2024/05/17
2024年5月16日アレン・ハインズの大阪公演を観に行きました!
L.A.を代表するジャズ&フュージョン系セッション・ギタリストのアレン・ハインズの来日公演を観てきました!
今回はL.A.を中心に活動しているフュージョン系スーパー・ギタリストのアレン・ハインズ(Allen Hinds)の来日公演を観てきたライブレポを書いてみます。
今回のアレン・ハインズのライヴを観に行こうと思ったきっかけとは?
ファースト・コール・セッション・ギタリストのアレン・ハインズ
まず始めにアレン・ハインズをご存じない方のために簡単にご説明いたします。
アレン・ハインズとは、L.A.に活動拠点を置くジャズ&フュージョン系セッション・ギタリストです。
2005年にソロ名義で1stアルバム『Fact Of The Matter』をリリースしてからは、自身をリーダーとしたライヴ活動なども行うようになっていますが、それ以前はナタリー・コールやロバータ・フラックにボビー・コールドウェルといったAORやソウル・ミュージック系のシンガーのツアー・ギタリストとしても活動を行っています。
僕が観に行ったライヴのMCでアレン本人が語っていたのですが、初来日は1999年のボビー・コールドウェルのツアーの時にツアー・ギタリストとして参加した時だったそうです。
そんな昔から来日していたり、ミュージシャンとしても活動を行っていたのですね。
アレン・ハインズを知ったきっかけ
しかし実は僕がアレンのことを知ったのは、かれこれ10年以上前にエイブラハム・ラボリエルがスタジオセッションで”The Chicken”を演奏している動画をYouTubeで観た時でした。
僕自身もギターを弾くため、セッションでよく演奏する”The Chicken”の参考映像を探していたときにその動画を発見したんです。
その時にやたら上手いギタリストが参加しているのが気になり調べてみたら”Allen Hinds”だとわかりました。
ちなみにその映像ではアレンはギブソンのレスポールを使っていました。
またアレンと言えば、1996年に設立されL.A.の工房から良質なエフェクターを次々と生み出しているXotic(エキゾチック)からいくつかのシグネチャー・モデルをリリースしているギタリストでもあります。
代表的なのが”Soul Driven”(ソウル・ドリヴン)ですね。
良質なオーバードライヴ・ペダルとして評価の高い一品です。
デジマートの公式YouTubeチャンネルにアレン本人が製品レビューをしている動画がありますので、こちらに引用させていただきます。
上記の動画を観てもらえばわかると思うのですが、アレンはピッキングのニュアンスを大事にするギタリストです。
僕自身もXoticのエフェクターが好きで昔から使っているのですが、こういったことがきっかけでアレン・ハインズというギタリストに興味を持つようになり、ソロ作品を集めるようにまでなっていました!
ちなみにアレンはギター・レッスン等も行っており、教則本も出していますのでご興味がある方はぜひチェックしてみてください。
アレン・ハインズ約5年振りの来日公演は大盛況!
アレン・ハインズがやってくる!ヤァヤァヤァ!
今回アレン・ハインズが来日することを知ったのは、Xで4月におすすめ投稿でタイムラインに流れてきた情報でした。
ツアーの日程表を見て2日目に大阪公演があるのを知った僕はすぐに観に行く気になりました。
場所は大阪の十三(じゅうそう)にあるライヴ・ハウス「246ライブハウスGABU」です。
2017年8月にオープンしたライヴ・ハウスで「関西トップクラスの音響システム」を有しているとのことです。
僕はあまりに楽しみだったためかチケットの前売りが発売したその日に買いました!
それでも整理番号上では20番台後半でしたが・・・。
そしてライヴ当日まで「まだか!」と待ち遠しくしていました。
2024年5月16日(木)ついにアレン・ハインズの大阪公演が始まった!
