2019/03/30
【脱ペンタ一発ソロ!】『ジャズ・ギターを弾くためのスケール活用帳』を読んでジャズ・ギターらしいソロを弾きこなそう♪
ペンタトニック・スケール一発のギター・ソロから抜け出すために…『ジャズ・ギターを弾くためのスケール活用帳』をご紹介します。
ロックやブルースからジャズへと転身したギタリストにおすすめのギター教則本♪
今回ご紹介するのは、僕のような「ロックやブルースからジャズへと転身したギタリストにおすすめのギター教則本」になります。
おそらく多くのギタリストが、ロックやブルースで慣れ親しんだ「ペンタトニック・スケール」は得意だと思います。
さすがに「ペンタトニック・スケール」を使いこなせないという方は、今回の教則本に進むにはまだ早いと思いますので…
下記のブログ記事で「ペンタトニック・スケール」の使い方を掲載したギター教則本もご紹介していますので…先にそちらから学んでください。
今回ご紹介するギター教則本は、「ペンタトニック・スケール」は使いこなせるけど、その先に進めなくって悩んでいるギタリスト向けです!
ロックも種類に寄りますが、シンプルな構成の曲であれば大体の曲が「ペンタトニック・スケール」だけで弾きこなすことができます。
ブルースにいたっては、「いかにマイナー・ペンタトニックを使いこなせるか?」の方が大事になってくると思います。
しかしコード進行が複雑だったり、転調を多く含むジャズの複雑なコード進行の曲を「ペンタ一発」でソロを弾くのは、さすがに無理があると思います。
やはりジャズのコード進行に沿って滑らかなギター・ソロを弾くには、「コードとスケール」の繋がりを理解して適切な「音」を弾ける必要があります。
しかしそういった理論を学ぶのは、なかなか難しいことだと思います。
特に僕のような楽譜にあまり強くないギタリストなんかは理論を理解するのに苦労することがあります。
そんな「ギタリストにとってわかりやすいジャズの理論が載った本はないかな~?」と探していた時に見つけたのが本書です!
『ジャズ・ギターを弾くためのスケール活用帳』
この本はギタリストに向けて書かれています。
そのため、本書で紹介されているスケールやコードについては、ギタリストにとって理解しやすい指板を模したダイアグラムで掲載されています。
またそれらのスケールを用いた参考フレーズも、ギタリストが読みやすいタブ譜で掲載されているのも魅力です。
内容の方も充実していて、全部で6章に分けて、内容がレベルアップしていきます。
まず第1章では、「コードとスケールを理解する!」がテーマで、スケールの成り立ちや、ダイアトニック・コードの基本的な解説が掲載されています。
この章では、実際にギターを持って練習する箇所はなく、ジャズ・ギターの理論が掲載されているのみです。
しかしこの最初の7ページは、とても重要な内容ですのでしっかりと読んでおくことをおすすめします。
ここを適当に読み飛ばしてしまうと…後々に躓くことになりかねません。
どんな分野でも言えることなのですが「何事も基礎が一番大事!」ですね。
次の第2章では、「コードとスケールの覚え方・使い方とその実際」がテーマです。
ジャズ・ギターを弾きこなすのに重要な基礎的な3つのスケールが紹介されています。
その3つとは、「メジャー(イオニアン)・スケール」と「ドリアン・スケール」と「ミクソリディアン・スケール」です。
これらのスケールを、ギタリストが視覚的に理解しやすい指板を模したダイアグラム形式で掲載されています。
単にスケールのポジションを紹介するだけではなく、それぞれのスケールと使えるコード進行との関連性についてもわかりやすく解説されています。
もちろん模範用のフレーズもタブ譜で掲載されていますので、実際に自分でそのフレーズをギターで弾いてみて音を確認することも大事です。
この本の良いところは、単に「これがミクソリディアン・スケールを使ったフレーズですよ~」と紹介するのではなく、そのスケールが使えるコード進行との関連性をダイアグラムで視覚的に覚えれるところです。
難しい音楽理論の説明をひたすら考えて試行錯誤する…のではなく、手っ取り早く目で見て指板上で「コードとスケールの関係性」を学ぶことが出来ます。
僕の経験から言いますと…単にスケールのポジションだけを漠然と覚えても、実際のアドリヴ演奏で使えることはまずありません。
ごく稀に生まれながらに、感覚的にスケールを使いこなすことが出来る天才の人はいるかもしれませんが、そういった人は一部の才能ある人だけです。
少なくとも僕のような凡人ギタリストには、スケールを知ったから使いこなせるか?と言えば、そうじゃないことが実際のところです。
では、どうやってスケールを使いこなせるようになれば良いのか?
