2017/12/07
リンダ・ロンシュタットがカヴァーしたおすすめの泣ける名曲バラード【4選】
リンダ・ロンシュタットの泣ける名曲 カヴァー【4選】
リンダ・ロンシュタットについて
リンダ・ロンシュタットは、米国のアリゾナ州出身の実力派歌手です。
元はと言えばストーン・ポニーズというスリーピースバンドでフォークロックを歌っていました。
しかしそのストーン・ポニーズはあまりヒットもせずいつの間にかバンドは消滅してリンダはソロ歌手としてのキャリアを歩むこととなりました。
その後、1969年辺りにソロ歌手としてデビューを果たしています。
もともと歌唱力の高い実力派で人を引き付けるような魅力的な美声の持ち主だったのでソロデビューもすんなりといき、1974年には”You’re No Good(悪いあなた)”が全米1位の大ヒットを記録して一気にブレイクしました。
またミック・ジャガーやジェームス・テイラー、ジャクソン・ブラウンなどの数多くの天才ミュージシャンとの(音楽的…もしくはそれ以上の…)交流もありました。
こういった「恋多き女」な感じは今でいう所のテイラー・スウィフトみたいなもんでしょうか?
まぁそれは良いとして彼女の最初のヒット曲である”You’re No Good(悪いあなた)”は、ベティ・エヴェレットの1963年の曲のカヴァーなのですが、リンダは他にも多くの曲をカヴァーしています。(もしくは曲を提供してもらってる。)
ローリング・ストーンズの”Tumbling Dice(ダイスをころがせ)”は、ミックがリンダのことを書いた曲だという噂もありますが(真偽はわかりません。)この曲もリンダ自身がカヴァーもしています。
リンダはカヴァー曲や人から提供してもらった曲を彼女の色に染めて歌いこなす名人だと思います。
そんなリンダ・ロンシュタットの魅力的なカヴァー曲の中で、今回は個人的に泣けるようなグッとくる名曲を4曲選んでみました。
01.Willin’
この曲のオリジナルはリトル・フィートの故ローウェル・ジョージ作の名曲です。
リンダのバージョンは1974年の『Heart Like A Wheel(悪いあなた)』に収録されています。
この物哀しいメロディーに美しいギターの音色
間違いなく名曲ですね!
リンダもお気に入りだったのか?上記のライヴ映像のようにステージ上でも何度も歌われていたようですね。
こちらの1976年のコンサートを収録したアルバムではタイトルにも『Willin’ In L.A.』と”Willin'”が使われています。
リトル・フィートのバンド自体はメンバーが変わりつつも今も活動を続けていますが、このバンドはもともとローウェル・ジョージが結成したバンドであってやはり彼のいた時代が最も素晴らしい作品ばかりでした。
知ってる人は知ってるけど知らない人は全く知らないって感じなんですが、実はローウェルの影響力って凄くって日本の色んな大物有名ミュージシャンがパクry…影響受けています。
その辺は今回の話とは関係ないのであえてこちらには載せませんので各自探してみて下さい。
さて、この曲が最初に収録されたのはリトル・フィートの1971年発表の1stアルバム『Little Feat』でした。
このアルバム収録の”Willin'”では、なんと名手ライ・クーダーがスライドギターを弾いています!
ローウェル自体もかなりのスライドギターの名手なのですが、ライ・クーダーは短いフレーズでも存在感抜群です!
ただ、この頃のローウェルの歌い方はまだイマイチなんですよね。
しかしその後1972年リリースのリトル・フィートを代表する名盤『Sailin’ Shoes』に再録し直して収録された”Willin'”は決定版ともいえるような素晴らしいバージョンです!
間奏でのビル・ペインのピアノの美しいメロディーにローウェルのスライドギター、それに曲全体で聴けるゲスト参加のスニーキー・ピート のスティール・ギターの印象的なバッキング…またローウェルの歌声も1stの頃よりもより一層深みを増しています。
リンダの歌声も最高なのですが、不器用だけれどもローウェルの歌声には何度も聴きたくなるような不思議な力が秘めているように感じられます。
どこか物哀しくって、でも暗くはなく少しの希望が見えてくるようで…。
さて、この曲はどちらのアルバムでも5曲目にこの名曲”Willin'”が収録されているのですが、何か理由とかあるのでしょうか?たまたま?
ちなみにこの曲のローウェルがいた時代のライヴ音源で決定版は下記になります。
このライヴ盤はリトル・フィートの最高の瞬間を収めた名盤ですのでぜひ!
