2019/08/12
『iPadで描くブルースの偉人シリーズ』⑧ブラインド・ウィリー・ジョンソンとレヴァランド・ゲイリー・デイヴィスを描いてみました。
『iPadで描くブルースの偉人シリーズ』Part.8
宣教師として活動した2人のブルースマン『ブラインド・ウィリー・ジョンソンとレヴァランド・ゲイリー・デイヴィス』をiPadで描こう♪
前回の『iPadで描くブルースの偉人シリーズ』第7弾では、”ビッグ”なブルースマン『ビッグ・ジョー・ウィリアムスとビッグ・ビル・ブルーンジー』の2人を描きました。
『iPadで描くブルースの偉人シリーズ』⑦ビッグ・ジョー・ウィリアムスと ビッグ・ビル・ブルーンジーを描いてみました。
まだまだ続くこの『iPadで描くブルースの偉人シリーズ』なのですが、今回も2人のブルースマンを描きました。
今回はどちらも盲目のブルースマンです。
盲目のブルースマンと言えば、このシリーズの初期にブラインド・レモン・ジェファーソンとブラインド・ブレイクを描いていたのですが…
2人の盲目のブルースの巨人ブラインド・レモン・ジェファーソンとブラインド・ブレイクをiPadで描いてみました。
今回は、どちらも宣教師としても活動した盲目のブルースマンになります。
それではさっそく今回描いた2人のブルースマンを掲載してみたいと思います。
Blind Willie Johnson – “Dark Was The Night Cold Was The Ground”
ブラインド・ウィリー・ジョンソンは、僕も特に好きなブルースマンです。
始めて聴いたのは大学生の頃でした。
なぜかその頃の僕には、ブラインド・ウィリー・ジョンソンがダミ声で歌うブルースが心に沁みました。
そんなブラインド・ウィリー・ジョンソンは、1987年1月25日にテキサス州で生まれています。
生まれながらに盲目だったわけではないようで、幼少期になんらかの障害で視力を失ったようです。
主にギター・エヴァンジェリスト(ギター弾き語りの福音伝道師)として活動していました。
ブルースだけでなくゴスペルミュージックの先駆的存在でもある偉大なるミュージシャンです。
そう言った点では、以前このシリーズで絵を描いていたサン・ハウスの先輩だと言えますね。
今回の絵のサブタイトルの曲名は”Dark Was The Night Cold Was The Ground”にしました。
この曲は、ライ・クーダーもカヴァーした闇を切り裂くようなスライドギターが印象的な名曲です。
その他にも『ザ・ブルース ムーヴィー・プロジェクト』の中で、ヴィム・ヴェンダース監督による映画『ソウル・オブ・マン』でブラインド・ウィリー・ジョンソンが取り上げられていた際にも取り上げられていました。
その映画ではギタリストのマーク・リボーがカヴァーしていました。
ブラインド・ウィリー・ジョンソンが演奏した曲と言えば、他にもレッド・ツェッペリンがカヴァーした “Jesus Make Up My Dying Bed”と”It’s Nobody’s Fault but Mine”や、先ほど挙げていたサン・ハウスやウォーレン・ヘインズ率いるガヴァメント・ミュールがカヴァーしたゴスペル・トラディショナルの”John the Revelator”なんかもロック・ファンには有名ですよね。
しかし僕にとっては、やはり”Dark Was The Night Cold Was The Ground”の方が印象深いのでこの曲にしました。
それでは、今回も着色前の下絵も掲載します。
サブタイトルの曲名の上下の飾りは、曲名の”Dark”と”Night”から夜空を連想して流れ星を描きました。
また星の形は、宣教師ということもあって十字架をイメージしています。
映画『ソウル・オブ・マン』によるとブラインド・ウィリー・ジョンソンのこの曲”Dark Was The Night Cold Was The Ground”のレコードが探査機に乗せられて宇宙を飛んでいるらしいです。
この探査機を拾った地球外の宇宙の知的生命体に『地球人を代表する曲』として聴かせるためだそうです。
その他にもモーツァルトやベートーベンのようなクラシック音楽もその探査機に積まれているらしいのですが、ブルースを代表してブラインド・ウィリー・ジョンソンの”Dark Was The Night Cold Was The Ground”が選ばれたということは、僕としても喜ばしいことだと思いました。
こんな素晴らしい曲を人類が創造したということを、いつか宇宙人に知ってもらえれば、面白いですよね♪
