2024/11/30
ジャミロクワイのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!
【第73回】おすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介シリーズ
“ヴァーチャル・インサニティ”の大ヒットで有名なジェイ・ケイ率いるソロ・ユニットのジャミロクワイ(Jamiroquai)のおすすめアルバムをご紹介!
【おすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介シリーズ】の第73回です。
今回は、ジェイ・ケイ率いるソロ・ユニット、ジャミロクワイ(Jamiroquai)のおすすめアルバムを5枚選んでご紹介します。
ジャミロクワイについて
ジャミロクワイは、イギリス出身のジェイ・ケイ(Jay Kay)が率いるソロ・ユニットで、1990年代にアシッドジャズやファンクのスタイルを取り入れた独自のサウンドで世界中に多くのファンを持つアーティストです。
その音楽は、ジャズ、ファンク、ソウル、ディスコといった様々なジャンルを融合しており、初期のアシッドジャズ・シーンで一躍有名になりました。
ジャミロクワイのデビュー・アルバム『エマージェンシー・オン・プラネット・アース』は、地球環境の危機や社会問題に対するメッセージを発信しており、リリースと同時に大きな話題を呼びました。
ジェイ・ケイは環境問題に関心が高く、その活動や思想は楽曲の中にも色濃く反映されています。
その後もアルバム『ザ・リターン・オブ・ザ・スペース・カウボーイ』をはじめとする作品をリリースし、ユニークなビジュアルとハットをトレード・マークに、世界中で圧倒的な人気を博していきました。
ジャミロクワイの楽曲「ヴァーチャル・インサニティ」は、1996年のアルバム『トラベリング・ウィズアウト・ムービング』に収録され、世界的な大ヒットとなりました。
この曲は、MVでの斬新な視覚効果と現実社会の狂気をテーマにした歌詞で多くのファンの心を掴み、今なおジャミロクワイの代表曲の一つとして認識されています。
「ヴァーチャル・インサニティ」は、当時の社会問題や技術進歩に対する批判も込められており、ジェイ・ケイの独特な視点が光る作品です。
また、アルバム『ファンク・オデッセイ』ではディスコサウンドが強調され、ダンサブルな楽曲が多数収録されており、新たなファン層を開拓しました。
リズム・セクションのグルーヴ感、ジェイ・ケイのソウルフルなボーカルが一体となったジャミロクワイの音楽は、聞く者を踊らせずにはいられない魅力を持っています。
彼らの音楽はアシッドジャズという枠を超え、時代を超えて愛され続けるサウンドを提供し続けています。
その後もアルバム『ロック・ダスト・ライト・スター』や『オートマトン』などをリリースし、エレクトロ要素を取り入れるなど常に進化を遂げながら、新しいサウンドに挑戦しています。
ジェイ・ケイの強烈な個性とジャミロクワイの革新的なサウンドは、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。
それでは今回はジャミロクワイのオリジナル・アルバムから僕が好きな作品を5枚選んでランキング形式でご紹介します。
ベスト盤やコンピレーション・アルバムにライブ盤は除外しています。
まずは第5位からどうぞ。
ジャミロクワイのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!
第5位:Jamiroquai – 『Synkronized』
第5位は、1999年にリリースされた4作目のアルバム『Synkronized』です。
このアルバムは、ファンクとディスコの融合をさらに深めた作品です。
本作リリースの1年前に映画『GODZILLA』のサウンドトラックにも収録された曲”Deeper Underground”が大ヒットを記録しました。
この曲は、日本ではオリジナル・アルバム未収録となりましたが、本国イギリスでは11曲目のボーナス・トラックとして収録されています。
本作からは、”Canned Heat”や”Supersonic”に”Black Capricorn Day”と”King for a Day”の4曲がシングル化されました。
特に過去作以上にダンサブルなリズムが印象的な先行シングル”Canned Heat”は、”Virtual Insanity”以来となる話題曲となりました。
当時は日本の音楽番組でもこの曲のMVがよく流れていた記憶です。
また日本では、インスト系のダンス曲”Supersonic”ではシングルとして弱いためか、華やかなホーン隊とワウギターがファンキーな曲”Black Capricorn Day”と併せた日本限定シングルとしてリリースされています。
『Synkronized』は、前作『Travelling Without Moving』の成功を受け、よりエネルギッシュで現代的なサウンドを取り入れたことが大きな特徴です。
ファンク・ベースのサウンドと電子音の組み合わせが見事で、過去作以上にグルーヴィーな曲が詰まっています。
それだけでなく環境問題や社会へのメッセージも感じられる内容が、ジャミロクワイの個性を際立たせています。
前作『Travelling Without Moving』のメガ・ヒットと比べると物足りなさを感じるアルバムではありますが、それでも『Synkronized』はジャミロクワイの歴史を語る上で外せないアルバムです。
第4位:Jamiroquai – 『A Funk Odyssey』
