2024/07/09
ブライアン・アダムスのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!
【第22回】おすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介シリーズ
80年代に活躍したロック・スター、ブライアン・アダムスのおすすめアルバムをご紹介!
【おすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介シリーズ】の第22回です。
今回は特に80年代から90年代に活躍したカナダ出身のロック・スター、ブライアン・アダムスのおすすめアルバムを5枚ご紹介します。
ブライアン・アダムスとはどんな人?
ブライアン・アダムスは、1959年にカナダのオンタリオ州キングストンで生まれたシンガーソングライターです。
作詞作曲能力に優れているだけでなく、シャガレ声で歌うボーカルは熱く、またギターやベースを弾きながら歌うことも出来ます。
10代から音楽活動を始めて19歳になる頃にはレコード契約を獲得する等、早熟なアーティストです。
1980年にデビュー・アルバム『Bryan Adams』(邦題『ギヴ・ミー・ユア・ラヴ』)でデビューしています。
しかしデビューから合わせて3枚のアルバムを出しても鳴かず飛ばずの状況が続きました。
けれど転機はすぐに訪れます。
1984年にリリースした4作目『Reckless』に収録されていたバラード曲”Heaven”が全米1位を記録する大ヒットとなりました。
これによってアルバムの方も全世界的に大ヒットを記録して、ブライアン・アダムスはロック・スターとなります。
初期の頃は、どこか青臭い青春時代を描いたような歌詞が特徴的でした。
しかしアルバムを出す毎にブライアン自身も年齢を重ね、その音楽性も共に成長していきます。
やはりブライアン・アダムスと言えば、青春を描いたような熱い楽曲が一番の魅力でもあるのですが、その後社会派の楽曲やアダルト・コンテンポラリー風の大人びた曲調、そして陰りのあるソフト・ロック調の音楽など、決して青臭いロック一辺倒ではありません。
音楽雑誌によっては、社会派時代の『Into the Fire』やアダルト・コンテンポラリーな『18 til I Die』、そして陰りのある『On a Day Like Today』といった作品を評価していないことがありますが、僕自身はどれも多様な曲を集めた名作だと感じています。
必ずしも「1つの音楽性」にこだわることが正解ではないと思いますからね。
たまには「ブライアンの別の顔」が見られるアルバムを聴いてみると、また違った良さが見えてくるはずです。
ちなみにブライアンは、今年で65歳になりますがまだまだ現役のミュージシャンです。
2022年には最新作『So Happy It Hurts』もリリースしており、今回のランキングでは選びこそしませんでしたが、相変わらずのキャッチーな楽曲が数多く収録された名作でした。
それでは今回もベスト盤やライヴ盤にコンピレーション・アルバムを省いたスタジオ録音盤から僕が好きなアルバムを5枚、ランキング形式でご紹介します。
まずは第5位からどうぞ。
ブライアン・アダムスのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!
第5位:Bryan Adams – 『Into The Fire』
なぜか多くの音楽雑誌では「失敗作」扱いされている不遇のアルバム『Into The Fire』です。
本作『Into The Fire』は、世界的に大ヒットした『Reckless』から3年が経った1987年にリリースされた5作目のアルバムです。
大ヒットした『Reckless』が、良くも悪くもラジオでのヒットを狙ったようなキャッチーなシングル曲が数多く収録されており、「産業ロック」と呼ばざるを得ない作品でした。
もちろんロック・ミュージックがヒット・チャートの上位に食い込むのは悪いことではありません。
むしろ「音楽ファンの誰が聴いても良い曲なのにしっかりロックしている!」曲を作ることは容易ではありません。
相当の才能を必要とします。
その反面、音楽の善し悪しはヒット・チャートだけで決まるわけでもありません。
本作はその後者で、派手なヒット曲こそないものの、決してつまらないアルバムでもありません。
また大ヒットした前作の「売れ筋」路線をそのまま突き進むのではなく、ここで「売れにくい」社会派の音楽に挑戦するその姿勢に僕は「ロック魂」を感じ取ります。
シングル化された”Hearts on Fire”や”Only the Strong Survive”、それに”Into the Fire”といった曲は前作と変らずロックしていますからね。
それに1stシングルに選ばれたミドル・テンポの楽曲”Heat of the Night”は、それまでのブライアンにはなかった新機軸の曲調なのでそういった挑戦する姿勢をしっかりと感じ取って聴きたい楽曲です。
またこの”Heat of the Night”と”Another Day”ではブライアン本人がリードギターを弾いているのですが、そのシングルコイルのピックアップ(おそらくストラトキャスター!?)を利用したコリコリ・トーンがとても良い音です。
ブライアン・アダムスのアルバム録音やライヴでは、ギタリストのキース・スコットがリードを弾くことが多いのですが、ブライアンもこういった素晴らしいギターを弾くことが出来ます。
