
2023/05/01
【フィッシュ+プライマス+ポリス】凄腕メンバーが集まった奇跡のヘンテコバンド オイスターヘッドの『The Grand Pecking Order』を聴こう♪
オイスターヘッド(Oysterhead)のアルバム『The Grand Pecking Order』をご紹介します。
【フィッシュ+プライマス+ポリス】奇跡の組み合わせが揃ったジャム・バンド!
今から23年前の2000年に思いもよらない組み合わせでスーパー・バンドが結成されました!
それがトレイ・アナスタシオとレス・クレイプールとスチュワート・コープランドから成るトリオ編成のバンド『オイスターヘッド(Oysterhead)』です。
オイスターヘッド(Oysterhead)のメンバーについて
トレイ・アナスタシオ(Trey Anastasio)
トレイ・アナスタシオは、グレイトフル・デッドから始まる米国のジャム・バンド界隈で活躍してきたバンド、フィッシュ(Phish)のギタリスト兼ボーカリストです。
米国バーモント州バーリントン にて1983年に結成されたフィッシュは、ジャム・バンドにカテゴライズされるだけあって、ライヴで本領を発揮するバンドです。
グレイトフル・デッドと同じように、スタジオ・アルバムはちょっといまいちの出来だったりするのに、ライヴ・アルバムやライヴ映像を観ると、とてつもない素晴らしい演奏をするバンドです。
オイスターヘッドでもギターとボーカルを担当しています。
レス・クレイプール(Les Claypool)
レス・クレイプールは、米国カリフォルニア州エル・ソブランテにて1984年に結成されたオルタナティヴ・バンドのプライマス(Primus)でベースとボーカルを担当している鬼才です。
とってもクセのある歌い方をしており、少し取っつきにくい印象がありますが…ベースの腕前はピカイチです!
特にスラップを連発する独特の奏法は、レス・クレイプールならではの弾き方です。
レスの書く曲もクセが強く、聴き手を選びますが…しかし間違いなく歴史に名を遺す天才ミューシャンの1人ではあります。
スチュワート・コープランド(Stewart Copeland)
そしてこの3人のなかでは最も知名度が高いであろうドラムのスチュワート・コープランドは、あのスティングも在籍していた英国ロンドンのバンド、ポリス(The Police)のメンバーでした。
フィッシュやプライマスはどちらも解散したことはありましたが、再結成して今も現役で活動しているバンドです。
しかし残念ながらポリスの方は、つい先日もスチュワート本人が「再結成はもういいんじゃないかな?」とその可能性を否定しました。
ポリスは1977年に結成されたバンドなので、このオイスターヘッドの中ではスチュワートが一番キャリアの長いミュージシャンになります。
ポリスは英国のバンドでしたが、スチュワート自身は米国バージニア州アレクサンドリア出身のアメリカ人です。
そのためオイスターヘッドは、全員アメリカ人のバンドになります。
初期の頃はパンク・ロックが流行っていた時代だったので、パンク・バンドとして売り出されたり、その後スティングのイケメンな見た目からアイドル・バンドのような売り出し方もされていましたが、ポリスは当時の同ジャンルのバンドと比べると、演奏力の高いメンバーで構成されたバンドでした。
そのためスチュワートの演奏力も申し分なく、トレイ・アナスタシオとレス・クレイプールといった曲者と組んでもその演奏力は遺憾なく発揮されています!
とにかく演奏力の高い3人が組んだバンドです!
元はといえば、レス・クレイプールがニューオーリンズ・ジャズ・フェスティヴァルて共演したトレイ・アナスタシオに声を掛けたことから始まったバンドです。
ちょうどフィッシュとプライマスは、同じ2000年に一度目の解散をしています。(後に両バンドは再結成しています。)
その2人が共通の憧れのミュージシャンであったスチュワート・コープランドにもコンタクトを取ったところOKが出たのでこの3人で新バンド結成に至りました。
それでは今回は、そのオイスターヘッドが2001年にリリースした唯一のスタジオ・アルバム『The Grand Pecking Order』をご紹介します。
オイスターヘッド唯一のスタジオ盤をご紹介!
