2019/10/25
モード・ジャズの金字塔にしてマイルス・デイヴィスの歴史的名盤『Kind of Blue』の50周年記念盤をご紹介します。
モード・ジャズの金字塔にしてマイルス・デイヴィスの歴史的名盤『Kind of Blue(カインド・オブ・ブルー)』の50周年記念盤をご紹介します。
LP盤1枚にCD2枚とDVD1枚が付いた盛りだくさんの内容!
今回はいつもの作品ご紹介と少し違って、僕の持っているマイルス・デイヴィスの『Kind of Blue(カインド・オブ・ブルー)』の50周年記念ボックスセットをご紹介したいと思います。
ジャズ史に残る名曲”So What”が収録されたアルバム『Kind of Blue』の音楽的なご紹介についてはまた別の機会に……ということで、今回は豪華ボックスセットの内容をご紹介したいと思います。
50周年を記念して発売された豪華仕様のお宝ボックスセット!
このセットは2008年10月2日に発売されたので、もう10年以上前になります。
『Kind of Blue』がリリースされたのは1959年8月17日だったので、正確には50年経たずに発売されています。
約32cmと少し大きめの正方形型ボックスで、ズッシリと重みのある箱物です。
この物質的な重みの中にも本作の歴史的重みを感じさせてくれます。
LP盤にはオリジナルリリース時と同じ『Kind of Blue』が記録されています。
CDの方は、1枚目の6曲目までがボーナストラックの追加されたCD盤と同じで、それ以降に大量の別テイクが収録されています。
2枚目の方には同じ収録メンバーで撮られていた『1958 Miles』の4曲と、更に『Kind of Blue』の別テイクが収録されています。
それでは箱から中身を取り出してみましょう。
『Kind of Blue』50周年記念のボックスセットの中身
ズッシリと重みのある箱の横側から中身を取り出すことが出来ます。
中に入っているのは写真のように大きく分けて2つのセットが封入されています。
その2つとは、巨大ブックレットとCDやDVDのようなメディアが封入されています。
まずはメディアがセットされている方を見ていきたいと思います。
『Kind of Blue』のアナログ盤のような表紙にマイルスのシルエットがオシャレなデザインで施されています。
中にはLP盤1枚にCD2枚とDVD1枚が入っています。
LP盤は『Kind of Blue』のタイトル通りに青いレーベル面が鮮烈です!
更にこのセットには他にもオマケが付いています。
何やら白い袋を開けると中から豪華なブロマイドが出てきます。
『Kind of Blue』録音時の有名な写真が大きめのブロマイドで封入されています。
こういった特典も素晴らしいのですが、やはり目玉と言えるのがDVDでしょう!
傑作を解説したオマケDVD『Celebrating a Masterpiece: Kind of Blue』が一番の目玉!
本セットには『Celebrating a Masterpiece: Kind of Blue』というDVDが封入されています。
このDVDには、『Kind of Blue』の制作に関わった人物や、マイルスと共演したジャズマン、その後影響を受けたジャズマン等が登場してアルバムについての解説をしています。
僕が購入したこのボックスセットは、日本盤ではなく輸入盤なのですが……英語がわからなくっても大丈夫です!
なんと輸入盤のDVDにも日本語字幕が付属しています。
DVDには、『Kind of Blue』の録音に参加したジャズマンの中で唯一存命のドラム奏者ジミー・コブが登場します。
残念ながらマイルスのみならず、ジョン・コルトレーンにビル・エヴァンス、キャノンボール・アダレイやウィントン・ケリーにポール・チェンバースは皆既に亡くなっています。
しかしジミー・コブが生きていお蔭で、当時の様子を知ることが出来ます。
また他にも、過去にマイルスと共演したホレス・シルヴァーにジャッキー・マクリーンやシャーリー・ホーン、マイルスの黄金のクインテットのメンバーだったハービー・ハンコックにロン・カーター、その後エレクトリック・マイルス期に参加したデイヴ・リーヴマンやジョン・スコフィールドも登場します。
更にはマイルスから影響を受けたサンタナや、驚くところではヒップホップユニットのア・トライブ・コールド・クエストのMCであるQティップなんかも登場します。
ここに登場するジャズマン達が作中で話していたセリフの中で、いくつか興味深いものをご紹介したいと思います。
全ての礎を築いたアルバムだね。ジャズだけでなくあらゆる全ての音楽の基礎だよ。
簡素の極み、まさに「少ないほど効果が増す(Less is more. )」さ。全てがきれいに溶け合っている。やわらかくね。
– ハービー・ハンコック
マイルスのバンドはある意味セミナーみたいなものだった。マイルスはみんなに何をすべきかではなく、何をすべきでないかを教えた。演奏については一言もない
-キャノンボール・アダレイの過去のインタビューより
ポール・チェンバースはまずルート以外の音から入る。予想外の音を奏でて皆を驚かせた。
-ロン・カーター
ビルのプレイにはダウンタウンを思わせるフィーリングがあった。ビル・エヴァンスの音は濃厚な闇色だよ。
-デイヴ・リーヴマン
マイルスはシンプルにしたかった。いや、「シンプル」とは違うか…「クリアー」の方が近いね。もっとクリアーにしたかったんだ。複雑なコードを解体してひとつのモードに沿って吹いた。
-ジョン・スコフィールド
マイルスは、従来の複雑なコード進行上でのコードトーンに捉われたアドリヴ演奏から、少ないコード進行に代えることでより自由な演奏が出来るように示しまた。
「難解なハーモニーからの脱却」と捉えることが出来ますが、もしかしたらマイルスがやろうとしたことは「即興のメロディーによって新たなハーモニーを構築する」ことだったのかもしれませんね⁉
更に詳しく知りたい方は、ぜひともDVDを観て下さい。
巨大ポスター付き豪華ブックレット
さて、最後にブックレットのセットもご紹介したいと思います。
ボックスセットと同じように大きなブックレットのセットが封入されています。
中を開けると、白黒のマイルスがスタジオで佇んでいるあの有名な写真を模した巨大ポスターが封入されています。
ここでは小さく折りたたんだままで写真を撮ったのですが、全て広げるとこの写真のサイズの3倍の大きさのポスターになります。
ぜひとも大きめのポスターを部屋の壁に飾ってみましょう!
ブックレットの中身は全て英語になりますが……貴重な写真も多く掲載されています。
これだけの数多い豪華特典が付いているのがこの『Kind of Blue』50周年記念ボックスセットになります。
以上、【モード・ジャズの金字塔にしてマイルス・デイヴィスの歴史的名盤『Kind of Blue(カインド・オブ・ブルー)』の50周年記念盤をご紹介します。】でした。
あれから更に10年が経ち、今年で60周年を迎えた『Kind of Blue』ですが、まだ50周年ボックスセットを持っていないという方は、今からでもゲットしましょう♪
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