音楽雑誌では低評価が付くことが多いアルバムなのですが…ちゃんと聴けばそんなに悪くない作品ですよ。
むしろヒット曲がない分、「これじゃーまるでシングル・コレクションみたいだな~」とならないので、アルバム全体を通して聴くのに適しています。
第4位:Bryan Adams – 『On A Day Like Today』
こちらもなぜか評価があまり高くないアルバムです。
『On A Day Like Today』は、1998年にリリースされた8作目のアルバムで、ブライアンの作品の中で最も「陰」を感じる作品です。
とはいったものの、いつも通りのキャッチーで軽い曲調の “Getaway”に”When You’re Gone”や”Cloud Number Nine”、”Before the Night Is Over”といった曲も収録されています。
しかしアコギでしっとり歌われるリード・シングルの”On a Day Like Today”や、冒頭2曲の”How Do Ya Feel Tonight”と “C’mon C’mon C’mon”が暗い曲調のため、アルバムのアートワークも含め影のあるアルバムに感じられます。
そういった意味で本作も異色作ではあるのですが、必ずしもブライアンのアルバムは「明るい太陽の下」で聴くアルバムだけでないんです。
たまには雨の日にゆっくりと本作のようなアルバムを聴いてみると、ブライアンの違った魅力に気づけるはずです。
『On A Day Like Today』は、決して駄作ではないです。
ちなみに”When You’re Gone”のシングル盤は、スパイス・ガールズのメルCとのデュエット・バージョンで再収録されています。
ブライアンはTVの番組でメルCとこの曲をデュエットとした際に、ブライアンはベースを弾きながら歌っていたりします。
ブライアン・アダムスとシェリル・クロウは、ライヴではちょくちょくベースを弾きながら歌うシンガーです。
第3位:Bryan Adams – 『18 til I Die』
わざと異色作を選んでいるわけではないのですが、僕は「青春ソング」以外を歌うブライアンにも魅力を感じています。
「永遠の18歳」をアルバム・タイトルにした本作『18 til I Die』は、1996年にリリースされた7作目です。
しかしタイトルと違い、アルバム収録曲はそれまでになかった「大人になったブライアン・アダムス」を聴くことが出来る作品です。
音楽性だけでなくブライアンのルックスも変っており、それまで短髪だったのが、少し長めのアシンメトリーなセンターパートに髭面に変っていました。
1曲目の”The Only Thing That Looks Good on Me Is You”や”Do to You”では、それまでのブライアンのアルバムにはなかったようなファンキーなワウギターが登場します。
そして、シングル・カットもされた3曲目の”Let’s Make a Night to Remember”に至っては、歌詞も含めてムードたっぷり大人な雰囲気のバラード曲でした。
実は本作は僕がリアルタイムで初めて聴いたブライアン・アダムスのアルバムでした。
当時まだ子供だった僕にはこの曲は「あまりにも大人な曲」に感じられました。
それと同時に「まだ見ぬ大人の世界」への憧れを感じる楽曲でもありました。
そういったことも含めて思い出深い楽曲です。
この曲の次にシングル・カットされた”Star”も「大人な雰囲気を感じる曲」です。
初めて聴いてから既に四半世紀以上が経つのですが、この2曲は今聴いても感動してしまいます。
他にもアコギの弾き語りが美しい”I Think About You”と”You’re Still Beautiful to Me”や、パーティ・ソングの”It Ain’t a Party… If You Can’t Come ‘Round”に、AC/DC風のハードなロック”Black Pearl”もおすすめです。
ちなみにアルバム最後に収録された”Have You Ever Really Loved a Woman?”も「大人なバラード曲」です。
この曲はアルバムリリースよりも前にシングル化されており、ジョニー・デップ主演の映画『ドンファン』に提供された曲でした。
スパニッシュな曲調がブライアンにこんなにも合うとは…。
この曲も全米No.1を記録しています。
大人になったブライアンの魅力を余すことなく収録した『18 til I Die』もおすすめのアルバムです。
第2位:Bryan Adams – 『Reckless』
第2位は、世界的大ヒット作の『Reckless』です。
僕の中では1位ではありません。
『Reckless』は、1984年にリリースされた4作目のアルバムで、ブライアン・アダムスというなを聞いて思いつく「青春ソング」のイメージにあった楽曲が並ぶ名盤です。
ブライアンらしいキャッチーなロック・ソングが並ぶアルバムですが、まだ少し荒々しさが感じられます。
アルバムからの1stシングルに選ばれた”Run to You”と2ndシングルに選ばれた”Somebody”、そして4thシングルに選ばれた”Summer of ’69″は、どれもブライアン・アダムスを代表する名曲となりました。
特に”Run to You”は、ライヴでも毎回のように演奏されている大人気曲です。
それにティナ・ターナーとデュエットした”It’s Only Love”も6枚目のシングルに選ばれており、こちらもかっこいいロックに仕上がっています。
