
2017/10/26
Soulive Oct.24.2017 ビルボード大阪 – ソウライヴを観てきました!
Soulive Oct.24.2017 ビルボード大阪
以前予告していた通りに、久しぶりのソウライヴの来日公演を、ビルボード大阪で観てきました!
およそ5年振りですかね?
アラン・エヴァンスもライヴ中にMCで「5年振りに日本に帰ってきたぜ!」みたいなこと言ってました。
今回は純粋なトリオ編成!
ちなみに今回はサックスやボーカルなどのゲストミュージシャンは抜きで、ドラムでリーダーのアラン・エヴァンスと、その弟のキーボーディストのニール・エヴァンスにギタリストのエリック・クラズノーの純粋なトリオでした。
2ndセットを観に行きました。
さて、19時からスタートの1stセットと21時半からスタートの2ndセットの2ステージあるのですが、僕は後者の2ndセットの方を観に行きました。
当日、ビルボード大阪の会場近くに着くと、ちょうど1stセットを観終わった人たちが出てきてました。
そしたらその出てきた人の中で僕の名前を呼ぶ人がいました。
誰だろう?
と振り向くと同じギターレッスンで学んでいる生徒さんでした。
奥さんと一緒に1stセットを観たんだそうです。
その時に、1stセットがどんな感じだったか教えてもらいました。
今回のライヴはどんな感じ?
まず、今回はやっぱり純粋なトリオ編成でゲストなしみたいだということと、最後にオールマンの曲をやってたらしい?ということを聞きました。
ソウライヴがオールマン・ブラザーズ・バンドの曲??
とも思ったのですが、そういえば2017年の5~7月頃のライヴ音源でオールマンの“In Memory of Elizabeth Reed”を取り上げていることがありました。
そのライヴ音源通りに今回の日本公演でもオールマンの曲をやるのかな?と考えたのですが…
しかし海外のミュージシャンは、日本用に選曲してライヴをしたり…海外でのライヴとは違ったセットリストで来日公演を演奏する…なんていうこともよくあります。
例えば、ニューマスター・サウンズなんかは、海外ではレア・グルーヴ系のマニアックな曲を多くカヴァーしてライヴをするのですが、なぜか日本ではあまりマニアックなカヴァー曲は取り上げません。
なので、今回のソウライヴのライヴではそういった海外のライヴ音源とは違った選曲でやってくれるかな?と思っていたのですが、オールマンの曲をやっていたってのを先に聞いたので、まさか?…と感じました。
どちらかっていうと、僕は初期の頃のJazz Funkやってたソウライヴが好きなんです。
なのでオールマンみたいなサザンロック系の曲をわざわざソウライヴがカヴァーしなくっても…と思います。
今回のライヴでも、定番の名曲“Outrage”や“El Ron”とか、初期の名曲“Steppin'”に”Rudy’s Way”や“Uncle Junior”なんかの曲を期待していました。
やはりこの辺のJazz Funkな曲をソウライヴには求めます!
また、できればぶブーガルー・ジョー・ジョーンズのJazz Funk名曲の“Right On”もやってくれたら最高かな!?という感じです。
果たして、今回のライヴのセットリストは…!?
期待しながらビルボード大阪に入っていきます。
気になる1曲目は?
ソウライヴの3人が大きな拍手の中登場しました!
さすがニューヨーク出身(ちなみにウッドストック)だけあって3人とも洗練されていてオシャレです!
そう、ソウライヴのかっこいいところは、音楽性だけでなくって見た目の着こなしがオシャレなところもなんですよね♪
かっこいいです。
そしてステージ向かって左側のドラムセットにアランが座り、向かって右側のオルガンに弟のニールが座ります。
真ん中でエリックがギターを手にして立っています。
演奏中、たまに疲れたらエリックも椅子に座ります。
ニールが熱いアドリヴソロを弾いている時は椅子に座ってコンピングしていることが多いです。
そして自分の番になって激しくギターソロを弾く際は椅子から立ってギターを弾きまくります!
今回はいつものIbanezのセミアコじゃなくて、Gibsonの赤のES-335使ってました。
僕もES-335使うのでなんとなく嬉しく感じます。
やはりJazz Funk系にもES-335があっているって思ってました。
それこそブーガルー・ジョー・ジョーンズも一時期ES-335を使ってますからね!
