2018/11/08
ザ・ニュー・マスターサウンズ 公式ライヴ盤第二弾!『ライヴ・イン・サンフランシスコ』
ザ・ニュー・マスターサウンズの作品を1枚ずつご紹介するシリーズ
ザ・ニュー・マスターサウンズのアルバムを1枚ずつご紹介しているブログ記事シリーズです。
このブログでは、僕の大好きなインスト系ファンクバンドのザ・ニュー・マスターサウンズ(以下:ニューマスター)がこれまでにリリースしてきた作品を、1枚目のアルバムから順にご紹介していってます。
前回は2008年リリースの5枚目のスタジオ盤『Plug & Play』のご紹介でした。
ザ・ニュー・マスターサウンズの5枚目のスタジオ盤『Plug & Play』を聴こう!
今回は『Plug & Play』と同時期にリリースされた2枚目の公式ライヴ盤『Live In San Francisco』のご紹介記事になります。
このアルバムは、2006年にリリースされた公式ライヴ盤『Live at La Cova』に続くライヴ盤です。
ザ・ニュー・マスターサウンズの初の公式ライヴ盤『Live at La Cova』を聴こう!
もちろんニューマスターは、ライヴバンドですのでこういった作品が悪くなるわけがないんです!
バンドの勢いある演奏としては、先の『Live at La Cova』の方が上のような気もしますが、より洗練された演奏が聴けるのは今回ご紹介する『Live In San Francisco』の方だと僕は思います。
それではアルバムのご紹介をしていきます。
The New Mastersounds – 『Live In San Francisco』
01. The Minx
02. Carrot Juice
03. Can’t Hold Me Down
04. Give Me A Minute Part. 2
05. Land Of Nod
06. Thermal Bad
07. Fast Man
08. Hot Dog
09. Hey Fela!
10. Idris
11. Nervous
Personnel:
Eddie Roberts – Guitar
Simon Allen – Drums
Pete Shand – Bass
Joe Tatton – Organ and Piano
Special Guest:
Ryan Scott – 07, 08, 11 on Trumpet
Alex Baky – 07, 08, 11 on Saxophone
Colin Brown – 08 on Organ
Recorded over two nights at The Independent, San Francisco, July 11th & 12th 2008
Released : 2008
実はベスト盤のような最高の選曲♪
2008年リリースの公式ライヴ盤第二弾となる本作は、ニューマスターを代表するような曲が多数収録されています。
まず1曲目の”The Minx”は、2006年の公式ライヴ盤第一弾『Live at La Cova』にも収録されていた代表曲です。
オリジナル音源は3rdアルバムの『This Is What We Do』に収録されていました。
ニューマスターというバンドは、僕も過去に7回ぐらいライヴを観に行ったことがあるのですが、ライヴで本領を発揮する「ライヴバンド」なんだと思います。
この”The Minx”に関しても、オリジナルのスタジオ録音の時よりも『Live at La Cova』に収録されている演奏の方がかっこよかったです。
それが更に2年後の本作『Live In San Francisco』では、もっとパワーアップしたグルーヴィーな演奏が聴けます♪
特にこの頃からギターのエディー・ロバーツがアドリヴソロを更に長く弾くようになりました。
アルバム1曲目の”The Minx”も5分ある曲の中で、最初と最後のテーマ部分以外のほとんどの時間はエディーのアドリヴソロです。
終始ワウペダルをONにしてファンキーに演奏しています♪
最高の1曲目が終わった後もまだまだ熱い演奏が続きます!
2曲目の”Carrot Juice”は、2006年のアルバム『102%』からの選曲です。
スタジオ録音バージョンよりも若干テンポを上げて勢いよく演奏されています!
『Live at La Cova』の頃は、オルガン奏者がボブ・バーチでしたが今回の『Live In San Francisco』ではジョー・タットンに変わっています。
このジョー・タットンが2曲目の”Carrot Juice”で大活躍します!
ギターだけでなくオルガンもアドリヴソロを弾きまくります!
テーマメロディーをオルガンが弾き終わるとそのままオルガンソロに突入します。
オルガンのソロ中も邪魔にならない程度にエディーがギターで煽るようにオブリガートを入れていきます。
伸びのあるフレージングを中心にアドリヴを展開していき、終盤ではバックのベースやドラムのリズム陣も一丸となって、オルガンソロのバックでアンサンブルを組み立てていきます。
そして一端クールダウンした後に、エディー・ロバーツのギターソロが始まります。
グラント・グリーンやアイヴァン・”ブーガルー”・ジョー・ジョーンズなんかの影響を感じさせつつも、オリジナルに昇華した勢いのある熱いアドリヴ演奏を聴かせてくれます!
