2018/06/06
ジャズギターの名盤で聴くおすすめのジャズギターアルバム4選!
ジャズギター聴きたいならまずはこの4枚から!
ジャズギターアルバムはあまり聴かれていない?
このブログでちょくちょく書いています『おすすめアルバム〇選!』のシリーズです。
先月はジャズピアノのおすすめアルバムを4枚選んだので、今月はジャズギターにしてみました。
ジャズと言えば、やはり花形楽器は管楽器だと僕も思います。
やはりトランペットやサックスには華があり、リーダーに一番向いていると思います。
そしてその次にピアノやヴィブラフォンなんかのコードも弾ける楽器…
その次にウッドベースやドラムなんかのリズム隊ですね。
僕自身はギターが好きで、自分もギター演奏をするのでジャズギターが大好きなんですが、一般的に言うとジャズギターってバンドにいてもいなくてもどちらでも良い…というのが実際の所だと思います。
また、サックスやピアノがリーダーの作品って、聴く側の人が楽器を演奏しない人でも好きだって言う人多くいらっしゃるかと思います。
しかしジャズギターがリーダーの場合は、どちらかって言うと、聴く人もジャズギターをやっているって人が多いような気がします!?
自分自身がジャズギターを演奏することがない人は、そこまでジャズギターが主役の作品に興味を惹かれないのかも…!?とは少し考えます。
というのも、僕が高校生の頃に初めて聴いたジャズミュージシャンはソニー・ロリンズとジョン・コルトレーンでした。
どちらもテナーサックス奏者です。
その2人を聴いてジャズという音楽にのめり込むようになり様々なジャズミュージシャンを聴くようになりました。
ジョン・コルトレーン、ソニー・ロリンズ、マイルス・デイヴィス、デクスター・ゴードン、ルー・ドナルドソン、クリフォード・ブラウン、ファッツ・ナヴァロ、ドナルド・バード、チャーリー・パーカー、ディジー・ガレスピー、ジョー・ヘンダーソン、リー・モーガン、ケニー・ドーハム、アーチー・シェップ、ファラオ・サンダース、マリオン・ブラウン、キース・ジャレット、ミルト・ジャクソン、ボビー・ハッチャーソン、ビル・エヴァンス、ハービー・ハンコック、チック・コリア、デイヴ・ブルーベック、アーマッド・ジャマル、ジミー・スミス、ジミー・マグリフなど…パッと思いついた分だけ書きましたが、まだまだ他にもたくさん、楽器の種類にこだわらずジャズは何でも聴きました。
しかしその頃は僕自身はジャズギターよりもブルースギターの方が演奏する分には好きでした。
そのためジャズギタリストは、ウェス・モンゴメリーをちょっと聞いた程度で、その後はそこまで興味がなくって止まっていました。
今でこそ、グラント・グリーンやケニー・バレルにジム・ホールなんかの作品を多く聴いてきましたが、この頃は「ギター=ブルース!」だったのでジャズギターというジャンルに興味がなかったんです。
それが急にジャズギターに興味を持ちだしたのは、やはり自分でもジャズ系のギター演奏をするようになったからなんです。
やはりどうしてもジャズギターの作品って、自分自身がジャズ系のギターを演奏することがなければ、あまり興味を惹かれるものではないのかもしれません!?
そう思い、今回はもっとジャズギターのアルバムを多くの人に聴いて欲しいな~と考えて、「このアルバムを最初に聴いたら好きになるかも?」と感じたアルバムを4枚選んでみました。
それでは1枚ずつご紹介していきたいと思います。
おすすめのジャズギターアルバム4選をご紹介します。
今回ご紹介したいのは4枚のアルバムです。
どれも一応、有名な作品にはなります。
ご紹介したい4名のジャズギタリストもジャズギター好きなら、みんな知っているような有名な人たちばかりです。
ウェス・モンゴメリー
ジョー・パス
バーニー・ケッセル
ジミー・レイニー
この4名です。
それでは1枚ずつ、簡単にですがご紹介していきます。
1枚目:Wes Montgomery – 『The Incredible Jazz Guitar of Wes Montgomery』
ジャズギタリストで一番有名な人物は?
