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カテゴリー:Music

2019/06/27

ドナルド・バードのバックバンドとして始まったジャズファンク・バンドのブラックバーズを聴こう♪

名ジャズファンク・バンドのブラックバーズをご紹介します。

ドナルド・バードの教え子たちにしてバックバンドでもあったブラックバーズ!

前回の『MUSIC』のカテゴリー記事では、久しぶりにドナルド・バードの作品をご紹介していました。

 

ドナルド・バード版『ビッチェズ・ブリュー』⁉1970年の斬新な作品『Electric Byrd』を聴こう♪

その続きではないのですが、今回はドナルド・バード関連でブラックバーズをご紹介したいと思います。

 

 

ブラックバーズの始まり

1958年からブルーノート・レコードにて数多くの名作を発表していた名トランペット奏者のドナルド・バードは、70年代に入るとワシントンD.C.に所在する全米屈指の名門黒人大学だったハワード大学にて講師として教壇に立っていました。

 

この大学で学んでいた学生の中には、ダニー・ハサウェイやロバータ・フラックなどもいます。

 

ドナルド・バードの講義は、音楽を教えるだけでなくそれまでに自分が経験してきた人生経験も含めて行う授業は人気の講義のひとつだったようです。

 

その大学で講義を受けていた生徒の中にはNY出身のマイゼル・ブラザーズの2人がいました。

 

兄のフォンス・マイセルが音楽学部を専攻し、弟のラリー・マイゼルは工学部を専攻していました。

 

フォンスは学部移籍があったためラリーよりも1年遅い卒業となりました。

 

しかしこれがよかったのか?ラリーが卒業した年からドナルド・バードの講義が始まりました。

 

その講義を受講したフォンスは、たちまちバードと仲良くなったようです。

 

卒業後のフォンスは、モ-タウンの裏方仕事を始め、音楽業界での経験を積んでいきます。

 

そうこうしていると、航空機メーカーを退職した弟のラリーも加わり、兄弟共に音楽の仕事を始めることになりました。

 

1970年代初頭にマイゼル・ブラザーズは自らの会社『スカイハイ・プロダクションズ』を創始します。

 

ちょうどその時期のドナルド・バードは、アルバム・セールスの低下からブルーノート・レコードとの契約を打ち切られそうな苦境に立たされていました。

 

そういった経緯もあって、ドナルド・バードが旧知の仲のフォンス・マイゼルに協力を仰ぐこととなりました。

 

そうして完成したのが、ジャズファンク期のドナルド・バードを代表するアルバム『Black Byrd』でした。

 

 

 

この作品が大成功を収めたことによって、その後バードはマイゼル・ブラザーズのプロデュースの元、同路線の作品を連続で制作していくことになります。

 

さて、『Black Byrd』で大成功を収めたドナルド・バードは、スイスで行われるモントルー・ジャズ・フェスティバルへ出演することが決まっていました。

 

しかしモントルーに出演をするには、マイゼル・ブラザーズによる『スカイハイ・プロダクションズ』のサウンドを再現できる手の空いたバックバンドが必要でした。

 

そこでバードやマイゼル・ブラザーズのどちらにも縁のあるハワード大学の学生の中から優秀なプレイヤーを集めることになります。

 

そうして選出されたメンバーが、このブラックバーズです。

 

元はと言えば、ドナルド・バードのバックバンドとして始まっています。

 

このバンドがステージに立つ時に衣装として着ていたTシャツに、バードのアルバム名の『Black Byrd』の文字がプリントされていたことからバンド名が付けられています。

 

キーボードのケヴィン・トニーを中心に、サックスのアラン・バーンズ、ギターのバーニー・ペリーとベースのジョー・ホール、そしてドラムのキース・キルゴーとパーカッション奏者のパーク・ジェイコブズがブラックバーズのメンバー達です。

 

今回はそんなブラックバーズの1stアルバムと2ndアルバムをご紹介したいと思います。

 

どちらの作品も、クロスオーバー期のジャズファンク作品としてだけでなく、サンプリング・ネタとしてやレア・グルーヴ系のアルバムとしても人気の名作です♪

 

 

The Blackbyrds – 『The Blackbyrds』

01.Do It, Fluid
02.Gut Level
03.Reggins
04.The Runnaway
05.Funky Junkie
06.Summer Love
07.Life Styles
08.A Hot Day Today

 

アルバムの内容

ヴィンセント・ファン・ゴッホの最晩年の作品『カラスのいる麦畑』をアルバム・ジャケットに使用した1974年のデビュー作『The Blackbyrds』です。

 

 

本作はドナルド・バードとマイゼル・ブラザーズが組んでプロデュースしています。

 

収録曲のほとんども彼らによるペンで書かれています。

 

アルバムからの先行シングルにも選ばれたドナルド・バード作曲の1曲目”Do It, Fluid”を聴くとわかる通り、ちょっとしたボーカルの入ったファンク曲がこのバンドの特徴です。

 

ジャズファンクといっても、イナタいオルガンが登場するストリート系のサウンドではなく、より洗練されたエレピが入ることでアーバン系のサウンドに仕上がっています。

 

