
2019/04/10
【ファンクおすすめの名盤シリーズ④】ジェームス・ブラウンのファンキーなインスト・アルバム2選‼
【ファンクおすすめの名盤シリーズ④】
シリーズ第四弾はファンクの帝王ジェームス・ブラウンのインスト・アルバム2作品!
こちらのブログの定期シリーズは、いくつか作っているのですが、色々と作りすぎたためか、ちょくちょく続編の更新が遅れてしまっているものがいくつかあったりします。
そのひとつがこの【ファンクおすすめの名盤シリーズ】でした。
去年9月からこのシリーズを始めたのですが……前回の第三弾【ザ・ミーターズ初期の名盤3選+α】から4ヶ月も経ってしまっていましたね。
【ファンクおすすめの名盤シリーズ③】ザ・ミーターズ初期の名盤3選+α
というわけで、この【ファンクおすすめの名盤シリーズ】は、まだまだ続きます!
それでは、今回は僕の好きなジェームス・ブラウンのファンキーなインスト・アルバムを2作品ご紹介したいと思います。
※「ファンク曲」を中心にご紹介してます。バラード曲に関しては感想を省います。
James Brown – 『The Popcorn』
01.The Popcorn
02.Why Am I Treated So Bad
03.In The Middle (Part 1 & 2)
04.Soul Pride (Part 1 & 2)
05.A New Shift
06.Sudsy
07.The Chicken
08.The Chase
1969年にリリースされた全編歌なしのインストによるアルバムです。
ジェームス・ブラウンの作品ですが、彼の『歌』を期待する人にはちょっとおすすめし辛い作品なのですが、僕の様に『ファンキーな楽器の演奏』を聴くのが好きな方には自信を持っておすすめしたい作品のひとつです。
『歌』がない分、どの曲もギターやサックスがテーマ・メロディーを奏でています。
BGMやダンス・トラックとして聴くのに適しています。
また楽器を演奏する人なら、この作品の収録曲に合わせて練習するのも良いかと思います。
まず1曲目”The Popcorn”から、ファンキーなインスト曲が始まります。
この作品が発売されたすぐ後に、ジェームス・ブラウンの代表曲のひとつ”Mother Popcorn”が収録されたアルバム『It’s a Mother』がリリースされるのですが、この”The Popcorn”が発展して”Mother Popcorn”になっていったような気がしなくもないですね。
イントロからギターのオクターヴ奏法によるソロから始まります。
おそらくジミー・ノーランによるギターだと思われます。
サックスのテーマとソロが続きます。
しかし一番の聴きどころは、1分38秒辺りでトレモロ・ピッキングから始まるギター・ソロです!
もはや『ジャズ・ファンク』作品と呼びたくなるような演奏です♪
次の2曲目”Why Am I Treat So Bad”は、ミドル・テンポのファンク曲です。
重いビートにホーン隊による良く練られたアレンジが素晴らしいです。
こちらの曲でもブルージーなギター・ソロが聴きどころです。
まるで同じ時期にアトランティック・レーベルのゴローヴァー・ワシントンJr.やシャーリー・スコットのジャズ・ファンク作品でギターを弾いていたエリック・ゲイルのような雰囲気です。
なぜかこの曲の作曲者クレジットには「ジョー・ザヴィヌル」と記載されていることがあるのですが、本当の作曲者はステイプル・シンガーズの娘達の父親ポップス・ステープルズなんです。
本作が発売される2年前の1967年に、ファンキーなサルト・サックス奏者のキャノンボール・アダレイが『Why Am I Treated So Bad!』というアルバムでこの曲を取り上げました。
おそらく当時のキャノンボール・アダレイのバンドに在籍していたジョー・ザヴィヌルが書いた曲だと勘違いされたんでしょうね。
ジョー・ザヴィヌルは過去に”Mercy, Mercy, Mercy”を書いてたりもしますからね。
勘違いするのも仕方ないかもしれませんね。
3曲目”In the Middle”は、グラント・グリーンが取り上げたことで今となっては『ジャズ・ファンク』の定番曲となりましたがこれがオリジナルです。
グラント・グリーンのバージョンは、1972年の作品『Shades Of Green』の8曲目に収録されていました。
最近では、ザ・ニュー・マスターサウンズがカヴァーしていますね。
公式盤でのリリースは、2016年の『The Nashville Session』が初めてでしたが、ライヴでは2008年辺りからすでに演奏していた曲です。
ちなみに本作に収録されている”In the Middle”は、オリジナルのLP盤では”Part 1″と”Part 2″に分かれていました。
CDでは、1曲にまとめられています。
さすがにグラント・グリーンやザ・ニュー・マスターサウンズ好きの僕でも、このオリジナルの”In the Middle”が一番かっこいいと思います!
やはりファンクの曲を演奏させたらザ・JBズ(ジェームス・ブラウンのバック・バンド)に敵うバンドなんていませんよね!
ザ・JBズの演奏よりもザ・ニュー・マスターサウンズの方が現代風でタイトな演奏なのですが、グルーヴ感が違うと思います。
ザ・ニュー・マスターサウンズやグラント・グリーンのバージョンは、ちょっとしたズレが良い意味での「ゆるさ」を感じるんですが、ビシッとしたグルーヴのまとまりはザ・JBズの方が上ですね。
さすが「ミスったら罰金」の厳しさです!
