のカヴァーを収録させずに、オリジナル曲5曲も吹き込ませるのは異例と言って良い程に特別扱いでもあります。

 

しかし本作を聴くと、それも納得の出来の良い楽曲ばかりです。

 

ケニー・バレルのコード弾きを号令に、摩訶不思議なテーマ・メロディーを持った1曲目”De Bug”から、フレディ・ローチの異質さが感じ取れます。

 

他のどのオルガン奏者のオリジナル曲にも見られない、個性溢れる楽曲作りはフレディ・ローチならではのものです。

 

テーマが終わると、新人のフレディよりも先に、ケニー・バレルがお手本のようなギターソロを披露します。

 

オルガン・ジャズのファンのみならず、ジャズ・ギターのファンこそ本作に於けるケニー・バレルのギター演奏を聴くべきなのかも知れません。

 

可もなく不可もないパーシー・フランスのテナー・サックスを挟み、どこか寂寥(せきりょう)感を感じさせるオルガン演奏も、他のコテコテなオルガン奏者にはない感触です。

 

従来のオルガン奏者が書くようなジャズ・ブルースとは、かけ離れた2曲目”Ahm Miz”のような楽曲も他では聴けないような変わったメロディーを持った曲です。

 

もの悲しいメロディー・ラインを持ったヘンリー・マンシーニ作の”Lujan”を挟み、4曲目”Althea Soon”は一転して軽快な楽曲です。

 

続く5曲目”More Mileage”も、どこか侘しさを感じさせるフレディ・ローチのオルガンソロが印象的です。

 

最後の6曲目”Lion Down”は、タイトル通りにアルフレッド・ライオンに捧げられた楽曲で、彼の好きなジャズ・ブルース調の軽快な楽曲です。

 

こういった軽快なテンポの楽曲でも、他のオルガン奏者のように徹底的に明るくならずに、どこか影を感じさせるのがフレディ・ローチの特徴です。

 

ちなみにこの曲では、ケニー・バレルが驚きのレガート・フレーズ連発で急降下するスリリングなギターソロを弾いていますので、ジャズ・ギター・ファンも必聴です!

 

新人の初リーダー作とは思えない完成度の高い本作『Down To Earth』は、フレディ・ローチを代表するアルバムでもあり、オルガン・ジャズ史に燦然と輝く名盤でもあります!

 

オルガン・ジャズ好きとケニー・バレル・ファンは必聴です!

 

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Ryo
おすすめ曲は、全曲です!

Freddie Roach – 『Mo’ Greens Please』

はっきり言ってしまうと、前作『Down To Earth』と比べると目立たない作品ではありますが、実は僕が大好きな作品がこの『Mo’ Greens Please』です。

 

というのは、20代の頃にブルース・バンドでギターを弾いていた僕が、急にオルガン・ジャズに目覚めた最初期の時期に聞き始めたアルバムでもあり、個人的に思い入れが深いからです。

 

本作はケニー・バレルが参加した1963年1月21日のセッションと、バレルの代わりにエディー・ライトが参加した1963年3月11日の録音をまとめたアルバムです。

 

フレディ・ローチにとっては2枚目のリーダー作となるアルバムですが、ほとんどがオリジナル曲で締められていた『Down To Earth』と違って、本作はカヴァー曲も多く収録されています。

 

ブルース/R&Bシンガーのバーバラ・ジョージが歌った”I Know”や、ルイ・ジョーダンのジャンプ曲”Is You Is Or Is You Ain’t My Baby”に、90年代の映画『ゴースト』でリバイバル・ヒットも記録したライチャス・ブラザーズの有名曲”Unchained Melody”に、1956年に歌手のドン・ロンドーが歌った”Two Different Worlds”をアップテンポにアレンジしたカヴァーなどが収録されています。

 

それ以外の前半に収録された楽曲は、フレディ・ローチの自作曲が中心なのですが、僕が特に好きな曲はケニー・バレルも参加した2曲目の”Baby Don’t You Cry”です。

 

ジャンプ・ブルース系の楽曲を得意としたピアニストのバディ・ジョンソンが書いた楽曲で、後に1964年にレイ・チャールズも取り上げた楽曲です。

 

レイ・チャールズは、軽快なアレンジでカヴァーしていたのですが、本作でのフレディ・ローチのアレンジは、なんとも寂寥感に苛まれるようなバラードで演奏しています。

 

少し個人的な話をさせて頂きますと、ちょうどブルースからオルガン・ジャズへと興味が移っていった20代半ばの僕は、当時はまだ今のようなWebデザイナーではなくCADオペレーターとして働いていました。

 

まだ若く、なかなか上手く行かない日常に独り悩んでいた時期でもありました。

 

そんな時に勤め先の設計事務所から帰る際に、よくこの『Mo’ Greens Please』を聴いたものでした。

 

そしていつもこの2曲目の”Baby Don’t You Cry”のフレディ・ローチの哀しいオルガン演奏を聴いて、曲名通りに泣きたい気持ちを抑えてグッと堪えながら帰宅していました。

 

フレディ・ローチのみならず、ケニー・バレルのギターソロも悲哀に満ちいて、特に曲の最後にフレディ・ローチが教会音楽のようなオルガンのロングトーンを弾くあの部分で何度も何度も慰められた気持ちになりました。

 

音楽の歴史的に考えたら、このアルバムは目立つこともなく、”Baby Don’t You Cry”も知る人ぞ知るようなマニアックな楽曲ではありますが…僕は若い頃のあの辛かった時期をこのアルバムのこの曲を聴く度に忘れないでいます。

 

あの時、この曲を聴きながら肩を落とし駅まで歩いた記憶は忘れたくっても忘れることが出来ません。

 

