カテゴリー:Music

2019/09/20

数多くのレコーディングに参加したスタジオ・ミュージシャン ジェイ・バーリナーの 『Bananas Are Not Created Equal』を聴こう♪

数多くのレコーディングに参加したジェイ・バーリナーが1972年にリリースしたリーダー作 『Bananas Are Not Created Equal』をご紹介します。

参加したれレコーディングは膨大な数に及ぶ売れっ子ギタリスト!

今回ご紹介するジェイ・バーリナーは、数多くのレコーディングに参加したセッション系のギタリストです。

 

ジェイ・バーリナーは、1940年5月24日にNY州ブルックリンに生まれています。

 

79歳になった今でも存命中です。

 

さて、単にギタリストと言っても、ジェイ・バーリナーが得意なのはエレキギターだけでなくアコースティック・ギターの名手でもあります。

 

長年の音楽業界への貢献を称して非営利団体NARASから”Most Valuable Player Award for Best Acoustic Guitar Player”という賞を進呈されているほどです。

 

またその弦楽器を演奏する腕前はギターだけに留まらず、マンドリンやバンジョーなど多岐に渡ります。

 

そんなギターの名手であるジェイ・バーリナーは、数えきれない程多くのレコーディングに参加してきています。

 

その総数は1万~1万5千と言われ、その全てを把握するのは不可能な程です。

 

ジャズだけでも、チャールズ・ミンガスの『Black Saint And Sinner Lady(黒い聖者と罪ある女)』や、ポール・デスモンドの『Summertime』やジョージ・ベンソンの『White Rabbit』にアイアート・モレイラの『Free』、デオダードの『Prelude(ツァラトゥストラはかく語りき)』、ルー・ドナルドソンの『Sophisticated Lou』等、様々な有名作品に参加しています。

 

もちろんジャズだけに留まらず、ロックやポップス、イージーリスニングに映画音楽、TVのサウンドトラックといった広範囲のレコーディングに参加していたようです。

 

もしかしたら、洋楽好きの人でしたら知らず知らずのうちにジェイ・バーリナーのギターを聴いていたってことになりそうですよね。

 

今回はそのジェイ・バーリナーが1972年に数多くのジャズ・ファンク作品を残したレーベル、メインストリート・レコードにて吹き込んだ初のリーダー作 『Bananas Are Not Created Equal』をご紹介したいと思います。

 

 

Jay Berliner – 『Bananas Are Not Created Equal』

01.Getting The Message
02.I Just Want To Be There
03.Papa Was A Rolling Stone
04.Hey Western Union Man
05.Stormy
06.Use Me
07.We’ve Come Too Far To End It Now
08.Stickball
09.I’m Still In Love With You

 

Personnel:
Jay Berliner – Guitar
Paul Griffin – Piano
Cornell Dupree – Guitar
Gordon Edwards – Bass
Jimmy Johnson – Drums
Ray Barretto – Congas
Joe Venuto – Mallets, Tambourine

 

アルバム参加メンバー

本作の制作に当たりジェイ・バーリナーのバックを支えるメンバーも豪華な面子が揃っています。

 

まずは当時メインストリート・レコードの数多くの作品に参加していたコーネル・デュプリーとゴードン・エドワーズの2人です。

 

後に人気フュージョン・グループのスタッフのメンバーとなる2人ですが、彼らもゴードン・エドワーズと同じくスタジオ・ミュージシャンとして様々なレコーディングに参加してきています。

 

この2人が参加しているだけでも、僕と同じようなソウル/ファンク好きの人なら好きになれると思います。

 

そしてピアノにはポール・グリフィン、ドラムにはバーナード・パーティのフォロワーと言えそうなジミー・ジョンソン、コンガにレイ・バレットといった当時のジャズ・ファンク作品ではお馴染みのような名前がズラッと並びます。

 

こう名前を並べてみると、実はリーダーのジェイ・バーリナーが一番知名度が低いような気がしますね⁉

 

やはりコーネル・デュプリーとゴードン・エドワーズは、日本でもスタッフが大人気だったために知名度はずば抜けて高いと思います。

 

僕も正直な事を言いますと、本作を購入したきっかけはコーネル・デュプリーが参加していたからです。

 

もし本作にコーネル・デュプリーが参加していなければ、本作のことを知らないままでいたかもしれません⁉

 

しかしそんな知名度の低いジェイ・バーリナーが実は最も数多くのレコーディング・セッションに参加しているというのが驚きですね。

 

僕自身も本作でジェイ・バーリナーのことを知る前から無意識の内に彼の演奏を聴いていたことに気づかされました。

 

でもそんな知名度の低さから裏方のイメージが強いジェイ・バーリナーなのですが、本作のように前に出てリードしても何ら遜色ない名手であることがわかります。

 

ベスト・アコースティック・ギタリストに選ばれたりもしていますが、フロントに立ってエフェクターを使ったエレキギターをバリバリ弾きこなす腕前も持っています!