02.The Tattler
さっきのリトル・フィートの名曲の初期バージョンでスライドギターを弾いていたライ・クーダーの名曲”Tattler”です。
リンダのバージョンは、1976年の作品『Hasten Down the Wind(風にさらわれた恋)』の2曲目に収録されています。
しっとりと歌い上げるリンダの歌声に魅了されます♪
ライ・クーダーのバージョンは1974年リリースの『Paradise & Lunch』の2曲目に収録されています。
ちなみにこの曲の邦題は「おしゃべり屋」です。
どちらのアルバムでも2曲目に収録されているので「2曲目に最適な曲」なんでしょうか?
03.Hasten Down The Wind
3曲目は先ほどの”Tattler”と同じく1976年の作品『Hasten Down the Wind(風にさらわれた恋)』の6曲目に収録されていたアルバムのタイトル曲です。
この曲もまたスローテンポで悲しいメロディーラインが心に染みる名曲だと思います。
オリジナルは、あのボブ・ディランやジャクソン・ブラウンも惚れた不世出の天才シンガーソングライターの故ウォーレン・ジヴォンの曲です。
1976年の『Warren Zevon(さすらい)』の4曲目に収録されていた名曲です。
ウォーレン・ジヴォンもまた渋くどこか哀愁のある歌声が魅力的で、バラードでの歌唱は特に胸に染みます。
04.Carmelita
最後にご紹介するのはこれまたウォーレン・ジヴォンの『Warren Zevon(さすらい)』に収録されていた曲をリンダがカヴァーした”Carmelita”です。
この曲のリンダのバージョンは1977年の彼女の代表作『Simple Dreams』の2曲目に収録されています。
さすがにこういったカントリー調の曲を歌うリンダの歌声は絶品ですね♪
この曲のオリジナルはウォーレン・ジヴォンの1976年の『Warren Zevon(さすらい)』の9曲目に収録されています。
この名曲は他にも様々な人がカヴァーしています。
例えば、カントリーシンガーのドワイト・ヨアカムがアコーディオン奏者のフラコ・ヒメネスと共演した際にも取り上げています。
下記のアルバムに収録されています。
また変わったところでは、まさかのハードコア・ク●パンク野郎のGGアリンも歌っています。
これはあまり知られていないのかも!?
1994年のアルバム『Carnival of Excess』に収録されています。
こうやって色んなジャンルを聴いてリンクさせていくと、1人のミュージシャンから様々なルーツが見えてきたりしてより一層面白くなりますね。
以上、今回も話が脱線しまくってしまいましたが(笑)リンダ・ロンシュタットがカヴァーした名曲で個人的にグッとくるお勧めの4曲を選んでみました。
なんだかんだでどの曲もリンダの歌声で聴くのが一番なんですけどもね♪
ぜひリンダ・ロンシュタットの名作をこの他にも色々と聴いてみて下さい。
番外編
上記の4曲以外でリンダのカヴァー曲で面白いものをもう1つ。
1982年のアルバム『Get Closer』の10曲目に収録されていた “Tell Him”です。
この曲のオリジナルはエキサイターズの1962年の曲です。
下記のベストアルバムに収録されています。
ちなみに1990年代後半になってこの曲は米国ドラマ好きの人に有名になりましたね。
そう、大ヒットドラマの『アリー my Love』でヴォンダ・シェパードが1998年に挿入歌として歌っていました。
上記のエキサイターズのオリジナルやリンダのバージョンほど溌剌とはしていないのですが、大人な雰囲気のドラマ『アリー my Love』にピッタリの少し落ち着いたトーンの歌い方ですね。
その辺はヴォンダ・シェパードの歌い方にもよるところでしょうが…。
下記のアルバムに収録されています。
Songs From Ally McBeal Featuring Vonda Shepard (Television Series)
こういったオールディーズの曲を次の世代の人たちが様々に取り上げていくのも音楽の面白いところですね。
またそのうち別の記事で、様々なカヴァー曲のオリジナルや他ジャンルのカヴァーなどをまとめてみたいと思います。
追記
ところでウォーレン・ジヴォンは日本ではそれほど知名度がないような気もしますが(そうでもない?)多くのミュージシャンに愛された天才です。
僕はウォーレン・ジヴォンの書く物哀しいバラード曲が大好きなんです。
なのでもっと多くの人にウォーレン・ジヴォンを聴いてほしいので、そのうちブログ記事でも取り上げてみたいと思います。
ウォーレン・ジヴォンの1976年の名盤『Warren Zevon(さすらい)』には上記でご紹介した”Hasten Down The Wind”や”Carmelita”以外にも”The French Inhaler”という名バラードも収録されていますのでぜひこのアルバムを聴いてみて下さい。
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