ブルースピアノを聴くならこれ！リロイ・カーの『Blues Before Sunrise』を聴こう♪

リロイ・カーの’32年～’34年の録音を集めた作品

Leroy Carr 『Blues Before Sunrise』

1. Midnight Hour Blues
2. Mean Mistreatin’ Mama
3. Hurry Down Sunshine
4. Corn Likker Blues
5. Shady Lane Blues
6. Blues Before Sunrise
7. Take a Walk Around the Corner
8. My Woman’s Gone Wrong
9. South Bound Blues
10. Barrelhouse Woman
11. I Believe I’ll Make a Change
12. Bo Bo Stomp
13. Big Four Blues
14. Hustler’s Blues
15. Shining Pistol
16. It’s Too Short

Leroy Carr (p,vo)
Scrapper Blackwell (g)
Josh White (g…13,15,16）

 

 

そのほとんどがNew Yorkでの録音集

このアルバムの収録曲は殆どの曲がNYで録音されています。

 

 

シティ・ブルースとカントリー・ブルースの調和

素朴なカントリー・ブルースの要素も残しつつ洗練された規則正しいピアノと甘酸っぱいボーカルが絶妙なフィーリングを生み出すリロイ・カーの名曲集になります。

 

残念ながらこのアルバムには、彼の代表曲の“How Long, How Long Blues”は、収録されていないが、しかしエルモア・ジェイムスもカヴァーしたタイトル曲や、ロバート・ジョンソンの“I Believe I’ll Dust My Broom”のモデルとなったの#11” I Believe I’ll Make a Change”など聴きどころ満載のアルバムです。

 

 

 

 

このアルバムのお勧めトラック

#1のどこか気だるいアーバン・ブルースを聴けばどこか心も和んできます。

 

リロイのピアノとボーカルに絶妙に絡むブラックウェルの渋いギターが最高です。

 

たった2種類の楽器だけれども、どちらもコード楽器なため、奥行きのあるサウンドに仕上がっています。

 

#2もブラックウェルとリロイの絶妙なコンビネーションがイントロから味わえる奥ゆかしい曲です。

 

おそらくこういったリロイの歌い方がロバート・ジョンソンに大きな影響を与えたのでしょうか？

 

#4はどこか笑えるタイトルそのまま?

 

「トウモロコシをむさぼり食うブルース」とは……。
しかし笑ってばかりもいられなません!

 

当時の黒人たちの食うに食えない苦しい生活状況を歌った曲なのかもしれない!?

 

途中、リロイの疲れ切った（恐らく酒浸りのせい?）“モーン”【moan：（いわゆるブルースの曲でよく聴かれる）うめき声】が生々しいです。……。

 

この曲や続く#5、#7辺りは少しレコードのプチプチというノイズが少し酷いかもしれないですが、しかし慣れてしまえば、これがあるからこそ歴史の重みが感じられるはずですので、ぜひリアル・ブルースの素晴らしさを感じ取って下さい。

 

名曲#6は、やはりこのオリジナルバージョンが最高だと個人的に思います。

 

リロイのボーカルにレスポンスするようにオブリガードを入れるブラックウェルのギターがとても心地良いです。

 

他には#10の1分32秒辺りからの鋭いギターソロが素晴らしいです。
タイトル通りにいかにもバレルハウス（安酒場）で踊るための曲って感じです。

 

続く名曲#11のブラックウェルのパキパキの高温ギターは、そのままロバート・ジョンソンに影響を与えたのではないでしょうか？

 

もちろんそれだけではなく、その後出た多くのブルース・ギタリストに影響を与えたであろう素晴らしいプレイです。

 

#12のストンプのメロディアスで軽やかなギターも最高にノリが最高です♪

全16曲、歴史的価値も大きいこのアルバム

ピアノ・ブルースの第一人者リロイ・カーの名曲名演ばかりが収められた名作集です！

 

 

 

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