2019/02/07
大人になったエリック・クラプトンのおすすめアルバム3選‼【各アルバムの解説付きです!】
1998年から2005年にかけてリリースされた大人になったエリック・クラプトンのおすすめアルバム3作品をご紹介します!
年を取って落ち着いたクラプトンの聴きやすくなった作品群♪
今回はエリック・クラプトンが1998年から2005年にかけてリリースした3作品をご紹介したいと思います。
どれも年を取って落ち着いたクラプトンの演奏が聴きやすくなった作品ばかりです♪
それではリリース順にさっそくご紹介していきたいと思います。
Eric Clapton – 『Pilgrim』
01.My Father’s Eyes
02.River of Tears
03.Pilgrim
04.Broken Hearted
05.One Chance
06.Circus
07.Goin’ Down Slow
08.Fall Like Rain
09.Born in Time
10.Sick & Tired
11.Needs His Woman
12.She’s Gone
13.You Were There
14.Inside of Me
1989年の『Journeyman』以来およそ9年振りとなる1998年ににリリースされたオリジナル作品の『Pilgrim』です。
その間に映画のサントラ盤『Rush』から、後のクラプトンの代表曲となった”Tears In Heaven”や、1992年にMTVの企画であるアコースティック・ライヴの模様を収録した『Unplugged』や、1994年のブルースのカヴァー・アルバム『From the Cradle』に、1996年度のグラミー賞の最優秀楽曲賞曲ともなったカントリーシンガーのワイノナ・ジャッドのカヴァー曲”Change The World”などがありました。
そして1998年になってようやくリリースされた企画盤以外のオリジナル・アルバムが本作です。
発売当時は、エヴァンゲリオンの貞本義行氏がデザインしたジャケットが話題となりました。
瞑想をしているかのような目を閉じたクラプトンの頭部には、幻想的な夜空の海に浮かぶ満月が印象的です。
アルバムのテーマとなる“pilgrim”=「巡礼する」にぴったりのデザインだと思います。
また収録曲の方も、これまでのクラプトンにはなかったような「大人」な感触のゆったりとした曲調が増えています。
打ち込みのドラムが入っているのも、当時の流行りを感じさせますね。
また参加ミュージシャンの方も、ジョー・サンプルにネイザン・イーストにスティーヴ・ガッドなど、ジャズ/フュージョン系からの凄腕が集結しています!
オーティス・スパンにハウリン・ウルフやロバート・ロックウッドJr.など多くのブルース・ミュージシャンが取り上げたセントルイス・ジミー ・オーデンの”Goin’ Down Slow”とボブ・ディランのカヴァー曲”Born in Time”以外は、クラプトンが単独で書いた曲、もしくはサイモン・クライミーとの曲作です。
特に1~6曲目の前半の出来が素晴らしいアルバムです♪
1曲目”My Father’s Eyes”は、アルバムからの1stシングルにもなった名曲です。
打ち込みのドラムとガッドのドラムが交差する中、クラプトンの伸びやかなスライドギターのイントロで始まります。
落ち着いた歌メロは、ついつい一緒に口ずさみたくなるほどキャッチーな出来です。
2曲目”River of Tears”は、7分22秒もある長尺のスロー・バラード曲です。
静謐な雰囲気の中、クラプトンの祈りを捧げるような歌が心に沁みます。
3曲目”Pilgrim”は、まるでカーティス・メイフィールドになったかのようなクラプトンのファルセット・ボーカルが印象的な曲です。
惜しくも翌年の1999年にカーティス・メイフィールドは亡くなってしまうのですが、クラプトンは彼のトリビュート・アルバムにも参加していましたね。
7曲目の”You Must Believe Me”を演奏しています。
“Pilgrim”の聴きどころは、4分20秒辺りでで歌が終わり4分30秒辺りからまるでビートルズの”A Day In The Life”のようにストリングスが盛り上がってからクラプトンのギターソロが始まる部分です!
