2024/08/14
ソウル・アサイラムのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!
【第38回】おすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介シリーズ
90年代グランジ・ブーム時代に活躍したオルタナティヴ・ロック・バンド、ソウル・アサイラムのおすすめアルバムをご紹介!
【おすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介シリーズ】の第38回です。
今回は、90年代グランジ・ブームの時代に活躍したオルタナティヴ・ロック・バンド、ソウル・アサイラムのおすすめアルバムを5枚選んでご紹介します。
ソウル・アサイラムとは?
ソウル・アサイラムは、1981年に元はドラムを叩いていたデイヴ・パーナーとギタリストのダン・マーフィー、そしてベーシストのカール・ミュラーによって結成されたラウド・ファースト・ルールズ(Loud Fast Rules)というバンドが発展して組まれました。
バンド名をソウル・アサイラムへと変更するに当たり、デイヴ・パーナーはボーカル/ギターへとパートを変更しています。
ドラムにはパット・モーリーが加入して、ここでソウル・アサイラムというバンドが始動することになります。
1984年にデビュー作『Say What You Will…』をインディー・レーベルでリリースした後、コンスタンスに3枚のアルバムをリリースして通算4作目となる『Hang Time』以降、メジャー・レーベルのA&Mに移籍しています。
90年代に入りニルヴァーナやパール・ジャムの世界的大ヒットに伴い、世の中にはグランジ/オルタナティブ・ロックのブームが起こりました。
ソウル・アサイラムは、彼らよりも活動歴こそ長いものの、ようやくここで一般の音楽ファンにも注目されるようになります。
そしてついに大手コロンビア・レコードに移籍してからリリースした1992年のアルバム『Grave Dancers Union』で大ヒットすることになります。
シングル・カットされた”Runaway Train”が全米5位を記録する大ヒットとなり、ソウル・アサイラムは一躍時の人となります。
この時期のソウル・アサイラムの人気は飛ぶ鳥を落とす勢いで、デイヴ・パーナーは一時ハリウッド女優として人気だったウィノナ・ライダーと交際していたこともあるほどです。
そこから合計3作品のアルバムをリリースするのですが、1988年にリリースした『Candy from a Stranger』は予想以上の売り上げを記録することが出来ませんでした。
決してこのアルバムのクオリティーが低かったわけではないのですが、この時期には既にグランジ・ブームは終わっており、彼らの様なオルタナティブ・ロック・バンドは飽和状態にあり、一般の音楽ファンからは完全に飽きられていました。
以降、ソウル・アサイラムは解散こそしていないものの、活動停止状態が続きます。
2005年になり、オリジナル・メンバーのカール・ミュラーが癌で亡くなってしまいます。
その頃ソウル・アサイラムは8年振りとなる復活作『The Silver Lining』を制作しており、ミュラーはぎりぎり録音には参加していました。
久しぶりにリリースされたアルバムのクオリティーは高く、グランジ・ブームが終わっただけでソウル・アサイラムというバンドが終わったわけではないことを再び音楽シーンにその存在を認めさせることとなります。
それから以前よりもアルバム制作のペースこそ落ちたものの2020年までに4枚のアルバムをリリースしていて、今も現役のバンドとして活動を続けています。
今となってはダン・マーフィーも脱退しており、バンド結成時のオリジナル・メンバーはデイヴ・パーナーのみとなりましたが、フロントマンの彼がいる限りソウル・アサイラムはいつまでも続くことでしょう。
実際、復帰作以降の4作品はどれも過去作よりもクオリティーは高く、音楽的な全盛期であればこの復帰後の方だとも言えます。
時代的にこういったオルタナティブ・バンドがヒットをしない時代にこそなりましたが、それこそ90年代に近年のアルバムをリリースしていたら…大ヒットしていたんじゃないだろうか?と感じさせる出来です。
それでは今回はソウル・アサイラムのスタジオ・アルバムの中から5作品、僕が好きなアルバムを選んでランキング形式でご紹介します。
ベスト盤やライヴ盤にコンピレーション・アルバムはランキング外とさせていただきますが、話の流れからご紹介することはあります。
それでは第5位からです。
ソウル・アサイラムのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!
