2018/12/12
必聴‼クラレンス・ウィーラー&ジ・エンフォーサーズの2枚のレア・グルーヴ作品!
オルガン系ジャズファンクやレア・グルーヴ系が好きな人は必聴‼クラレンス・ウィーラー&ジ・エンフォーサーズを聴こう♪
今回は、つい先日ご紹介していた【オルガンの女王シャーリー・スコットがアトランティック・レーベルに残した3枚のソウルジャズ作品!】とほぼ同時期にアトランティック・レーベルからリリースされた2枚のソウルジャズ/ジャズファンク・アルバムのご紹介です。
前回ご紹介していたシャーリー・スコットのアルバムにはどれも名セッション・ギタリストのエリック・ゲイルが参加していました。
オルガンの女王シャーリー・スコットがアトランティック・レーベルに残した3枚のソウルジャズ作品!
今回ご紹介するクラレンス・ウィーラー&ジ・エンフォーサーズの2枚のレア・グルーヴ作品のうち1枚にもエリック・ゲイルがゲストで参加しています。
それではさっそくご紹介したいと思います。
クラレンス・ウィーラー&ジ・エンフォーサーズの2枚のレア・グルーヴ作品をご紹介します。
今回ご紹介するのは、クラレンス・ウィーラー&ジ・エンフォーサーズの2枚のアルバムです。
クラレンス・ウィーラー&ジ・エンフォーサーズというバンドは、リーダーでサックス奏者のクラレンス・ウィーラーを中心にした4人組グループです。
他のメンバーは、トランペット奏者のソニー・コヴィントン、オルガン奏者のソニー・バーク、ドラムのジョージ・ヒューズというメンバーです。
そこにゲストで女性コーラス隊が参加して楽曲を盛り上げていたり、エリック・ゲイルが参加してオルガンではカヴァーしきれないコード伴奏をリズムギターで付け加えていたり、ハンク・クロフォードがサックスを吹いていたりします。
しかし基本は、サックスとトランペットの2管を中心に、ベースラインも担当するオルガンとドラムがバックのリズムを支える形です。
エリック・ゲイルも、ほとんどリズムギターが中心で、ギターソロを弾くのも1曲のみです。(その1曲のギターソロがこれまた凄いんですが!)
しかし絶妙なリズムギターは、やはりギタリストにとって重要な技術なので聴き所は多いと感じます。
それでは、2枚の作品を発売された順番にご紹介します。
Clarence Wheeler & The Enforcers – 『Doin’ What We Wanna』
クラレンス・ウィーラー&ジ・エンフォーサーズというグループが1970年にリリースしたデビュー作の『Doin’ What We Wanna』です。
この作品にはエリック・ゲイルは参加していません。
なので、2本の管楽器とオルガン、ドラムという4つの楽器だけで全ての曲が演奏されています。
4曲目の”Right On”のみ女性コーラス隊がゲスト参加して楽曲を盛り上げてくれています。
まず1曲目の出だしからポール・マッカートニーの代表曲のひとつでもあるビートルズの人気曲”Hey Jude”から始まります。
この曲は、グラント・グリーンの”Jan Jan”でもお馴染みのファビュラス・カウンツも取り上げていましたね。
それと同じようにテーマの歌メロをオルガンが弾き始めます。
そして徐々に管楽器が入ってきて、サビ部分で盛り上がりは最高潮に達します!
サビ後に少し独自のアレンジを挿入してオリジナリティを演出しています。
2コーラス後にクラレンスのサックスソロが始まります。
まるでジーン・アモンズやアーネット・コブを彷彿させるような力強いソロです。
2曲目”Sham Time”は、エディ・ハリスの曲です。
ファンキーな2管のテーマがかっこいいアレンジです!
この曲はサックスソロに続きトランペットソロもあります。
その後オルガンソロも挟んで、再度2管のテーマに戻り最後はビシッとエンディングが決まって終わります。
3曲目の”Theme From Electric Surfboard”は、オルガン奏者のブラザー・ジャック・マクダフが1969年にブルー・ノート・レーベルに移籍して最初にリリースした名盤『Down Home Style』に収録されていた曲です。
原曲よりも若干テンポを落としてゆったりと演奏しています。
さすがにブラザー・ジャック・マクダフの原曲バージョンの方が勢いもあり、良い演奏でした。
4曲目の”Right On”は、本作のベスト・トラックです。
ファンキーな女性コーラスにウネるベースライン、クラブ・ジャズ好みの曲調でサンプリングにも格好のネタだと思うソウルフルな曲です。
クラレンス・ウィーラーのファンキーなサックスソロの後に、濃い~ロングトーンを決めるオルガンソロが最高に熱いです!
