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カテゴリー:Music

2022/09/27

【元祖グランジ/オルタナ・バンド】チープ・トリック2度目のセルフ・タイトル・アルバム『Cheap Trick』を聴こう♪

1997年にインディ・レーベルからリリースされた隠れた名作『Cheap Trick』をご紹介したブログ記事のタイトル画像です。

チープ・トリックの隠れた名作『Cheap Trick』をご紹介!

近々チープ・トリックがデビュー45周年を記念したライヴを日本で行うために来日公演を行います。

 

2018年以来、4年振りとなる今回の来日公演は、東京・仙台・名古屋・大阪で計5回の公演を開催する予定です。

 

そこで今回は僕が一番好きなチープ・トリックのアルバムをご紹介したいと思います。

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僕が一番好きなチープ・トリックのアルバムは意外な作品!?

以前このブログで【絶対に聴くべき!チープ・トリックのおすすめの名曲バラード7選!】という記事を書いていました。

絶対に聴くべき!チープ・トリックのおすすめの名曲バラード7選!

 

それこそ前回のチープ・トリックの来日公演と同じ2018年に書いていたブログ記事ですね。

 

というわけでこのブログでチープ・トリックのことを取り上げるのもあれから4年振りということになります。

 

僕は高校生の頃からチープ・トリックが大好きで、一応オリジナル・アルバムは全て聴いています。

 

そういったわけもあって2018年に上記のようなブログ記事を書きました。

 

そして今回は、チープ・トリックの久しぶりの来日公演が近いと言うことで、僕が一番好きなアルバムについてご紹介したいと思います。

 

そのアルバムとは…

 

1997年にリリースされたアルバム『Cheap Trick』という作品です。

 

意外な選択でしたでしょうか?

 

おそらくほとんどのチープ・トリックのファンの方からしたら、とても地味に感じたアルバムだと思います。

 

それどころか、従来のパワー・ポップな楽曲が少ないため「一番の駄作!」と感じられる方がいてもおかしくはありません。

 

しかしこの作品は僕がリアル・タイムで初めて聴いたチープ・トリックのオリジナル・アルバムということで思い入れもあります。

 

それと僕は世代的にグランジ/オルタナ・ロックがまだ流行っていた頃に音楽を聴き始めました。

 

そのためグランジ/オルタナ・ロック色の濃いこのアルバムを特に好きになったのかもしれません。

 

それでは簡単にではありますが、1997年のアルバム『Cheap Trick』がリリースされるまでの経緯を書いてみたいと思います。

 

 

デビュー20周年の節目にリリースされた2度目のセルフ・タイトル・アルバム『Cheap Trick』

チープ・トリックは1977年に1stアルバム『Cheap Trick』をリリースしています。

 

このデビュー作もバンド名を冠したセルフ・タイトル・アルバムだったのですが、チープ・トリックにはもう1作セルフ・タイトル・アルバムがあります。

 

それがデビュー20周年に当たる1997年にリリースされた2度目のセルフ・タイトル・アルバム『Cheap Trick』です。

 

このアルバムは海外では”Red Ant Records”というインディ・レーベルからリリースされました。

 

ビクターからリリースされた日本盤はメンバー4人のモノクロ写真がジャケットの表紙を飾ったデザインでしたが、US盤は全く違ったジャケットです。

 

US盤ではリック・ニールセンの5本ネック・ギターとバン・E・カルロスのドラム・セットが写った控えめなデザインのものです。

メンバーの写真が使われていないため、知らずに見たら「これってチープ・トリックのトリビュート・アルバム?」と勘違いしてしまいそうですね…。

 

一応本作はデビューから20周年ということもあり、1stアルバムのセルフ・オマージュという形で同じモノクロのデザインでジャケットが制作されています。

 

またバンドの心機一転再スタートという意味もあり、2度目のセルフ・タイトル・アルバムとなったのでしょう。

 

チープ・トリックは、ここに至るまでにレコード会社との契約の問題があったため心機一転再スタートすることとなりました。

 

本作より前のチープ・トリックは、13年間エピック・レコードに在籍した後、ワーナー・ブラザーズに移籍して12作目となる『Woke Up With A Monster』を1994年にリリースしています。

 

しかしセールスが芳しくなくそれ1作でワーナー・ブラザーズを離れることになります。

 

その後、チープ・トリックは意外なレーベルからシングルをリリースしています。

 

 

元祖グランジ/オルタナ・バンドはチープ・トリック!?