感触としては、クルセイダーズほどジャズっぽくはないけれども、初期のクール&ザ・ギャングほど粘っこいファンクをやっているわけでもない、ちょうど中間のジャズファンク・サウンドといったところでしょうか⁉

 

どことなく同時代のウェルドン・アーヴィンやロニー・”リストン”・スミスを感じさせるサウンドでもあります。

 

2曲目の”Gut Level”なんかで聴けるスペイシーなシンセサイザーの音なんかは、特にウェルドン・アーヴィンぽいですね。

 

この曲は、歌はなくインスト曲です。

 

次の3曲目”Reggins”も16分のリズムが心地よいインストナンバーです。

 

そして4曲目の”The Runnaway”で再びボーカル曲が登場します。

 

どうも『スカイハイ・プロダクションズ』が関わった作品にはボーカル曲が多くみられるのですが、あくまでも歌はオマケのような気もしなくないです⁉

 

ダニー・ハサウェイやアル・グリーンのような実力のあるソウルフルなボーカリストがいるわけでなく、メンバーそれぞれが歌っているだけなのでお世辞にも歌は上手くないです。

 

歌も楽曲を構成する楽器の一部として使われているような感じです。

 

その後、5曲目の曲名通りのファンクナンバー”Funky Junkie”を挟んで6曲目のメロウな”Summer Love”が始まります。

 

ブラックバーズはジャズファンク・バンドではありますが、こういったクール&ザ・ギャングの”Summer Madness”を彷彿させるメロウな曲も一筆です。

 

この曲を作曲したサックス奏者のアラン・バーンズ自らが吹くソプラノ・サックスの美しい音色が魅力的です♪

 

そしてアルバムは、マイナー調のオシャレなジャズファンク曲の7曲目”Life Styles”と、8曲目のボーカル曲の”A Hot Day Today”を経て終わります。

 

「ブラックバーズと言えば、この曲!」と言ったパンチのあるヒット・シングル曲があるわけでもなく、似たような楽曲が大半を占めているため地味な印象は拭えませんが、肩の力を抜いて気軽に聴けるジャズファンク作品としておすすめです。

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
おすすめ曲は、#1 #2 #4 #5 #6

The Blackbyrds – 『Flying Start』

01.I Need You
02.Baby
03.Love Is Love
04.Blackbyrd’s Theme
05.Walking In Rhythm
06.Future Children Future Ho
07.April Showers
08.Spaced Out

 

アルバムの内容

1stアルバムと同じ年の1974年に、今度はドナルド・バードの単独プロデュースによって制作された2ndアルバムの『Flying Start』です。

 

1曲目”I Need You”からドナルド・バード流のボーカルありジャズファンク曲が始まります。

 

同年にリリースされたバードの『Stepping into Tomorrow』に収録されていてもおかしくないような軽快な楽曲です。

 

深めのフェイザーを掛けたギター・カッティングがファンキーな2曲目”Baby”はインスト・ナンバーです。

 

ブラックバーズのドラムを担当するキース・キルゴー作の3曲目のメロウ・ナンバー”Love Is Love”を挟んで4曲目にバンドのテーマ曲とも言える”Blackbyrd’s Theme”が登場します。

 

そして5曲目に全米6位を記録したヒット曲『Walking In Rhythm』が収録されています。

 

ヒットしたのも納得の爽やかなボーカル・ナンバーです。

 

6曲目”Future Children Future Ho”はキーボード奏者のケヴィン・トニー作のウェルドン・アーヴィン風のスペイシーなシンセサイザーが登場するインスト・ナンバーです。

 

7曲目”April Showers”は、前作の”Summer Love”同様にサックス奏者のアラン・バーンズ作のメロウ・ナンバーです。

 

しかしこちらの”April Showers”は、ソプラノ・サックスではなくボーカルがメインの曲です。

 

そしてアルバム最後のシンセサイザーが暴れまわる8曲目”Spaced Out”で幕を閉じます。

 

デビュー作と同年にリリースされた2ndアルバムですが、明らかに収録曲の質が上がっている良作です。

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
おすすめ曲は、#2 #4 #5 #6

 

 

 

以上、【ドナルド・バードのバックバンドとして始まったジャズファンク・バンドのブラックバーズを聴こう♪】でした。

 

爽やかなジャズファンクをお求めの方にぴったりのバンドです♪

 

ちなみに……オマケ情報としてこんなアルバムもあります。

 

Donald Byrd & The Blackbyrds – 『Live At The Jazz Workshop September 4 1973』

ブラックバーズのアルバム・デビュー前となる1973年にドナルド・バードのボストンでのライヴにバックバンドとして参加したアルバムです。

 

本作はドナルド・バードがリーダーなので、インスト系のジャズファンク曲ばかり演奏しています。

 

グラント・グリーンも『Live at The Lighthouse』でカヴァーしていたドナルド・バードの楽曲”Fancy Free”や、名作『Black Byrd』の1曲目だった”Flight Time”なんかが収録された白熱のライヴを聴くことが出来ます。

 

全体的にドラムのキース・キルゴーが凄まじいドラミングを聴かせてくれています♪

 

 

グルーヴィーなジャズファンク作品をお求めの方におすすめのライヴ盤です♪

 

 

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