4曲目”Soul Prideも、オリジナルのLP盤では”Part 1″と”Part 2″に分かれていました。
本曲ではホーン隊はバック演奏のみで、ギターがソロを弾きまくる楽曲になります。
終盤にはドラムのソロもあったり、楽器陣の演奏を聴く分には最高のシチュエーションです。
5曲目”A New Shift”は、ファンクというよりも初期のフェイマス・フレイムス時代の頃のようなR&B調の楽曲です。
そのためかギターはバッキングのみで、ホーン隊が順番にソロ回しを繰り広げる楽曲です。
6曲目”Sudsy”も同じくR&B調の楽曲です。
そして7曲目に最も有名な楽曲が収録されています!
そう、ジャコ・パストリアスがカヴァーして有名にしたセッションでも大人気の曲”The Chicken”です。
本作のこのバージョンがオリジナルになります。
もともとは、当時のザ・JBズのリーダーだったピー・ウィー・エリスが書いた曲なんです。
さすがにジャコパスの洗練されたバージョンと比べると、本作収録バージョンは「古臭さ」を感じさせますが……しかしこの時代特有の「イナタさ」を感じることが出来ます。
本作『The Popcorn』は、なんといってもこの”The Chicken”が収録されていることで価値が上がりますね!
最後の8曲目”The Chase”は、30秒程度のショウのエンディングにピッタリの曲です。
少し「古臭さ」を感じさせるアルバムではありますが……本作はバラード曲が一切収録されていないので、ダレることなく全曲を通して聴くことが出来る作品です♪
James Brown – 『Ain’t It Funky』
01.Ain’t It Funky Now (Parts 1 & 2)
03.Fat Wood (Parts 1 & 2)
04.Cold Sweat
05.Give It Up Or Turn It A Loose
06.Nose Job
07.Use Your Mother
08.After You Done It
『The Popcorn』のリリースから『It’s a Mother』を挟んで、次の年1970年にリリースされたインスト作品の『Ain’t It Funky』です。
本作も『The Popcorn』と同じように、ジェームス・ブラウンの『歌』はなく全編ギターやサックスがテーマ・メロディーを奏でるインスト・アルバムです。
ただし、本作に収録されている”Cold Sweat”や”Give It Up Or Turn It A Loose”は新録音源ではなく、『歌あり』のバージョンからジェームス・ブラウンのボーカル部分を抜き取った音源になります。
そのためか、所々小さい音でジェームス・ブラウンの声が聞こえたりもします。
さて、アルバム1曲目”Ain’t It Funky Now”は、グラント・グリーンが同じ年にリリースした『Green Is Beautiful』でカヴァーしたことでジャズ・ファンク系でも定番になった曲です。
本作に収録されている のがオリジナルのバージョンです。
基本はホーン隊とバックのリズム隊とが一丸となって演奏するインスト曲ですが、所々でジェームス・ブラウンの声も収録されています。
その後、1971年のライヴ盤『Love Power Peace』でも取り上げられていたファンクの名曲ですね♪
あのライヴ盤では、ブーツィー・コリンズの兄キャットフィッシュ・コリンズがギターを弾きまくってかっこよかったです!
本作ではギター・ソロこそありませんが、サックスやトランペットにトロンボーンのソロが聴けます。
2曲目”Fat Wood”は、派手なホーン・アレンジこそありますが、まるでブッカー・T&ザ・MG’sが演奏しそうな雰囲気のオルガン・ソウル・ジャズ系の楽曲です。
次のジェームス・ブラウンの代表曲でもある3曲目の”Cold Sweat”と4曲目の”Give It Up or Turnit a Loose”は、ジェームス・ブラウンのボーカル部分をOFFにして新たにメインのリード・ギターを重ね録りされた音源のようです。
どちらの曲もテーマやソロをメインで弾くのは、ギターになります。
ジャズ・ファンクというには、かなりブルースよりのギター・ソロではありますが、ファンク・ギター好きは必聴の名演です♪
5曲目”Nose Job”は、楽し気なホーン・アレンジが明るい雰囲気の楽曲です。
そして本作の聴きどころのひとつでもある6曲目”Use Your Mother”もおすすめです!
これこそまさにJB流ファンクと言える、ジェームス・ブラウンが作曲したファンク曲です♪
先の”Cold Sweat”や”Give It Up or Turnit a Loose”のようにこの曲でもギターがメインとなって楽曲をリードしています。
まるでフィル・アップチャーチが弾きそうなギター・ソロですね!
最後の”After You Done It”も同じくJB流ファンク曲です!
ミドル・テンポでネチっこく演奏された曲です。
本作『Ain’t It Funky』は、先のアルバム『The Popcorn』から1年が経過してR&B調の楽曲が少なくなり、よりファンキーな楽曲が収録されるようになった作品です。
以上、【ファンクおすすめの名盤シリーズ④】ジェームス・ブラウンのファンキーなインスト・アルバム2選‼】でした
ちゃんと忘れずに4ヶ月ぶりに【ファンクおすすめの名盤シリーズ】を更新しました!
もちろん今後も引き続きこのシリーズは続けていきますので、ぜひまたこちらのブログを読みに来てください。
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