このギターソロこそ、エディー・ロバーツのこれまでの集大成だと言えそうです!
手グセフレーズ満載ですが、まさに名刺代わりの名演だと言えます!
続く3曲目”Can’t Hold Me Down”は、2003年の2ndアルバム『Be Yourself』収録曲です。
冒頭2曲の勢いある演奏から少しクールダウンします。
この辺もアルバムを通して聴く際に、ちょうど良い曲順だと言えるでしょう。
ずっと勢いある曲が何曲も続いていると、聴く方も疲れてしまってどの曲も印象に残らなくなりますからね……。
この3曲目の”Can’t Hold Me Down”があることで、より冒頭2曲の勢いある演奏が際立ってきます。
“Can’t Hold Me Down”ではギターソロはなく、オルガンがソロを弾いています。
ミドルテンポの心地よいグルーヴに身を任せた後は、4曲目の少しサイケデリックなファンクナンバー”Give Me A Minute Part. 2″が始まります!
グルーヴィーなベースのイントロからワウギターのテーマが始まります。
5曲目”Land Of Nod”は、『Live at La Cova』でも取り上げられていたロック調のナンバーです。
3rdアルバムの『This Is What We Do』に収録されていました。
最近ではライヴ演奏される機会が減った曲ですが、この当時は頻繁にセットリスト入りしていました。
8分あった『Live at La Cova』の演奏よりも短めに、『Live In San Francisco』ではエディーのギターソロなしで半分の4分になっています。
そしてその後、徐々にセットリストから消えていきます……。
なのでこのライヴ音源は今となっては貴重なのかもしれませんね。
6曲目の”Thermal Bad”は、当時の新譜だった5thアルバム『Plug & Play』収録の新曲になります。
しかしこの頃から後にニューマスターのライヴ定番曲になるポテンシャルを秘めていました。
ミーターズ風のどこかコミカルなワウギターのテーマメロディーに加えて、アドリヴソロを弾きやすい曲構成がライヴで演奏するのにピッタリなんですね♪
このライヴバージョンでも、スタジオ録音の時よりもテンポを上げて勢いよく演奏しています。
ギターソロもかなり長めに弾いています。
ライヴの時期によっては、あえてテンポを落としてよりグルーヴィーに演奏することもあったりしますが、基本的にはこの『Live In San Francisco』に収録されているぐらいの速めのテンポで演奏されることが多いです。
なので今後ニューマスターのライヴを観に行かれる方は、ぜひとも予習として本番収録の”Thermal Bad”を聴いてみて下さい。
ちなみに”Thermal Bad”は、僕の好きなニューマスター・ソングのベスト10のうちの1曲です!
7曲目”Fast Man”と8曲目”Hot Dog”は、2001年のデビュー作『Keb Darge Presents: The New Mastersounds』に収録されていたファンキーなファストナンバーです。
どちらも管楽器隊がゲスト参加して楽曲を盛り上げてくれています。
残念ながら最近では2曲ともライヴ演奏される機会はほぼなくなりましたが、初期の”DEEP Funk”ムーヴメントを感じさせてくれるような象徴的な2曲だと僕は思います。
シンプルなファンク曲ですが、聴いていてすごく元気な気分になれる楽しい2曲ですね♪
9曲目”Hey Fela!”は、エディーのワウギターがグルーヴィーにリフを奏でる4thアルバム『102%』に収録されていた曲です。
フェラ・クティに触発されて作曲されたダンサンブルなこのナンバーは、これ以降もニューマスターの定番曲となりました。
2018年現在でもライヴでちょくちょく演奏しています。
10曲目”Idris”は、5thアルバム『Plug & Play』に収録されていた当時の新曲です。
ジャズファンク系のドラム奏者アイドリス・ムハンマドの名前から付けられた70年代風のオルガン系ジャズファンク曲です。
この曲も今でもよくライヴ演奏されている定番曲です。
まるでアイヴァン・”ブーガルー”・ジョー・ジョーンズやメルヴィン・スパークスにでもなったかのようにエディー・ロバーツがアドリヴでギターソロをガンガン弾きます!