 

それはニルヴァーナやサウンドガーデンやマッドハニー等のグランジ・バンドが在籍したことで有名なサブ・ポップ・レコードです。

 

そのサブ・ポップ・レコードでニルヴァーナの『IN UTERO』をプロデュースしたスティーヴ・アルビニがチープ・トリックのシングル『Baby Talk / Brontsaurus』のプロデュースを手がけてリリースしています。

 

スティーヴ・アルビニは、自身もビッグ・ブラックやレ○プマンといったバンドで活動するミュージシャンですが、レコーディング・エンジニアとしても活動しています。

 

そのスティーヴ・アルビニを起用したサブ・ポップ・レコードからリリースされたチープ・トリックのシングル『Baby Talk / Brontsaurus』は、ハードなエッジが利いたロック曲に仕上がっていました。

 

良くも悪くも80年代のチープ・トリックは、その時代に合わせた煌びやかなキーボードの音色が中心の産業ロック的なサウンドに代わっていました。

 

しかし時代が変わり90年代に入り、そういった産業ロック的な音作りは廃れていき、より生々しいギター・サウンドが活躍するグランジやオルタナ・ロックが主流となりました。

 

そもそもチープ・トリックはデビューから4作目までの70年代のアルバムでは、リックのギターが中心のロック・バンドでした。

 

90年代のチープ・トリックは、80年代の軽いサウンドから原点回帰したハードなギターが中心のサウンドになったのです。

 

それこそグランジやオルタナ・ロックのハシリとも言えるハードなギター中心のサウンドです。

 

それに90年代に入ってからニルヴァーナのカート・コバーンやスマッシング・パンプキンズのビリー・コーガン等の当時の「時の人」らがこぞってチープ・トリックからの影響を口にしていました。

 

だからチープ・トリックをグランジ/オルタナ・ロックの元祖と言ってしまっても過言ではないのでは?ということです。

 

そういった時代背景もあり、1994年の『Woke Up With A Monster』からギターがより目立つサウンドに戻っていきました。

 

そしてスティーヴ・アルビニを起用した『Baby Talk / Brontsaurus』で原点回帰したギター・ロック曲を2曲、両A面シングルとしてリリースしています。

 

“Baby Talk”は、それこそ1stアルバムに収録されていてもおかしくないようなチープ・トリック印の元気なロック曲です。

 

ちなみにもう1曲の”Brontsaurus”は、ザ・ムーヴの1970年のアルバム『Looking On』に収録されていた曲のカバーです。

 

チープ・トリックは過去にもザ・ムーヴの”California Man”をカバーしていましたが、よっぽど好きなんでしょうね。

 

この2曲で元祖グランジ/オルタナ・バンドの維持を見せた!?ようにも感じられます。

 

当時はボン・ジョヴィが『These Days』で…

 

デフ・レパードが『Slang』で…

 

80年代に産業ロックをやっていたハード・ロック系のバンドがこぞってグランジ/オルタナ・ロックに接近していましたが、既にカート・コバーンが亡くなった後でした。

 

どうも無理していた感のあったボン・ジョヴィやデフ・レパードと比べると、チープ・トリックはより自然な形でグランジ風の楽曲をシングルでリリースしていたと感じます。

 

ちなみに”Baby Talk”と”Brontsaurus”の2曲は、日本盤の『Cheap Trick』にボーナス・トラックとして12曲目と13曲目にそれぞれ収録されています。