しかしこの曲を聴いて元気づけられたからこそあの辛かった時期を乗り越えられたと考えると、音楽の持つ力は計り知れないものだな…と感謝しきれないです。

 

僕に取ってフレディ・ローチのこのアルバムは、辛い時を乗り越えるのに必要だった大切なアルバムです。

 

ぜひこれを読んでるみなさんも本作の”Baby Don’t You Cry”を聴いて感動してもらえたらな…と思います。

 

何も有名曲だけが人々の琴線に触れるわけじゃないと思います。

 

こういった何気ない楽曲にも人の心を救う力は宿っていると僕は信じています。

 

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おすすめ曲は、1,2,3,9,10

Freddie Roach – 『Good Move』

1963年11月29日と12月9日の2日間のセッションをまとめた3作目『Good Move』は、トリオ編成の演奏とクインテット編成の演奏をバランス良く収めたアルバムです。

 

マイルス・デイヴィスやグラント・グリーンもカヴァーしたガーシュイン作の”It Ain’t Necessarily So”から始まる本作には、他にもオスカー・ブラウンJr.作の”When Malindy Sings”や、エロール・ガーナー作のバラード曲”Pastel”や、サイ・オリヴァー作の”T’Ain’t What You Do (It’s The Way You Do It)”に、リチャード・ロジャース作のミュージカル・ナンバー”Lots Of Lovely Love”等のカヴァー曲を多く含む内容となってります。

 

フレディ・ローチの自作曲はたったの3曲のみで、ゴスペル・タッチの”Wine, Wine, Wine”と、ジャズ・マーチ曲の”On Our Way Up”と、アルバム最後の”I.Q. Blues”のみです。

 

『Down To Earth』のような個性もなく、『Mo’ Greens Please』のような個人的な思い入れもないため、僕の中ではあまり聴かない作品です。

 

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おすすめ曲は、1,3,4

Freddie Roach – 『Brown Sugar』

“Brown Sugar”と聞くと、ローリング・ストーンズやディアンジェロを思い浮かべますが、彼らよりも遙か前にこの曲目を使っていたのがフレディ・ローチです。

 

1964年3月19日に吹き込まれたフレディ・ローチにとって4作目となる『Brown Sugar』は、ソウル・ジャズの名作でもあります。

 

サックス奏者に新主流派の一流どころジョー・ヘンダーソンを迎えた本作は、黒い魅力溢れるソウル・ナンバーが収録されています。

 

「スタンダートやミュージカルはちょっと違うんだ。ソウル(魂)に届かせるためには、ソウル(音楽)が一番なんだ。」とライナー・ノーツにフレディ・ローチの言葉が残されています。

 

自作曲の”Brown Sugar”を始め、レイ・チャールズのカヴァー”The Right Time”や、R&Bシンガーのロイド・プライスが歌った”Have You Ever Had The Blues”等、ソウルフルな楽曲が続きます。

 

クインシー・ジョーンズが北欧を訪れた時に書いたバラード曲”The Midnight Sun Will Never Set(真夜中の太陽は沈まず)“のように抒情美溢れる美しい楽曲も魅力です。

 

シングル・カットもされた5曲目”Next Time You See Me”は、ブルース・シンガーのジュニア・パーカーが歌った楽曲です。

 

アルバム最後に収録された”All Night Long”は、カーティス。ルイスが書いた曲で、アレサ・フランクリンが歌い上げたことで有名な楽曲です。

 

フレディ・ローチのオリジナル曲は1曲のみですが、カヴァー曲の選曲も良く、ソウルフルな楽曲に合ったジョー・ヘンダーソンの黒いサックス・プレイも素晴らしい隠れた名作がこの『Brown Sugar』です。

 

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Ryo
おすすめ曲は、1,3,4,5

Freddie Roach – 『All That’s Good』

フレディ・ローチにとってブルーノート最終作となる5作目『All That’s Good』は、久しぶりにオリジナル曲中心で固められたアルバムです。

 

アルバム・ジャケットに写る女声コーラス隊も加わったゴスペル調の楽曲が目立つコンセプチュアルなアルバムです。

 

女声コーラスや手拍子も加えた1曲目”Journeyman”から始まるアルバムは、ジャズ・ピアニストのフィニアス・ニューボーンの弟であるカルヴィン・ニューボーンが弾くソウルフルなギターも良い味を出しています。

 

そんなカルヴィン・ニューボーンのギターが映える2曲目のスロー・バラード”All That’s Good”もゴスペル調の心が洗われるかのような神聖な楽曲です。

 

続く3曲目”Blues For 007″も女声コーラスを大きくフィーチャーしたポップ・ナンバーです。

 

ワルツのリズムが印象的な4曲目”Busted”は、カントリー歌手のハーラン・ハワードの書いた曲で、レイ・チャールズのカヴァーの方が有名な楽曲です。

 

ブルージーなトレブル奏法やジャズ的なスウィープ奏法を用いたカルヴィン・ニューボーンの巧みなギターソロも魅力です。

 

5曲目”Cloud 788″は、フレディ・ローチのオリジナル曲で、少し女声コーラスが不気味にも感じられる楽曲です。

 

アルバム最後の6曲目”Loie”は、ケニー・バレルの楽曲で、アイク・ケベックの作品『Bossa Nova Soul Samba』に収録されていた楽曲です。

 

このジャズ・ボッサの人気曲を、カルヴィン・ニューボーンの弾くブルージーなギターソロをメインにカヴァーしています。

 

全体的にゴスペル・ライクなアレンジが印象的なアルバムです。

 

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Ryo
おすすめ曲は、1,2,4,6

 

以上、【ケニー・バレル参加作品もあり!オルガン奏者フレディ・ローチがブルーノート・レコードに残した5作品】でした。

 

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