 

それではアルバムの中身を見ていきましょう。

 

 

アルバムの内容

1曲目”Getting The Message”は、グラント・グリーンと共に映画『The Final Comedown』のサントラ制作をした経験を持つソウル/ファンク系プロデューサーのウェイド・マーカスが書いた曲です。

 

レイ・バレットのコンガのイントロに導かれ、ポール・グリフィンの弾くクラヴィネットのリフが始まり、コーネル・デュプリーがグルーヴィーなカッティングを弾く上をジェイ・バーリナーのリードギターがメインのテーマを弾き始めます!

 

ロック・ギタリストのようにオーバードライヴしたサウンドでテーマを弾いた後は、ファズを使って潰れたような激しい音色でもギターを弾いています。

 

それこそブラックエクスプロイテーション系の映画に使われそうなファンク・ロック系の楽曲です。

 

ギターソロになるとジミヘンばりにフェイザーもしくはユニヴァイブ系のビブラート・エフェクターを掛けたファズ・サウンドでギターを弾き倒しています!

 

この1曲目を聴いただけでもジェイ・バーリナーがリーダーを務めるに値した器であることが証明されます。

 

ゴリゴリのファンク・ロックを弾いた次は、2曲目のメロウ・ナンバー”I Just Want To Be There”へと続きます。

 

この曲のオリジナルは、アメリカのR&Bボーカルグループのインディペンデンツの1972年のヒット曲です。

 

左チャンネルからは、コーネル・デュプリーはワウペダルを使ってR&B系バッキングのバッキングを弾いているのが聴こえてきます。

 

右チャンネルにはジェイ・バーリナーのアコギによるバッキングも聴こえてきます。

 

そして中央にテーマメロディーを弾くジェイ・バーリナーのクリーントーンのエレキギターの音が重ね録りされています。

 

まるでデイヴィッド・T・ウォーカーやフィル・アップチャーチのようなメロディアスな演奏です。

 

この曲でのジェイ・バーリナーの素晴らしい演奏を聴いてしまうと、「こんなにも歌心溢れるギターを弾けるのにもっとリーダー作を多く残して欲しかった……。」と残念に思ってしまいます。

 

ジェイ・バーリナーは、70年代にはリーダー作を本作しか制作していません。

 

おそらく他のレコーディングで忙しかったのでしょうね……。

 

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Ryo
この曲のようなバラード曲をしっかり弾けるかどうか?でそのギタリストの技量がわかるのですが……
間違いなくジェイ・バーリナーが本当に上手いギタリストだとわかる1曲でもあります。

 

またギターソロではアコースティック・ギターのソロもあります。

 

もちろんアコギの腕前も、文句なしに上手いので安心して聴くことが出来ます♪

 

メロウな曲の次は、3曲目のテンプテーションズのファンク期の名曲”Papa Was A Rolling Stone”が始まります。

 

クラヴィネットの怪しげなイントロから始まり、ジェイ・バーリナーのファズギターがテーマを弾き始めます。

 

バックではコーネル・デュプリーがワウペダルを使って「ン~チャカチャ♪ン~チャカチャ♪」とファンキーにギターを弾き始めます。

 

ボーカル・グループのテンプテーションズとは違って、本作ではインストでカヴァーされているのですが……そこはジェイ・バーリナーの腕前を持ってすれば問題なく聴くことが出来ます。

 

ギターソロが始まると、コーラス・エフェクターを使って浮遊感ある不思議なサウンドでギターを弾き倒しています。

 

そのバックでもコーネル・デュプリーがワウギターを延々と「ン~チャカチャ♪ワカチョコチョ♪」と弾いてこの曲の持つグルーヴをより引き立たせています。

 

続く4曲目は、ジェリー・バトラーの1968年のヒット曲”Hey Western Union Man”のカヴァーです。

 

ウェス・モンゴメリーやグラント・グリーンにジョージ・ベンソンも取り上げた定番の曲でもあります。

 

またクラレンス・ウィーラー&ジ・エンフォーサーズの1971年にリリースされた2作目『The Love I’ve Been Looking For』でも取り上げられていた曲で、そちらにはコーネル・デュプリーと同じくスタッフで活躍することになるエリック・ゲイルが参加していたりもします。

 