ちなみにアイヴァン・”ブーガルー”・ジョー・ジョーンズの同名曲とは全く別物です。
5曲目”Dream Bossa Nova”でゆったりとしたボサノバ曲を挟み最後の2曲、まるでアイズレー・ブラザーズの”It’s Your Thing”のようなベースラインが特徴的な”Doin’ What I Wanna”と、これから何か楽しいパーティーが始まりそうな雰囲気漂う”C.W.”はオリジナル曲になります。
本作はどれも明るく楽しい楽曲ばかりが収録されています。
気持ちが落ち込んだ時なんかに、本作を聴いて明るい気分を取り戻しましょう!
楽しく聴くのがおすすめです♪
Clarence Wheeler & The Enforcers – 『The Love I’ve Been Looking For』
名セッション・ギタリストのエリック・ゲイルがリズムギターで参加したクラレンス・ウィーラー&ジ・エンフォーサーズの1971年にリリースされた2作目『The Love I’ve Been Looking For』です。
何やらモデルっぽいキレイな女性を、ニヤけたおっさん4人が囲んでる意味不明なジャケットデザインですが、そんなジャケットデザインにしたくなるようなぐらい本作のクラレンス・ウィーラーのサックスの音色は艶っぽいんです。
これが特にバラード曲で効果的だと感じます。
前作『Doin’ What We Wanna』では明るめの曲が多かったのですが、本作はタイトルトラックの4曲目”The Love I’ve Been Looking For”を初め、3曲目のジョージ・ハリスンがビートルズ時代に残した名バラードの”Something”や、カーペンターズが歌って有名になったロジャー・ニコルズ&ポール・ウィリアムズの名曲”We’ve Only Just Begun(愛のプレリュード)“など3曲がスローなバラードナンバーとなっています。
“Something”と”The Love I’ve Been Looking For”はクラレンスのサックスソロのみで、”We’ve Only Just Begun”はテーマこそオルガンが弾いていますがソロを吹くのはソニー・コヴィントンのトランペットのみです。
こういったバラード曲も素晴らしいのですが、本作の聴き所もやはり明るく楽し他の曲にあると僕は感じています。
まず1曲目の”Mighty Burner”は、オルガン奏者のチャールズ・アーランドが1970年に残したジャズファンク名盤『Black Talk』の2曲目に収録されていた曲です。
原曲よりもテンポを上げて軽快に演奏しています。
スピード感の増したこの楽曲のバックで絶妙なリズムを刻むのがゲスト参加しているエリック・ゲイルです。「前作ではこれが足りなかったんだよ!これが!」と言いたくなるような名リズムギターです。
やはりベースレスのオルガン演奏にギターはなくてはならないものだと感じます。
続く2曲目”The Heebie Jeebie Dance”は、これまたジャック・マクダフの楽曲です。
2管の楽し気なテーマやしっかりと決めのあるアレンジが素晴らしいです。
また5曲目のラテン調の”Broasted or Fried”では南米のリズムが得意なエリック・ゲイルのリズムギターが決まっています。
この曲ではワウペダルを使ったエリックのファンキーなギターソロも登場します。
ギターソロが登場するのはこの曲のみですが、これが凄くかっこいいので必聴です。
最後の7曲目に収録されたジェリー・バトラーの1968年のヒット曲”Hey Western Union Man”は、ウェス・モンゴメリーやグラント・グリーンにジョージ・ベンソンも取り上げた定番の曲です。
コロコロと鳴るエレピのテーマが特徴的な曲です。
この曲にのみハンク・クロフォードが参加しています。
バラード曲が多く収録された作品ですが、アルバムの最後も明るい曲で締めくくられています。
エリック・ゲイルのギターソロが1曲だけなのが、個人的には少し物足りなくは感じますが、しかしリズムギターでの貢献度はもの凄く高いのでゲスト参加してもらっている意味も理解できます。
ファンキーな曲にこそクラレンス・ウィーラー&ジ・エンフォーサーズというグループの良さが出ていると思う好盤のです♪
以上、【必聴‼クラレンス・ウィーラー&ジ・エンフォーサーズの2枚のレア・グルーヴ作品】のご紹介でした。
オルガン系ソウルジャズ/ジャズファンク好きだけでなく、クラブ・ジャズ好きやR&B/ファンク好きの人にもおすすめしたい2作品です!
またエリック・ゲイルのギターソロが1曲のみといえ、素晴らしいワウギターが聴けるのでぜひともギタリストの方にも『The Love I’ve Been Looking For』はおすすめしたいところです!
しかしジャズファンク系のアルバムに”Something”と”We’ve Only Just Begun”はしょっちゅう出てきます。
この時代にカヴァーするのが黒人ミュージシャンの間で流行っていたんでしょうね。
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