カテゴリー:Music

2020/12/09

ロニー・リストン・スミスのコズミックジャズファンク5作品+αを聴こう♪

マイルス・デイヴィスのバンドにも参加した名キーボード奏者ロニー・リストン・スミスの名作をご紹介します。

コズミックジャズファンク期の1973年~1976年までの5作品+αをご紹介します。

今回ご紹介するのは、70年代にコズミック(宇宙を感じさせるような壮大)なジャズファンク作品の名作を多く残したロニー・リストン・スミスというキーボード奏者のアルバムです。

 

このブログで何度かご紹介していたオルガン奏者のロニー・スミスとは別人になります。

 

オルガン奏者の方のロニー・スミスと名前を間違えられるといけないのでミドルネームの”リストン”をそのまま名乗っているようです。

 

ちなみにオルガン奏者の方は、近年ではドクター・ロニー・スミスと名乗っているので、これまたなんだかややこしいことに…。

 

2名ともこのブログを書いている2020年現在も健在でございます。

 

ドクターの方のロニー・スミスがオルガンを弾いているのに対して、こちらの”リストン”の方は、フェンダー・ローズ等のエレピを弾いているのが特徴的です。

 

土臭く熱いジャズファンクを演奏するドクターに対して、クラブジャズ世代にも受けの良い小洒落たフュージョン系のジャズファンクを演奏するのがロニー・リストン・スミスというミュージシャンでもあります。

 

またロニー・リストン・スミスは、三兄弟の長男として生まれました。

 

すぐ下の弟レイ・スミスは、兄弟の中では一番最初にザ・ジャーメルズというR&Bグループの一員としてミュージシャンデビューを果たしています。

 

三男にあたるドナルド・スミスは、長男のロニーのバンドにフルート奏者兼ボーカリストとして後に参加することとなります。

 

ちなみにこのドナルド・スミスも兄に負けず劣らずピアノの達人でした。

 

ア-ト・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの一員として来日公演を行ったこともある腕前です。

 

さて、今回の主役となるロニー・リストン・スミスの方は、ファラオ・サンダースやガトー・バルビエリにローランド・カーク等の一癖も二癖もあるジャズマンのバンドで演奏した後に、あのマイルス・デイヴィスのバンドにも参加しています。

 

そのマイルスバンド時代から徐々に自身の率いるコズミックジャズファンク・バンドのザ・コズミック・エコーズとして活動を始めています。

 

今回はそのザ・コズミック・エコーズ名義で1973年~1976年に制作した5作品とプラスアルファでライヴ盤をご紹介したいと思います。

 

それでは早速1973年のアルバムから順を追ってご紹介します。

 

ロニー・リストン・スミスのコズミックジャズファンク期5作品+α

Astral Traveling(星体遊泳)

 

マイルス・デイヴィスが72年に吹き込んだ衝撃の名作『On The Corner』の録音を経て自らのバンドザ・コズミック・エコーズ名義で1973年にリリースした『Astral Traveling』は、その後のアルバムほどダンサンブルでクラブライクなアルバムではありません。

 

どちらかというと、ファラオ・サンダースやマリオン・ブラウン、ゲイリー・バーツ等の70年代のアルバムかと思うぐらいにスピリチュアルで浮遊感漂う雰囲気を味わえる作品です。

 

ジョージ・バロンの吹く伸びやかなソプラノ・サックスが印象的な1曲目”Astral Traveling”は、アルバムタイトルにも選ばれた楽曲です。

 

ジータ・ヴァシが奏でるインドの打楽器タブラがなんとも幻想的な雰囲気を演出していますが、これは前年に参加したマイルスの 『On The Corner』の影響でしょうか!?

