
2019/04/25
ザ・ニュー・マスターサウンズがベンソン・テイラーと共作した6曲入りミニ・アルバム『Colours EP』を聴こう♪
ザ・ニュー・マスターサウンズがベンソン・テイラーと共作した6曲入りミニ・アルバム『Colours EP』をご紹介します。
実は『Renewable Energy』よりも先にリリースされていたシンプルなオルガン・ジャズ・ファンク作品♪
約2ヶ月とお久しぶりにこのブログでも定番の【ザ・ニュー・マスターサウンズの作品を1枚ずつご紹介するシリーズ】です。
2017年頃から書き始めたシリーズなのですが、今年2月にようやく8作目の『Out On The Faultline』までご紹介できました。
他のブログ記事も順番バラバラで書いていたりして、なかなか進んでいませんが、なるべく次のニュー・アルバムが出るまでに全てをご紹介できればと思っています。
本来であれば、リリース順にいけば次は9作目の『Therapy』か、他のコンピレーション・アルバム、もしくはそろそろエディ・ロバーツのソロ作品なんかをご紹介する予定だったのですが、順番は前後して、先に今回はレアな作品をご紹介したいと思います。
それは今のところ最新作の2018年4月18日(海外では13日)にリリースされた『Renewable Energy』よりも先にリリースされていたミニ・アルバムです。
それはイギリス人の作曲家であり音楽プロデューサーであるベンソン・テイラーとニューマスター・サウンズ(以下:ニューマスター)が共作した『Colours EP』という作品です。
この作品は、2018年2月28日にリリースされているので、『Renewable Energy』よりも先にリリースされている作品です。
しかしニューマスターの公式ホームページにあるディスコグラフィーにも掲載されておらず、今のところフィジカル・リリース(CDやLPのこと)もされていないので「知る人ぞ知る!」作品となっております。
今のところダウンロード購入しか出来ません。
もちろん僕もダウンロードで購入してiTunesで聴いています♪
しかしこのミニ・アルバムなのですが、とてもニューマスター「らしさ」を感じられるアルバムです。
なので今まで本作を知らなかったという方にも、ぜひ僕のこのブログを通して知ってもらいたいな~と思いました。
The New Mastersounds & Benson Taylor – 『Colours』
01.Florentine Race
02.High Anxiety Low
03.Blue
04.Hotel Connection
05.Riverside
06.North
本作は、『Renewable Energy』のような通常のニューマスターのオリジナル・アルバムと違ってゲスト・ミュージシャンが参加していないようです。
なので、いつもの作品のようにゲスト・ボーカルが数曲歌ってたり、華やかなホーン隊がバックを盛り上げてくれていたりといったことはありません。
また6曲とも全てギターとオルガンがテーマ・メロディーを弾くインスト・ナンバーとなっています。
ニューマスターのメンバーが、『Breaks From The Border』に収録されている曲のように歌っていることもありません。
まるで自分たちの原点に回帰したかのような4つの楽器のみで演奏された「ミーターズ風」のジャズ・ファンクを聴くことが出来ます。
そこが僕のお気に入りポイントでもあります♪
純粋に「ジャズ・ファンク」という音楽を演奏するには、やはりギター、オルガン(エレピ)、ベース、ドラムという4人編成が一番適していると思います。
しかも本作に収録されている曲の多くは、3分少しぐらいの短い尺の曲ばかりなので聴く方も気楽に聴けます♪
ダラダラと長いギター・ソロであったり、なんとも難解なコード進行のわかりにくい曲であったり、アウト・フレーズばかりで聴いていると段々と付かれてきてしまう…な~んてことのない聴きやすさが特徴です♪
その代わり、「ベタ」でもあります。
例えば、「この曲、ミーターズのあの曲っぽいよね。」とか「あ~次は多分こうなるんだろうな~。」という先が読めそうな楽曲ばかりでもあります。
しかしそこはニューマスターのこのメンバーでしか出すことのできない「グルーヴ」を感じて楽しい気分で聴いてみて下しさい♪
まず1曲目”Florentine Race”からニューマスター印の楽曲で始まります。
リズムこそちがいますが、どことなく2015年のアルバム『Made For Pleasure』の1曲目”Made For Pleasure”を彷彿させるギター・リフを持った楽曲です。
しかしクセになりそうなギター・リフです♪
こういったミーターズ風の楽曲の場合、過去作でもエディ・ロバーツのギター・ソロがない場合が多いのですが、やはりこの曲でもギター・ソロは弾いていません。
その代わり、ジョー・タットゥンがキーボードで流れるようなソロを披露しています。
また中盤でサイモンのドラム・ブレイクもあり、「そうそうこれこれ!ニューマスターに求めてたのはこれなんだよ♪」と言いたくなるような楽曲です。
ニューマスターの楽曲に難しい展開なんていらないんですよね。
ただ楽しくグルーヴしてたらそれでOKなんですよ♪
2曲目”High Anxiety Low”もどことなく過去作で聴いたことがある様なジャズ・ロック系のが楽曲です。
まるで3rdアルバムの『This Is What We Do』の2曲目に収録されていた”All I Want (Right Now)”を更にゆる~~~くした感じの楽曲です。
でもこれでいいんです!