ちなみに2008年のこのライヴ盤が発売されたのと同時期に、ニューマスターのライヴに生前のメルヴィン・スパークスがゲスト参加してこの曲を演奏していたりもします。
そしてこのライヴ盤の最後の曲、11曲目の”Nervous”は2001年のデビュー作『Keb Darge Presents: The New Mastersounds』に収録されていたニューマスターの代表曲のひとつです。
元はNuyorican Soul(ニューヨリカン・ソウル)がオリジナルの曲です。
しかしもはやニューマスターのオリジナル曲のように聴こえますね。
1stアルバム収録バージョンではサックスが吹いていたメロディーラインを、ニューマスターのメンバーが「パッパラッパラ~~♪」と声に出して歌う楽しい曲です♪
これ以降、ニューマスターのライヴでは、観に来ているお客さんも含め会場全体で「パッパラッパラ~~♪」と大合唱するのが定番になっています。
この曲は日本公演ではアンコール後の締めの曲として定番になっていますが……実はこれは日本でだけなんです。
海外ではライヴの締め曲は、”Baby Bouncer”や”Make Me Proud!”、もしくはデビュー曲の”One Note Brown”になる場合がほとんどです。
むしろ海外のライヴでは”Nervous”を演奏することは、ほとんどありません。
そう考えるとニューマスターは、僕たち日本のファンにだけ”Nervous”を演奏してくれている!とポジティヴに考えることも出来ますね。
もちろん僕もニューマスターが演奏する”Nervous”が大好きなのでこれは嬉しいことです。
その反面、日本ではマニアックなレア・グルーヴ系のカヴァー曲をほとんどやってくれなかったり、僕も好きなデビュー曲の”One Note Brown”やグラント・グリーン・バージョンの”Jan Jan”を演奏してくれることはありません……。
特に”One Note Brown”は、海外で演奏される場合、レゲェ風にアレンジしてみたり、スライの”Thank You”を途中で混ぜてみたり……と色んなアレンジでジャムっぽく演奏しています。
これが聴けないのが日本公演の残念な部分ではあります……。
しかし会場全体が盛り上がれる”Nervous”を聴けるのは、「日本だけ!」と言っても過言ではないのでこれはプラス面ですね!
もちろんこのライヴ盤に収録されているような感じでライヴ演奏してくれるので、ライヴ前の予習に『Live In San Francisco』はピッタリです!
以上、全11曲収録されたニューマスターの公式ライヴ盤第二弾『Live In San Francisco』のご紹介でした!
最近ではあまりライヴで演奏しなくなった曲も数曲ありますが、それでも収録曲の半分は今でもライヴで定番の曲です。
なので、今後ニューマスターのライヴを観に行かれる方は、ライヴ前の予習として本盤を聴くことをおすすめします♪
残念ながらニューマスターの公式ライヴ音源はリリースされていません…….。
10年振りの公式ライヴ盤をリリースしてもらいたいところですね!
そして2019年には2年振りに来日公演も行って欲しいところですね♪
オマケ
当時この『Live In San Francisco』をタワレコの店舗で購入した際に、初回特典で3曲のライヴ映像が収録されたオマケDVDが付いてきました!
このDVDを手に入れた当時は、3曲を何度も何度も見まくりました!
その収録曲は、4thアルバム『102%』から”Thirty Three”と5thアルバム『Plug & Play』から”Altitude”とミーターズのカヴァー曲”9 to 5″の3曲です。
特にミーターズのカヴァー曲”9 to 5″でエディー・ロバーツがワウギターを使ってアドリヴソロを弾きまくっているのがすごくかっこよかったです!
初回限定でこんな素晴らしいDVDを配っているなんて……タワレコは最高だな!って思ってたんですが……
実は今となっては3曲とも気軽にYouTubeで観れます。(笑)
その中でもやはりミーターズのカヴァー曲”9 to 5″がかっこいいですね!
最近はやっていませんが、2008年当時はよくライヴ演奏されていました。
また久しぶりに今のニューマスターの状態で”9 to 5″をライヴ演奏してもらいたいところです。
それか、ミーターズのトリビュート作品をニューマスター名義の企画盤で作ってくれないかな~……と。
良いブログの締めになりましたかな?(笑)
ザ・ニューマスターサウンズのアルバムに関する記事