カテゴリー:Music

2019/01/25

ブラック・ジャズのハウス・ギタリストだったカルヴィン・キーズのデビュー作『Shawn-Neeq』を聴こう♪

 
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カルヴィン・キーズの1971年に制作されたデビュー作『Shawn-Neeq』を聴こう♪

ロサンゼルスを拠点に黒人専門レーベルとして設立されたブラック・ジャズ

1971年に、60年代を通してソウルフルなジャズ作品をリリースしていたジャズ・ピアニストのジーン・ラッセルが主宰者として設立したレーベルが『ブラック・ジャズ』です。

 

ロサンゼルスを拠点とするこのレーベルは、黒人専門レーベルでした。

 

71年から75年のわずか4年間でたったの22枚の作品を残しただけであえなく消滅したレーベルではありますが、そこに残された作品の数々はあまりにも濃厚なアルバムばかりでした。

 

アフロ・アメリカンの誇りに根差した骨太なアフロ・ジャズやスピリチュアル・ジャズ系の作品は、後のクラブ・シーンやレア・グルーヴにとっても重要な役割を果たしていると言えそうです。

 

そんな黒人専門レーベルでハウス・ギタリスト的な役割を果たしていたのが、今回ご紹介するカルヴィン・キーズです。

 

現在75歳になるカルヴィンは、2000年代を過ぎてから再び活発に活動をすることになりますが、デビューは『ブラック・ジャズ』が設立されたのと同時期の1971年になります。

 

1942年にネブラスカ州オマハで生まれたカルヴィン・キーズが28歳の頃でした。

 

この時期のカルヴィンは、まだロサンゼルス・スクール・オブ・ミュージクの学生だったようです。

 

本作以外にもレーベル・メイトでもあるダグ・カーンの作品にも度々サイドマンとして参加しています。

 

演奏面では、後期グラント・グリーンや初期のジョージ・ベンソンにメルヴィン・スパークスなんかを彷彿させるようなジャズ・ファンク系のギタリストです。

 

あくまでジャズ・ギタリストとして終始クリーントーンでギターを弾いています。

 

フレージングの方も、チョーキングやアーティキュレーションをあまり用いらないクロマチックを中心としたジャジーな演奏法です。

 

音楽性的にも通常のジャズというよりも、よりグルーヴ感が増したジャズ・ファンク系の音楽を多く演奏しています。

 

2000年代以降は、ストレート・アヘッドなジャズや、マーヴィン・ゲイなんかのR&Bの曲を取り上げたり、場合によってはギターを歪ませてブルースを弾いたりもっと多彩なギタリストへと変化していますが、このデビュー作ではドストレートなジャズ・ファンクを演奏しています。

 

少し60年代のサイケデリックな感触が残っているのも特徴的です。

 

それでは、そんなカルヴィン・キーズのデビュー作『Shawn-Neeq』をご紹介します。

 

 

Calvin Keys  – 『Shawn-Neeq』

01.B. E.
02.Criss Cross
03.Shawn-Neeq
04.Gee-Gee
05.B. K.

 

Personnel:
Calvin Keys – Guitar
Owen Marshall – Flute, Hose-a-phone
Larry Nash – Electric Piano
Lawrence Evans – Bass
Bob Braye – Drums

 

 

 

 

アルバムの内容

1曲目”B. E.”は、本作でフルートとホーザフォンという自作楽器を演奏するオーウェン・マーシャルが書いたジャズ・ロック系の楽曲です。

 

ホーザフォンは、ホースにトランペットのベルのようなものを付けた自作楽器です。

 

この曲で聴ける管楽器のような不協和音を奏でる音は、このホーザフォンによるものです。

 

この楽器の不気味な音色のお陰で、まるでヴェルヴェット・アンダーグラウンドやレッド・クレイオラに13thフロア・エレベーターズのようなサイケデリックな楽曲に仕上がっています。

 

しかし変わっているのはこの楽器だけで、他の楽器陣は通常の演奏に徹しています。

 

テーマ部分は、カルヴィン・キーズのギターとオーウェン・マーシャルのホーザフォンがユニゾンで弾いています。

 

まずは本作のリーダーであるカルヴィンのギターソロから始まります。

 

ギターの音色は、後期グラント・グリーン風のアンプのミドル上げ目のフルアコの音です。

 

太く甘いクリーントーンで弾いています。

 

ブルース・スケールを基にクロマチック・フレーズを多用してソロを弾いています。

 

かなり後期グラント・グリーンに近いフレージングです。

 

リズム感もよくキレもあるので、ソロの最後までスリリングな展開が続きます。

 

腕前は申し分ないです!

