
2023/05/23
シアトルが生んだ至高のグランジ/オルタナティヴ・ロック・バンド サウンドガーデンのアルバムをまとめてご紹介!
90年代グランジ/オルタナティヴ・ロックのブームを牽引したサウンドガーデンのアルバムをまとめてご紹介!
クリス・コーネルのハイトーン・ボーカルにキム・セイルのヘヴィでパンキッシュなギター!
前回はアリス・イン・チェインズについてご紹介していました。
今回も同じく90年代のグランジ・ブームに活躍したバンドについてご紹介します。
今回はシアトルで結成された90年代グランジ/オルタナティヴ・ロックのブームを牽引したサウンドガーデンです。
サウンドガーデンとは?
サウンドガーデンの結成は90年代に活躍した他のバンドと比べると古く、1984年にまで遡ります。
米国ワシントン州シアトル出身のボーカリストのクリス・コーネルに、シカゴからやってきたギタリストのキム・セイル、そして日系人ベーシストのヒロ・ヤマモトとドラマーのスコット・サンドクイストを加えた4人がオリジナル・メンバーでした。
ちょうど後にマッドハニーを組むことになるマーク・アームとスティーヴ・ターナー、後にパールジャムを組むことになるストーン・ゴッサードとジェフ・アメンが在籍していた伝説のグランジ・バンド、グリーン・リヴァーも同じ1984年にシアトルで結成されています。
それと知名度は低いのですが、ニルヴァーナのカート・コバーンも影響を受けていたマーク・ラネガン擁するスクリーミング・ツリーズも1984年に結成されています。
後に90年代に入って活躍することになるニルヴァーナやパールジャムと比べると結成時期も古いので、サウンドガーデンやスクリーミング・ツリーズは先輩格にあたるバンドでした。
とは言っても、日本の上下関係程は厳しくなく、お互いにフランクな関係性だったとは思われますが。
さて、サウンドガーデンのオリジナル・メンバーはすぐに崩壊します。
スコット・サンドクイストが1986年に抜けその代わりにマット・キャメロンがドラムを担当するようになりました。
その後、マット・キャメロンは解散するまで加入しており、サウンドガーデンが一度解散した後はパールジャムに正式メンバーとして参加するようになっています。
パールジャムに在籍しながらも、サウンドガーデンの再結成がある度にそちらでもドラムを叩くようになりました。
ドラマーだけでなくベースストも何度か交代しています。
オリジナル・メンバーだったヒロ・ヤマモトは1989年に脱退し、その代わりにジェイソン・エヴァーマンが1年間だけ代役を務めています。
あれ?どこかで聞いたことある名前ですか?
そうです、ニルヴァーナがお好きな方ならピンと来るかも知れませんが、ニルヴァーナにサイド・ギタリストとして参加していたあのジェイソン・エヴァーマンです。
しかしギターが下手すぎてカート・コバーンから首を宣告されたエヴァーマンは、その後1年間程サウンドガーデンでベースを弾いていました。
もともとニルヴァーナ加入前にもO.L.D.というバンドでベースを弾いていたこともあります。
結局サウンドガーデンでの活動も1年程で終えたエヴァーマンは、その後マインド・ファンクという知る人ぞ知るグランジ・バンドへの加入を経てから、なんと軍隊入りしています。
アメリカ陸軍特殊部隊群の一員としてアフガニスタンに駐屯していたこともあります。
波瀾万丈な人生を送るジェイソン・エヴァーマンが抜けてからは、ベン・シェパードがベーシストとして加入しています。
クリス・コーネルにキム・セイル、そしてベン・シェパードとマット・キャメロンという4人がサウンドガーデンの最終メンバーでした。
1997年に一度解散して、クリスは元レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのメンバー達とオーディオスレイヴを組むことになります。
しかしオーディオスレイヴは、アルバム3枚を残して2007年に解散してしまいます。
その後、2010年にサウンドガーデンは再結成するのでしたが、再結成後のアルバムはたった1枚のリリースのみに留まり、クリス・コーネルが2017年にデトロイト市内のホテルで遺体で発見されました。
未だに死因は断定されていないのですが、おそらく自ら命を絶った可能性が高いようです。
