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カテゴリー:Music

2024/12/09

「バードドッグのように俺を愛してくれ」エアロスミスが『Permanent Vacation』制作時に録音したアウトテイク集『Love Me Like A Bird Dog』を聴こう♪

エアロスミスが1987年にリリースした復活作『Permanent Vacation』の制作の時に録音しながらも未発表となった数々のアウトテイクを集めたブートレグ盤『Love Me Like A Bird Dog』をご紹介したブログ記事のタイトル画像です。

『Permanent Vacation』制作時に録音したアウトテイク集『Love Me Like A Bird Dog』

エアロスミスのツアー引退に関して

今年2024年に残念ながらエアロスミスがツアー活動から引退することを公表しました。

 

原因は、スティーヴン・タイラーが声帯を損傷してしまい、そのせいで今まで通りのパフォーマンスが出来なくなったからでした。

 

この衝撃のニュースを知って、僕も含めて世界中の数多くのエアロスミス・ファンが残念に感じたことでしょう。

 

スティーヴンも既に76歳と高齢なので、いつかは引退しなければいけなくなるのだろうとはみんな薄ら感じていた事でしょう。

 

でもその時は2023年から開始されたフェアウェル・ツアー『Peace Out: The Farewell Tour』が終了してからだと思っていました。

 

その時がこんなに早く訪れるとは、あまりにも予想外ではありました。

 

しかしまだエアロスミスは解散していません!

 

ツアーを引退しただけなので、もしかしたら今後スティーヴンの調子が戻れば、本国アメリカ限定で何かしらのパフォーマンスをしてくれる可能性はあります。

 

現時点でわかっていることの1つに、来年の2025年2月2日(日)にハリウッドパラディアムで、「スティーブン・タイラー&フレンズ」名義で何かしらのパフォーマンスを行うようです。

 

スティーヴンは元ドラマーだったので、もしかしたらそのパフォーマンスは、歌ではなくドラムを叩いたジャム・セッションになるのかも知れませんが、とにかくパフォーマーとしての活動は行うようです。

 

これをきっかけに、もしかしたらエアロスミスの活動も再開して、『Music from Another Dimension!』以来となるニューアルバムを制作する可能性もあるのかもしれません。

 

『Music from Another Dimension!』リリース後に、売れ行きがあまり良くなかったためにジョーイ・クレイマーが「もうエアロスミスでアルバムを作る意味がなくなった。」みたいなネガティヴな意見を言っていました。

 

しかし昨年にツアー引退を発表する前にジョー・ペリーが「もしかしたら近いうちにエアロスミスで何かしらの録音はするかもな。」みたいな発言もしていました。

 

その後、ツアー引退を発表してからそういったエアロスミスの発言はうやむやになったままなのですが…ここでようやく本題に入りたいと思います。

 

時間が出来たからこそ未発表音源の公式リリースもあるのかも!?

 

なぜ今回のブログ記事を書こうと思ったのか?なのですが、コロナ禍の時期からジョーイ・クレイマーがエアロスミスの新たなボックスセットを企画しているというニュースを見たことがあります。

 

しかしそのボックスセットの情報もあれから4年近く経って何も情報が入ってこなくなりました。

 

ただ可能性はゼロになったわけではありません。

 

予期せぬ出来事でツアー引退を余儀なくされたエアロスミスの面々ですが、コロナ禍と同じように「時間が出来た」はずです。

 

昨年には、これまでのキャリアをまとめたような新たなグレイテストヒッツがリリースされました。

 

これはもしかしたら、これまでリリースされていなかった未発表曲をまとめたボックスセットがついに発表される可能性もあるってことでしょう。

 

2022年にはエアロスミスのデビュー前のデモテープを収録したレア音源『1971: The Road Starts Hear』が公式でリリースされた前例がありますからね。

 

そこで今回は、現時点では未発表のレア音源が収録されたブートレグについてご紹介します。

 

今後ボックスセットで公式リリースされる前に、先にこちらのブログ記事にてそのブートレグ盤についてご紹介しておきたいと思います。

 

そして今回ご紹介するそのアウトテイク集が、公式音源として良い音でリリースされて欲しいという思いも込めてご紹介します。

 

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Aerosmith – 『Love Me Like A Bird Dog』

1.Love Me Like A Bird Dog
2.Take It Easy
3.One Time
4.Joe’s Funky
5.Love Me Like A Bird Dog
6.Once Is Enough
7.Girl Keeps Coming Apart (Instrumental)
8.Hollywood
9.Danger Street
10.Sleeping Sickness
11.St. John
12.Joe’s Funky
13.Got To Find A Way
14.Simoriah
15.Dude (Looks Like A Lady)
16.Permanent Vacation
17.Hangman Jury

『Love Me Like A Bird Dog』とはどういったアルバム?