やはりこのウェス・モンゴメリーだと思います。オクターヴ奏法という、今ではジャズギターを演奏する人なら絶対に必須の演奏テクニックを一般に有名にしたのはこのウェスです。(発明したのは別の人物です。)
そんなウェス・モンゴメリーは、僕もジャズギターに興味がなかった頃から知ってました。
というのもジョン・コルトレーンと一緒にスタジオ録音したという記録が残っているのに音源が未だ世に出ていないからです。
コルトレーンとのその謎のセッションの後からウェスはコルトレーンの名曲”Impressions”をライヴで演奏するようになっていきました。
なのでコルトレーン好きの僕は、ジャズギターにまだ興味がなかった頃からこのウェスのことだけは聴いていました。
そして僕が初めてウェスの…というよりもジャズギタリストがリーダーの作品を聴いたのがこの作品『The Incredible Jazz Guitar of Wes Montgomery』でした。
この作品…とにかく”Incredible(信じられないくらい、驚くべき凄いこと)“なんです!
これがジャズギターの原点にして頂点だと思います!
僕がまだグランジバンドとかでギター弾いてた大学生だった頃、コルトレーン繋がりでこのアルバムを買って1曲目に収録されているソニー・ロリンズ作の”Airegin”を初めて聴いた時、ギターを止めようかな…って思いました。
今聴いても”Incredible”です!
はっきり言って上手すぎます!テンポの速いスウィング曲でのドライヴ感…このリズムに付いていくだけでも相当な技量がいります。
そんな中、ウェスはピックも使わずに親指の上下運動だけで驚異的なフレージングでアドリヴソロを構築していっています!
あまりの凄さに、僕はこの後当分聴くのを止めました。
ギターを演奏していればいるほど、ウェスの上手さに驚き、そして諦めそうになります。
世の中にジャズギタリストは星の数ほどいますが、僕の中でのNo.1ジャズギタリストは、このウェス・モンゴメリーです!
グラント・グリーンやケニー・バレルが大好きですが、「ジャズギター」というフォーマットに置いて、ウェスを超えるギタリストは僕の中では存在しません!
とにかく全編を通してジャズギターの最高峰の演奏が聴ける名盤です!
他にもジャズギターやってたら大体の人がイントロのテーマをカヴァーしてみる名曲”Four On Six”や、”West Coast Blues”などのジャズギター界では有名な曲も収録されています。
ジャズギター好き以外の人にもぜひ聴いて欲しいアルバムです!
多分、自分もギター演奏する!
とかでなければ、このアルバムを聴いて、自分の演奏力にガッカリ…することもないでしょうから。
まぁただ人類の歴史上に永久に残り続けるウェスと自分自身を比べることの方がおこがましいことではあるのですがね。
ジャズギター好きでもウェスに憧れはしても、自分自身と比べてはいけませんね。
絶対にこの境地にはたどり着けませんが、ジャズギターの最高峰の作品として聴く分には本当にこれ以上に最高のアルバムはない!ってぐらいに名盤です!
初めてのジャズギター体験は、ぜひこの作品から聴いてみてはいかがでしょうか?
2枚目:Barney Kessel – 『The Poll Winners』
1956年に「ダウンビート」、「メトロノーム」、「プレイボーイ」という人気雑誌のジャズマン楽器別人気投票で3誌同時に1位を取ったジャズギタリストのバーニー・ケッセルと、ベーシストのレイ・ブランと、ジャズドラマーのシェリー・マンによる素晴らしい企画盤です。
とにかく聴きやすいアルバムです。
バーニー・ケッセルは、ジャズギターの始祖ともいうべきチャーリー・クリスチャン直系のストレートな演奏をするギタリストです。
とにかく分かりやすくって、基本的なジャズギター演奏をしてくれる外れのないミュージシャンです。
そのためなのか?ジョン・レノンやジョージ・ハリスンのようなロック界のミュージシャンからも支持されています。
また彼の演奏面での特長として、コード進行をしっかりと感じさせてくれるところがあります。
ピアノやオルガンにヴィブラフォンのような他のコード楽器がいないギタートリオの演奏でも、まるでもう1人のギタリストがバッキングをしているかのように、フレーズの間々にコード音を挟んで演奏をするのでスカスカの演奏にはなりません。
ギターがトップでメロディーを弾いている間も曲の進行が分かりやすく聴きやすいです。
またこの作品にも”Satin Doll”や”In Could Happen To You”に”Green Dolphin Street”のような有名スタンダード曲が多数収録されていま。
特に”Satin Doll”が素晴らしいです。
ジャズギター演奏の「これが基本!」ともいうべきコードもシングルノートも無駄のない演奏です。
聴きやすさという面では今回ご紹介する4枚の中では一番ですので、まずは聴きやすいアルバムから…という方にはこのアルバムからジャズギターを聴き始めることをお勧めします。
3枚目:Joe Pass – 『Virtuoso』
“Virtuoso(ヴァーチュオーゾ)“とは、語源はイタリア語で「(芸術の)巨匠、(特に音楽の技巧上の)名手」という意味です。
まさにこのアルバムの弾き手のジョー・パスにピッタリの言葉です。
ジョー・パスは、幼少の頃より父親からクラシックギターをスパルタ教育でたたき込まれたらしく、その苦労があってか?どんなに難しいフレーズでも一切のミストーンを犯さないでクリアーな音色で弾き通すギターの名手となりました。
しかもこのアルバムは、ギターひとりによる独奏です!