再結成して1枚のスタジオ・アルバムをリリースしていたので、今後はおじさんバンドとして円熟を増していくことを期待されたサウンドガーデンでしたが、クリス・コーネルがまさかカート・コバーンと似たような最期を迎えるとは…。
今のところアリス・イン・チェインズのようにボーカルを代えての再活動はしておりませんが、今後はどうなっていくのかは誰にもわかりません。
そんなサウンドガーデンのおすすめのアルバムを今回はまとめてご紹介します。
アルバムのご紹介はリリースされた年代順です。
サウンドガーデンのおすすめアルバム
Soundgarden – 『Screaming Life/Fopp』
サウンドガーデンは、1988年に初のフル・アルバム『Ultramega OK』をリリースする前に2つのミニ・アルバム(EP盤)をリリースしています。
1つは1987年にレシプロカル・レコードからリリースされた6曲入りの『Screaming Life』です。
レシプロカル・レコードのスタジオは、1988年にニルヴァーナのデモ音源を制作するためのセッションが行われたこともある場所です。
もう1つは1988年にサブ・ポップ・レコードからリリースされた4曲入りの『Fopp』です。
この2種類のミニ・アルバムを、サウンドガーデンの人気が一般のロック・ファンにも知れ渡ってきた1990年に併せてサブ・ポップから『Screaming Life/Fopp』として1枚のCDでリリースされました。
今聴くのなら、こちらの1枚のCD盤をおすすめします。
『Screaming Life』の1曲目に収録されている”Hunted Down”は、サウンドガーデンのデビュー曲になります。
1stシングルとしてもリリースされています。
キムが弾く不気味な低音のリフに、まるでレッド・ツェッペリンのロバート・プラントの生き写しかのようなクリスのハイトーン・ボーカル…
カート・コバーンに「こんな奴等にかなうわけがない!」と言わしめた音楽がここにあります。
次の “Entering”でも喉がはち切れんばかりのボーカルで聴くものを圧倒します。
サウンドガーデンの楽曲は、主にクリス・コーネルが歌詞を書いてキム・セイルが作曲をしているのですが、3曲目の “Tears to Forget”はヒロ・ヤマモトも作曲に参加したパンキッシュなファスト・ナンバーです。
キム・セイルは、セックス・ピストルズやラモーンズからも影響を受けているため、こういったパワーコードでゴリゴリ押し進むような演奏を得意としています。
後にデッド・ケネディーズのジェロ・ビアフラとニルヴァーナのクリス・ノヴォゼリックと共にハードコア・パンク・バンドの『The No W.T.O. Combo』を一時的に組むことになるのですが、その時もキムのパンキッシュなギターが大活躍していました!
4曲目の”Nothing to Say”は、”Hunted Down”のシングル盤のB面に収録されていたなんとも不気味な楽曲です。
80年代の米国の音楽市場は歌詞もポジティヴでやたら明るい曲調の音楽ばかりが主流でしたが、そのカウンター・カルチャーとして登場したのがこういったネガティヴな歌詞でダークな曲調の多かったグランジだったのでしょうね。
この時代の若者世代は「ジェネレーションX」と呼ばれ、父親はベトナム戦争の帰還兵だったりします。
虚しい戦争に疲れPTSDを煩った父親と離婚して、母親1人の手で育てられた過去を持つ若者が多かったようです。
「生まれたときからTVや車やゲーム機などなんでもある」けれども、実際には家庭は貧しく手に入れることも簡単ではない。
TVでは華やかな歌手やスターが活躍しているけれども、現実世界に生きる自分たちには将来就きたい仕事もなく、日々不安な生活を続けている…こういった世の中の情勢にグランジの音楽性があったからこその90年代のブームだったのでしょうね。
その片鱗を感じさせるのがこの”Nothing to Say”です。
もはや「お前ら(この腐敗した社会)には何も言うことはないぜ!」ですね。
“Little Joe”は、キム・セイルのギターの腕前が思う存分発揮された楽曲です。
ヘヴィな演奏だけでなくこういったアルペジオを用いたフレージングも上手いですね!