 

リストン・スミス自身が弾くエレピの音色も、邦題に使われた「星体遊泳」という言葉が言い得て妙なぐらいに浮遊感漂う演奏です。

 

続く2曲目”Let Us Go Into The House Of The Lord”では、まるでジョン・コルトレーンの晩年の名作(トレーンの死語に発売)『Stellar Regions』を思わせるスピリチュアルな楽曲です。

 

リストン・スミスの奏でるハープのようなエレピの音色は、アリス・コルトレーンを思い起こさせます。

 

夜空に浮かぶ星々を表現したかのような煌びやかなエレピをバックに、どこまでも澄んだトーンでソプラノ・サックスを吹き続けるジョー・ジ・バロン、そしてスピリチュアルジャズ好きにはお馴染みのベーシスト、セシル・マクビーのアルコの音がなんとも神秘的です。

 

そして「復活」と名付けられた3曲目”Rejuvenation”も同じようにスピリチュアルな演奏が続きます。

 

まるで神に捧げるかのような神秘的な楽曲の数々は、その後のダンサンブルな名作とは一線を画しています。

 

本作『Astral Traveling』に関しては、「コズミックジャズファンク」というよりも「スピリチュアルジャズ」と呼んだ方が適しています。

 

先に名前を挙げた、ファラオ・サンダースやマリオン・ブラウン等のスピリチュアルな作品がお好きな方にこそおすすめのアルバムです。

 

ジャズファンク好きの方は、ちょっと待っててね…。

 

次に行きましょう!

 

Cosmic Funk

ヌビアンファンク調のイナタいリズムで始まる表題曲の1曲目”Cosmic Funk”からして前作の『Astral Traveling』とは全く違ったアプローチで始まる1974年の作品です。

 

この1曲目から末の弟ドナルド・スミスが登場します。

 

喉が張り裂けんばかりのシャウトをかますドナルド・スミスの歌い方は、まるで何かに取り憑かれたかのようです。

 

2曲目にはウェイン・ショーターでお馴染みの新主流派時代の名曲”Footprints”のカヴァーが始まります。

 

前作に引き続きジョージ・バロンがソプラノ・サックスで参加しています。

 

セシル・マクビーに代わってベースをブイブイと弾くのはアル・アンダーソンです。

 

彼の参加こそが本作を「コズミックジャズファンク」たらしめた要因だと言えるぐらいファンクしています!

 

いや、これはもはやフォンクです!(わざと訛って発音して強調する表現です。)

 

3曲目”Beautiful Woman”からドナルド・スミスが再登場して歌を披露しています。

 

決して上手いとは言いがたいボーカルではありますが、謎の説得力を持った歌唱ですね。

 

その後2曲もコズミックな楽曲が続いた後、なんと最後にはジョン・コルトレーンの名曲”Naima”が始まります。

 

コルトレーンが最初の妻ナイーマに捧げた美しきバラード曲をドナルド・スミスが歌い上げます。

 

「永遠の女王、彼女は歴史を酔わせる、他に比べる人はいない特別な人」と綴られた歌詞は、愛する女性に捧げられたようにも感じられますが…もしかしたらこの彼女(she)という言葉は地球(earth)の事だと読み取れなくもないと感じます。

 

ヌビアンファンク調の曲で始まり、最後はスピリチュアルな名曲で終わる名作です♪

 

Expansions

今回ご紹介する5作品の中で、一番おすすめしたいアルバムがこの『Expansions』です。

 

なんといっても1曲目の”Expansions”に限ります。

 

その後のクラブ・ミュージックの生成に大きく影響を与えたであろうダンサンブルな楽曲は、この年を境に流行となるディスコ・ミュージックの更に先を行ったようなビートを持つ楽曲です。

 

今の時代にディスコ・ミュージックを聴くと、ちょっとした古めかしさを感じなくもないのですが…こちらの”Expansions”は、今も古びていない気がします。

 

前作でシャウトしていたドナルド・スミスのボーカルも成長を果たし、伸びやかなトーンで歌い上げています。

 

歌だけでなくフルートも吹き、末弟が大活躍する楽曲です。

 

この1曲目があまりにも名曲すぎて、他の楽曲が霞んでしまいそうにもなりますが…いやいや、それだけでないのが本作の素晴らしいところです。

 

セシル・マクビーのベースリフがスピリチュアルな雰囲気を感じさせる2曲目”Desert Nights”に、曲名通りに夏の開放的な気分を表した3曲目”Summer Days”、コズミックジャズファンク曲”Voodoo Woman”、そして2曲のバラード曲”Peace”と”My Love”と…全く捨て曲がない作品がこの『Expansions』です。