 

この2曲を聴きたいのであればぜひ日本盤での購入をおすすめします♪

 

それではアルバム収録曲を順番にご紹介します。

 

 

Cheap Trick – 『Cheap Trick』

01.Anytime
02.Hard To Tell
04.Shelter
05.You Let A Lotta People Down
06.Baby No More
07.Yeah Yeah
08.Say Goodbye
09.Wrong All Along
10.Eight Miles Low
11.It All Comes Back To You

アルバムの内容

レコーディング・メンバーは、チープ・トリックのオリジナル・メンバーで行われています。

 

リック・ニールセン(gt)にロビン・ザンダー(vo)にトム・ピーターソン(ba)、そしてバン・E・カルロス(ds)の4人が中心です。

 

1曲目”Anytime”からしてこのアルバムはそれまでのチープ・トリックの作品とはひと味違っています。

 

それまでのチープ・トリックのアルバムだったら1曲目は、誰もが一緒に口ずさめそうなキャッチーなサビを持つ明るく元気ハツラツなパワー・ポップ調の曲ばかりでした。

 

しかしこの”Anytime”は違います。

 

スタジオ・セッション中のような掛け声からバン・E・カルロスの重心の低いドラム・パターンが始まります。

 

一度ブレイクしてから、再度ドラム・パターンが始まるとリックのいつになく暗いギターのメロディーが乗っかります。

 

そしてロビンの低いボーカルが静かに始まります。

 

しかしじわじわとサビに迫るとそこからまるでニルヴァーナの”Smells Like Teen Spirit”のように激しく歪んだギターとロビンのはち切れんばかりのシャウトに変わります。

 

静から動へ…この手法はまるで90年代初期に流行ったグランジ・バンドのようです!

 

これまでのチープ・トリックとは違うんだ!といった意気込みを感じると共に、元祖グランジ/オルタナ・バンドとしての維持も感じさせます。

 

ヘヴィーな1曲目が終わると、一転して従来のパワー・ポップ調の曲”Hard To Tell”に移ります。

 

いかにもビートルズ直系といったいつものパワー・ポップ曲ですが、意外にもこの曲はシングル・カットされませんでした。

 

しかしこの後2001年にリリースされたバンド結成25周年を記念してリリースされたCD2枚組ライヴ盤『Silver』にはこの曲のみ本作から取り上げられていました。

 

過去の名曲”Surrender”や”Dream Police”と並んでも遜色ないポップな楽曲です♪

 

軽快なピアノのイントロから始まる次の3曲目”Carnival Game”は、本作からの3枚目のシングルに選ばれたゆったりしたポップ・ソングです。

 

元祖グランジ/オルタナ・バンドの維持を見せたアルバムとは言え、1曲目がいつも以上にヘヴィーだっただけで実は2~3曲目はいつも通りのパワー・ポップだったりします。

 

しかし従来のような「とにかく明るく元気ハツラツ!」なチープ・トリックではなく、サビの盛り上がりも控えめでどこか影があるのが本作の特徴です。

 

家族愛をテーマにした4曲目”Shelter”は、ストリングスをフィーチャーした美しいバラード曲です。

 

以前のチープ・トリックであれば、後にエアロスミスの”I Want To Miss A Thing”を書くことになるパワー・バラード専門のソング・ライターであるダイアン・ウォーレンが書いた派手なバラードを歌っていたことでしょう。

 

例えば、1988年にリリースされた『Lap Of Luxury』に収録の大ヒット曲”The Flame”や…

 

1990年にリリースされた『Busted』に収録されていた”Wherever Would I Be”といったパワー・バラードがダイアン・ウォーレン作になります。

 

しかし本作の “Shelter”は、基本はチープ・トリックのメンバーによって書かれています。

 

盛り上がりには欠ける楽曲ではありますが、家族愛をテーマにした曲なのでこういった終始ゆったりとしたアレンジの方が良かったのでしょう。

 

