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カテゴリー:Music

2018/12/11

ウィリー・ウィリアムズの【未加工のソウル】を凝縮したブルースアルバム『38ウーマン』

ブルースドラマーのウィリー・ウィリアムズの1970年のブルースアルバム『38ウーマン』

「汚れなき生のソウルミュージック!」

今回は超濃厚なブルースアルバムを!

 

ご紹介するミュージシャンは、ブルースドラマーのウィリー・ウィリアムズです。

 

1970年にブルースベーシストのウィリー・ディクソンがプロデュースしたアルバム『Raw Unpolluted Soul(38ウーマン)』という作品になります。

 

邦題は収録曲の”38 Woman”から付けられていますが、原題は『Raw Unpolluted Soul』と言います

 


 

 

“raw”=「生の、加工していない、未加工の」

 

“unpolluted”=「汚染されていない、清潔な」

 

“pollute”が「~を汚染する」なので、否定の意味の”un”がついて「汚染しない」になり、受動態の”~ed”が付いて「汚染されていない」という意味になります。

 


 

「汚れなき生のソウル!」「未加工のソウル!」とでも言いましょうか。

 

そのタイトル通りに全編ロウダウンでダーティーなブルースが展開された隠れた名作です。

 

これこそが「本物のブルース!」「本物のブルースを聴きたいならまずこれを聴け!」と言いたくなるような、濃い~~~~ブルースアルバムです!

 

それではさっそくご紹介したいと思います!

 

Willie Williams – “Raw Unpolluted Soul”

01.Back to Mississippi
02.Ruthy Baby
03.Wine Headed Woman
04.38 Woman
05.Blues at Half Past Twelve
06.Detroit Blues
07.Black Diamond Rattler
08.My Baby Gone
09.In the Valley
10.Hot Pants Woman
– Bonus Track –
11.Deep Shuffle

 

Personnel:
W.W. Williams – Vocal, Drums
Carey Bell, Little Mack – Harmonica
Hubert Sumlin – Lead Guitar
Roy Lee Johnson – Rhythm Guitar
Eddie Taylor – Guitar on Track 02
Willie (Pinetop) Perkins – Piano
Joe Harper – Bass

 

 

アルバム参加メンバー

まずはリーダーのウィリー・ウィリアムズがダミ声で歌いながらドラムを叩いています。

 

ピアノはこういったブルースアルバムではお馴染みのパイントップ・パーキンスで、リードギターにハウリン・ウルフの右腕ヒューバート・サムリンが参加しています。

 

もちろん僕がこの作品を好きな理由は、ヒューバート・サムリンが参加しているからです!

 

僕がブルース・ギターを弾く上で一番影響を受けたブルースギタリストです!

 

ちなみにパイントップ・パーキンスとヒューバート・サムリンは1999年に『Legends』という共演作品も残していたりします。

 

この2人以外には、リズムギターにナッシュヴイルで活動しているロイ・リー・ジョンソンです。

 

彼はビートルズがカヴァーして有名になった”Mr. Moonlight”の作曲者でもあります。

 

本作の2曲目のみ職人系ブルースギタリストのエディ・テイラーが参加して巧みなリズムギターを聴かせてくれています。

 

たまに本作のことを書いた記事を見かけたりしますが、エディ・テイラーが参加しているのは2曲目のみです。

 

2曲目で左チャンネルから「ズッチャ♪ズッチャ♪」と音の分離の良い軽快なリズムを弾くのがエディ・テイラーです。

 

右チャンネルの伸びやかなトーンでリードを弾くのがヒューバート・サムリンになります。

 

ヒューバートはギターの腕が伸び悩んでいる時にハウリン・ウルフに相談をしたことろ、ウルフに「お前はまだそんなもん(ギターピックのこと)を使ってるのか!」と言われ、次の日からピックを使うのをやめました。

 

なので、ヒューバートはギターピックを使わずに指でギターを弾きます。

 

ヒューバートのギターの音色トレブリー(鋭利)でないのはそのためです。

 

またフレージングの際に少しモタるのも指弾きによるものだと思います。

 

3曲目以降は、基本的に左チャンネルのリードギターがヒューバートで、右チャンネルでリズムを刻むのがロイ・リー・ジョンソンです。

 

やはりロイ・リー・ジョンソンよりもエディ・テイラーの方がリズムのキレもよく遥かに上手いです!