次の4曲目”Broken Hearted”もゆったりとしたスロー・ナンバーのバラード曲です。
これまで以上にソウルフルに歌えるようになったクラプトンのボーカル能力のレベルアップにも注目ですね!
打ち込みの音から徐々に始まる5曲目”One Chance”は、歪んだギターのリフがオシャレな楽曲です。
女性コーラスも当時のオーガニックソウル・ブームに合わせたような感じがします。
6曲目”Circus”は、アコースティック・ギターの音色が美しいバラード曲です。
ここまでの6曲が特に素晴らしい作品です。
モダンなアレンジの”Goin’ Down Slow”も初見の驚きこそありますが、やはりこの曲はもっとブルージーなアレンジで演奏すべきだったんじゃないかな~とも。
大人になったクラプトンの血就いた作品として、まずはこの『Pilgrim』がおすすめです♪
ちなみに当時、映画のサントラへの収録とシングル盤のみでリリースされていた”Change The World”は、本作のコンセプトに合わず収録されず仕舞いでした。
当時はまだ”Change The World”を収録したベスト盤もリリースされていなかったので、僕は仕方なくシングル盤で”Change The World”を購入しました。
しかしその後、『Pilgrim』に”Change The World”がオマケCDで付属したCD2枚組のアルバムがリリースされました!
しかもそのアルバムのディスク2には、”Change The World”だけでなく”Tears In Heaven”と”Wonderful Tonight”の僕の一番好きな『24 Nights/Recorded Live At The Royal Albert Hall, London. 1990-1991(24ナイツ)』のライヴ・バージョンの3曲が収録されていました。
「商売上手だなぁ~」と思いつつも、高校生だった当時の僕はなけなしのお金をはたいて買いました。
ちなみにベスト盤以外で僕が初めて買ったクラプトンの作品がこの『Pilgrim』でした。
次に行きましょう。
Eric Clapton – 『Reptile』
01.Reptile
02.Got You On My Mind
03.Travelling Light
04.Believe In Life
05.Come Back Baby
06.Broken Down
07.ind Myself
08.Ain’t Gonna Stand For It
09.I Want A Little Girl
10.Second Nature
11.Don’t Let Me Be Lonely Tonight
12.Modern Girl
13.Superman Inside
14.Son & Sylvia
『Pilgrim』から約3年後の2001年にリリースされた『Reptile』です。
“reptile”とは、「爬虫類」の意味の他に「下劣な奴、卑劣漢」といった意味があります。
しかし1曲目の”Reptile”は、爽やかなインスト・ナンバーです。
ボサノバっぽいアコギのバックの上をクラプトンのリードギターがソロを弾いています。
次の2曲目の”Got You On My Mind”からクラプトンのボーカルが始まります。
ドゥーワップも演奏したピアニストのハワード・ビグスと、アルト・サックス奏者のジョー・”コーンブレッド”・トーマスが1951年に書いた古い曲です。
クラプトンは、小粋に演奏しています♪
「ドゥ~~ワァ~~♪」というバックのコーラスがドゥーワップ的ですね。
3曲目”Travelin’ Light”は、クラプトンお気に入りのJ・J・ケイルのカヴァー曲です。
過去にも”After Midnight”や”Cocaine”なんかをカヴァーしていますが、この”Travelin’ Light”もさすがの出来で、本作でも屈指の演奏です!
4曲目”Believe in Life”は、クラプトンの自作曲で本作からの3rdシングルとしてリリースされた曲です。
その後、レイ・チャールズの”Come Back Baby”や、『Pilgrim』で共作もしたサイモン・クライミーの曲”Broken Down”、ゆったりとしたクラプトンのオリジナル曲”Find Myself”を挟み、本作の一番の目玉曲が登場します!