クリスのボーカルは、モロにロバート・プラントっぽいです。
“Hand of God”はキムの作曲ではなく、ヒロ・ヤマモトが単独で作曲した曲です。
キム・セイルの「ジャカッ!ジャカッ!」と鳴るブリッジ・ミュートを上手く活用したギターの金属音がかっこいいです!
余談ですが、日本語では、ギターのブリッジ部分でミュートをするのでブリッジ・ミュートと呼びますが、これは和製英語みたいなものです。
英語圏では、パーム・ミュートと呼びます。
“palm”(パーム)とは、「手のひら」の意味です。
ここまでが『Screaming Life』の収録曲で、残り4曲が『 Fopp』に収録されていた楽曲です。
“Fopp”は、ファンク・バンドのオハイオ・プレイヤーズが1975年にリリースしたアルバム『Honey』に収録されていた曲のカバーです。
なぜにオハイオ・プレイヤーズ!?…と思ってしまいますが、キム・セイルが高校生だった時に『Honey』を購入して気に入っていたようです。
本作にはこの”Fopp”のダブ・ミックスも収録されています。
残りの2曲は、”Kingdom of Come”がオリジナル曲で”Swallow My Pride”は先にご紹介していたグリーンリヴァーのカバー曲です。
“Kingdom of Come”は、まぁ…いまいちな楽曲なのですが、クリス・コーネルが単独で書いた初期の曲と言うことで…。
“Swallow My Pride”は、言わずと知れたグランジ・アンセムで、後にマッドハニーを結成することになるマーク・アームとスティーヴ・ターナーが書いた歴史的名曲です!
レッド・ツェッペリンやエアロスミスからの影響を感じさせるロック・ソングです。
以上がサウンドガーデン初の録音曲を収録した『Screaming Life/Fopp』収録曲です。
Soundgarden – 『Ultramega OK』
どことなくインド音楽のようなSEで始まる2ndシングルの”Flower”を1曲目に収録した初のフル・アルバム『Ultramega OK』は、1988年にリリースされました。
“Flower”の歌詞は、少女から大人の女性に成長するにあたり虚栄を張るために全ての事柄を自身に投資していくが、全ては無駄に終わりいつか心も燃え尽きてしまうことを歌っています。
なんともジェネレーションX世代の虚無感を表したような楽曲です。
“All Your Lies”は、キム・セイルとヒロ・ヤマモトが共同で作曲したパンキッシュな楽曲です。
ヒロ・ヤマモトは、なかなかかっこいい曲を書く人物でしたが、サウンドガーデンでの活動が長く続かなかったのはとてももったいないことです。
“665”と “667”という実験的な楽曲もヒロ・ヤマモトが書いた曲です。
『 Fopp』に収録されていた”Kingdom of Come”はいまいちな楽曲でしたが、本作に収録されている”Beyond the Wheel”や”Mood for Trouble”といった楽曲ではクリス・コーネルのソングライティング能力が飛躍的に上がったことがわかります。
面白いところでは、伝説のブルースマンのハウリン・ウルフの代表曲 “Smokestack Lightning”をカバーしていたり、ジョン・レノン &オノ・ヨーコの2分間の無音曲”Two Minutes Silence”を真似た”One Minute of Silence”等が収録されています。
サウンドガーデンの”One Minute of Silence”は、無音状態ではなく1分間のノイズ音が収録されています。
単にかっこいいロック曲だけを収録したのではなく、実験的な楽曲も多数収録したデビュー作『Ultramega OK』です。
Soundgarden – 『Louder Than Love』
1989年にリリースされた2作目の『Louder Than Love』です。
サウンドガーデンの代表曲とも言える名曲”Loud Love”と”Hands All Over”を含む初期の名盤です。
アルバム7曲目に収録されている “Loud Love”は、先行シングルとしてリリースされた名曲です。
地を這うようにうねるキム・セイルのギターリフに、シンプルに曲名を叫ぶクリス・コーネルのハイトーン・ボイス…サウンドガーデンの名曲のパターンがここに完成しました!