 

カルヴィンのギターソロの後は、オーウェン・マーシャルのホーザフォンがかなりフリーキーなソロを奏でていきます。

 

叫ぶような不協和音でアブストラクトな表現を構築しています。

 

危うく楽曲のハーモニーをぶっ壊してしまいそうになる手前で、エレピのソロにバトンタッチします。

 

ラリー・ナッシュは、デヴィッド・T・ウォーカーやラリー・カールトンが参加したマリーナ・ショウの名盤『Who Is This Bitch Anyway?』でもエレピを弾いていた人物です。

 

エレピのソロが終わるとちょっとしたドラムのブレイクがあり、その後、再度ギターとホーザフォンのユニゾンでテーマに戻ります。

 

2曲目の”Criss Cross”は、サックス奏者のレッド・ホロウェイとピアニストのアート・ヒラリーが書いた楽曲です。

 

カルヴィン・キーズは、ジャズ・ファンク風に演奏しています。

 

ブルースの曲のようなトニックからサブドミナントへ上がってドミナントまで行き、再びトニックに戻る繰り返しのテーマ部分がなんともかっこいい曲です。

 

テーマ後には、まるでジョージ・ベンソンのような抜群のグルーヴ感としっかりとしたテクニックで圧巻のギターソロが始まります!

 

シングルトーンを中心に弾き始めて、徐々にコードソロも使って音を分厚くして盛り上げていきます。

 

ギターソロの後はエレピのソロに移ります。

 

曲名通りに、ギター+ピアノ+ベース+ドラムの4つの楽器が「交差する」ようなアンサンブル重視の楽曲です。

 

本作収録曲の中でも屈指の出来です!

 

3曲目のタイトルトラック”Shawn-Neeq”は、カルヴィン・キーズ自身が書いたゆったりとしたテンポの牧歌的な楽曲です。

 

この曲は2013年のアルバム『Electric Keys』でも再演しています。

 

ホーザフォンからフルートに持ち替えたオーウェン・マーシャルの優しい音色がメディテーショナルな雰囲気を醸し出してくれています。

 

カルヴィンのギタープレイも申し分なく、楽曲の持つハーモニーに対してしっかりとメロディーを紡ぎ合わせるようにソロを構築していっています。

 

4曲目”Gee-Gee”もカルヴィンの自作曲です。

 

フルートとユニゾンで弾くテーマメロディーが、どこかファイナル・ファンタジーのBGMなんかで出てきそうな雰囲気です。(笑)

 

ギターソロではグラント・グリーンばりのスウィープ奏法も登場します。

 

ギターソロの後は、フルートのソロからエレピのソロへと流れていきます。

 

再度テーマに戻って締めくくられています。

 

5曲目の”B. K.”もカルヴィンの自作曲で、1曲目の”B. E.”のような重厚なジャズ・ロックの曲です。

 

9分37秒もあるこの長尺曲では、エレピがアブストラクトに「ギャウンギャウン!」と暴れまくっています!

 

カルヴィンのギターソロも絶好調で、まるで1曲を通してアドリヴのジャム・セッションをしているかのような生々しさが感じられます。

 

長い曲でも、しっかりとしてテクニックを持った演奏者がプレイすると退屈にならない良い例だと思えるような楽曲です。

 

デビュー作にして全編に渡って、カルヴィン・キーズのレベルの高いギター演奏が聴ける名作です♪

 

 

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
おすすめ曲は、#2 #3 #5

 

 

以上、【カルヴィン・キーズのデビュー作『Shawn-Neeq』】のご紹介でした。

 

カルヴィン・キーズはモロに僕の好きなジャズ・ファンク・スタイルのギタリストです。

 

以前書いていた【#自分を作り上げたギタリスト4選】でも次点で名前を挙げていたくらいです。

 

【#自分を作り上げたギタリスト4選】影響を受けたギタリストを4人選んでみました。

今回はカルヴィン・キーズのデビュー作をご紹介しましたが、これ以外にもまだまだ聴くべき作品はありますので、いずれこのブログでも順番に取り上げていきたいと思います。

 

それでは、ぜひまたこちらのブログを読みに来てください♪

 

 

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ブラック・ジャズのハウス・ギタリスト カルヴィン・キーズの2作目『Proceed With Caution』を聴こう♪
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