第4位は、2001年にリリースされた5作目のアルバム『A Funk Odyssey』です。
本作は、ディスコやファンクの要素を大胆に取り入れた作品で、よりダンサブルで洗練されたサウンドが楽しめる一枚となっています。
個人的にはあまりディスコ・ファンクは好きではないのですが…このアルバムはなぜか好きです♪
先行シングルといなった”Little L”は、軽快なリズムとキャッチーなメロディで、今でもファンに人気の曲です。
2ndシングル”You Give Me Something”もスモール・コードを用いた小刻みなギター・カッティングが70年代後半のディスコ・サウンドを彷彿させます。
また3rdシングル”Love Foolosophy”も同じ路線で、ディスコ・ファンクを現代風にした楽曲です。
さらに4thシングル”Corner of the Earth”は、また雰囲気の違った壮大なストリングスのアレンジが印象に残る曲です。
こういったシングル曲以外にも”Stop Don’t Panic”や”Main Vein”のようなエネルギッシュなファンク曲や、アコースティックなバラード曲”Black Crow”に、スペーシーなファンク曲”Twenty Zero One”といった様々な楽曲が収録され、アルバム全体を通してバラエティ豊かなサウンドが展開されています。
『A Funk Odyssey』は、過去作以上にファンクとディスコの要素が強い作品ではありますが、実はバラエティ豊かな楽曲が収録されたアルバムでもあります。
そういった点でもディスコ・ファンクがそんなに好きではない僕でも聴きやすいアルバムです。
第3位:Jamiroquai – 『The Return of the Space Cowboy』
第3位は、1994年にリリースされたセカンド・アルバム『The Return of the Space Cowboy』です。
邦題は『スペース・カウボーイの逆襲』でした。
このアルバムでは、フロントマンのジェイ・ケイが描くユニークな世界観がさらに鮮明になり、ジャミロクワイの個性が確立されたといえます。
本作リリースの前年にシングル発売されていた”The Kids”も含むアルバムです。
アルバムのリリース前には先行シングルとして”Space Cowboy”がシングル発売されました。
この曲は、スムーズなベースラインと心地よいリズムが特徴的なリラックスしたムードの曲です。
2ndシングルの”Half the Man”は、ジェイの歌い方も含めてスティーヴィー・ワンダーを彷彿させるゆったりとした曲です。
3rdシングル”Light Years”は、ピアノのリフレインがクセになるファンク曲です。
4thシングル”Stillness in Time”は、インコグニートが歌っていそうなオシャレな雰囲気の曲です。
『The Return of the Space Cowboy』は、当時のアシッドジャズシーンにおいて、斬新で深みのあるサウンドとして多くの音楽ファンに支持されました。
ベースやドラムのグルーヴ感、ジェイ・ケイのソウルフルで力強いボーカルが一体となり、洗練された音楽を作り上げています。
このアルバムでは、社会問題や環境問題へのメッセージが込められた歌詞も印象的で、彼らの音楽が単なるエンターテインメントを超えたものであることを感じさせます。
どこか懐かしい曲調も多いこの『The Return of the Space Cowboy』もジャミロクワイを語る上で外せないアルバムです。
本作の『20周年記念エディション』もおすすめです。
こちらの『20周年記念エディション』には、アシッドジャズ誕生の始祖の1人とも言えるキーボード奏者ウェルドン・アーヴィンの名曲”We Gettin’ Down”をカバーしたレアなライブ音源が収録されています。
第2位:Jamiroquai – 『Emergency on Planet Earth』
第2位は、1993年にリリースされたデビュー・アルバム『Emergency on Planet Earth』です。
邦題は『ジャミロクワイ』でした。
このアルバムは、ジェイ・ケイの豊かな音楽的才能と、環境問題や社会問題への鋭い視点が融合した作品として高く評価されています。
ジャミロクワイがデビューと同時に一躍注目を浴びたのも、このアルバムが放つ強いメッセージ性と独特なグルーヴがあったからです。
デビュー曲となった”When You Gonna Learn?”は、環境破壊や人間の利己的な行動に対する警鐘を鳴らす内容で、ジェイ・ケイが持つ社会意識が存分に表現されています。
邦題は、「いつになったら気づくんだい?」でした。
2ndシングルの”Too Young to Die”も、人間社会が直面する課題をテーマにした楽曲で、キャッチーなメロディと深いメッセージが聴き手の心に響きます。
この曲の邦題は、「死ぬには早すぎる」でした。
3rdシングル”Blow Your Mind”は、オシャレなエレピと名手スチュアート・ゼンダーが弾くブリブリ・ベースが印象的な曲です。
4thシングル”Emergency on Planet Earth”は、アルバム・タイトルにもなった環境問題への危機感をファンクに乗せて訴えかける名曲です。
本作『Emergency on Planet Earth』は、90年代のアシッドジャズ・シーンをリードする作品として評価され、ジャミロクワイの音楽スタイルを確立しました。
このアルバムには、メッセージ性の強い楽曲が並び、単なるファンクやジャズの枠を超えて、深いテーマに迫る内容が多く詰まっています。
本作の『20周年記念エディション』もおすすめです。
