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カテゴリー:Music

2019/03/17

日本が誇るスピリチュアル・ジャズ・レーベルのベイステイトからリリースされたビリー・ハーパーの『The Believer』を聴こう♪

ビリー・ハーパーが日本のレーベル『ベイステイト』からリリースした『The Believer』をご紹介します。

過去にも日本のレーベルから作品をリリースしていたビリー・ハーパー!

前回1973年のデビュー作『Capra Black』でもご紹介していた「スピリチュアル・ジャズ」系サックス奏者のビリー・ハーパーです。

【黒い山羊座】ビリー・ハーパー初のリーダー作『Capra Black』を聴こう♪

ギル・エヴァンスやサド・ジョーンズ~メル・ルイス楽団にアート・ブレイキー・ジャズ・メッセンジャーズなど数多くのジャズの巨人の元で研鑽を積んだジャズマンです。

 

そのデビュー作は、「黒人による黒人のためのレコード会社」ストラタ・イーストからリリースされていました。

 

しかしハーパーのストラタ・イーストからの作品は『Capra Black』1枚のみで終わります。

 

その後は、フリージャズ系のBlack Saintレーベルを挟んで、1910年に日本で設立されたA&Mレコード傘下のデノン・レコードから3枚の作品をリリースしています。

 

その間にギル・エヴァンスと、同じく「スピリチュアル・ジャズ」系のトランペット奏者ハンニバル・マーヴィン・ピーターソンと共に1972年に来日公演を行ったり、サド・ジョーンズ~メル・ルイス楽団の一因として1974年にも日本を縦断しているようです。

 

その後、1977年にマックス・ローチのバンド・メンバーとして来日を果たしてもいるので、日本との関係も多少あったミュージシャンですね。

 

そのビリー・ハーパーが、1980年に日本が誇るスピリチュアル・ジャズ・レーベルのベイステイトにて1作のみ吹き込んだのがこの『The Believer』です。

 

 

 

Billy Harper – 『The Believer』

01.Is It Not True, Simpy Because You Cannot Believe It ?(疑惑のきざし)
02.I Do Believe(めざめの時)
03.Believe, For It Is True(真実のふれあい)

 

Personnel:
Billy Harper – Tenor Saxophone
Everett Hollins – Trumpet
Armen Donelian – Piano
Greg Maker – Bass
Malcolm Pinson – Drums

 

 

アルバムの内容

たった3曲……そう、たったの3曲だけです。

 

本作には、ビリー・ハーパーの自作曲が3曲しか収録されていません。

 

しかも1曲目は、19分57秒もある長尺曲なのに2曲目は4分37秒と普通の演奏時間です。

 

そして3曲目は、12分13秒とこれまた長尺曲になっているアンバランスな構成です。

 

それぞれの曲には、日本のレーベルからのリリースらしく邦題がそれぞれにつけられています。

 

1曲目の”Is It Not True, Simpy Because You Cannot Believe It ?”は、「疑惑のきざし」
2曲目の”I Do Believe”は、「めざめの時」
3曲目の”Believe, For It Is True”は、「真実のふれあい」

 

と、なんとも絶妙な邦題だと思います。

 

録音を行ったメンバー編成は、当時のビリー・ハーパーのバンドメンバーのようで、トランペットを含む2管のクインテット編成です。

 

コルトレーンから影響を受けているのは、ビリー・ハーパーの演奏を聴けばすぐにわかるのですが……バンド編成はトレーンのカルテットではなく、マイルスのようなクィンテットで演奏することが多いようですね。

 

ちなみに発売元は日本のレーベル「ベイステイト」からですが、録音の方は1980年2月15日にニューヨークにて行われています。

 

コルトレーンにも1964年に吹き込まれた『The Believer』という作品がありますが、それとは全く関係がありません。

 

 

 

さて、長い曲名の1曲目”Is It Not True, Simpy Because You Cannot Believe It ?”は、ドラムのイントロも長く……2管によるテーマが始まるまでに1分41秒もあります。

 

テーマが始まってからは、いつものビリー・ハーパーらしく重厚なテーマ・メロディーが始まります。

 

テーマが終わると、それまでのコルトレーンの影響下にあったという呪縛からイメージを一新させようともがく様なハーパーのサックスソロが始まります。

 

コルトレーンぽさからの脱却を狙ったような長めのアドリヴソロですね。

 

その次にトランペットソロ→ピアノソロと続きますが、2人の演奏は残念ながら蛇足とでもいった感じです。

 

ビリー・ハーパーの熱いソロを引き立てるための存在でしかありません。

 

「なくても良かったのでは?」とも感じます。

 

2人分のソロを減らして、曲の長さを短くして、もう1、2曲収録すべきだったのかも⁉と感じることがあります。

 

それぐらいここでのハーパーの存在感は大きく感じられます。

 

彼のサックスソロだけで、既にこれらの曲が伝えたいことは全て伝わっているといったところです。

 

2曲目は、お得意の3/4拍子のワルツ・タイムの曲”I Do Believe”です。

 

トランペットが抜けて、ハーパーのサックスを中心としたカルテット編成で演奏しています。

 

ハーパーの吹く憂いのあるテーマ・メロディーに、ワルツ調のピアノのコンピング、そして脱コルトレーン風のサックスソロ……これだけで十分です!

 

長尺の1曲目と違い4分37秒と、ちょうどよい長さのこの曲の方がよりじっくりと聴こうと思えます。

 

変に各メンバーのソロ回しが長いだけの曲は……聴いている方も飽きてしまいます。

 

なぜかハーパーは、トランペット入りのクインテットにこだわっているかのように5人編成での録音が多いようですが、コルトレーンの全盛期のようにサックスを中心としたシンプルなカルテット編成の方が良い気がします。

 

シンプルな方が良い場合もあります!

 

3曲目”Believe, For It Is True!”は、再びトランペットも加わりクインテットで演奏されています。

 

しかしこういった重厚な曲調のテーマを演奏する場合は、トランペットも加わってユニゾンで厚みを増した方がよかったりもしますね。

 

そういった理由もあって、クインテット編成にしているのかもしれませんね⁉

 

ただ、それもテーマメロディーの部分だけの必要性であって、ソロではハーパーだけで十分な気がします。

 

この曲ではエバレット・ホリンズがミュートを使ってトランペットソロを吹いてはいますが、その直前のハーパーのサックスソロのような熱さが足りていません!

 

なんていうか、ソロに関しては本作のトランぺッターとピアニストは役不足な気がしてなりません。

 

長めのアドリヴソロは、ハーパーだけで十分な気がします。

 

しかしハーパーの脱コルトレーンのイメージを図ったサックスソロはどれも熱い演奏ばかりですので、おすすめの作品です♪

 

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
曲はどれも素晴らしい曲ばかりです♪
ビリー・ハーパーのサックスを中心に聴きましょう!

 

 

 

以上、【日本が誇るスピリチュアル・ジャズ・レーベルのベイステイトからリリースされたビリー・ハーパーの『The Believer』を聴こう♪】でした。

 

 

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