Oysterhead – 『The Grand Pecking Order』
巨大なロボットの頭に髪の毛が牡蠣(オイスター)の形…なんともインパクトの強いこのアルバム『The Grand Pecking Order』は、オイスターヘッドの1stアルバムとして2001年10月2日にリリースされました。
ちなみに当時の日本盤のCDには、オマケでステッカーが封入されていました。
収録曲は全てトレイ・アナスタシオとレス・クレイプールの2人が書いた曲になります。
カバー曲は収録されていません。
2人とも個性的な楽曲をいくつも書くことが出来る作曲家ですからね。
さて1曲目”Little Faces”は、サイレンのような奇妙な効果音から始まります。
20秒ほど経つと、スチュワートのバウンスしたドラムが入ってきます。
レスがベースをバイバイバイン!と叩く音、トレイが硬質なワウギターでワカチャカ♪と鳴らす音…
そして民族的なビートに乗せてレスの超絶ベースのイントロが始まります。
メインのボーカルはトレイが歌っていますが、コーラス部分はレスが歌っています。
しかしかなりヘンテコな楽曲なので、正直「誰の耳にも心地良い音楽」ではありません…。
聴く人を選ぶ内容だと言えます。
そのためこの1曲目を聴いて「ん~このバンドは苦手だな…。」という人が多くいても何もおかしくはありません。
とっても聴き辛いアルバムではあります。
音楽性としては、バンド結成の発起人であるレスが中心のようで、プライマスの音楽からメタルの要素を省いてよりファンクやフュージョンの要素を強めた印象です。
レスはオイスターヘッドの音楽ジャンルについて自ら”alt-funk fusion(オルト・ファンク・フュージョン)“と語っていたことがあります。
“alt”とは、オルタナ・ロックの”alternative”のことです。
早い話がメインストリームとは逆で、一般受けを狙った音楽ではないということですね。
とは言ったものの、メロディーラインが全くない「もはや音楽と呼べない」ような楽曲ではないので、レスのクセさえ慣れれば、好きになれるバンドだと思います。
そもそもこの3人の演奏力はもの凄く高いので、楽器をやっている人であれば聴き所は多いことでしょう。
2曲目の”Oz Is Ever Floating”や3曲目の”Mr. Oysterhead”は、このバンドの代表曲と言える(オイスターヘッドにしては…)キャッチーな楽曲です。
ベーシストにはレスのスラップ・ベースがゴリゴリ鳴る6曲目”Army’s on Ecstasy”や8曲目”Polka Dot Rose”が、ギタリストにはトレイの長尺ギターソロが聴ける7曲目”Rubberneck Lions”や11曲目”Pseudo Suicide”がおすすめです。
ちなみに”Army’s on Ecstasy”では、謎の日本語の歌詞も出てきます。
またこのバンドがプライマスとは違うのが、5曲目”Radon Balloon”や9曲目”Birthday Boys”のようなトレイのアコースティックギターをフィーチャーした牧歌的なが曲がある点です。
なんとなくミート・パペッツを彷彿させる楽曲ですが、こういった曲があるからこそレス・クレイプールだけのバンドになっていないのが良いところです。
クセはありますが、しかしこのアルバムに収録されている楽曲全てが聴き辛いわけではありません。
プライマスやフィッシュのファンの方であれば、すんなりと好きになれることでしょう。
ポリスがお好きだって方も、スチュワートはこんなバンドもやっていたんだよ~って感じで聴いてみて下さい。
ちなみにまさかのバンド・スコアも発売されています!
以上、【凄腕メンバーが集まった奇跡のヘンテコバンド オイスターヘッドの『The Grand Pecking Order』を聴こう♪】でした。
残念ながら今のところは、オイスターヘッドのスタジオ・アルバムはこの『The Grand Pecking Order』の1作品しか制作されていません。
オイスターヘッドの活動は一旦は2001年で終了となりました。
その後、フィッシュが2002年に、そしてプライマスが2003年に再結成しています。
その間にスチュワートは、自身のソロ活動や様々なミュージシャンのサポートでドラムを叩いています。
この3人が次に集まるのは、5年後の2006年でした。
2006年6月16日に米国テネシー州にて毎年行なわれている野外ロック・フェスティバルの『ボナルー・フェスティバル』にオイスターヘッドで出演しています。
それから長い間、このバンドの活動は行われていませんでした。
しかし2019年10月14日に突如バンドの公式TwitterやInstagramを開設して、オイスターヘッドの再結成を発信しました。
そして2020年にライヴ活動を再開したのでしたが…タイミングの悪いことにちょうど世界的に新型コロナ・ウィルスの影響が出始めた頃でした。
2021年には数回のライヴ活動のみで、ほとんどの公演がキャンセルとなりました…。
しかしオイスターヘッドの活動はまだまだ続くようです。
レスは、長らくリリースされていないオイスターヘッドの次のスタジオ・アルバムについて「我々3名は、それぞれ自身のバンドや音楽活動でとても忙しくしている。」となかなか3人で集まれないことを問題として語っていました。
でも可能性はゼロではないようです。
もしかしたらこのブログを書いている今頃、次のアルバムについて3人で話し合っているかもしれません⁉
なんならちょうどいま、レコーディングしていたり⁉
2ndアルバムのリリースが今後どうなるのかはわかりませんが、近いうちにリリースされたら喜ばしいことです。
その前に、ぜひ今回このブログでご紹介しましたオイスターヘッドの1stアルバム『The Grand Pecking Order』を聴いてみて下さい。
日本でもオイスターヘッドを聴く人が増えたら、もしかしたら2ndアルバムの要望も高まり、アルバム制作も早まるかもしれませんからね。
今はSNSが発展しているので、1人1人の声が発信しやすくなりましたからね。
もしこのブログ記事を気に入っていただけたら、ぜひSNSで発信していただけたら幸いです。
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