1stシングルにも選ばれたスティーヴィー・ワンダーのカヴァー曲”I Ain’t Gonna Stand for It”です。
スティーヴ・ガッドやネイザン・イーストも登場するMVも制作されました。
原曲よりも溌溂とした8ビートで演奏されています。
実は2007年頃に、僕も自身のバンドでこのクラプトン・バージョンの”I Ain’t Gonna Stand for It”をカヴァーしたことがありました。
その他には、11曲目にジェームス・テイラーのカヴァー曲”Don’t Let Me Be Lonely Tonight”や、アルバムからの2ndシングルに選ばれたクラプトンとドイル・ブラムホール二世の共作”Superman Inside”なんかも聴きどころです♪
ドイル・ブラムホール二世は当時クラプトンのバンドでサイドギターを弾いていました。
『Pilgrim』の時のような打ち込みドラムはなく、生演奏でしっかりと制作された本作はクラプトンのキャリアの中でも屈指の名盤ですので、必聴です♪
Eric Clapton – 『Back Home』
01.So Tired
02.Say What You Will
03.I’m Going Left
04.Love Don’t Love Nobody
05.Revolution
06.Love Comes To Everyone
07.Lost And Found
08.Piece Of My Heart
09.One Day
10.One Track Mind
11.Run Home To Me
12.Back Home
2001年の『Reptile』リリース後、ロバート・ジョンソンのトリビュート作品『Me and Mr. Johnson』と『Sessions for Robert J』を挟んで2005年にリリースされた『Back Home』です。
これまで以上にハッピーな楽曲が収録された聴きやすいアルバムです♪
1曲目”So Tired”は、サイモン・クライミーとの共作です。
最後に赤ちゃんの泣き声まで収録された爽やかな楽曲です。
2曲目”Say What You Will”は、当時SMAPに「友だちへ 〜Say What You Will〜」という曲名で提供されたクラプトンとサイモン・クライミーとの共作バラードです。
クラプトンのバージョンは、レゲェ風のリズムでゆったりと演奏されています。
本作の中でも一番の聴きどころとなる名曲です♪
3曲目”I’m Going Left”は、まるでデレク&ザ・ドミノス時代の”Keep on Growing”を彷彿させるような軽快で明るい楽曲です。
女性コーラスも交えたキャッチーな歌メロが耳にこびりつきます♪
4曲目”Love Don’t Love Nobody”は、デトロイト出身のボーカル・グループのスピナーズが1974年に歌ったバラード曲です。
イントロの印象的なピアノのフレーズもそのカヴァーしています。
5曲目の”Revolution”は、クラプトンがちょくちょく取り上げるレゲェ風の楽曲です。
カヴァー曲ではなく、クラプトンとサイモン・クライミーの共作です。
そして6曲目の”Love Comes to Everyone” は、クラプトンの兄貴のようでもあり一番の親友でもあったビートルズのジョージ・ハリソンの曲です。
ジョージの曲をクラプトンが歌うと…なんとも言えない良さがありますね♪
7曲目”Lost and Found”は、当時のクラプトンの弟子のような存在だったドイル・ブラムホール二世が書いたヘヴィーまロック・ソングです。
8曲目”Piece of My Heart”も同じくドイル・ブラムホール二世が書いた曲ですが、こちらの方は少しブルージーなミドルテンポの曲です。
そして9曲目”One Day”は、クラプトンが企画した『クロスロード・ギター・フェスティバル』にも出演していたカントリー歌手のヴィンス・ギルの曲です。
こういった繋がりで曲をカヴァーすることもあるんですね。
その後は、クラプトンのオリジナル曲が3曲続きます。
ちなみに日本盤のボーナス・トラックで、13曲目に”Say What You Will [Love Earth Version]”が収録されていました。
レゲェのリズムがなくなって、すっきりしたアレンジです。
コーラスの入れ方も少しアレンジされています。
以上、【大人になったエリック・クラプトンのおすすめアルバム3選‼】のご紹介でした。
僕自身がリアルタイムでクラプトンを聴き始めた時期だったこともあって、この3作にはとても思い入れがあります。
ぜひクラプトンのギターだけでなく、卓越した作曲能力や上手くなったボーカルを聴いてみてください♪
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