1曲目はどの曲からはじまるんだろう?“Outrage”かな?“El Ron”かな?…と考えていたら、意外にも”Rudy’s Way”で始まりました。
1stセットの疲れが残っているのか?それとも1曲目からは飛ばさないでじっくりやっているのか?
どうもエリックのギターがいまいちノリが出ていないように感じました。
テンポもゆったりで…。
さすがにエリックは、ほとんど指板を見ないで客席の方を見ながらギターを弾くのですが、なんとなくボーッとしてるように見えました。
そしたら、ハッと思い出したようにギターのピックアップ・セレクターを上部にカチッと上げました。
それまでリアのピックアップで弾いていたのが、まろやかなフロントのトーンに変化しました。
ジャジーで良いトーンです♪
実は今回のエリックは、前半のJazz Funk系の選曲ではフロント中心で弾いていて、後半のロック系の曲(後述)ではリア中心で弾いてました。
ES-335のフロントのピックアップはジャジーなトーンが鳴りますし、リアのピックアップはブルージーなトーンが鳴ります。
これって理にかなったセッティングなんです。
1曲目の”Rudy’s Way”は、ソウライヴの初期のJazz Funk系の曲なので(ちなみにニール・エヴァンス作)ジャジーなトーンがピッタリなんです!
多分、1曲目の始まりの方でリアでずっと弾いていたのは、1stセットの最後の曲をリアで弾いていてそのままだったんでしょう。
それで、”Rudy’s Way”のテーマメロディを弾いている途中でトーンの違いに気づいて、ハッと思いだしたようにギターのピックアップを変えたんでしょうね!?
同じギタリストだからなんとなくわかる面白い瞬間でした。
2曲目はお気に入りのあの曲!
1曲目の”Rudy’s Way”は、どこか手さぐりな感じで終えて次の2曲目にMC抜きですぐに突入します。
ここからはやはりプロ!
一気に火が付いたようにテンションが上がっていきます!
まずはアランの叩くファンキーなドラムのイントロ♪
ズッズッタッズッ♪ズッズッタッズッ♪
そしてエリックとニールがユニゾンで弾くリフ♪
ギュワッギャッギャッ♪ギュワッギャッギャッ♪
メインのテーマをエリックが弾く…
ジャッジャッジャラランジャラランジャッジャッ♪
ソウライヴの数ある曲の中でも特に好きな曲なんで、ドラムのイントロだけで「この曲は!!!!”Steppin’”だ!!!!」とすぐに気づきました。
本当にイントロの1小節聴くか聴かないかで”Steppin’”だって気づきました。
待ってました!
この曲大好きです♪
やはり今回もやってくれました!
リーダーのアラン・エヴァンスが作曲した、これぞソウライヴ!!って感じの代表曲だと思います。
そしてこの曲でのエリックのギターソロの弾きっぷりといったら凄まじかったです!
ダブルストップにラン奏法にオクターヴ奏法にJazz Funk系のギタリスト必修のテクニックを駆使して素晴らしいギターソロを奏でていました!
この曲を聴けたので満足です♪
3曲目もJazz Funk♪
そして続く3曲目は、2001年のアルバム『Doin’ Something』より“Solid”です。
アラン・エヴァンス作の曲なんですが、この曲はオルガンがとても印象的な曲なんです。
そのためニール・エヴァンスが大活躍でした!
オルガンソロ、ギュワンギュワン♪と弾きまくっていました!
僕はギター以外の楽器弾けないのでオルガンの奏法については詳しくはないのですが、ニールのソロはかなり凄かったです!