それでは今回の2人目のブルースマンの絵も引き続き掲載したいと思います。
Reverend Gary Davis – “Death Don’t Have No Mercy”
2人目のブルースマンは、牧師でありブルースマンでもあるレヴァランド・ゲイリー・デイヴィスを描きました。
“reverend(レヴァランド)“とは「牧師」の意味です。
1896年4月30日にサウス・カロライナ州に生まれています。
先ほどのブラインド・ウィリー・ジョンソンと同じく19世紀生まれの古い年代のブルースマンですが、1945年に亡くなったウィリー・ジョンソンと違って1972年まで生きていたので映像も残されています。
ご興味ある方はぜひDVDなどで観てみてください。
ブラインド・ボーイ・フラーとの共演歴もあるゲイリー・デイヴィスは、彼自身も幼少の頃に視力を失っています。
そのことがきかっけで宗教の道に進み牧師になったようです。
なので、ブラインド・ゲイリー・デイヴィスと呼ばれることもあります。
サブタイトルの曲名”Death Don’t Have No Mercy”は、グレイトフル・デッドが1969年のライヴ名盤『Live/Dead』で取り上げていたゲイリー・デイビスの代表曲のひとつです。
実は僕がゲイリー・デイヴィスを知ったのもグレイトフル・デッドがきっかけでした。
ちなみにこの曲は、他にもスクリーミング・ツリーズのマーク・ラネガンがソロ活動でカヴァーしていたりもします。
1998年にリリースされた『Stay』というシングルのB面曲として収録されています。
当時はライヴでもこの曲をよく演奏していました。
マーク・ラネガンは、グランジバンドのスクリーミング・ツリーズを率いていたボーカリストで、ニルヴァーナの先輩バンドにあたります。
以前、このシリーズのレッドベリーの時にも書いていましたが、カート・コバーンは”Where Did You Sleep Last Night?”をマーク・ラネガンから教わったようです。
面白い繋がりですよね。
それではこの絵も下絵を載せてみたいと思います。
今回もサブタイトルの文字で遊んでみました。
“Death”の”D”の文字の穴の部分は、ドクロマークになっています。
“Mercy”の”e”の文字は、涙を流して泣いています。
「死」というものは、誰にでも平等に訪れます。
しかしその「死」は、突然にやってくることがほとんどです。
誰にも予想することは出来ません。
曲名通りに「慈悲や情け」はありません。
この曲名を見ると、僕はいつもジャン=フランソワ・ミレーが1859年に描いた『死と樵夫(Death And The Woodcutter)』の絵を思い出します。
木こりが仕事中に突然現れた死神によって何の前触れもなく『死の世界』へと連れ去られようとしている絵です。
死神にとっては、ひとりの人間の『死』など気まぐれによる流れ作業程度でしかありません……なんとも恐ろしい絵なのですが、ミレーは敢えて死神の顔をこちらに向けずに描いています。
本来であれば、骸骨なんかの恐ろしい表情をこちらに見せるはずなのですが、そういった視覚的な「ホラー要素」を敢えて排除して、どこかカジュアルに描いているのがまさに「気軽な死」を表現していると感じます。
まさに”Death Don’t Have No Mercy”だと思いました。
音楽も絵画も同じ『芸術』なので、こうやってリンクさせて考えると面白いですよね。
ちなみに僕は美術館に行くのが趣味で、それだけのために海外旅行に行くこともあるのですが……美術館で壮大な絵を観る際にはいつもデューク・エリントン の『Money Jungle』の2曲目に収録されている”Fleurette Africaine”という曲が頭の中で流れます。
サー・デュークの弾く荘厳で美しいピアノのメロディーが美術品を観る時の厳粛な気分に合っている気がします。
閑話休題、話が脱線しましたが…
今回2人目の絵はレヴァランド・ゲイリー・デイヴィスでした。
以上、【『iPadで描くブルースの偉人シリーズ』⑧ブラインド・ウィリー・ジョンソンとレヴァランド・ゲイリー・デイヴィスを描いてみました。】でした。
今回の2人の絵でこの『iPadで描くブルースの偉人シリーズ』も14人描いたことになります。
まず最初の目標である30人に向けて、ようやく半分を超えようというところです。
次に描くブルースマンも既に決まってます。
もちろん今後もまだまだ続きますので、引き続き次回もお楽しみに~♪
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