2019/09/29
クリードの名盤『Human Clay』がリリースされてから20年が経ちました。
日本では過小評価されている?アメリカでは大ヒットしたヘビーロック・バンド『クリード』を聴こう♪
なぜか日本では売れない、アメリカで大ヒットを巻き起こしたロック・バンド達!
僕のこのブログではこれまでにも「アメリカでは大ヒットしたのに日本ではあまり評価されていないバンド」をいくつか取り上げたことがあります。
そのひとつが90年代に活躍したアメリカのロック・バンドのフーティー・アンド・ザ・ブロウフィッシュです。
日本では過小評価されてる⁉本当はすごいロック・バンド!フーティー・アンド・ザ・ブロウフィッシュを聴こう♪
そしてもうひとつが今でもアメリカでは根強い人気を誇るライフハウスというバンドでした。
日本での知名度はあまりない⁉アメリカでは大人気のロック・バンド!ライフハウスを聴こう♪
さて、今回はその2つのバンドほどポップではないものの「なぜ日本では流行らなかったのか?」当時10代だった僕も不思議に感じたバンドをご紹介したいと思います。
ポスト・グランジ系のバンドで一番ヒットしたクリードの『Human Clay』のリリースから20年が経過!
そのバンドは『クリード』というバンドです。
アメコミのX-MENが好きな人だったら、ウルヴァリンの仇敵セイバートゥースの本名ビクター・クリードを思い出してしまいますね。
英語の”creed”には「信条」という意味がありますが、「信条」とは「正しいことだと信じて固く守る決まり」のようなものです。
自分自身がこうしよう!とルールを設ける「モットー」とは異なります。
そのバンド名の通りともいうか、クリードはポップさよりもヘビーさを重視したような音楽性を変えずに、自分達の表現したい音楽をやりながらシーンに受け入れられました。
音楽性的には「ポスト・グランジ」と呼ばれたりするヘビーに歪んだギターと嗄れ声のボーカルが特徴的なバンドです。
バックの演奏陣は、アリス・イン・チェインズやストーン・テンプル・パイロッツにサウンド・ガーデンを彷彿させながらも、クリードのフロントマンであるボーカリストのスコット・スタップは、まるでパールジャムのエディ・ヴェダーのような枯れた歌声をしています。
そのためかデビュー当時からパールジャムと比べられることも多く、いまだに「パールジャムのコピーバンド」と悪く言う人を海外のYouTubeのコメントで見かけることもしばしばあります。
確かに声が似てはいるものの、音楽性はそこまで似ていないですし、クリードには彼ら自身の個性があります。
決して安っぽいコピーバンドではありません。
ちなみに初代クリードのベーシストだったブライアン・ブラッシャーが、2ndアルバムが大ヒット中に調子に乗って「パールジャムよりも自分達の方が上だ!」みたいな発言をメディアでしてしまいました。
クリードの他のメンバーは、先輩バンドであるパールジャムに対してのこの失言を謝罪すると共に、ブライアンをクビにしました。
このことで3rdアルバムはベーシスト不在のままスタジオ・ミュージシャンを起用して制作されています。
それでもクォリティーが落ちるどころか名作に仕上げたのはクリードが本物のロック・バンドであることの証明だったと思います。
しかしクリードは、本国アメリカでは記録的な大ヒットを巻き起こしたにも関わらず、ここ日本ではほとんど話題になることもないまま、狭い範囲内で小ヒットだけして消えていったバンドのように感じます⁉
僕が思うに、パールジャムこそ日本でもヒットしましたが、スコット・スタップやライフハウスのジェイソン・ウェイドやリーフのゲイリー・ストリンガーみたいなしゃがれ声系の渋い声質は日本では受け入れられにくいのかな?と感じてしまいます。
どのバンドも日本では知る人ぞ知るままで、いつの間にか話題にならなくなっていったような気がします。
それで今回、クリードがアメリカで大ヒットすることとなった名盤『Human Clay』が発売から20周年ということで、このブログでも取り上げてみることにしました。
Creed – 『Human Clay』
01.Are You Ready?
