2024/07/31
ロニー・ジェイムズ・ディオ様と行く天国と地獄(ヘヴン&ヘル)を巡る旅3選
ロニー・ジェイムズ・ディオが最後に参加したバンド『ヘヴン&ヘル』が残したアルバム3枚をご紹介します。
ディオ+ブラック・サバス=『ヘヴン&ヘル』
ロニー・ジェイムズ・ディオという不世出のシンガー
ロニー・ジェイムズ・ディオは、1942年に米国ニューハンプシャー州ポーツマスにて生を受けたシンガーです。
英国のミュージシャンとの活動が多かったため、イギリス人だと勘違いされがちですが、アメリカ人です。
ちなみにイギリスにもハンプシャー南部に同じ名称のポーツマスという都市があるのが少しややこしい部分です。
基本的にアメリカの都市名は、その場所を占領していたイギリスやフランスの都市名が付けられていたりしますからね。
それはさておき、ディオはプロ・ミュージシャンとして最初に「エルフ」というバンドで活動を始めます。
初期の頃はベースも弾いていたのですが、後にボーカルに専任するようになります。
エルフ時代にディープ・パープルの前座を務めたこともあり、リッチー・ブラックモアを含むディープ・パープルのメンバーとは親交がありました。
その関係でブラックモアがソロ活動を始める際に兼ねてからシンガーとしての実力の高さを認めていたディオをレコーディングで起用することになります。
その時の録音に満足がいったブラックモアは、そのままディオをフロント・シンガーに立てて新たなバンド「レインボー」として活動を開始することになります。
しかしレインボーにて3作品をリリースする頃には、米国での売り上げを気にするようになったブラックモアと意見が合わなくなり、ついにディオは脱退することになります。
『ヘヴン&ヘル』結成への布石
その後、まさかのオジー・オズボーンの後釜としてブラック・サバスに加入します。
これがきっかけで今回ご紹介する「ヘヴン&ヘル」へと繋がります。
ブラック・サバスでの活動も3作品(ライヴ盤を含む)を制作した頃に、またしてもディオはバンドを去る決意をします。
その際に、共にサバスで活動をしていたヴィニー・アピス(カーマイン・アピスの実弟)を引き連れて、ついに自身の名を冠したヘヴィ・メタル・バンド「ディオ」を始動することになります。
『ヘヴン&ヘル』結成へ
長らく自身のバンド「ディオ」での活動を続けていたのですが、2007年にディオ在籍時のブラック・サバスの音源と新曲3曲を含んだベスト・アルバム『The Dio Years』がリリースされることになりました。
このベスト・アルバム収録の新曲は、ディオとヴィニー以外にブラック・サバスのオリジナル・メンバーであるトニー・アイオミとギーザー・バトラーで録音しています。
これはディオ在籍時の2作目となる1981年の『Mob Rules』(邦題:『悪魔の掟』)や、ディオだった以後に再集結した1992年の『Dehumanizer』収録時と同じメンバーになります。
この時に録音した新曲3曲の出来も良く、ベスト盤の売れ行きもよかったため急遽このメンバーでツアーを行うことになります。
この時にブラック・サバス名義で活動をすると、当時バンドに復帰していたオジー・オズボーンに対して失礼であることからバンド名を新たに『ヘヴン&ヘル』と名乗って活動をすることになります。
これがヘヴン&ヘルの始まりでした。
実力派の4人が三度目に集まったライヴも大盛況に終わり、その時のツアーは、ライヴ盤としてリリースされます。
その勢いに乗って2009年にはヘヴン&ヘル名義での全曲オリジナルのスタジオ盤を録音しています。
そしてそれに伴うツアーも大盛況で続いていました。
その時の模様もライヴ盤化されています。
まだまだツアーが続いていた中、ディオが胃癌と診断されその後のヨーロッパ・ツアーが全てキャンセルされることになります。
ヘヴン&ヘルでの人気が高まり、2作目のアルバムが期待されていたのですが…2010年にディオは還らぬ人となってしまいます。
ディオにとって最後に所属したバンドがこのヘヴン&ヘルでした。
今回はそのヘヴン&ヘルが残した3作品をご紹介します。
ロニー・ジェイムズ・ディオ様と行く天国と地獄(ヘヴン&ヘル)を巡るアルバム3枚
Heaven & Hell – 『Live from Radio City Music Hall』
『Live from Radio City Music Hall』は、2007年にリリースされたヘヴン&ヘル名義での初のアルバムになります。
ベスト・アルバム『The Dio Years』の売れ行きが良かったため、ヘヴン&ヘル名義でツアーを始めたのですが、やはりこの4人が集まると演奏のクオリティーは高く、各地のオーディエンスから大歓迎されることになります。
そのツアーからNY公演を収録したのがこのライヴ・アルバムです。
名曲”Neon Knights”や”The Mob Rules”を含むディオ在籍時のサバスの名曲で構成されたライヴです。
『The Dio Years』に収録されていた新曲”The Devil Cried”と”Shadow of the Wind” の2曲も収録されています。
ディオの圧倒的な歌唱力の高さにアイオミのヘヴィーなギターが絡みつく…これぞ「ヘヴィ・メタルの真髄!」と叫びたくなる名演ばかりです!
