
2021/10/25
まさかの未発表音源!ジョン・コルトレーンの『至上の愛』全4楽章がライヴ演奏された『ライヴ・イン・シアトル』をAmazon限定メガジャケ付きで手に入れました!
ジョン・コルトレーンの最高傑作『至上の愛』全4楽章をライヴ演奏したレア盤の発掘!
ジョン・コルトレーンの最高傑作と称される『至上の愛』は、2002年にデラックス・エディション盤として貴重なライヴ音源を収録した2枚組CDがリリースされていました。
そのデラックス・エディション盤のディスク2枚目には、1965年7月26日にフランスのジャスフェスティバルにて組曲『至上の愛』全パートを披露した貴重なライヴ音源が収録されていました。
このデラックス・エディション盤には、『至上の愛』全4楽章を全て演奏した貴重なライヴ音源が収録されています。
しかもジョン・コルトレーンにマッコイ・タイナーにジミー・ギャリソン、そしてエルヴィン・ジョーンズという黄金のカルテット編成による当時のジャズ界最強の面子による演奏です!
このデラックス・エディション盤がリリースされた当時、まだ僕は20代の若者だったのですが、10代の頃から既にコルトレーンにハマっていた僕はすぐに入手して聴きまくりました。
一応僕も高校生の頃からコルトレーンを聴き始めたので、いつの間にかコルトレーン歴25年…と、早いもので四半世紀もの長い間ハマっているんです。
そんな僕も『コルトレーンを聴け!』を読んで、「コルトレーンの生涯で『至上の愛』全4楽章をぶっ続けでやったのはこの日が最初で最後」と書かれていたことを、15年近く信じていました。
もちろん『コルトレーンを聴け!』の本の内容が悪いわけではなく、今回発掘された音源が「記録にすら残っていなかった」幻の音源だったから仕方ありません。
シアトルのジャズ・クラブで行われた奇跡のライヴ!
今年の夏頃、2021年10月8日に2019年の『Blue World』以来となる久しぶりのコルトレーンの新作が発表されることをTwitterで知りました。
その時は『ライヴ・イン・シアトル』と書かれていたので、てっきり既発の1965年9月30日にライヴ録音されたアルバム『Live in Seattle』が未発表音源をプラスして再リリースされるのかな?と勘違いしてしまいました。
しかしすぐに『至上の愛~ライヴ・イン・シアトル』とタイトルに書かれているのに気付きました。
『コルトレーンを聴け!』には、フランスで1度のみ全4楽章が演奏されたと書かれていたので、僕は『至上の愛~ライヴ・イン・シアトル』が全4楽章を演奏しているとミスリードさせて購入者を引っかけるためにそんなタイトルを付けているのでは?と疑ってしまいました。
しかしよく見ると…全4楽章全てがクレジットされています!
もちろん僕もコルトレーンの作品では『至上の愛』が最も好きな作品になります。
熱いライヴ演奏を得意とするコルトレーンが、最高傑作の『至上の愛』をライヴ演奏するとなれば、これは何としてでも聴いてみたい音源です!
僕はすぐにAmazonで検索して『至上の愛~ライヴ・イン・シアトル』を探しました。
すると、Amazon限定のメガジャケ付きCDを発見しました。
すぐにカートに入れて予約注文しました。
それから数ヶ月…発売日から2週間過ぎた10月22日にようやくメガジャケ付き限定盤が手元に届きました。
今回はそのメガジャケの写真と共にアルバムをご紹介します。
『至上の愛~ライヴ・イン・シアトル』Amazon限定のメガジャケ付き!
こちらが先日Amazonから届いたAmazon限定メガジャケ付き『至上の愛~ライヴ・イン・シアトル』の写真です。
本体のCDの倍ぐらいの大きさ、LPレコードのジャケットぐらいの大きさのメガジャケがオマケで付いています。
最近のAmazonでは、ジャズの最新は靴音源などのアルバムを購入するとこういったメガジャケがオマケで付いてくるみたいです。
実は前回購入した『Blue World』の時もこういったメガジャケがオマケで付いてきました。
最近はコルトレーンの発掘音源がリリースされる度にメガジャケをゲットするのが僕の楽しみになっています♪
さて、アルバムの内容なのですが…実際に『至上の愛』全4楽章をライヴで演奏した音源が収録されています。
ただし!!!!
