カテゴリー:Music

2018/10/12

解散前のクーラ・シェイカーの2作目『Peasants, Pigs & Astronauts』を聴こう♪

90年代UKロック界に突如現れた異色のバンド、クーラ・シェイカー最期の輝き!?

前回のブログ記事に引き続き今回のブログ記事もクーラ・シェイカーについてです。

 

ちょうど僕はこの世代なんですよ。

 

だからジャズやブルースに交えてクーラ・シェイカーの話がちょくちょく出てきます。(笑)

 

 

 

デビュー作にして最高傑作の名盤『K』をリリースしてから……

 

1996年のデビュー作となった1stアルバムの『K』は、間違いなくクーラ・シェイカーの最高傑作でした。

 

インド音楽とサイケデリックロックが混じったクーラ・シェイカーの1stアルバム『K』を聴こう♪

しかしデビュー作がいきなり大ヒットしたせいもあって、その後のアルバム作りの際に相当プレッシャーがあったと思います。

 

『K』のリリース後は、世界ツアーを続け日本でも来日公演を行いました。

 

そしてブリット・アウォーズ新人賞を受賞しバンドは勢いに乗ります!

 

その勢いのままディープ・パープルの演奏で有名なジョー・サウスのカヴァーで”Hush”をシングルリリースして全英2位の大ヒットをブチかまします!

 

この曲は、オリジナルアルバムには未収録になりましたが2003年リリースの初のベスト盤となる『Kollected』の9曲目に収録されました。

 

 

そしてバンドはその勢いのまま2ndアルバムの制作に入りました!

 

 

難航するアルバム作りとクリスピアンの失言……

しかしアルバム作りは難航し、デビュー作から2年後にはリリースされるであろうと予想していた2ndアルバムは結局1998年には完成しませんでした。

 

流行の波が激しい音楽業界で、若手が2年以内に次の新作を発表しなければ、飽きられる可能性は非常に大きくなると思います。

 

しかしバンドの中心人物のクリスピアン・ミルズは、完璧主義者のため何度も何度もレコーディングをやり直していたらしいです。

 

こういうことを続けていれば、レコード会社や他のバンドメンバーから不満が出てくるのも仕方ありません。

 

待たされるファンもやきもきしていました。

 

確かに名盤となった『K』の一発屋で終わりたくないと、2ndアルバムはもっと傑作にしようと頑張るのは良いことだとは思いますが……短い制作時間で一気に作り上げる勢いも大事です!

 

あの勢いのままで多少荒くっても似たような路線のギターアルバムをリリースさえしてくれたら、ファンとしてはそれで良かったと思います。

 

しかしクリスピアンとしては、音楽性の広さを表現したかったのでしょうか?曲作りやアレンジに時間を掛けていたようです。

 

結局このことが、後に解散することの原因のひとつになったようです。

 

莫大な資金を投じて制作したものの、『K』とは少し違った音楽性に、当時のUKロックバンドたちの衰退……ブリットポップブームの終焉など時期も悪くヒットはしませんでした。

 

もう少し短いスパンで勢いそのまま『K』の延長のようなアルバムを制作すべきだったのじゃなかったのかな?……とは、僕個人の思いですが、そんな簡単な事ではないんでしょうね。

 

またアルバム制作に関する事以外にも、クリスピアンがメディアに対して奇妙な発言をし続けたため、バンドに対しても強いバッシングが集中しました。

 

当時、僕も音楽雑誌を読んでいてナチスドイツを礼賛するような鉤十字(卍)に関する発言にはひきました……。

 

まだ10代だった僕でも「この人頭おかしいんじゃないの?」って思いました……。(笑)

 

ただ逆に作品を聴いてみたくなったのも事実です。

 

今で言う「炎上商法」として成功なのでしょうかね!?(笑)

 

しかし僕のような日本人にはそういった発言があっても、作品を聴いてみたいとはなりますが、実際にナチスの被害に遭った本国イギリスやヨーロッパでは許されるような発言ではありません!