5枚目のシングルには冒頭の”One Night Love Affair”が選ばれていますが、この曲はちょっと影が薄い印象です…。
しかしこういったロック・ソングもブライアンの魅力ではありますが、本作で一番の名曲は3枚目のシングルに選ばれた名曲”Heaven”です。
この曲はリリース前からブライアン本人も自信満々だったようで、「今までで一番良い曲が書けた!」と日本のインタビューでも答えていました。
見事に全米No.1に輝いたこの曲は、ブライアン・アダムスを代表する名曲となりました。
ちなみに僕が一番好きなブライアンのバラード曲もこの”Heaven”です。
いかにも「ラジオ・フレンドリー」な”泣きのバラード曲”ではありますが、否定しようがない名曲であることに変わりはありません。
歌詞もメロディーも本当に素晴らしいバラード曲です。
ちょっとボン・ジョヴィっぽいサウンドのアルバムですが、『Reckless』は世界中のロック・ファンを感動させた名盤です。
第1位:Bryan Adams – 『Waking Up The Neighbours』
ボン・ジョヴィぽかった『Reckless』と比べると、本作『Waking Up The Neighbours』はデフ・レパードっぽい作品です。
僕が一番好きなブライアン・アダムスのアルバムは、1991年にリリースされた6作目のアルバム『Waking Up The Neighbours』です。
前作『Into the Fire』が少し社会派のアルバムで、ブライアンらしくなかった異色作だった反動か?本作では王道と呼べるような「産業ロック」満載の騒々しいアルバムに仕上がっています。
「産業ロック」と書くと、「売れ線狙いのお金の臭いがするアルバム」と悪いイメージで感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、僕は「産業ロック」を悪いとは思っていません。
例えミュージシャンという芸術家であっても「プロ」である限り「大金を稼ぐこと」は悪いことだと思いません。
むしろ「プロ」だからこそ、その作品に「お金を払ってでも手に入れたい」価値があると考えます。
「お金を払う価値を感じさせないもの」は、大学のサークル活動止まりだと言えます。
「自分の作品」でお金を稼いでこそ「プロ」です。
だから「売れ線狙い」で「実際に売れたアルバム」を僕は嫌いではありません。
売れるには理由があります。
「誰の耳にも心地良い音楽」だから売れています。
そういったわけで僕は本作『Waking Up The Neighbours』が大好きで、ブライアン・アダムスのアルバムの中では一番よく聴きます。
もちろん本作は世界的に大ヒットを記録して、6枚リリースされたシングルも全てヒットしています。
特に映画『ロビンフッド』に提供された大甘なバラード曲”(Everything I Do) I Do It for You”は、7週に渡って全米No.1を記録した大ヒット曲です。
この曲は、「90年代を代表するウェディング・ソング」とも呼ばれています。
この曲以外にも、僕が一番好きなブライアン・アダムスのロック曲”Can’t Stop This Thing We Started”も本作に収録されています。
バラード曲で一番好きなのは”Heaven”でした。
ちなみに本作が「デフ・レパードっぽい作品」と感じる理由の答えは、本作はデフ・レパードの名作に関わったマット・ラングがプロデュースしているからです。
シングル化もされた2曲のバラード曲”Do I Have to Say the Words?”と”Thought I’d Died and Gone to Heaven”は、デフ・レパードが歌っていたとしても違和感ないですからね。
この【おすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介シリーズ】の第3回目はデフ・レパードだったのですが、僕が本作『Waking Up The Neighbours』が好きなのは、同じくデフ・レパードも好きだからなのでしょう。
モロ売れ線狙いのアルバムではありますが、しかし捨て曲が一切ない名盤であることにも違いありません。
僕がおすすめするブライアン・アダムスのアルバム第1位は、『Waking Up The Neighbours』でした。
1991年と言えば、ニルヴァーナやパールジャムといったグランジ勢や、メタリカにレッチリ等のヘヴィ・メタルにミクスチャー・ロック勢がこぞって名盤をリリースした年でした。
そんな年に「売れ線ロック」で真っ向勝負に挑んだブライアン・アダムスこそ、反逆のロック魂を持ち合わせていたと言えないでしょうか?
以上、【ブライアン・アダムスのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!】でした。
第5位から第3位までは「ブライアン・アダムスらしくない異色作」ばかりとなりましたが、第2位と第1位は「ブライアン・アダムスらしくい王道作品」となりました。
王道作品だけでなく異色作にも魅力があるのがブライアン・アダムスというミュージシャンです。
今回初めてブライアン・アダムスを知ったという方も、これからブライアン・アダムスを聴いてみたいと思われた方も、ぜひこのブログ記事を参考にブライアン・アダムスの作品を順番に聴いてみて下さい。
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