第5位:Soul Asylum – 『Change of Fortune』
オリジナル・メンバーのダン・マーフィーが2012年に脱退してからどうなるか?と思われたソウル・アサイラムでしたが…結局このバンドは、フロントマンとしてだけでなくソングライターとしても優秀なデイヴ・パーナーさえいれば大丈夫なんだな!と安心させてくれたアルバム『Change of Fortune』が第5位です。
温泉につかる猿がスマホを操作しているユーモラスなアートワークが目を引く本作『Change of Fortune』は、2016年にリリースされた11作目のアルバムです。
本作ではダン・マーフィーの代わりにリード・ギターでジャスティン・シャーボノが参加しています。
ダン・マーフィーのギターが聴けないのは残念ですが、リード・トラックの”Supersonic”は「まさにソウル・アサイラムらしいキャッチーな曲」といった印象です。
この時点で52歳だったデイヴ・パーナーですが、ボーカルの衰えもほとんど感じさせず、元気一杯の歌声に驚かされます。
更に2曲目の”Can’t Help It”ではシャウト・ボーカルも聴かせており、知らずに聴けば「これって90年代のアルバム?」と勘違いしてしまいます。(まぁ各楽器の録音状態が良すぎるので音の綺麗さで90年代ではないと音楽関係者やバンドマンなら気づきそうですが…。)
インディーズ時代のソウル・アサイラムは、まだ若かったこともあり、演奏がかなりヘタでした…。
しかし本作では2005年から参加しているドラムのマイケル・ブランドの腕前もあり、演奏が上手いバンドに生まれ変わっています。
本作の後、ジャスティン・シャーボノは脱退していますが、デイヴ・パーナーを支えるリズム隊のマイケル・ブランドとベースのウィンストン・ロイは今もバンドに在籍しています。
バンドの演奏力ってリズム・セクションに寄るところが大きいので、この2人がデイヴ・パーナーを支え続ける限り、まだまだソウル・アサイラムは歩みを止めることはないでしょう!
第4位:Soul Asylum – 『Candy from a Stranger』
大ヒットした前2作品と比べると、売り上げ的にもバンドの勢い的にも劣るアルバムですが…僕は結構好きな作品です。
『Candy from a Stranger』は、1998年にリリースされた8作目のアルバムです。
前2作品よりも大人しい曲が多く感じられますが、しかし歌メロの美しさはソウル・アサイラムの中では本作が一番だと言えます。
シングル・カットされた”I Will Still Be Laughing”や”Close”だけでなく、”Creatures of Habit”や”See You Later”に”No Time for Waiting”といったメロディアスな楽曲がアルバム冒頭から続きます。
この5曲の流れが素晴らしく、何度聴いても飽きさせません。
特に”See You Later”と”No Time for Waiting”のイントロで聴くことが出来るダン・マーフィーのメロディアスなリード・ギターを耳にすると…近年のアルバムにはこのギターが足りていないことを感じ、非常に残念な気分になります。
アルバム後半は地味な曲が続きますが、それでもアコースティックな”Blood into Wine”や”The Game”といった泣ける歌メロを持ったバラード曲はさすがの出来です。
この後、8年ものブランクが空くことになりますが、時代にそぐわなかっただけで、決して本作は質の低いアルバムではありませんでした。
そう考えると、ブームなんて単なる一過性のもので、音楽の質には関係なかったりします。
むしろ流行りのジャンルに流されて、その作品の中身を正当に評価しない人ってのは「単なる流行り好き」なだけということなんでしょうね。
本作『Candy from a Stranger』は駄作ではないです!
第3位:Soul Asylum – 『The Silver Lining』
ソウル・アサイラムは、結成当初からドラムがメンバー交代しており、既に時点でも5代目となるドラマーのマイケル・ブランドが参加していました。
なのにどうしてもダン・マーフィーとカール・ミュラーが揃っていた最後のアルバムということで、「ここでソウル・アサイラムの1つの物語が終わった」感じがします。
本作『The Silver Lining』は、前作『Candy from a Stranger』から8年振りとなる2006年にリリースされた9作目のアルバムです。
正直言ってこの時期には僕もソウル・アサイラムのことを忘れていました…。
もはや過去のバンドだと思って、てっきり解散したものだと勘違いしていました。
それがソウル・アサイラムが久しぶりに新作をリリースすると当時の音楽情報サイトで知った時は驚きました!