 

イギリスでは、この発言もあって2ndアルバムの売り上げは振るわず、バンドは機能不全に陥って解散を余儀なくされました。

 

確かにクリスピアンの発言は許されることではありませんが、でも実際のところはアルバムの出来がいまいちだったことが一番大きな原因だったとは感じます。

 

これからご紹介するっていうのに、否定的な発言なんですが(笑)実際『K』と比べるとだいぶ勢いが落ちます……。

 

もっとベテランになってからこういった作品を制作すべきだったんじゃないかな?と言うのが僕の考えです。

 

しかし勢いはないものの、今聴き直してみると「全くダメなアルバム」ではないので再評価という形でご紹介できればな……という思いです。

 

それでは、2ndアルバムの『Peasants, Pigs & Astronauts』のご紹介です。

 

 

 

 

Kula Shaker -『Peasants, Pigs & Astronauts』

01.Great Hosannah
02.Mystical Machine Gun
03.S.O.S.
04.Radhe Radhe
05.I’m Still Here
06.Shower Your Love
07.108 Battles (Of The Mind)
08.Sound Of Drumsv
09.Timeworm
10.Last Farewell
11.Golden Avatar
12.Namami Nanda – Nandana

 

 

勢いは落ちたけど壮大になった楽曲群

まず1曲目の”Great Hosannah”から『K』の頃とは違っています。

 

『K』では1曲目に勢いのある名曲”Hey Dude”が収録されていました。

 

アロンザのウネるベースラインにポールの激しいドラミング……そしてクリスピアンがワウギターで「ワカチョコワカチョコ♪」と。

 

あのかっこよさがクーラ・シェイカーの良さだったのですが……本作の1曲目は宇宙を感じさせるSFなSEが流れて始まります。

 

ギターが出てくるのは35秒を超えてから。

 

そこから約30秒間アルペジオのメロディーが流れて、キーボードがどこかU2の”The Fly”のようなリフを弾き始めます。

 

そして少しのインド風味と宇宙ステーションで流れてそうなナレーションの後、ようやくギターの音が大きくなりリフを弾き始めます。

 

ボーカルが登場するのは2分16秒を超えてから……。

 

イントロが長いです!(笑)

 

これだけで飽きてしまいそうになります。

 

クリスピアンとしては、”Hey Dude”の二番煎じはやりたくなかったのでしょうが、僕個人としてはあの勢いのある1曲目を求めてしまいます。

 

ちなみに「Hosannah(ホサナ)」とは、「神またはキリストを賞賛する言葉」で、ヘブライ語では「どうか、救ってください」を意味します。

 

ホサナと叫ぶことで救いを求める感じでしょうか。

 

この救いを求めた曲を聴いて、本当に救いが必要なのはこのバンド自身なんだな……と。

 

悪くはない曲ですが、”Hey Dude”のようなインパクトはありません……。

 

印象に残らない曲でしかありません。

 

壮大な曲にはなっていますが、1stの頃のような荒っぽいバンドの演奏が聴きたかったというのが本音でしょうか。

 

続く2曲目の”Mystical Machine Gun”は、リードトラックとしてアルバム発売よりも先にリリースされた曲です。

 

僕はアルバム発売よりも先にこの曲を聴いていました。

 

この曲自体は好きな曲ではありますが、僕はてっきりこのバンドはこういった壮大な曲を演奏するバンドだと勘違いしました。

 

後で『K』を聴いて、この作品とは違ったところにクーラ・シェイカーというバンドの本質が隠れていたことに気づきました。

 

どうもこういった壮大な曲では「バンドが無理してる。」感じがしてならないです。

 

クリスピアン自身はこういったことが初めからやりたかったことなのかもしれませんが、こういった曲をやるんだったらはっきり言ってソロ活動でいいような気がします。

 

せっかく卓越したテクニックを持ち合わせたリズム隊がいるバンドなのに、それが活かされていないというか……アロンザのベースがもったいないで

 

1stの頃の楽曲のようにベースをブリブリ弾いてもらってこそ、このバンドの価値があります。

 

こういった壮大な曲調では、ベースって目立たなくなってしまいますし、必要性も感じなくなってしまいます。

 

本当にもったいないです!