今回は黄金のカルテット編成ではありません。
コルトレーンの弟子とも言えるファラオ・サンダースにアルト・サックス奏者のカルロス・ワードにベーシストのドナルド・ギャレット(クラリネットを吹くこともある)の3人の新メンバーが参加したセプテット編成による演奏です。
ちょうど後期コルトレーンへと変貌を告げていく時期ですね。
この辺りからコルトレーンは、バンドに2人のベーシストを参加させたダブル・ベースで重厚な演奏を好むようになっています。
今回もメイン・ベーシストのジミー・ギャリソンだけでなくサイド・ベーシストにドナルド・ギャレットを参加させています。
クラリネットなどのリード楽器も演奏することから、ドナルド・ギャレットの名前の横に(b)と記載されていたら「バスクラリネット?」と勘違いしてしまいそうになりますが、これはそのままベースの意味です。
ちなみに本作でもジミー・ギャリソンの長尺ベース・ソロが登場します。
キース・ジャレット並に「ウ~~ウ~~」言いながら弾いています。
相変わらずの長さに霹靂してしまいそうになりますが…その分、その後登場するコルトレーンやファラオ・サンダースの勢いあるサックス・ソロが待ち遠しくなる不思議な効果を発揮しています。
そう、ここには先に発売されていた『Live in Seattle』と同じようにファラオ・サンダースが参加しています。
『コルトレーンを聴け!』に「”ノイズ発信器”のファラオ・サンダースに自問自答させられる」と書かれているように、コルトレーン・バンドに於けるファラオ・サンダースは、まるで飛び道具の様にただひたすらにノイズをまき散らしていきます!
正直、僕も苦手です…。
まるでジョジョの奇妙な冒険の擬音「ウジュルウジュル」といった不気味なノイズをバックのコード進行を無視して果てしなくまき散らしていきます。
今回のこの『至上の愛~ライヴ・イン・シアトル』の参加メンバーにファラオ・サンダースの名前を見つけた僕は「これはヤバいかも…」とちょっとした危険を察知しました。
案の定、本作でも「ウジュルウジュル」といった不気味な音は鳴っていました…。
しかし、何年もコルトレーンの音源を聴いてきたため慣れてしまったのか?本作のファラオ・サンダースはそこまで聴き辛くは感じませんでした。
むしろコルトレーン以上に激しい演奏をしていました。
エルヴィン・ジョーンズのドラムとの掛け合いも凄い!の一言です。
まるで『One Down, One Up: Live At The Half Note』の時の様に、「そこまで激しく叩いたらドラム・セットが壊れてしまうんじゃない!?」と心配にぐらいに激しいドラミングです。
まさにオクトパスの異名通りに両手両足がもう1つずつあるかのようです。
こんな凄いライヴ演奏が、今の今まで記録すら残されずに歴史の闇の中に消えそうになっていたとは…。
なんせパート1の”Acknowledgement(承認)”が21分53秒及ぶ及ぶ熱演ですからね!
ちなみにスタジオ版の”Acknowledgement(承認)”の曲後半ではコルトレーンが「アラープシュプリーム!」とボソボソ声でお経を唱え始めるのですが、本作及ぶデラックス・エディション収録のフランスでのライヴではお経なしでした。
観客を前にお経を唱えるのは何か違ったのか?どちらもコルトレーンがあのメロディーをサックスで奏でています。
僕はあのお経、わりと好きなんですがね。
それはともかく本作は間違いなくコルトレーン・ファン必聴のアルバムです。
コルトレーンを聴き始めて四半世紀経ってからこんなレアな音源を聴けるとは…僕も思いませんでした。
貴重なジャズの歴史的ライヴ演奏をぜひ聴いてみて下さい!
次は来年辺りにウェス・モンゴメリーとの秘密のセッションが発売されないかな?
サックスとギターがユニゾンで演奏する”Impressions”とか世に出たらジャズの歴史が変わるかも!?
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