02.What If
03.Beautiful
04.Say I
05.Wrong Way
06.Faceless Man
07.Never Die
08.With Arms Wide Open
09.Higher
10.Wash Away Those Years
11.Inside Us All
アルバムの内容
1999年9月28日にクリードにとって2作目のアルバムとしてリリースされたのが本作『Human Clay』という作品です。
ちょうどこのブログを書いている前日が、リリースから20周年ということになります。
本作がリリースされた当時の僕は、まだ10代でした。
しかし既にニルヴァーナやパールジャムなんかのグランジにハマっていた頃で、特に激しく歪んだギターの音が大好きでした。
そんなある日、ラジオで”Higher”が流れているのを偶然聴きました。
1999年8月24日にアルバムからのリードシングルとして発売された”Higher”は、全米No.7を記録する大ヒット作品となりました。
激しく歪んだギターにキャッチーな歌メロ、しかしボーカルはジム・モリソンの系譜を継ぐ男らしいしゃがれ声で、直ぐにこの曲を好きになりました。
その後、当時深夜にやっていた音楽チャートをMV付きで紹介するTV番組でこの曲のMVも初めて見ることになりました。
今見るとさすがにカメラワークとかが古臭くって時代遅れに感じるのですが、まだ10代だった僕には「かっこいいロック・バンド」だと感じたんです。
その番組内でクリードの”Higher”がアメリカでは大ヒットしていて、近い日にこの曲を収録した2ndアルバムが発売されることが決定していると放送されていました。
子供の頃から「気になるとすぐに行動」する僕は、さっそく休みの日にタワレコによってアルバムの発売予定を確認しました。
当時の僕はニュー・アルバムを予約して買っていました。
たまに予約特典が付いてくるからです。
しかしクリードのアルバムは予約特典はなかったのですが、どうしても欲しかったので予約だけはしました。
そのため発売日に『Human Clay』を手に入れることが出来ました。
正直、デザインを学んだ今の自分でなくても当時リアルタイムで見た時も「酷いアルバム・デザインだな…」とは思いました。
アルバムタイトル通りに「粘土人間」を表現した趣味の悪いモンスターが1曲目の”Are You Ready?”の歌詞に出てくるカウントダウンに掛けた懐中時計を持っているというコンセプト自体はわかりますが、しかし安っぽいCGデザインのせいで名盤だとは予想出来ませんでした。
「”Higher”だけの一発屋かな?」と思いながらもアルバムを再生してみると、「これは凄い!期待以上!日本でも絶対に流行るぞ!」と自分の中では盛り上がりました。
しかしその後、アメリカでは全米初登場 1位を記録し1,100万枚以上出荷したにも関わらず、ここ日本ではほぼ空気の状態でした。
もちろん僕の周りの洋楽好きも、レッチリやレイジにレディオヘッドの話ばかりで、誰もクリードの存在すら知らないような状態でした。
当時の僕は周りがわかってないというよりも、「自分の音楽の趣味が悪いのかな?」と心配になってしまうほどでした。
でも本国アメリカでは記録的な大ヒットを巻き起こしていたので、これは「日本では受け入れられにくいバンドなんだな。」と理解するようになりました。
その後も、自分が音楽活動をする中で、リンプビズキッドやリンキンパークなんかのヘビーロック好きやニッケルバック好きの人らはいても、彼らにクリードのことを話して通じたことは、残念ながら一度もありません。
しかしこんな素晴らしいバンドの名作を、日本だからといって埋もれさすにはあまりにもったいなく感じます。
ぜひとも僕のこのブログを読んでくださってる人に(特にロックやグランジ好きの人に)聴いてほしいと思い、こうやってブログ記事でご紹介しています。
本作からシングルカットされたのは、先ほどの”Higher”以外にも、2枚目に”What If”、3枚目に”With Arms Wide Open”、4枚目に”Are You Ready?”がシングル化されています。
キャッチーなの”Higher”と”Are You Ready?”に、ヘビーでかっこいい”What If”、そしてバラード曲の”With Arms Wide Open”がバランスよくシングルになっています。
特に”With Arms Wide Open”は、こういったヘビー系のバンドの中でも一番といっても良い程の美しい名曲です!