 

ザ・コズミック・エコーズ名義でリリースしたアルバムでは、間違いなく本作がベストな作品だと僕は思います。

 

5作品全てを聴くのが大変ならば…少なくともこの作品だけは聴いて欲しい!といった名作です。

 

Visions Of A New World

前々作『Cosmic Funk』を思い出させてくれるかのようなイナタいファンク曲”A Chance For Peace(平和の願い)“から始まる本作『Visions Of A New World』も、ロニー・リストン・スミスのコズミックジャズファンク期を語る上で外せないような名作です。

 

前作までにはなかったクワイエット・ストーム路線のジェントルでメロウな楽曲がここから登場し始めます。

 

そのもっともたる例が2曲目の”Love Beams”です。

 

「愛の光」という曲名通りに艶っぽいバラード曲です。

 

次の3曲目”Colours Of The Rainbow”と5曲目”Sunset”や8曲目”Summer Nights”も同路線のメロウな楽曲です。

 

そこにきて6曲目”Visions Of A New World (Phase I)”と7曲目”Visions Of A New World (Phase II)”は、本来のコズミックジャズファンク路線に戻ったかのような組曲です。

 

『Expansions』の次におすすめしたいロニー・リストン・スミスの良さが感じられる名作です。

 

Reflections Of A Golden Dream

個人的には「これじゃない感…」が強い1976年の作品『Reflections Of A Golden Dream』です。

 

前2作品が良すぎただけなのか?

 

これまでの集大成のようなコズミックジャズファンク曲やクワイエット・ストーム路線の楽曲が集められたアルバムではありますが、なんとも綺麗にまとまりすぎていて印象が薄い作品です。

 

バーで急にこの作品が流れてきたら「これって誰のアルバムだっけ?」と僕はなりそうです…。

 

今回ご紹介する中で一番最後に聴くべきアルバムです。

 

まずは先にご紹介した名作4種類を確実に聴いてからにしましょう!

 

以上、5作品にプラスアルファして、名ライヴ作品をご紹介したいと思います。

 

Live!

1977年にニューヨークはブルックリンにあるスマッカーズ・キャバレーで行われたライヴを収録したアルバム『Live!』です。

 

なんといっても3曲目”Expansions”のライヴバージョンを聴くことが出来るのが一番の魅力です。

 

この1曲のためだけに買ってもいいぐらいに熱い演奏です!

 

特にアル・アンダーソンのブイブイとグルーヴするベースが堪りません!

 

4分4秒辺りから始まるベースソロは、全ベーシスト必聴の熱い演奏ですよ♪

 

もちろんリーダーであるリストン・スミスも火を噴くようなアドリヴソロを弾きまくっています!

 

異様にテンションの高い演奏に、客席の歓声もどんどんと大きくなっていき、まさにライヴ作品の醍醐味を楽しめるアルバムとなっております。

 

その勢いのままなだれ込むクワイエット・ストーム路線なメロウ曲”My Love”も素晴らしい出来です。

 

特にドナルド・スミスのボーカルが輝きを増しています。

 

更には驚異のアップテンポ・バージョンへと進化した6曲目”Visions of a New World (Phase Two)”も客席の歓声の大きさと共に演奏陣のテンションも最高潮へと達しています!

 

あれ?これはもしかしたら今回ご紹介したかった本来の5作品よりもこのライヴ盤を一番に聴いてもらった方がいいのかも…!?

 

とここまで書いていて自分で思い返してしまいました。(笑)

 

やはり音楽は「生もの」なんですよね♪

 

以上、『ロニー・リストン・スミスのコズミックジャズファンク5作品+αを聴こう♪』でした。

 

ジャズファンク好きの方でこれまでにロニー・リストン・スミスを聴いたことがなかったよ…という方への参考となれたら幸いです。

 

個人的には”Expansions”は、ぜひとも全音楽ファンにおすすめしたい名曲です♪

 

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