そして5月16日になり、ついにアレン・ハインズの大阪公演を観に行くこととなりました。
前回は2019年に来日公演を行っていたようなのですが、ちょうどその時期は僕自身色々と大変な時期でもありまして観に行くことが出来ませんでした。
あれから約5年が経ち、コロナ禍もだいぶ落ち着き来日が決定したようです。
アレン以外の来日メンバーは、キーボード奏者のマット・ローディにベーシストのバビー・ルイスとドラムのドナルド・バレットというカルテット編成がバンドの中心です。
基本はアレンのギターをリーダーにしたギター・インストを演奏するバンドなのですが、ライヴ・セットの終盤に女性シンガーのマキサーン・ルイスがゲストで登場して3曲を歌っていました。
ライヴは開始時刻の19時30分から始まりました。
多少の空席はあったものの、ほぼ満席状態でした。
マキサーン・ルイス以外のバンド・メンバー4人がステージに登場するとさっそく1曲目の”Corpus Christi Carol”からライヴが始まります!
この曲は不世出のシンガー、故ジェフ・バックリィが最初で最後のオリジナル・アルバム”Grace”で歌っていた聖歌のような美しい楽曲です。
この曲をアレンのギターによるインストでカバーしています。
ジェフ・ベックではなくってジェフ・バックリィです!
2曲目はアレンの最新作『The Good Fight』より颯爽としたフュージョン曲”Blithe Spirit”でした。
この曲でアレンが弾くロングトーンのチョーキングはあまりにも素晴らしい音で、僕も含めオーディエンスみんなが「これは素晴らしい!」と唸ったことでしょう。
ちなみに最近のライヴ映像では2020年にXoticがアレンのシグネチャーモデルとして制作したテレキャスタイプのXTC-AHをのみを使ってることが多かったんですが、今回のライヴの序盤では2015年のストラトタイプXSC-AHも使っていました。
この青いギターがXSC-AHです。
1曲目こそ意外なバラード曲で始まったのですが、2曲目のこの”Blithe Spirit”は疾走するような曲調も相まって大いに盛り上がりました!
この曲が終わると一気に「ワァー!」と歓声が上がっていました。
その後、過去作品から”Now Really”と”Confianca”を挟み『The Good Fight』の1曲目”Fearless”と一気に駆け抜けていきます!
ちなみに”Now Really”は、2006年の2ndアルバム『Beyond It All』に収録されているワウギターのリフがかっこいい楽曲です。
“Confianca”は、2011年の4thアルバム『Monkeys and Slides』に収録されていたスライドギターをフィーチャーした楽曲です。
これはアレン本人がMCで語っていたのですが、スライドギターはオープン・チューニングではなく、スタンダードなレギュラー・チューニングで弾いているとのことです。
時にはワウペダルを踏みながらスライドギターを弾くという過激なギターソロを弾いてもいました。
スライドギターをフィーチャーした楽曲の際はXSC-AHではない方のストラトタイプのギターを使っていたので、てっきりチューニングを変えてあるのかと思ったのですが違ったようです。
おそらくスライドギターを弾きやすいように弦高を変えているのでしょう。
ライヴが中盤に迫ると、アレンがMCで先日亡くなられたデイヴィッド・サンボーンについての追悼の意を表明しました。
惜しくもデイヴィッド・サンボーンは、このライヴの少し前の5月12日(日)に亡くなりました。
僕がそのニュースを知ったのはこのライヴの前日となる5月15日でした。
僕もサンボーンのアルバムはいくつか聴いていたので、その訃報を知った時は思わず「えぇ…まじかよ!」と残念に思いました。
ここでサンボーンへの追悼としてアレンは、1975年にサンボーンがゲストで参加したジョー・ベックの曲”Cactus”と取り上げていました。
ジェフ・ベックではないですよ!