歌声はほぼエディ・ヴェダーですが、ぜひともこの名曲を好きになって欲しいです。
ちなみに本作は、一応コンセプトアルバムのように各曲が繋がっていて、ハズれ曲が一切ないのも特徴です。
まぐれで売れたのではなく、実力だと思います。
さすがにまぐれが通用するほどアメリカの音楽チャートは甘くないと思います。
シングルの4曲以外にも高クォリティーの楽曲が並んでいるのですが、意外と人気なのが6曲目の”Faceless Man”みたいですね。
ちょうど『Human Clay』の20周年を記念して、クリードの公式Twitterが「どの曲が一番好き?」とツブやいていたのですが、アメリカ人の多くの人が”Faceless Man”を挙げていました。
次に多かったのがやはり”Higher”です。
後はヘビーな”What If”も人気でした。
ちなみに僕は”Are You Ready?”をベスト・ソングに選びました。
僕が初めて聴いたクリードの曲は”Higher”でしたが、それはラジオでたまたま聴いたという受動的だからというのもあります。
きっかけこそ”Higher”でしたが、”Are You Ready?”は、自分から『Human Clay』を買って能動的に聴いた最初の曲だから思い入れもあります。
この曲を聴くまでは、「もしかしたら”Higher”だけの一発屋」の予感もしていましたからね。
しかしこの”Are You Ready?”を聴いて、その予感はハズれていたことを確信したからです。
この曲のブリッジ部分の歌詞が好きです。
“Ten, nine, eight, seven, six, five, four, three, two ,one”
と、カウントダウンする部分と
“Count down to the change in life that’s soon to come”
という部分が同じリズムで繋がっているからです。
当時リアルタイムでこの曲を聴いて、1999年の終わりに向けて、2000年代の幕開けがもうすぐだと感じさせてくれました。
10代だった僕には衝撃的で、とても強く印象に残った楽曲です!
以上、【クリードの名盤『Human Clay』がリリースされてから20年が経ちました。】でした。
なぜか日本では、あまり人気のないバンドですが、クリードは本当に素晴らしいロック・バンドです。
ぜひこのブログ記事を参考に名盤『Human Clay』を聴いて、このバンドを好きになってもらえたら幸いです。
ちなみに3作目の『Weathered』も、更にクォリティーの上がったアルバムですのでまたいつかこのブログでご紹介したいと思います。
「単なるパールジャムのコピーバンド」ではない本物のロック・バンドのクリードをぜひ!
オマケ
クリード解散後にボーカルのスコット・スタップは、ソロアーティストとして活動を始めました。
クリードの頃ほどではありませんが、今もアメリカでは高い評価を受けています。
そんなスコット・スタップが、日本人シンガーのRIRIがUS「ハードロック」オーディションを受ける際にアドバイスしていたりします。
6分25秒を過ぎた辺りからスコット・スタップが登場します。
RIRIちゃんの流暢な英語の質問に対して、真摯に答えるスコットが印象的です。
スコットもプリンスと同じように、例え小さな会場でお客さんが少なかったとしても毎回全力でステージに臨んでいたと語っていますね。
どんな分野でもそうなのですが、お客さんやファンをナメて手を抜いたりする人は絶対に成功できないもんなんですね。
単に才能だけでやってきたシンガーなどではなく、スコットはその人間性も素晴らしい努力家だということが伺えます。
というわけで、ぜひともクリードを日本でも見直して欲しいところです。
しかし『Human Clay』の20周年を記念したデラックス・エディションはリリースされないのかな?
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