2018/12/19
絶対に聴くべきブラック・クロウズの初期の4枚のおすすめアルバム
現代に蘇るサザン・ロック・バンドのブラック・クロウズ!
90年代最高峰のロック・バンドだったブラック・クロウズというバンド
今回は僕がエアロスミスと並んで好きなロック・バンドのブラック・クロウズのご紹介です。
このバンドは、まるでオールマン・ブラザーズ・バンドやレーナード・スキナードのような70年代風のサザン・ロックを演奏するかっこいいバンドでした。
元はボーカルの兄クリス・ロビンソンとギターの弟リッチ・ロビンソンのロビンソン兄弟を中心に結成されたバンドです。
そこにスティーヴ・ゴーマンというまるでレッド・ツェッペリンのボンゾ(ジョン・ボーナム)のような凄腕ドラマーが加入しています。
スティーヴ・ゴーマンは一時期脱退していた頃もありましたが、再結成の際はバンドに戻っています。
この3人に、サイドギタリストとベーシストとキーボードを足した6人編成がこのバンドの基本の形です。
しかしサイドギタリストとベーシストは落ち着かず、これまでにかなりのメンバー変更をしています。
また2ndアルバムから参加していたキーボード奏者のエディ・ハーシュは、残念ながら2016年に急逝してしまいました。
バンド活動の方も2002年に一度目の解散をして、2005年に再結成をしています。
その後2010年に無期限の活動休止を発表したりして、結局2015年にまたしても解散してしまいました。
まぁ大体がロビンソン兄弟間のバンドの管理権を巡るトラブルのようです。
まるでオアシスのようでもありますね。
信頼できる肉親だからこそ逆にバンドなどではトラブルに発展しやすいのでしょうか?
こういうのを見ていると、どちらかっていうとバンドって血の繋がりのない他人同士の方が上手くいくような気もします。
今年の2018年に入っても2月のインタビューでリッチがブラック・クロウズの再結成を否定していました。
どうしても兄のクリスと一緒にはやりたくないようです。
個人的に好きなバンドなので非常に残念ではありますが、仕方ないことですね。
オアシスと一緒で他のバンドメンバーが変わっても、ロビンソン兄弟が一緒にやっていればそれはブラック・クロウズになるのですが、しかし逆にどちらか一方だけではそれは僕の求めるブラック・クロウズではありません。
なので、ぜひともまた兄弟で一緒にブラック・クロウズとして活動してもらいたいものです!
ブラック・クロウズの初期の4作品をご紹介します。
さて、今回はそんなブラック・クロウズの初期の4作品をご紹介したいと思います。
この初期の4作品の頃は、1990年代に入って遅れてデビューしてきたような70年代風正統派ロック・バンドでした!
しかし1999年の5作目『By Your Side』ではすっかりポップなロック・バンドになってしまいました。
4作目が少しダークな作風だったので、その反動だったと思われるのですが、僕は個人的に5作目の『By Your Side』よりも4作目の『Three Snakes and One Charm』までのブラック・クロウズの方が好きです!
このバンドにポップさは必要ありません!
必要なのは、暑苦しい男気と泥臭いハーモニーです。
それではその初期の4作品を順番にご紹介したいと思います。
(※リマスター盤に収録されているボーナス・トラックについては省いてご紹介しています。)
The Black Crowes – 『Shake Your Money Maker』
まるでオールマン・ブラザーズ・バンドやレーナード・スキナードが90年代に現れたかのような、ブルースやカントリーにR&Bなんかをルーツに持つ正統派のロック・バンドが1990年に突如デビューしました。
それも飛びっきりアーシーな楽曲を収録した傑作アルバムを備えて!挨拶代わりとなった1stアルバムは、エルモア・ジェームスの名曲”Shake Your Money Maker”からタイトルが付けられていますが、その曲自体はカヴァーしていません。
アルバムはライヴの定番曲となる1曲目”Twice as Hard”から始まります。この曲のギターリフを聴くとまるで70年代のアメリカン・ロックを聴いてるような感じがします。
クリスのシャガれたボーカルに歪んでいるけど乾いたギターの音色…それにこの時代にスライドギターを弾くバンドって珍しいと思います。
懐かしさ溢れるような音ですが、決して古臭くはなっていません!