本作は1995年にHaight Street Recordsからリリースされたブート盤です。

 

僕が初めてこのブート盤を入手した時は、『Nine Lives』がリリースされた少し後で、すでにそれまでのエアロスミスの全作品を集めた頃でした。

 

なので『Nine Lives』までにエアロスミスが公式にリリースした楽曲を全て知ってはいました。

 

その当時、とあるCDショップでこのブート盤を見つけた時は驚きました。

 

このCDの曲目を見てみると…”Love Me Like A Bird Dog”という見慣れないタイトルに、”Take It Easy”や”Danger Street”等、エアロスミスの他のアルバムやコンピレーションにも収録されていない曲名が並びます。

 

しかし中には”Girl Keeps Coming Apart”や”St. John”に”Simoriah”、更には”Dude (Looks Like A Lady)”や” Hangman Jury”に、そして”Permanent Vacation”等、1987年の大ヒットアルバム『Permanent Vacation』に収録されていた馴染み深い曲名も掲載されています。

 

“Girl Keeps Coming Apart”の横に”(Instrumental)”と記載されていることから、「歌入れする前のバックトラックなのかな?」と予想出来ました。

 

ということは、本作はデモ音源を集めたCDであることが予想できます。

 

また『Permanent Vacation』のアウトテイクとして唯一公式でリリースされている”Once Is Enough”も収録されています。

 

この曲は、日本限定でリリースされたレアなEP盤『ヴァケイション・クラブ』に収録されています。

 

“Chip Away The Stone”の作者で有名なリッチー・スパがスティーヴン・タイラーと共作した曲です。

 

その当時に、エアロスミスが『Permanent Vacation』を制作する時にボツ曲がたくさんあったことを何かの雑誌で読んだことがありました。

 

ここで気付きました。

 

おそらくこのCDは、『Permanent Vacation』の録音セッションで制作されたボツ曲も含んだデモ音源集なのかな?と。

 

当時すでに全アルバムを集めるぐらいエアロスミスにどっぷりハマっていた僕はこの『Love Me Like A Bird Dog』を手に取り、購入を決めました。

 

そして家に帰ってこのCDを聴いてみると…予想は的中していました。

 

『Love Me Like A Bird Dog』は、『Permanent Vacation』のアウトテイク集

本作『Love Me Like A Bird Dog』は、1987年8月25日にリリースされた『Permanent Vacation』のデモ音源の録音セッションからピックアップされた音源集です。

 

『Permanent Vacation』の録音セッションは、1987年3月~5月の間に行われました。

 

この『Love Me Like A Bird Dog』に収録されている1~5曲目は1987年2月にリック・ルービン監修の元でNYCにて録音された音源です。

 

それ以外の6~17曲目までは1987年の春にカナダのバンクーバーにある「リトル・マウンテン・スタジオ」にて収録された音源です。

 

それではここからは『Permanent Vacation』に未収録となった曲についてご紹介します。

 

『Permanent Vacation』未収録曲

 

「バードドッグのように俺を愛してくれ!」と歌うタイトル曲の”Love Me Like A Bird Dog”がトラック1とトラック2に2回に渡って収録されていますが、公式アルバム未収録のレア音源の中ではこの曲が群を抜いてキャッチーで「エアロスミスらしい」曲です。

 

むしろこの曲は「なぜボツになったのか?」と不思議に感じるほど出来の良い曲です。

 

『Permanent Vacation』収録曲は、エアロスミスとしては初となる外部ライターを迎えて制作されたアルバムでした。

 

スティーヴン曰く、「無理矢理喉にスプーンを突っ込まれた感じだよ。」と評した激甘のパワーバラード曲”Angel”等のように「それまでのエアロスミスにはなかったラジオ・フレンドリーな曲」が増えたアルバムでした。

 

今の時代となってはこれもアリだと違和感なく受け入れられますが、おそらく当時のコアなファンとしては「70年代のシンプルなロックをやっていたエアロスミスはどこへいった?」と感じたことでしょう。

 

その70年代のシンプルなロックをやっていた時代の曲調と、ダイナミックになった80年代の間をいくような曲がこの”Love Me Like A Bird Dog”です。

 

そういえば『Music from Another Dimension!』の第一弾シングルに選ばれた”Legendary Child”は、『Get a Grip』期のアウトテイクだったと言われていますが、それならこちらの”Love Me Like A Bird Dog”をこの時期に新たに録音し直して収録して欲しかったところです。