フュージョン系ギタリストのジョー・ベックです。
そのジョー・ベックが1975年にリリースした2作目のリーダー作『Beck』の2曲目に収録されていたのが”Cactus”です。
これはアレンの音楽性にもぴったりの選曲でした。
この辺りでアレンは最新のシグネチャーモデルのテレキャスタイプのギターXTC-AHをメインで使っています。
“Cactus”が終わるとここでマキサーン・ルイスが登場して3曲歌モノ・コーナーに突入してライヴ本編は終了です。
この時にマキサーンがステージ脇から登場し始めるとベースのバビーがスライ&ザ・ファミリー・ストーンの名曲”If You Want Me to Stay”のあの印象に残るベース・リフを弾き始めます。
その演奏をバックにマキサーンがステージ前方に設置されている椅子に座ると”If You Want Me to Stay”を歌い始めました。
この演出がすごくかっこよかったです!
その後もビートルズの”And I Love Her”をよりソウルフルにアレンジして歌っていたり、ビル・ウィザースの1972年の名曲”Use Me”を歌っていました。
ボーカル曲はこの3曲でした。
そういえばYoutubeにこのバンドでエリック・クラプトンが大ヒットさせた名曲”Change The World”を演奏しているドガがあったのですが、今回はやてくれませんでした。
ちなみに”Change The World”のオリジナルは女性カントリー・シンガーのワイノナ・ジャッドです。
そちらについては下記のブログ記事をぜひご覧になってください。
90年代にリリースされた女性シンガーが歌うカントリー・ポップのおすすめアルバム10選
こうしてライヴ本編が終了しました。
アンコールはもちろんあの曲⁉
ライヴ本編が終了するとすぐにアンコールが始まりました。
アレン・ハインズがお好きな方でしたら「もちろんあの曲だよね!」と察しが付くと思いますが、そうです”Falling Up”です。
“Falling Up”は、2008年の3作目『Falling Up』に収録されていたアレンを代表する名曲です。
アレン本人もMCでこの曲がここまで人気になるとは思いもよらなかったと語っていました。
アレンのギター・レッスンを受けている生徒だけに留まらず、今や世界中のファンがこの曲をカバーしてYouTubeやInstagram等に演奏動画をアップしていたりしますからね。
もちろん僕もこの曲が一番好きです♪
こうしてアレン・ハインズの大阪公演は大盛況のうちに終了しました!
今回アレン・ハインズのライヴを生で観て率直に感じたこと
さて、僕は今回初めてアレン・ハインズの演奏を目の前で観ることができました。ゆ
それまでYouTubeの動画で観たりアルバムを聴いたりでしか味わうことが出来なかったアレンのギターを生で観た率直な感想なのですが…
これまでに色々と来日アーティストを観に行ったことがありますが、今まで生で演奏を観たことがあるギタリストで一番上手かったです!
ワウやスライドギターにアーミング、ボリューム奏法に流れるようなレガート奏法、そして一切ミストーンのない美しいチョーキング…
全てが超一流でした!
特にバラード曲での繊細なピッキングは絶妙でした。
何よりもYouTubeの動画では伝わりきらない極上のギタートーンは実際のライヴでしか体験できないものです。
これまで生で聴いたことがあるギターの音で一番綺麗な音だと言っても過言ではありません。
本当に観に行って良かったと思えるライヴでした!
以上がアレン・ハインズの来日公演を観てきました感想です。
オマケ⁉
今回のライヴでのアレンの使用機材の写真です。
ワウペダルはXoticのワウペダルXW-1の限定版レッドを使ってました。
このワウペダルは僕も一番好きで愛用しています♪
数あるワウペダルの中でもXoticのワウはトップクラスにクオリティが高いです!
「何か良いワウペダルはないものか?」とをお探しの方はぜひこれを使ってみて下さい。
ライヴ開始前には最新作をCDで買いました。
アレン・ハインズの過去の作品は全てデジタル音源で購入していたのですが、今回初めてフィジカル版で購入してみました。
しかもオマケでXoticのステッカーも貰いました。
どうやらまた新しくアレンのシグネチャー・モデルのブースターが発売されるんですね。
こちらも要チェックですね!
それにしてもアレン・ハインズはギターうますぎでした!
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