2曲目”Jealous Again”は彼らのデビューシングルです。ストーンズ風のギターリフにブギ風のキーボードといい正統派すぎるロック曲です!
3曲目”Sister Luck”も後にシングルカットされた名バラード曲です。レーナード・スキナードのような楽曲です。
サザン・ロック系のバンドによく見られる哀愁溢れるバラード・ソングです。
ロックな曲がかっこいいだけでなく、ブラック・クロウズはバラード曲に名曲が多いのも特徴です。
4曲目”Could I’ve Been So Blind”はヘヴィーなギターのイントロで始まるノリの良いロック曲です。
5曲目”Seeing Things”もシングルカットされた哀愁漂うバラード曲です。
曲の終わりに向かって女性コーラス隊が楽曲を盛り上げてくれます。
このパターンは後のバラード曲でも見られる王道パターンですね。
6曲目は2ndシングルにもなったオーティス・レディングの名曲”Hard to Handle”のカヴァーです。
ブラック・クロウズってむしろこの曲が一番有名だったりしますよね。
実は僕もブルースバンド時代にこのブラック・クロウズのバージョンで”Hard to Handle”をカヴァーしたことあります。
ロック・バンドが演奏するR&B曲ってことで、同じサザン・ロック系のデラニー&ボニーの”Things Get Better”なんかを思い出したりします。
しかしギターソロはかなりハード・ロックしてますね。
次は軽快なロックンロール曲”Thick N’ Thin”を挟んで、名曲中の名曲に向かいます!
ブラック・クロウズを代表する名バラード曲の登場です!
8曲目はこのアルバムからの4枚目のシングルとなった名曲”She Talks to Angels”です。
リッチの弾く美しいアコースティックギターの音色に導かれて、クリスの優しい歌声が聴こえてきます。
バラードに名曲が多いバンドでもあるのですが、この曲が一番の名曲です♪”Hard to Handle”だけじゃない、絶対に聴いてほしいブラック・クロウズの曲です!本当に名曲です。
その後はロックな曲”Struttin’ Blues”と”Stare It Cold”が2曲続きます。
これはブラック・クロウズのアルバムに共通することなのですが、アルバムの最後に必ずと言っていいほど、かっこいいロック・ソングが収録されています。
このデビュー作の”Stare It Cold”からその法則は当てはまっています!
最後まで気が抜けないのがブラック・クロウズのアルバムの良いところですね♪
この作品も大概名作なのですが、次の2ndアルバムはもっとすごいです!
The Black Crowes – 『The Southern Harmony and Musical Companion』
全て名曲しか収録されていないおそろしいほどの名盤『The Southern Harmony and Musical Companion』です。
まるでザ・バンドのアルバムジャケットを意識したかのようなデザインに、このなんとも長いアルバムタイトルの2ndアルバムは1992年にリリースされています。
デビュー作もクォリティーの高い楽曲ばかり収録されていたのですが、それをも上回るブラック・クロウズの最高傑作がこの作品です!
1曲目”Sting Me”から既に”Twice as Hard”を超えるようなロックが始まります!
女性コーラスが活躍するのもこの作品の特長です。
次の2曲目”Remedy”は、本作からの2枚目のシングルにもなったブラック・クロウズの代表曲です。
この曲では、サビの歌メロ部分を女性コーラスがメインで歌っているくらいです。
そこにソウルフルなクリスのボーカルが乗っかって最高にかっこいいロック曲が完成です!
この”Remedy”は、レッド・ツェッペリンで言うところの”Whole Lotta Love”、ローリングストーンズで言うところの”Brown Sugar”、エアロスミスで言うところの”Walk This Way”のような誰が聴いても納得できるキャッチーなロック・ソングです!
多分この曲をやらないことはないと思うのですが、ブラック・クロウズのライヴで絶対に聴きたい曲ですよね♪
ブラック・クロウズのロック曲では一番の出来です!
さて、名曲しか収録されていないこの作品なのですが、次の3曲目”Thorn in My Pride”と4曲目”Bad Luck Blue Eyes Goodbye”も名バラード曲です。
どちらもシングルカットされました。”Thorn in My Pride”の方はアコースティックギターで始まるゆったりとした曲です。
終盤の女性コーラスの盛り上がりがなんとも感動的です!”