しかもこの曲はクリス・コーネル単独で書かれた楽曲です。
本作からクリスのソングライティング能力が開花しており、ほとんどの楽曲を単独で書いています。
2曲目の”Hands All Over”と5曲目の “Get on the Snake”のみキム・セイルとの作曲になります。
“Hands All Over”は、アルバムからの2枚目のシングルにも選ばれています。
この”Hands All Over”も名曲で、こちらはキムの空を駆け上がるかのようなメインテーマ部分のギターのフレーズがかっこいい曲です。
本作を最後にヒロ・ヤマモトはサウンドガーデンを脱退するのですが、”Power Trip”と”I Awake”と “No Wrong No Right”の3曲を作曲しています。
なかなかかっこいいロック・ソングばかりなのですが、徐々にキャッチーになっていくクリスのソングライティングと合わなかったのでしょうね。
ちなみに本作からマット・キャメロンが加入しており、単純にドラムのレベルが上がっています!
粗削りだった『Ultramega OK』から飛躍的にレベルアップを遂げた名盤です。
クリスのボーカルも単なるロバート・プラントのフォロワーではなくオリジナリティ溢れるものに変化しています。
サウンドガーデンの初期の名盤『Louder Than Love』こそ、グランジのハシリと呼べるアルバムなのかもしれません!?
ちなみに本作のアートワークをプリントしたTシャツが凄いかっこいいのでロックTシャツ好きにおすすめです♪
Soundgarden – 『Badmotorfinger』
ちょうどニルヴァーナの『Nevermind』やパールジャムの『Ten』と言った1991年を代表するグランジ・ブームの要となる2作品の後にリリースされた3作目のアルバム『Badmotorfinger』です。
本作からベーシストがヒロ・ヤマモトからベン・シェパードに代わっています。
似たような音楽性ながらもニルヴァーナやパールジャム程の大ヒットに至らなかったのは、時期が悪かったというのもありますが、それ以上にアルバムからの1stシングルに選ばれた”Jesus Christ Pose”があまり良くなかったのかも知れません!?
なかなか挑戦的な楽曲ではありますが…これはMTV受けはしないでしょうからね。
なんだかんだでグランジ世代はキャッチーなTV番組を批判しながらも、彼らが売れたのはMTVのおかげってのもありますからね。
どうしてもグランジやパンク・ロックというと「反政府・反資本主義・反メディア」のようなイメージとしてありますが…彼らは「法律違反にならないように自国の商業ルールを守って若者の受けの良いかっこいいイメージに着飾って(グランジもファッションですからね。)メディア戦略した上でお金を稼いでいる」存在ですからね。
本気で「反資本主義」を唱えるのなら、音楽を作った対価としてお金を貰うのは矛盾しています。
一見自由に感じる若者のカウンター・カルチャーといえども、実際には大人の作ったルールの上で形成されていると言うことは忘れてはいけません。
そんなわけで、本音を言えばサウンドガーデンの面々もニルヴァーナやパールジャムと同じような大ヒットはしたっかたのではないかな?と思えます。
ただ、それには”Jesus Christ Pose”では”Smells Like Teen Spirit”や”Alive”のようにはなれません。
アルバムからの1枚目のシングルは、その作品の全体のイメージを決定づける重要なものですからね。
ちなみに2ndシングルに選ばれた”Outshined”は、ヘヴィなギターリフを持ちながらもキャッチーな歌メロのある楽曲です。
僕は、サウンドガーデンでこの曲が一番好きなのですが、こちらを1stシングルにしたら良かったのに!?と思います。
それか本作1曲目に収録された3rdシングルの”Rusty Cage”でも良かったです。
もしかしたら”Jesus Christ Pose”は、バンドメンバー4人で作り上げたのに対して、”Outshined”と”Rusty Cage”はコーネル単独作だったので全員で作った曲を1stシングルにした可能性もあるかもしれませんね。
ここにきてコーネルのソングライティング能力が更に上がり、MTV受けしそうなキャッチーな曲調に代わっています。