ギターでいう所のラン奏法のようなシーケンス・フレーズが印象的でした。
1~3曲目まで怒涛のJazz Funk系の選曲で、どれもソウライヴというバンドを代表するような選曲で大満足です♪
このまま“One In Seven”や“Reverb”なんかのかっこいい曲をやってくれるのかな?って期待していたのですが…
ビートルズが始まりました…
4曲目のイントロのギターですぐに気付きました。
「ビートルズだ!」って。
しかもポール・マッカートニーの代表作でもある”Eleanor Rigby”です。
日本のロックバンドではビートルズと言えば、“Day Tripper”とか“Help!”とかカヴァーしそうな勝手なイメージが自分の中にあるのですが、そういえば1970年代のソウルジャズやジャズファンク系のミュージシャンは”Eleanor Rigby”と、ジョージ・ハリスン作の“Something”をよく取り上げるイメージです。
”Eleanor Rigby”は、最近ではデイヴィッド・T・ウォーカーもカヴァーしていましたよね。
まぁ確かに名曲なんですが、何もビートルズのカヴァーをしなくても…とちょっと残念に思ったのは否めないです。
ソウライヴは2010年に全曲ビートルズのカヴァーで構成された『Rubber Soulive』というアルバムをリリースしています。
ビートルズの名曲をソウライヴ風にファンキーにカヴァーしたアルバムなのですが、当初はこのアルバムのみでビートルズのカヴァーはお終い…だって思っていました。
しかしこれ以降、ソウライヴのライヴのセットリストには必ずと言っていいほどビートルズのカヴァー曲があります。
特に”Eleanor Rigby”の出現率は高かったんです。
そして今回のライヴでも4曲目に登場です!
良い曲ですが、他にもソウライヴの名曲っていっぱいあるのに、わざわざビートルズのカヴァーをしなくってもとは感じます。
この曲からエリックはリアのピックアップでブルージーにロックなトーンでギターを弾いています。
ここからはそれまでのクロマチック・フレーズ中心のJazz Funk系の曲とは違って、チョーキングを多用するパワフルなロックなギターソロに変化します。
多彩なプレイが出来るのは素晴らしいことなのですが、僕がソウライヴに求めているのはそういうロックなギターソロじゃないんだけどな~と残念にも感じました。
ただ”Eleanor Rigby”でのエリックのソロはかなり弾きまくりでした!
チョーキング連発で3連のラン奏法にオクターヴ奏法も混ぜて破壊力抜群のギターソロでした!
そのテクニックに圧倒はされました。
しかし、ソウライヴなんだからJazz Funk系の曲をやってよね…という気持ちはあります。
そしてそのまま5曲目のジミヘンの”Third Stone From The Sun”風のジャムに流れていきます。
ジャムバンド系のギタリストは”Third Stone From The Sun”をよく取り上げますね。
ここでは”Third Stone From The Sun”のテーマをちょっと弾いて、そのまま3人の自由度の高いアドリヴ合戦になっていました。
エリックやニールのメロディー楽器隊に負けず劣らず、アランのドラムソロも迫力満点で凄まじかったです!
そして、ライヴも終盤
やはりオールマンやってました!
本編最後の曲はやはり“In Memory of Elizabeth Reed”でした。
海外でこの曲をやっていたのは知っていたのですが、まさか今回の日本公演でもこの曲を取り上げるとは思ってなかったです。
久しぶりの日本公演だったので、今回は純粋なトリオ編成で昔懐かしいソウライヴの曲を中心でやってくれるって期待していたんですが…。
僕もオールマン・ブラザーズ・バンドは好きなんですが、ソウライヴに求めているのはオールマンのカヴァーじゃないんだよね。
ただこの曲を聴いていると、10年ぐらい前に僕自身がまだブルースバンドをやっていた時に、とあるイベントでオールマンのカヴァーをやっている対バン相手がこの曲を取り上げていたのを懐かしく感じました。
ちなみにソウライヴは、1999年のデビューした当時のライブではデレク・トラックスとよく共演していました。
この頃のライヴ音源を聴いているとゲストでデレク・トラックスがスライドギターでソロを弾いていることが何回かありました。
また最近ではウォーレン・ヘインズとも共演してます。
だから今日はエリックは赤のES-335使ってたとか?…そんな風に考えてしまいます。
しかし今回のソウライヴのオールマンの曲のカヴァーも、もちろん素晴らしいのですがこの曲をやるんだったら“Outrage”や“El Ron”をやってよ…って思います。
ソウライヴのメンバーからしたら毎回毎回“Outrage”と“El Ron”をやってて飽きてしまってるんだろうとは思いますが、ファンからしたら飽きないですし、ソウライヴに求めているのはそういったソウライヴの独自の個性的で素晴らしいJazz Funk系のオリジナル曲なんですからね。