Bad Luck Blue Eyes Goodbye”は、マイナー調のまるでツェッペリンがやってそうなスロー・ブルース系のバラードです。サビの女性コーラスがゴスペル的でもあります。
こんな渋い曲を90年代にシングル化するなんて!
5曲目”Sometimes Salvation”は、本作最後の6枚目のシングル曲です。キャッチーなギターリフが耳にこびりつくロック曲です。
6曲目”Hotel Illness”は、本作からの第一弾シングルになった曲です。まるでローリングストーンズ!なギターのイントロから渋いブルースハープが登場します。
歌終わりの最後の派手なギターソロがかっこいい曲です!
7曲目”Black Moon Creeping”は、ブルースハープとワウを聴かせたギターが絡み合うブギ調のイントロで始まる曲です。
サビの女性コーラスとクリスのやり取りがかっこいいです!
8曲目”No Speak No Slave”のイントロもまるでツェッペリン風です。
60年代~70年代ロックの良い部分を吸収しつつ自分たちの色に染めてオリジナルな楽曲に昇華しているのがブラック・クロウズの素晴らしいところですね。
9曲目”My Morning Song”はスライドギターのイントロで始まる6分を超える長尺曲です。
ライヴではもっと長くなる曲でもあります!
キャッチーなサビがクセになりそうな名曲です!
そして最後の10曲目にまさかのボブ・マーリーのカヴァー曲”Time Will Tell”でゆったりと終わります。
“Hard to Handle”は、オリジナルのオーティス・レディングを超える勢いでしたが、残念ながら”Time Will Tell”に関してはボブ・マーリーのオリジナルの方が良いですね。
最後のカヴァー曲が蛇足な気もしますが、ブラック・クロウズのオリジナル曲9曲は全て名曲です!
ブラック・クロウズを聴くならまずはこのアルバムから!
The Black Crowes – 『Amorica』
ビキニにアンダーヘアーのジャケットがインパクト強すぎますが、1994年にリリースされたこの3作目『Amorica』のアルバムの中身はいつも通りのサザン・ロック系です。
1曲目”Gone”は”Sting Me”の焼き直しのような曲です。
前作があまりにも名盤だったために、少しマンネリ感が出てきている感じもします。
2曲目”A Conspiracy”は、本作からの第一弾シングルになりました。
派手なワウギターのイントロで始まりねちっこいクリスの歌が始まります。
この曲もどことなく前作の”Remedy”を彷彿させます。
3曲目”High Head Blues”は第二弾シングルになった曲です。この曲辺りからこれまでのシングル曲と比べると少しずつパンチに欠けていってる気がします。
しかし次の4曲目は1stアルバムに収録されていた名曲”She Talks to Angels”に匹敵する名バラード曲の”Cursed Diamond”です。
この『Amorica』に収録された曲の中で、”Cursed Diamond”だけが飛びぬけていると思います!
僕も初めて『Amorica』を聴いた当時は、この”Cursed Diamond”ばかり繰り返し聴きました!
なぜこの曲がシングルカットされなかったのか?とても不思議です。
静かに歌い始めてサビでバックの演奏陣と共に盛り上がっていく高揚感が最高です♪
またリッチのスライドギターの音色もとても感動的です。ちなみに”Cursed Diamond”とは、”cursed”が「呪われた」の意味で「呪われたダイアモンド=持ち主には不幸が訪れる」という迷信に繋がっています。とにかく『Amorica』はこの曲を聴くためにある!
と言っても過言ではないぐらい名曲です♪
決して他の曲のクォリティーが低いってわけではないのですが、どうも2ndアルバムの焼き直しのような似た楽曲が多い気がします。
他には9曲目の3rdシングル”Wiser Time”やアルバム最後に名曲が収録されているパターンで11曲目の”Descending”なんかも素晴らしい曲です。
しかしやはり”Cursed Diamond”が飛びぬけて良い曲ですので、ぜひこの曲を聴いてほしいなって思います。
The Black Crowes – 『Three Snakes and One Charm』
どのバンドの何の作品なのかとってもわかりづらいシンプル過ぎるジャケットデザインで、これまた覚えにくい作品名を冠した1996年の4作目『Three Snakes and One Charm』です。
今回ご紹介する4作品の中では一番地味で暗い作品です。
しかし良い曲も多く収録されています。この次の5作目『By Your Side』ではポップになり過ぎているので、今になってみると、この4作目で僕の中でのブラック・クロウズは終わってしまったんだな~と感じます。
それ以降の『Lions』も悪くはなかったのですが、なんか違います。ここまでです!