そして「大丈夫なの?前みたいに曲を書けるのかな?ボーカルは声が出るのかな?」と心配になりました。
しかしアルバムを購入して1曲目の”Stand Up and Be Strong”を聴いてみると…「あれ?もしかして過去作よりもパワー・アップしていない!?デイヴ・パーナーの声も出ているし、何なら少し歌も上手くなってる!?」と驚きました。
この曲以外にも”All Is Well”と”Standing Water”と”Good for You”の合計4曲がシングル化されており、時代こそ違えばもっとヒットしていたんじゃないか?と思えるクオリティーの高さでした。
本作が90年代にリリースされていたら…本当にブームなんて音楽の質には一切関係ありませんね。
最近のソウル・アサイラムも代わらずクオリティーを維持していますが…個人的にギター好きの立場から本作のようなダン・マーフィーのギターが聴けないのはとても残念です。
第2位:Soul Asylum – 『Let Your Dim Light Shine』
1曲目の”Misery”が名曲過ぎます!
初めて聴いた時から今でもずっと代わらずに好きな曲です♪
チャートこそ20位止まりでしたが、シングル曲”Misery”は”Runaway Train”と並ぶソウル・アサイラムの代表曲です。
その”Misery”を含む本作『Let Your Dim Light Shine』は、1995年にリリースされた7作目のアルバムです。
“Misery”以外にも、歌メロがキャッチーで勢いのあるロック・チューン”Just Like Anyone”もシングル化されているのですが、なぜかアルバムでは11曲目と後半に収録されています。
この曲はイメージ的にアルバムの1曲目が合うと思います。
後にリリースされたベスト盤『Black Gold: The Best of Soul Asylum』ではちゃんと1曲目に収録されていました。
そのベスト盤では未収録でしたが、コーラスのハーモニーが美しいアコースティックな曲”Promises Broken”もシングル化されています。
この曲は珍しくデイヴ・パーナー作ではなくダン・マーフィーがマーク・パールマンと共作したバラードです。
ベスト盤の方にはこの曲ではなく”String Of Pearls”の方が選ばれていましたが…確かに”Promises Broken”と比べるとデイヴ・パーナー作のこの”String Of Pearls”の方が出来は良いですね。
アルバム全体の出来も素晴らしいのですが、”Misery”が頭一つ抜けた名曲なのは間違いないです。
そのためこの曲をアルバムの1曲目にしたので”Just Like Anyone”が後半になったのかな?
何にしてもソウル・アサイラムを代表する作品の1つです。
第1位:Soul Asylum – 『Grave Dancers Union』
全米5位を記録した大ヒット曲”Runaway Train”を含むソウル・アサイラムの最高傑作『Grave Dancers Union』が第1位となりました。
シングル・リリースの順番としては”Somebody to Shove”→”Black Gold”の次の3枚目として”Runaway Train”がリリースされていますが、大ヒットして当然と言える名曲ですね。
アメリカでは年間に数多くの未成年者の行方不明者が出ているのですが…その闇を扱ったこの曲のMVはとても考えさせられるもので、当時は大きな話題となりました。
本作のアートワークも子供達を連れ去る幽霊のような女性が写っていてどこか不気味さも感じさせます。
ただアルバム全体にはアートワークのようなホラーな要素は皆無で、元気一杯なロック・チューンの”Keep It Up”や”Get on Out”に、お得意なアコースティック・バラードの “Homesick”に”New World”といった、まさにバンドの全盛期と言える名曲ばかりが並びます。
その後のソウル・アサイラムも駄作は一切作っていないのですが…頂点はやはりこのアルバム『Grave Dancers Union』でしょう!
以上、【ソウル・アサイラムのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!】でした。
2020年にリリースされた今のところ最新作の『Hurry Up and Wait』も相変わらずの良いアルバムでした。
まだまだこれからも現役で素晴らしいアルバムを作ってくれそうなソウル・アサイラムを皆さんも応援しましょう!
もし今回初めてソウル・アサイラムを知ったという方は、ぜひこのブログ記事を参考に各アルバムを聴いてみて下さい。
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