 

ただエディ・テイラーが特別上手いだけなので、別にロイ・リー・ジョンソンもヘタクソなわけではありません。

 

ちなみにエディ・テイラーは、ハウリン・ウルフの1972年のライヴ盤『Live & Cookin at Alice’s Revisited』にも参加していて、そこでヒューバートとも共演しています。

 

 

エディ・テイラー、ロバート・ロックウッドjr.、ウェイン・ベネット、マット・マーフィー、この辺りのブルースギタリストは特別上手い職人系だと僕は思っています。

 

ピアニストとギタリスト以外に本作には、ブルースハープにキャリー・ベルとリトル・マックも参加しています。

 

 

アルバムの内容

1曲目の”Back to Mississippi”どことなくオーティス・ラッシュの”All Your Love”のようなインストナンバーです。

 

ヒューバートとロイ・リー・ジョンソンがユニゾンでリフを弾いているのですが、ロイ・リー・ジョンソンがずっとリズムをキープしているのに対して、ヒューバートはすぐにリードギターに移っていきます。

 

曲名通りにミシシッピに戻ったかのような濃い~ブルースがさっそく始まります!

 

次の2曲目”Ruthy Baby”は左チャンネルから規則正しい職人リズムギターが聴こえてきます。

 

これはもちろんエディ・テイラーによるものです。

 

エディ・テイラーの正確なリズムに逆にドラムやベースがついて行っている感じすらさせてくれます。

 

ヒューバートのギターソロも絶好調です♪

 

3曲目”Wine Headed Woman”で少しクールダウンします。

 

ゆったりとしたスローブルースです。

 

ギターの音量も少し小さいような!?

 

4曲目で邦題にもなった”38 Woman”は、ライヴ音源です。

 

荒い録音状態がより生々しさを感じさせます!

 

もうこの1曲だけでも本作を買う価値はあると思うくらい「本物のブルース!」を十分に堪能できます♪

 

5曲目”Blues at Half Past Twelve”ズッシリとしたビートの曲です。

 

曲の終盤、3分48秒辺りでウィリー・ウィリアムズがヒューバートを紹介しています。

 

その紹介を受けてヒューバートがギターソロを弾き始めます。

 

…が、しかし熱く燃え上がるような勢いのあるギターソロを弾くのではなく、あくまで曲の終わりに向かうフレージングを弾くのみです。

 

6曲目”Detroit Blues”は、ウネるようなベースラインがかっこいいインストナンバーです。

 

7曲目”Black Diamond Rattler”は、これまたヒューバートとロイ・リー・ジョンソンの絶妙なギターの掛け合いが聴ける曲です♪

 

どちらのギターもリードとリズムを同時に弾いてるようなギタープレイです!

 

こういったギタープレイをバンドやセッションで2人のギタリストが意識して出来ると最高ですね♪

 

8曲目”My Baby Gone”と9曲目”In the Valley”もロウダウンなゆったりとしたブルース曲です。

 

10曲目”Hot Pants Woman”は、これまた”Back to Mississippi”のような”All Your Love”風ギターリフを持つ曲です。

 

本編のアルバムはここまでの10曲で終わりなのですが…

 

ボーナストラックとして11曲目に”Deep Shuffle”というインストナンバーが収録されているバージョンもあります!

 

最近この『Raw Unpolluted Soul』のリマスター盤が発売されましたが、そのリマスター盤にはこの11曲目の”Deep Shuffle”が収録されてないようですね。

 

僕の持っている1991年にPヴァインレコードからリリースされていた日本盤の『38ウーマン』にはこの曲が収録されていました!

 

 

というのは、このシャッフル曲でリードギターを弾くヒューバート・サムリンが絶好調なんですよね♪

 

ブルースギター弾き、ブルースギター好きの人はぜひともこの11曲目の”Deep Shuffle”が収録されている日本盤の方をおすすめします!

 

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
おすすめ曲は、#1 #2 #4 #6 #7 #11 

 

 

以上、【ウィリー・ウィリアムズの[未加工のソウル]を凝縮したブルースアルバム『38ウーマン』】のご紹介でした。

 

今となっては1991年の日本盤を入手するのは少し困難かも知れませんが、ブルースギター好きの人はぜひともそちらを!

 

しかしたとえ”Deep Shuffle”が収録されていなくっても、それ以外の曲も素晴らしいブルースが聴けますので、2013年のリマスター盤でも良いかと思います。

 

特にライヴ音源”38 Woman”を聴いて、生々しいブルースの世界観を存分に味わってみて下さい!

 

これこそが「本物のブルース」だと強く感じます!

 

文句なしにおすすめのブルースアルバムです♪

 

 

 

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