1曲目”Under a Mountain”はキーボードの「キュイン!」という音からリッチのスライドギターが上昇するフレーズを弾いて始まります。
先のアルバムの”Sting Me”や”Gone”と似た感じではありますが、まだいつものブラック・クロウズです!
サビのコーラスも盛り上がります!
2曲目”Good Friday”は、アーシーなブルースハープとスライドギターが渋すぎるスロー・ブルース系の曲です。
良い曲ですが、こんな渋い曲が1996年にシングルカットされています。
アルバムからの2枚目のシングルです。
3曲目”Nebakanezer”はギターのノイズ音から少しコミカルなギターリフで始まる曲です。
サビ部分のコーラスとの絡みがゴスペル的でもありますね。
4曲目”One Mirror Too Many”も確かシングルカットされた曲です。実は僕が初めて買ったブラック・クロウズのシングルがこの”One Mirror Too Many”でした。
シングルジャケットのカラスの羽のデザインが気に入ったからです。曲の方もなかなか良い曲です♪
しかし次の5曲目”Blackberry”の方がかっこいい曲です!アルバムからの第一弾シングルになったのも納得のファンキーなロック・ソングです。地味な曲調が多い本作収録曲の中で一番楽しい曲です♪
そして6曲目になんと”She Talks to Angels”や”Cursed Diamond”並みのバラード曲”Girl from a Pawnshop”が収録されています!
これ以降の作品では見られなくなった、哀愁漂う名バラードです!
静かに始まって、サビで盛り上がっていき、最後は女性コーラスと共に盛り上がりが最高潮に達する…ブラック・クロウズのバラード曲にみられるいつもの王道パターンですが、名曲です。
次の7曲目”(Only) Halfway to Everywhere”も”Blackberry”のようにファンキーな曲です。
8曲目の”Bring on, Bring On”と9曲目の”How Much for Your Wings?”は、まるでレッド・ツェッペリンのアコースティックな3作目『Led Zeppelin III』に収録されていそうな感触の曲です。
そして10曲目の”Let Me Share the Ride”と11曲目の”Better When You’re Not Alone”ノリの良いキャッチーなロック・ソングです。
最後の12曲目”Evil Eye”は、ブラック・クロウズのアルバムの最後の曲は名曲パターンです!
アルバムの最後に素晴らしい曲を持ってくるのがこの時期のブラック・クロウズの特徴のような気もします。
先の3作品と比べると、アルバムジャケットのデザインも収録曲も地味になっていますが、”Blackberry”に”One Mirror Too Many”なんかのロック系の曲のクォリティーは高く、そしてブルージーな”Good Friday”や感動的なバラード曲”Girl from a Pawnshop”など、出来の良い曲はたくさんあります!
地味なアルバムだからこそ、もっと多くの人に聴いてもらいたいアルバムです。
以上、【絶対に聴くべきブラック・クロウズの初期の4枚のおすすめアルバム】のご紹介でした。
オールマン・ブラザーズ・バンドやレーナード・スキナードから影響を受けた70年代風のサザン・ロックを演奏するバンドですが、僕のレビューでも何度か出てきたレッド・ツェッペリンからの影響もかなり大きいと感じるバンドです。
そのためか?2000年にレッド・ツェッペリンのギタリストで実質リーダーでもあるジミー・ペイジと共演作を残してもいます。
『Live At The Greek』という作品で、基本的にレッド・ツェッペリンの楽曲をジミー・ペイジが参加したブラック・クロウズが演奏するという作品です。
このアルバムでついにデビュー作のタイトルにもなったエルモア・ジェームスの”Shake Your Money Maker”をカヴァーした演奏が収録されました!
クリスの声質がこの楽曲にピッタリなので、ぜひ聴いてみて下さい♪
しかしブラック・クロウズは、解散したのが本当に残念なバンドのひとつですね。
また再結成してロビンソン兄弟が仲直りしてほしいものです。
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