それはこの本の様に理論ではなく、視覚的にダイアグラムで覚えることです。
視覚的に覚えたポジションは、意外とアドリヴ演奏の際に身に付いているものです。
僕がセッションなんかでアドリヴ・ソロを弾く際に「ここはミクソリディアンで~…ここはオルタードで~…」なんて考えることはありません。
ってか、考えてる余裕なんてないです。
それよりもスケールなんかは頭で漠然と意識する程度で、こういったギター教則本で学んだダイアグラムの表がとっさに頭に浮かんで該当するポジションを弾くことの方が簡単だったりします。
またフレーズ集を覚えるのもあまり効果的だとは言えません。
すぐネタ切れしてしまうのと、覚えているフレーズしか弾けなくってマンネリ化してしまうからです。
そういった「誰かが考えたフレーズ」というのは、自分の中から自然に湧き出てきたものではないので、使いこなすことは逆に困難だと思います。
もちろん稀にそういったことが得意な天才もいらっしゃいますが、そういう人は特別な才能の持ち主だと思います。
僕のような凡人ギタリスト凡人ギタリストの場合は、こういった本から学んだダイアグラムの表で使えるポジションを学ぶ方が適していました。
視覚的に使えるポジションを学ぶことで、無意識のうちにだんだんと音を覚えていくことになります。
すると、アドリヴ中に「このポジション内の音ならどこを弾いても大丈夫!…ってことはいつもと弾く順番を変えて、こうやって弾いてみたら別のフレーズになるんじゃないかな?」という風に使うと、自ずと個性的なフレージングが生まれてきます。
まずはスケールを視覚的に覚えることで「そのコード内で使える音」を覚えることが大事ですね。
さて、次の第3章では「コード・チェンジを弾こう」がテーマです。
ジャズのお決まりのコード進行「ツー・ファイヴ・ワン」に対応したフレーズの作り方や、その他の様々なコード進行に対応するフレーズの導き出し方などが掲載されています。
続く第4章では、「もっとジャズらしいスケールも覚えよう」というテーマで、「オウタード・スケール」や「メロディック・マイナー・スケール」に「リディアン・♭7th・スケール」など更に踏み込んだスケールが登場します。
もちろんこれらのスケールも、指板を模したダイアグラムを元に視覚的に覚えることが出来ます。
そして次の第5章「スタンダードなコード進行を弾こう」では、実際のジャズ・スタンダード曲でよく使われるコード進行をパターン別に紹介しています。
タブ譜で紹介された模範演奏用のフレーズの下に、「このフレーズはどのようなスケールから導き出されたのか?」を目で見てすぐに理解できるダイアグラム付きで紹介しています。
漠然とフレーズを練習するのではなく、このダイアグラムをしっかりと見て、「なぜその音を使っているのか?」を視覚的に覚えると良いと思います。
このダイアグラムのポジションを覚えることで、掲載されている模範演奏用のフレーズを弾かなくっても、自分でそのポジション内からフレーズを作り出せるようになります。
そこが一番重要だと感じます。
フレーズを覚えるのではなくって、そのフレーズが導き出された過程を知ることで、自分のフレーズを作り出せるようになることですね。
最後の第6章「実践課題でレベルアップ!」では、「B♭のジャズ・ブルース」やスティーヴィー・ワンダーのお馴染み曲”Isn’t She Lovely”のコード進行内で使えるスケールを、模範演奏用のタブ譜と、そのフレーズが導き出された過程を知ることが出来るダイアグラムで紹介されています。
以上が【『ジャズ・ギターを弾くためのスケール活用帳』】の内容です。
模範演奏が収録されたCDやダウンロード音源が付属していないのが本書のマイナス・ポイントではありますが……しかしこの本の目的は「掲載されている模範フレーズを暗記すること」ではないので、問題ないかと思われます。
大事なのは、そのフレーズが導き出された過程を知ることであって、単なるフレーズ集として使う本ではないと思います。
それに本書は、ギタリストにとって視覚的に理解しやすい本だと思います。
ぜひともこの本に掲載されているダイアグラムを視覚的に覚えて、スケールを使いこなしてみて下さい。
ペンタトニック一発のソロから、コード・トーンを意識したオシャレなギター・ソロを弾けるようになりましょう♪
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