2010/02/27
【ブルーノートレーベルの重要人物⁉】アイク・ケベックのオルガンジャズ作品『Heavy Soul』を聴こう!
アイク・ケベックのオルガンジャズ作品『Heavy Soul』
Ike Quebec 『Heavy Soul』
1. Acquitted
2. Just One More Chance
3. Que’s Dilemma
4. Brother Can You Spare a Dime
5. Man I Love
6. Heavy Soul
7. I Want a Little Girl
8. Nature Boy
9. Blues for Ike
Ike Quebec (ts)
Freddie Roach (org)
Milt Hinton (b)
Al Harewood (ds)
Recorded on 1961.11.26
BN:4093
ブルーノートレーベルにはなくてはならない存在
ブルーノートにぴったりのその渋い音楽性だけでなくブルーノートレーベルにはなくてはならない存在だったのがこのアイク・ケベックというテナーマンです。
そのキャリアは長く、スウィング時代にサックス奏者として活動を始めました。
スウィング派にも関わらず、モダンな感覚も持ち合わせています。
活動休止からタレント・スカウターへ
一時期はミュージシャンとしての活動を停止していました。
しかしその後にブルーノート・レーベルの運転手として(ライオンの専属運転手となる)、またタレント・スカウターとして活躍します。
2人の天才を紹介
アルフレッド・ライオンにあの2人の天才バップ・ピアニストを紹介したのはこのケベックでした。
その2人とは、モダン・ジャズピアノの始祖ともいえるセロニアス・モンクとバド・パウエルです。
再び訪れたレコーディングのチャンス
そんなケベックにライオンが再びレコーディングのチャンスを与えたのは’58年のこと。
ライオンの手伝いでミュージシャンをスタジオに送迎する運転手兼非公式の音楽ディレクターとして、またこの業界で活動をスタートしました。
そして’61年にこのアルバムを録音しました。
アルバムの収録内容は?
本盤ではブルージーでゴスペル調のオルガンを得意とするフレディー・ローチが更にアーシーな雰囲気にしてくれています。
ローチの弾くオルガンは時としてとてもホーリーでもありなにか、心の奥底まで清められるかのようなオルガンです。
ちなみにこのアルバムでは、この頃のオルガンものにしてはめずらしくベーシストが参加しています。
そのためかより低音をいかしてソウルフルな曲調へとなっています。
それにしても渋いです♪
イントロから渋く始まる#1
ローチの教会音楽のようなホーリーな雰囲気の中、ケベックが優しく、しかしどこか無骨にバラードを吹く美しい#2
#1と同じようなアップテンポの曲#3
そしてまたケベックの「男泣き」するかのような渋いバラード#4
で、お次はG.ガーシュウィン作の#5の軽やかなリズム♪
タイトル曲#6では、ケベックの無骨なまでの男気溢れる渋いテナーに合わせて、ローチもどこまでもアーシーにオルガンを弾ききる!!
その後はまたまた泣けるフレーズで酔わせてくれる#7のバラード
そして締めに(ボーナス・トラック除く)ナット・キング・コールで有名な#8
持ち前の歌心溢れるテナーで情感たっぷりに1音1音をかみ締めるかのように吹くケベックのソロに聴き入ってしまします。
リーダーが男気たっぷりに吹いてるときは誰もジャマはしないよ、って感じでこの曲ではベースとドラム抜きのソロ演奏です。
#9のボーナス・トラックは一転して明るい曲調で楽しい曲。
終わりに…
心に染み渡るまで聴いて欲しい…そこにはアルフレッド・ライオンの、いやブルーノート・レーベルという会社に愛された男の「哀愁の音色」が鳴っているはずです。
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