2~3曲目のポップな2曲にゆったりとしたバラードが続き、「な~んだ、1曲目がヘヴィーなだけでいつものチープ・トリックじゃないか!」…と思った矢先に重く暗い”You Let A Lotta People Down”が始まります。

 

この曲は「お前は多くの人を失望させた!」といった歌詞の暗さも感じられます。

 

ここでいう”You”というのは「他人」の事ではなく「自分自身」の事です。

 

これは自分の頭の中で「お前(俺)は多くの人を失望させてしまったんだ!」と自己嫌悪に陥っている事を表しています。

 

アルバムからの3枚目のシングル”Carnival Game”のB面にも収録されていました。

 

6曲目”Baby No Name”は、当時はやっていたメロコア系のバンドを彷彿させるパンキッシュなナンバーです。

 

この当時は70年代パンク・ロックがリバイバルしていまして、同年にリリースされたエアロスミスの『Nine Lives』にもパンキッシュな”Crash”という曲が収録されていました。

 

今聴くと「たまたまパンキッシュな曲をやっただけ?」と感じますが、これもひとつの流行りに乗っかった曲ですね。

 

リックのワウ・ペダルを使ったハードなギター・ソロも聴き所です!

 

次の7曲目”Year Year”と8曲目”Say Goodbye”は、両A面でアルバムからの1stシングルとしてリリースされた曲です。

 

どちらの曲もグランジ/オルタナ・ロック調のヘヴィーな楽曲で、1曲目の”Anytime”と合わせて本作を象徴する曲と言えます。

 

ニルヴァーナの”Smells Like Teen Spirit”の”Hello,hello,hello”の繰り返しを彷彿させる”Year Year”のサビや、静かに始まってサビで爆発する”Say Goodbye”はまさにグランジです!

 

ギター好きなら”Year Year”の終盤で聴けるリックの硬質なトーンのギター・ソロは堪らないはずです!

 

2曲のグランジ調が続いた後はチャック・ベリー風のロックンロール曲”Wrong All Along”が続きます。

 

チープ・トリックは過去にエルヴィス・プレスリーの”Don’t Be Cruel”をカバーしていましたが、それと似た曲調です。

 

10曲目”Eight Miles Low”は、イントロこそ当時クーラ・シェイカーのヒットで流行っていたインド風のシタールの音色を使ってサイケデリックに始まりますが、従来のパワー・ポップ曲です。

 

11曲目”It All Comes Back To You”は、”Shelter”と同じく優しいアコースティック・ギターの音色が美しいバラード曲です。

 

アルバムの締めにはピッタリですね♪

 

US盤では以上の11曲でアルバムは終わります。

 

しかし日本盤のCDにはシングル『Baby Talk / Brontsaurus』がボーナス・トラックとして追加収録されています。

 

この2曲を聴きたいという方はぜひ日本盤を購入してみて下さい。

 

以上、【【元祖グランジ/オルタナ・バンド】チープ・トリック2度目のセルフ・タイトル・アルバム『Cheap Trick』を聴こう♪】でした。

 

おそらくほとんどのチープ・トリック・ファンの人には「そこまで好きじゃないアルバム」もしくは「一番嫌いな駄作!」どころか「そんなアルバムあったっけ?」といった目立たないアルバムではありますが、僕はリアルタイムで本作を聴いたのでとても思い入れのある作品です。

 

これを書いている途中で気付いたのですが…実は本作がリリースされてから2022年の今年で25年が経つのですね!

 

つい昨日のことのように本作がリリースされた時のことを思い出しますが、既に四半世紀も前の古い作品になります。

 

しかしグランジ/オルタナ・ロックに接近しつつも本来チープ・トリックが持っているハードな側面を表した良いアルバムだと思います。

 

このブログ記事で初めて本作を知ったという方は、ぜひ1度聴いてみてはいかがでしょうか?

 

もちろんグランジ/オルタナ・ロック好きにもおすすめ出来るアルバムです♪

 

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