ニューマスターに革新的な変化なんていらないんです。
良い意味でAC/DCのように、ファンを裏切らずに「いつものやつ」を聴かせてくれたら、僕のようなファンはそれで満足なんです♪
この曲でもエディーのギター・ソロはなく、ジョーがキーボードでソロを弾いています。
3曲目”Blue”は、エディーのパーム・ミュートをしたまま弾くファンキーなギター・リフが印象的な楽曲です。
まるで70年代のレア・グルーヴ系の作品を聴いているかのようなレトロ・ファンクの楽曲なのですが、そこにジョーの現代風のエレピ・サウンドが乗っかることで「古臭い中にも新しさ」を感じさせる楽曲です。
3曲目にしてついにエディーのギター・ソロも登場します!
相変わらずのアイヴァン・”ブーガルー”・ジョー・ジョーンズとメルヴィン・スパークスが混じったような手癖フレーズのゴリ押しです!
曲のキーが違うだけで「いつも同じようなギター・ソロではありますが、それがいいんですよ♪
もはやB.B.キングと同じ領域だとも感じます。
マンネリのギター・ソロでも、それがエディー・ロバーツというギタリストの代名詞となっているので聴く方も「いつも同じギター・ソロ」を期待しています。
B.B.キングのギター・ソロを聴いていて「これ、ま~~~た同じフレーズ弾いててツマンね~。」とは思わないのと同じだと思います。
むしろ「おぉ!B.B.はいつも変わらず最高だよね~♪」といった風に、エディーも同じギター・ソロでも良いんです♪
4曲目”Hotel Connection”は、先ほどの曲”Blue”のそのまま続きのような少し似た感触の楽曲です。
ジョーの弾くアート・ネヴィル風のキーボードがどことなくミーターズを彷彿させます。
ギター・ソロはなく、キーボード・ソロのみです。
キーボード・ソロの後には、ちょっとしたドラム・ブレイクもあります。
5曲目”Riverside”は、少しこれまでの曲とはイメージが変わって、スロー・テンポの曲になります。
2ndアルバムの『Be Yourself』の8曲目に収録されていたスニーカー・ピンプスのカヴァー曲“Six Underground”を思わせるようなサイケデリック風味の楽曲です。
珍しくピートのベース・ソロを聴くことが出来ます。
そのベース・ソロのバックでギターを弾くエディーのリズムが、どことなくディアンジェロの名盤『Voodoo』の6曲目”Chicken Grease”のように聴こえなくもないです。
ベース・ソロの後は、ギター・ソロもあります。
最後の6曲目”North”は、エディーのワウギターのイントロで始まる楽曲です。
エディーはデビュー20周年を迎えても、今でもワウペダルを使っているので変わらず偉いな~とワウギター好きの僕は感じたりします。
例えば、コーネル・デュプリーやデイヴィッド・T.・ウォーカーのように、若い頃はワウギターの名手だった人たちも、自身が年を取るにつれワウを使わなくなっていきました。
どうしてもR&Bやジャズ・ファンク系のギタリストって年を取ると、エフェクターの数も減って、よりシンプルなセッティングで弾くようになっていく人が多いような気がします⁉(思い込みかな?)
でも、エディー・ロバーツは、今年のライヴでもワウペダルを普通にガンガン使って演奏していたりします。
せっかくエディーのワウギターもこの人を表すような代名詞的になっているので、このままワウペダルの使用を続けていってもらいたいものです。
ちなみにこの曲は、途中からテンポ・アップして終盤に疾走感がある曲ですが、楽曲重視で目立ったソロ演奏はありません。
しかしその分、曲を楽しんで聴くことが出来ると思います♪
以上、【ザ・ニュー・マスターサウンズがベンソン・テイラーと共作した6曲入りミニ・アルバム『Colours EP』を聴こう♪】でした。
ご紹介の順番は前後しましたが、どの曲もシンプルな4人編成で演奏されているので「ありのままのザ・ニュー・マスターサウンズ」を聴くことが出来るアルバムになっております。
オルガン系ジャズ・ファンク好きにおすすめの作品です♪
ちなみに、今のところ本作収録曲がライヴで演奏されたことはあまりないようです。
なかなか良い曲が多いので、次の来日公演があるとしたらどれか演奏して欲しいところです。
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