こちらの『20周年記念エディション』には、1993年にグラストンベリー・フェスティバルに出演した際のライブ音源”Brothers Like You”と、ザ・ヘッドハンターズのカバー曲”God Made Me Funky”と”Music Of The Mind”の3曲が収録されています。
第1位:Jamiroquai – 『Travelling Without Moving』
第1位は、1996年にリリースされた3作目のアルバム『Travelling Without Moving』です。
間違いなくジャミロクワイの最高傑作といえる作品です。
特に先行シングルとしてリリースされた”Virtual Insanity”は世界的な大ヒットを記録した名曲です。
この曲のMVはMTVで放映されるとすぐに話題となりました。
印象的な映像とジェイ・ケイの独特なダンス・パフォーマンスが、視覚的にも強いインパクトを与えました。
このMVもきっかけで、ジャミロクワイはさらに多くのファンを獲得して世界的な成功を収めました。
また、ジャミロクワイの”Virtual Insanity”のMVは、独特の視覚効果が印象的なのですが…
この平衡感覚が狂ってしまいそうになる不思議なMVは、「どうやって撮影しているの?」と、その撮影方法も話題となりました。
この映像の特徴は、まるで部屋全体が動いているような錯覚を生み出す動きで、床の上を家具が滑るように動くため、視聴者に非現実的な空間の感覚を与えます。
この映像効果は、実際には「床が動いている」というシンプルな技法で実現されています。
具体的には、ビデオのセットは固定されていますが、床の部分がローラーで動く仕組みになっており、その動きによってジェイ・ケイや家具が浮遊しているかのように見えるのです。
また、部屋の壁は固定されているため、視覚的には「部屋全体が動いている」という錯覚を生み出しています。
この技法により、カメラがほぼ静止した状態でも動きがある映像が作られ、ジェイ・ケイが自由に動き回る様子が際立ちました。
編集では、カメラアングルや照明を巧妙に使って奥行きや動きを強調し、観る者が現実の空間と錯覚するように工夫されています。
さらに、ビデオの中では、カメラがジェイ・ケイに近づいたり遠ざかったりすることで、広がりのある空間表現が加わっています。
今の時代は便利なもので、YouTubeの公式チャンネルでこのMVのメイキングを見ることができます。
『Travelling Without Moving』には他にも、”Cosmic Girl”や”Alright”といった人気のシングル曲が収録されています。
いずれもジャミロクワイらしいグルーヴとキャッチーなメロディが際立っています。
2ndシングルの”Cosmic Girl”は、ディスコ調のリズムと爽快なメロディラインが心地よく、ダンスフロアでも愛される名曲です。
3rdシングルの”Alright”は、クールなディスコ・ファンクです。
また、4thシングルの”High Times”や、アルバム・タイトル曲の”Travelling Without Moving”といった曲も70年代後半のディスコ時代を思い起こさせるダンサンブルな曲です。
他にもレゲエ調の”Drifting Along”なんかは、まさに英国のミュージシャンだな~といったところでしょうか。
このアルバムは、彼らの音楽スタイルが過去2作よりも更に洗練された初期ジャミロクワイの音楽の集大成といえる内容です。
今回第1位に選んだこの『Travelling Without Moving』は、ジャミロクワイの最高傑作であり、1990年代のダンス・ミュージックやアシッドジャズに興味がある方は、必ず聴いて置いて欲しい名盤です。
本作の『20周年記念エディション』もおすすめです。
こちらの『20周年記念エディション』には、
名曲”Virtual Insanity”と”Alright”の貴重なライブ音源が収録されています。
以上、【ジャミロクワイのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!】でした。
今回は、ジャミロクワイのおすすめアルバム5作品をご紹介しました。
ジャミロクワイは今でもファンク、アシッドジャズ、ディスコなど多彩なジャンルを自在に融合させ、独自のグルーヴを生み出しています。
特に”Virtual Insanity”が、その曲調のみならずMVも含めて後の音楽業界に与えた影響は絶大です。
あのジャズ・ギタリストの小沼ようすけさんも2001年にリリースしたデビュー作品『nu jazz』にてギター・インストの形でカバーしていたほどです。
また僕自身の体験話なのですが、趣味のギター演奏を兼ねて過去に何度もジャム・セッションに参加したことがあるのですが…その時に”Virtual Insanity”をギター・インストで演奏していた人を見かけたことがあります
それも2回見かけたことがあるのですが、どちらの日も別の人だったので、別々の日に全く違う2人がこの曲をセッションでカバーしていました。
ボーカルなしのジャズ・アレンジでテーマをギターで弾いても違和感なく合う名曲です。
そう考えるとこの”Virtual Insanity”が単なる一発屋のヒット曲ではなく、後生にまで残るクラシックな名曲であると感じますね。
ジャミロクワイのサウンドと映像作品は、90年代から現在に至るまで多くの人々を魅了し続けています。
ぜひ今回のランキングを参考に各アルバムを聞いてみて下さい。
そして、ジェイ・ケイ率いるジャミロクワイの世界観に触れてみてください。
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