ちなみにパンキッシュな”Face Pollution”と”Somewhere”の2曲は新加入のベン・シェパードが書いた楽曲です。
ダウン・チューニングしたギターのリフがヘヴィな楽曲”Room a Thousand Years Wide”は、珍しくキム・セイルが歌詞を書いています。
作曲はマット・キャメロンです。
1stシングル以外でキム・セイルが作曲に携わっているのは、イントロのギターのイズが過激な “New Damage”のみです。
徐々にキム・セイル作曲の曲が減っていったのは残念ですが、本作『Badmotorfinger』もサウンドガーデンを代表する名盤の1つです。
ちなみに2016年にスタジオ・アウト・テイクやライヴ音源を多数追加収録したCD2枚組のデラックス・エディションと、DVDもセットになった豪華7枚組のスーパー・デラックス・エディションがリリースされました。
Soundgarden – 『Superunknown』
1994年にリリースされたサウンドガーデンの最高傑作『Superunknown』です。
大ヒットした本作からは5枚ものシングルがカットされているのですが、そのどれもが名曲です!
まずは1stシングル”Spoonman”は、もともとはクリス・コーネル自身も出演したグランジ映画『シングルズ』のために書かれた曲でした。
映画に提供された”Spoonman”はクリス・コーネルがソロ名義で録音したバージョンになります。
しかしこのバージョンは、通常のサウンドトラックには収録されておらず、2017年にリリースされたデラックス・エディション盤にようやく収録されました。
このクリス・コーネルのソロ名義の”Spoonman”は、『Superunknown』の制作にあたってサウンドガーデンの曲となりました。
キム・セイルのドロップDチューニングを使用したヘヴィなギターリフが加わり、より強力な楽曲へと変化を遂げました。
2ndシングルの”The Day I Tried to Live”は、新機軸ともいえるミドルテンポのじわじわと盛り上がる楽曲です。
サビ部分でボーカルのキーが上がり爆発する展開はニルヴァーナからの影響が感じられますね。
もとはといえばカート・コバーンに影響を与えた先輩んバンドでしたが、スクリーミング・ツリーズやマッドハニー等もどうですが、『Nevermind』の世界的大ヒット以降はカートの差オングライティングから逆に影響を受けたような楽曲が多くなっていきます。
こればかりは仕方のないことでしょう。
どんなにかっこいい台詞を言っても、ミュージシャンは曲が売れなければ活動を続けていくのは困難になります。
僕はグランジ・バンドが売れていることを全く悪いことでもダサいことでもないと思っています。
こうやって売れてくれたおかげで地球の裏側に住む僕ら日本人の耳にも届いたわけですからね。
しかし「俺が生きようと頑張った日」というタイトルは、その後のクリスのことを考えると…悲しい曲名ですね。
3rdシングルの”Black Hole Sun”は、僕が一番好きなサウンドガーデンの楽曲です。
むしろこの曲は、「サウンドガーデンらしからぬポップすぎる楽曲」なのですが…単純にサビ部分のメロディーが好きなんです♪
ヴァース部分でキムがコーラス・エフェクターを使って弾いているアルペジオのフレーズやワウギターのソロも好きです。
4thシングルの”My Wave”は、5枚のシングル中唯一キム・セイルが作曲に関与した楽曲です。
そのためかギターのリフが目立つ楽曲ですが、もはやこのバンドのメインソングライターは完全にクリスに代わっています。
5thシングルの”Fell on Black Days”は、後のオーディオスレイヴに繋がっていきそうなクリス流のミドル・テンポのじわじわくる楽曲です。
以上が本作からシングル・カットされた5曲でした。
これらのシングル曲以外にも、1曲目”Let Me Drown”や”Mailman”といったロックな曲や、ベン・シェパードが単独で書いた”Head Down”と “Half”や、キム・セイルが書いたパンク・ロックな “Kickstand”に初期の頃のヘヴィなサウンドに回帰した “4th of July”等、多彩な楽曲が収録された名盤です!