 

この”Love Me Like A Bird Dog”は、とても「エアロスミスらしい」曲です。

 

さすがに”Rag Doll”や”Dude (Looks Like a Lady)”と比べると、「ヒットはしなさそう…」とは感じる曲ですが、アルバムに収録されていても違和感はありません。

 

ちなみに”Bird Dog”とは、「鳥猟犬(ちょうりょうけん)」の意味です。

 

「鳥猟犬のように俺を愛してくれ」といった犬の従順さを人に例えているのかもしれませんが、実は”Bird Dog”には他にも意味があって…「(どろぼうなどの)手引き人」という意味もあります。

 

スティーヴンは自分に音楽の才能がなければきっと「ポン引き」になっていただろうと語っていたことがあったのですが、その「ポン引き」が依頼主のゴキゲンを伺っているとも深読みできそうな歌詞ですね。

 

ところで最終的にアルバム『Permanent Vacation』に収録する曲が足りずに、苦し紛れにビートルズの”I’m Down”をカバーしたり、全然ロックではない謎のインスト曲”The Movie”なんかが収録されることになりましたが、「それなら”Love Me Like A Bird Dog”をちゃんと完成させて収録しても良かったんじゃないのかな?」とも思います。

 

まぁ、バンド側の意向や、レーベル側のマーケティング戦略など色々な理由が重なって”Love Me Like A Bird Dog”はボツとなったのでしょうね…。

 

この”Love Me Like A Bird Dog”は、このブート盤のタイトルになるだけあって「エアロスミスらしい」ロック曲なのですが、他の曲も「ボツにするにはもったいないエアロスミスらしい曲」がいくつかあります。

 

“Take It Easy”や”One Time”は、曲の展開がない一本調子な曲です。

 

この2曲はさすがにボツでしょう…。

 

トラック4とトラック12に2回収録されている”Joe’s Funky”は、ジョーが弾くリフに合せてスティーヴンがまだ未完性の歌詞を叫ぶ曲です。

 

トラック4の方はまだ勢いがありますが、その後に録音したはずのトラック12の方は大人しめの演奏に変わっています。

 

この曲は未完成のまま終わっています。

 

“Hollywood”は、どことなく『Draw The Line』に収録されていた”Sight For Sore Eyes”を彷彿させるファンク調のロック曲です。

 

“Danger Street”は、それこそ70年代のエアロスミスを思い出させてくれる良質なロックです。

 

この2曲は”Love Me Like A Bird Dog”と同じように、ちゃんと完成させてアルバムに収録しても良かったのじゃないかな?と思えます。

 

“Sleeping Sickness”は、『Night In The Ruts』に収録されていた”Mia”や『Done With Mirrors』のCD化に際して追加された”Darkness”のようなダークな雰囲気のバラード曲です。

 

コアなエアロ・ファンにとって”Darkness”は隠れた名曲として名高いと思うのですが、この”Sleeping Sickness”もちゃんと完成させていればその”Darkness”に継ぐ「エアロスミスのダーク・バラード曲のひとつ」として評価を受けていたかも知れませんね。

 

“Got To Find A Way”は、珍しくトム・ハミルトンのベースが目立つ箇所のあるロック・チューンです。

 

終盤にブラッド・ウィットフォードが弾いているであろうギターソロが登場するのですが、これがなかなかかっこよかったりします。

 

“Hollywood”に”Danger Street”、”Sleeping Sickness”と”Got To Find A Way”の4曲は、”Love Me Like A Bird Dog”と同じようにアルバムに収録されていてもおかしくない曲です。

 

以上がこのブート盤『Love Me Like A Bird Dog』のご紹介でした。

 

もちろん『Permanent Vacation』収録曲の最初期のデモ音源を聞けるという点も見逃せませんが、やはり目玉はオリジナル・アルバム未収録のアウトテイクの方になります。

 

もしかしたら今後、新たなエアロスミスのボックスセットがリリースされる際にこれらの曲が公式で収録される可能性は十分にあるかと思います。

 

もしくは『1971: The Road Starts Hear』の時のように、レア音源としてリリースされることもあるかもしれません!?

 

そういったコンピレーション・アルバムがリリースされる前に、今回のこのブログ記事で先に『Love Me Like A Bird Dog』についてご紹介しておきたかったんです。

 

以上、【「バードドッグのように俺を愛してくれ」エアロスミスが『Permanent Vacation』制作時に録音したアウトテイク集『Love Me Like A Bird Dog』を聴こう♪】でした。

 

 

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