そして本編最後のオールマンのカヴァー曲“In Memory of Elizabeth Reed”が終わってステージを去るソウライヴのメンバー…。
アンコールはまさかの…
なりやまない拍手
アンコールを求める声援
お決まりの様式美ではありますが、このアンコールを求めるやり取りは、ミュージシャン側も観に来ているファンにとっても嬉しい瞬間
個人的にはJazz Funk系のソウライヴのオリジナル曲は前半の3曲のみで少し不満な中、アンコール曲に期待はしていました。
アンコールこそ“Outrage”か“El Ron”のファンキーな曲でアドリヴソロを長めに弾いて、ジャムセッションな感じで終わってくれるのだろうか?…と期待していたのですが、ハズレでした。
アンコールの声援に応えてステージに戻ってきたソウライヴのメンバー
かっこいい赤のES-335に手を伸ばすエリック
おもむろにB.B.キング風のブルースの曲調を弾いています。
よく聴くとこれまたビートルズのカヴァーでジョン・レノン作の“Revolution”でした。
期待していた“Outrage”や“El Ron”ではなかったので、ちょっと残念に感じたんですが、まぁ本日最後の曲なので楽しんで聴くことにしました♪
もちろん“Revolution”のB.B.キング風のカヴァーも素晴らしかったのは当然です。
以上の全7曲
Jazz Funk系のオリジナル曲は少なめでしたが、演奏自体は相変わらず素晴らしかったので観に行ってよかったです。
でも次に来日する前に、また3人で原点に戻ったようなJazz Funkなオリジナル曲中心で久しぶりのオリジナル・アルバムをリリースしてもらって、そういった曲調中心で来日公演を行ってほしいものです。
もうビートルズのカヴァーは、十分です。僕は飽きました。
ビートルズのカヴァーバンドなんて他にいくらでもいますからね。
他と同じことをやるんじゃなくって、ソウライヴにしかできないオリジナルをやって欲しいです。
終わりに
今回のセットリストです。
01.”Rudy’s Way”
02.”Steppin’”
03.”Solid”
04.”Eleanor Rigby”[ビートルズのカヴァー]
05.”Third Stone From The Sun風ジャム”[ジミヘンのカヴァー]
06.”In Memory of Elizabeth Reed”[オールマンのカヴァー]
〜encore〜
07.”B.B.キング風Revolution”[ビートルズのカヴァー]
前半はJazz Funk系のオリジナル曲が中心で大満足だったのですが…
後半はロックの名曲中心で、それだったら別にソウライヴじゃなくっても他のロックバンドでも良くない?な感じが少し残念なセットリストでした。
こういったロックの名曲を演奏する素晴らしいロックバンドは他にもいますからね。
どうせカヴァー曲をやるのならソウライヴには、FunkとかR&Bの名曲をやって欲しいかな~って思います。
“Sing A Simple Song”とか“Feel Like Makin’ Love”とか“I Wish”とか“Let’s Stay Together”とかね。
ちなみにソウライヴは、1999年辺りのデビュー時は、Jazz Funk系セッションでお馴染みのJBの曲“The Chicken”をライヴでよく取り上げていました。
2000年に入ると“Doin’ Something”に挟む形でハービー・ハンコックの名曲“Chameleon”をやっています。
そして2001年のライヴ音源では、ミーターズの“Cissy Strut”と“The Chicken”をファンキーにカヴァーしています。
この辺の選曲は僕も好きな曲で、セッションでよく演奏させてもらっている飽きないFunk系の名曲ですね♪
ソウライヴが演奏すると更にかっこいいです♪
今回もロックの有名曲じゃなくって、どうせカヴァーするんだったら“The Chicken”とか“Chameleon”とかやってくれたらよかったのに…とは思います。
しかしこういったセッションでお馴染みの曲をソウライヴのメンバーも初期の頃は取り上げていたのを聴くと、やはり僕の好きな音楽性と共通するところがあるんだなぁ~と感慨深く感じます。
さて、今回はロックの曲を多く取り上げていましたが、ソウライヴのようなオシャレでかっこいいJazz Funk系のオリジナル曲を演奏できるバンドはそうはいないです!
自分たちのオリジナリティーを捨てずに、また原点に戻ってソウライヴだけにしかできないファンキーなライヴをやって欲しいものです。
まとめ?
ニューマスターはレア・グルーヴマニアを鷲掴みにするようなマニアックなカヴァー曲やってくれるのが音楽オタクにとっては最高ですが、ソウライブはロックの有名曲をカヴァーするのでわかりやすいのが良いのかもしれませんね。
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