この名曲をコーネル・デュプリーのワウギターが支える中、コーラス・エフェクターを使ったジェイ・バーリナーのギターがメインのテーマを弾いて演奏しています。

 

5曲目は、クラシックスIVの1968年のメロウ・ナンバー”Stormy”のカヴァーです。

 

ミーターズもデビュー作で取り上げていた曲ですね。

 

この曲も先の”I Just Want To Be There”の時と同じようにアコギのバッキングの上をクリーントーンのメインギターがテーマを弾く形です。

 

本曲ではジェイ・バーリナーのアコギの音は左チャンネルから聴こえてきます。

 

どことなくオクターヴァーを使用したような厚みある音に聴こえます⁉

 

コーネル・デュプリーのギターはかなり小さい音で右チャンネルから聴こえてきます。

 

いつも通りのコーネル印のダブルストップを半音スライドさせる「キュイキュイ~ン♪」という音が聴こえてきます。

 

7曲目”Use Me”は、ビル・ウィザースの1972年のヒット曲です。

 

クラヴィネットのリフに支えられ、右チャンネルにジェイ・バーリナーのアコギのバッキング(途中でファズギターも登場)、中央にクリーントーンのメインギターのテーマ、左チャンネルにコーネル・デュプリーのリズムギターという構成です。

 

この曲は聴きもので、ジェイ・バーリナーのソロが終わると1分13秒辺りからコーネル・デュプリーのギターソロが始まります・

 

まるで2大スタジオ・ミュージシャンによるギター・バトル!とでも言えそうな熱いギターソロが続きます。

 

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どちらの方が上か?とかではなく、どちらも個性的で素晴らしいギタリストですね♪

 

8曲目”We’ve Come Too Far To End It Now”は、スモーキー・ロビンソン&ミラクルズが1972年に歌ったバラード曲です。

 

メインのテーマを弾くジェイ・バーリナーのスウィープ奏法を交えたスムーズな演奏は、まるでフィル・アップチャーチのようです。

 

2分19秒辺りの途中で中央のギターソロから右チャンネルのギターソロに交代するのですが、どちらもジェイ・バーリナーだと思います。

 

コーネル・デュプリーのギターは左チャンネルでリズムギターに徹しています。

 

コンガの合図と共にファンキーなワウギターで始まる8曲目”Stickball”は、1曲目と同じウェイド・マーカスが書いたファンク・ロック系の曲です。

 

コーネル・デュプリーの弾くワウギターをバックに、ジェイ・バーリナーがファズギターでソロを弾き倒す同じパターンを持った曲構成です。

 

最後の9曲目はアル・グリーンの名バラード曲”I’m Still In Love With You”のカヴァーで締めくくられています。

 

オルガンのイントロからジェイ・バーリナーが弾くアコギのテーマで始まります。

 

中央にジェイ・バーリナーのメインのアコギ、左チャンネルにもう1つジェイ・バーリナーのアコギによるバッキングが重ね録りされています。

 

コーネル・デュプリーのリズムギターは右チャンネルから微妙に小さい音で聴こえては来ますが、ほとんどオルガンの音に遮られてしまっています。

 

しかしこの曲は、やはり本作のリーダーであるジェイ・バーリナーのアコースティック・ギターの腕前を味わうための楽曲です。

 

とにかくアコギ演奏が上手いのでコーネル・デュプリーの音がほとんど聴こえていなくっても気になりません。

 

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3分30秒辺りで聴くことが出来るオクターヴ奏法からの高速3連フレーズは必聴です♪

 

最後の最後までジェイ・バーリナーの卓越したギター演奏を存分に堪能できる素晴らしいアルバムに仕上がっています♪

 

 

 

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おすすめ曲は、#1 #2 #3 #6 #8 #9

 

 

以上、【数多くのレコーディングに参加したスタジオ・ミュージシャン ジェイ・バーリナーの 『Bananas Are Not Created Equal』を聴こう♪】でした。

 

ジェイ・バーリナーは、知る人ぞ知るといった感じの知名度の低いギタリストではありますが、もしかしたら誰しもが無意識のうちに聴いていたギタリストでもあります。

 

デビュー作にして70年代唯一の作品となったこの名作 『Bananas Are Not Created Equal』を聴いて、本来のジェイ・バーリナーの主役ギタリストとしての姿を聴いてみて下さい。

 

この時代にもっと多くのリーダー作を残してくれなかったことを、本当にもったいなく感じる名手です!

 

コーネル・デュプリーやエリック・ゲイル、フィル・アップチャーチにデイヴィッド・T・ウォーカーなんかがお好きな人にもおすすめです♪

 

 

 

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