独奏ジャズギターアルバムの原点ともいうべき作品です。
しかもこのアルバムでは、3曲目の”Here’s That Rainy Day”以外の全ての曲はアンプを通さずにフルアコギターの生音にマイクを近づけて録音されています。
こういった誤魔化しの一切聴かない録音環境で、完璧な演奏をしている正に名人芸ともいうべき作品です。
収録曲のほとんどはスタンダード曲で、1曲のみジョー・パスのオリジナル曲です。
その中でも特にコール・ポーター作の”Night And Day”やセロニアス・モンク作の”‘Round Midnight”にジェローム・カーン作の”All The Things You Are”が素晴らしい演奏です!
ジャズギター弾きなら誰もが一度は挑戦したいギター独奏による演奏ですが、はっきり言ってよっぽどの腕前がない限り止めといた方が良いです。
真似なんてそう安々と出来るようなものではありません。
名人芸というものは、なんとなく興味を持った素人が簡単に真似できるようなものではありません。
ジョー・パスのように幼少の頃からスパルタ教育を受けて苦労を乗り越えたからこそ出来るものです!
しかしこういった「巨匠」の完璧な演奏を聴くことは誰にでも出来ますし、みんなで共有すべきものです。
というわけで、ジャズギターを演奏しない人にもぜひこの名人芸を聴いていただきたいと思います。
4枚目:Jimmy Raney – 『A』
今回ご紹介する4名の中では一番地味(ジミー・レイニーだけに?)なジャズギタリストかもしれませんね?
さすがにウェスやバーニー・ケッセルにジョー・パスは、ジャズギターを演奏する人なら誰でも知っていて当たり前ですが、ジミー・レイニーはたまに知らないっていう人いたりました。それも仕方ないのかな?とは思います。
個人的にはジャズギター弾きには絶対に聴いておいて欲しいギタリストだと感じるのですが、他の3名と比べてアルバムが廃盤なってる確率が一番高いので仕方ないですね。
またジャズギターを演奏しないって方ならジミー・レイニー知らなくっても当然だと思います。
そりゃ~中には「当然知ってるぞ!」って方もいらっしゃるとは思いますが、知らない人の方がやはり多いでしょう。
しかしジミー・レイニーは、あのグラント・グリーンも若い頃に憧れて参考にしていた!ほどの名手です。
本当に上手いギタリストです。
どちらかって言うと、激しく弾き倒すギタリストではなくって、繊細で美しい音色を、綺麗なピッキングで弾くタイプです。
またギターのトーンも嫌味のない音色なのでゆったりと落ち着いて聴くことが出来ます。
そういった印象からギターの演奏は控えめなのかな?と一見感じますが、いいえ、違います。
もの凄いテクニックです!
速いパッセージで難解なフレージングでも一切のミストーンなしで弾き切ります。
それはこのアルバムの1曲目にしてジミー・レイニー自身による作曲の”Minor”から聴くことが出来ます。
2本聴こえるギターは、ジミー・レイニー自身の多重録音によるものです。
この曲を聴いていると、もしかしたら8年後にグラント・グリーンが”Jean De Fleur”を書いたのはジミー・レイニーの”Minor”からの影響なのかな?とも感じます。
繊細で美しいだけでなく、テクニカルなフレーズも難なく弾きこなす名手ジミー・レイニーをこの機に聴いてみてはいかがでしょうか?
以上4枚のお勧めアルバムでした。
今回は「ジャズギター」というフォーマットにこだわって、僕のお気に入りでぜひともお勧めしたいアルバムを4作品ご紹介しました。
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