 

ちょっとインド風味のシンプルなロック曲をやるバンドで良かったのにな……と感じます。

 

さて3曲目の”S.O.S.”でようやくロックな曲が出てきます。

 

少し007のテーマ曲のようなギターリフに、クリスピアンの先の発言じゃないけどまるでヒトラーの演説のような語り口のコーラス……色んな意味で「S.O.S.」です!(笑)

 

激しい曲調ですが、逆にこのアルバムの中では浮いた曲に感じます。

 

次の4曲目”Radhe Radhe”は、インド風味の小曲です。

 

歌詞に出てくる「Sri Radhe (ジァイ シリ ラーダ)」はクリシュナに献げられた唄のことだと思います。

 

「Sri」は英語で言う「Mr.」の意味で男性に対する丁寧な言い方ですが、尊敬する人にのみ使われる言葉ですので「神様」に対して使われる感じです。

 

「 Radhe(ラーダー)」とは、クリシュナの恋人のことです。

 

5曲目の”I’m Still Here”はクリスピアンがアコギで弾き語るこれまた小曲です。

 

6曲目”Shower Your Love”は”Mystical Machine Gun”に続くシングルとして発表された爽やかなラブソングです。

 

ちょっぴりインド風味も交えたとてもポップな曲です。

 

7曲目の”108 Battles (Of The Mind)”は60年代風サイケデリック調のオルガンの音色が特徴的な曲です。

 

そうそう、このバンドは60年代のサイケデリック・ロックの影響を受けていたんだよな~とここに来て思い出す曲です。(笑)

 

8曲目”Sound Of Drums”は、アルバム発売の1年前の1998年に先にシングルリリースされていた全英3位を記録したヒット曲です。

 

前作『K』に収録されていた”Govinda”や”Tattva”のようなインド風味+サイケデリック・ロック調の良曲です。

 

ヒットチャートの順位も納得!?

 

良くも悪くもこの曲が『Peasants, Pigs & Astronauts』収録曲では一番の楽曲だと思います。

 

1年前にリリースしていたシングルが、その後発売したアルバムの中でも一番の良曲だってのもね……。

 

8曲目以降のアルバムの残り4曲も残念ながら印象に残らない曲ばかりです。

 

一応12曲目の終わりに4秒の無音の”Hidden Track”が収録されているのですが……「何のため?」って感じです。

 

以上、12曲収録のクーラ・シェイカーの2ndアルバム『Peasants, Pigs & Astronauts』のご紹介でした。

 

壮大な曲が2曲続いた後に、急にロック名曲が始まって、思い出したかのようにインド風味の小曲と苦し紛れのアコギ弾き語りが続き、ようやくキャッチーなラブソングとサイケロックとヒットシングルが出てくるも、終盤は印象に残らないような曲ばかりで……制作費と時間を掛けた割に、粗削りだった1stアルバムの『K』よりもまとまりに欠けた作品となりました。

 

ひとつひとつの楽曲の質が低いってわけでないかもしれませんが、長すぎる意味不明なタイトルやジャケット写真も含めて散漫なアルバムという感じが拭えません。

 

どうしてもシングルになった3曲”Sound of Drums”、”Mystical Machine Gun”、”Shower Your Love”しか印象に残らないのが正直言ったところです。

 

結局解散の一番の原因は、アルバムの出来だったんじゃないでしょうか。

 

『K』のような粒揃いの楽曲ばかりではありませんが、シングル曲の3曲はとても良い曲ですのでこちらの2ndアルバムもそれなりに聴き所はあります。

 

終わり。

 

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