当初はツアーをやった後の活動は考えていなかったようですが、あまりに大盛況だったために2007年10月の来日公演中にヘヴン&ヘルでの活動を継続することが決まりました。
そして制作されたのがこの後にご紹介するスタジオ・アルバムです。
ちなみに本作は映像化もされています。
ぜひライヴ映像でディオの勇姿を見届けて下さい!
あのポール・ギルバートもお気に入りの曲”Neon Knights”のかっこよさは最高ですよ♪
Heaven & Hell – 『The Devil You Know』
ヘヴン&ヘル名義で制作された唯一のアルバム『The Devil You Know』です。
このメンバーではブラック・サバス時代の『Dehumanizer』以来、実に17年振りとなるスタジオ・アルバムです。
ほとんどの曲をライヴ・レコーディングにて録音したことに、このメンバーでのケミストリーを感じます。
全員がベテランの域に達したからこそ為し得た傑作ヘヴィ・メタル・アルバムに仕上がっています。
ディオのボーカルもこれが最終作になるとは思えないような充実振りで、アイオミに至っては「これだよこれ!みんながトニー・アイオミ達に期待していたのはこういったヘヴィーなギターなんだよ!」とファンの誰しもが納得できる仕上がりです。
捨て曲は一切ないのですが、個人的に好きな曲はアイオミの地を這うようなギターリフが恐ろしい”Fear”とイントロのギターがあまりにもかっこよすぎる”Rock and Roll Angel”です。
ブラック・サバス名義ではないので、ついつい忘れ去られがちにはなってしまいますが…ヘヴィ・メタルの達人が集まった名盤なので知らなかった人はぜひ聴いて欲しいアルバムです。
「ヘヴィ・メタルとは?」の答えがここにあります!
Heaven & Hell – 『Neon Nights: 30 Years of Heaven & Hell』
ディオにとって最後のツアーとなった2009年のライヴよりドイツ公演を収録したライヴ・アルバムです。
基本はブラック・サバス時代の楽曲で構成されていますが、 ヘヴン&ヘルの唯一のアルバム『The Devil You Know』から”Bible Black”と”Fear”と”Follow the Tears”の3曲が披露されています。
出来れば”Rock and Roll Angel”もやって欲しかったところです。
1曲目の”The Mob Rules”からアイオミのギターソロが冴え渡っていますが、どうもディオの歌声が以前ほどの張りがないように感じられます…。
その後の結末を考えると涙なしには聴くことが出来ないライヴ・アルバムです…。
こちらも映像化されています。
DVD版のみブラック・サバス時代のアルバム『The Mob Rules』に収録されていた曲”Country Girl”を観ることが出来ます。
以上、【ロニー・ジェイムズ・ディオ様と行く天国と地獄(ヘヴン&ヘル)を巡る旅3選】でした。
ディオが亡くなってから14年が経ちましたが、今でもレインボー時代やブラック・サバス時代にディオ時代の名曲が色褪せることはなく絶大なる人気を誇っています。
その3つのバンドと比べると、同じブラック・サバスのメンバーで構成されているのにバンド名の違いだけでついつい忘れられがちなヘヴン&ヘルを思い出して欲しいと考え(もしくは知って欲しい)今回のブログ記事を書きました。
2枚のライヴ盤も素晴らしいのですが、僕としては1枚だけ残されたスタジオ・アルバム『The Devil You Know』が凄く好きだったので、もしこのアルバムを聴いたことがないという人がいたならぜひ聴いてもらいたいな~と思いました。
特に僕と同じようなギター・ファンには、トニー・アイオミの「ファンの期待に応えてくれた」ヘヴィーなギタープレイを聴いて欲しいです。
もちろんヘヴィ・メタルがお好きな方なら、この『The Devil You Know』もきっと気に入ってもらえることでしょう。
ぜひディオと共に天国と地獄(ヘヴン&ヘル)を巡る旅に出発しましょう!
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