ちなみに本作も2014年にCD2枚組のデラックス・エディションと、DVDもセットになった豪華5枚組のスーパー・デラックス・エディションがリリースされました。
Soundgarden – 『Down on the Upside』
1996年にリリースされた5作目のアルバム『Down on the Upside』です。
そしてサウンドの軽さからしてもポップになりすぎたアルバムです。
一応”Ty Cobb”のようなパンキッシュな楽曲もありますが、キムのギターの音量も以前よりも小さく、歪みもまろやかです。
シングル化された”Pretty Noose”や”Burden in My Hand”に”Blow Up the Outside World”は悪くはないのですが、過去の名曲”Loud Love”や”Outshined”等と比べると印象は薄いです。
もはやクリス・コーネルのソロ・アルバムに感じられます。
本作リリース後にサウンドガーデンは一度解散して、マット・キャメロンはパールジャムに正式に加入して、クリス・コーネルはオーディオスレイヴへと向かっていきます。
Soundgarden – 『A-Sides』
1997年にリリースされた『A-Sides』は、これまでにリリースされたシングル曲を集めたグレイテスト・ヒッツ・アルバムです。
デビュー曲の”Hunted Down”のみB面曲の”Nothing to Say”に代えられていますが、色々と大人の事情があるのでしょう。
シングル曲をまとめて聴くことが出来るので、サウンドガーデンの初めの1枚としては最適です。
Soundgarden – 『Telephantasm』
2010年に再結成に併せてリリースされたベスト盤です。
『A-Sides』にはなぜか収録漏れしていたデビュー曲の”Hunted Down”がちゃんと収録されています。
それ以外にも映画『シングルズ』に提供されておきながらスタジオ・アルバム未収録だった”Birth Ritual”や、『Badmotorfinger』制作時のアウト・トラックだった”Black Rain”を2010年に再録音して収録しています。
この”Black Rain”は、本作からの1stシングルとしてカットされています。
この曲と1987年の『Screaming Life』制作時のアウト・トラックだった”The Telephantasm”を”Black Rain”同様に2010年に再録音したバージョンが本作の目玉…のはずなのですが、なぜか”The Telephantasm”の方は通常盤には収録されず、デラックス・エディション・バージョンをiTunesでダウンロード購入した時のみ手に入る謎仕様でした。
まぁ”Black Rain”
Soundgarden – 『King Animal』
2010年に再結成した後に2011年2月から2012年8月に掛けて制作された6作目のアルバム『King Animal』です。
先行シングルとしてリリースされた1曲目の”Been Away Too Long”は、クリス・コーネルとベン・シェパードの共作曲です。
サウンドガーデンの復活は嬉しかったのですが、クリスのボーカルの衰えや、タイトになったもののヘヴィさが失われたバンドの演奏に残念ながら僕は失望しました…。
ここにはもう『Badmotorfinger』までのサウンドガーデンはいないんだな…と思うと同時に「次回作に期待したい!」と願いました。
しかしその願いが叶うことはありませんでした…。
以上、【シアトルが生んだ至高のグランジ/オルタナティヴ・メタル・バンド サウンドガーデンのアルバムをまとめてご紹介!】でした。
今回このブログ記事を読んで初めてサウンドガーデンを知ったという方や、サウンドガーデンという名前だけは知っていたけれどもどのアルバムから聴き始めたらいいのか迷っているといった方はぜひこの記事を参考にしてもらえたら幸いです。
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