カテゴリー:Music

2019/04/12

マーカス・ミラーもプリンスも認めた新世代のトランぺッター リー・ホーガンズの『What We Play Is Life』を聴こう♪

新世代の天才トランぺッター リー・ホーガンズのジャジー・ヒップホップなアルバム『What We Play Is Life』を聴こう♪

あのマーカス・ミラーもプリンスも認めた天才トランぺッター!

今回は、2015年にリリースされたリー・ホーガンズの2作目のアルバム『What We Play Is Life』をご紹介します。

 

若手トランぺッターのリー・ホーガンズは、幼い頃から兄の影響でロックやヒップホップを聴いていたようです。

 

そのため、基本はジャズを演奏するトランぺッターなのですが、今どきの他のミュージシャンと同じようにジャズ以外の要素も含まれた楽曲を演奏しています。

 

そういったひとつの音楽ジャンルの枠にとらわれない様なプレイ・スタイルから、他ジャンルのミュージシャンとの共演もこれまでに数多くこなしています。

 

まず目立つのが、マーカス・ミラーが2012年にアルバム『Renaissance』をリリースして以降、マーカス・ミラー・バンドのレギュラー・メンバーとして活動するようになりました。

 

それ以前にも、ジェームス・ブラウンやP-ファンク軍団でサックスを吹いたファンク界の大御所メイシオ・パーカーのツアー・メンバーに抜擢されています。

 

その繋がりからか、プリンスのニュー・パワー・ジェネレーションに2007年から2009年にかけて参加していました。

 

そしてヒップホップからの影響も受けているトランペッターだけあって、ヒップホップ界の重鎮ジェイ・Zとも共演しています。

 

ジェイ・Zが2009年にリリースした名作『The Blueprint 3』のツアー・メンバーにも抜擢されています。

 

これだけでも十分すぎるぐらい凄い経歴なのですが……他にもネオ・ソウル界のディーバであるジル・スコットやヒップホップ・クイーンのミッシー・エリオットにイギリス出身のDJマーク・ロンソンなど様々なミュージシャンと共演しています。

 

こういった経歴からも、リー・ホーガンズはどんなジャンルの音楽にも柔軟に対応できる天才トランぺッターだと言えますね。

 

もちろんトランペットの腕前も一流です!

 

 

ロイ・ハーグローヴを思わせる演奏スタイル⁉

 

そのオシャレな出で立ちやヒップホップとの融合などから、どうしてもロイ・ハーグローヴを彷彿させますが……どことなくプレイ・スタイルも似ているような感じがします。

 

派手にハイトーンを出したり、速弾きをしたりするのではなく、無駄を省いた少ないフレーズでシンプルに演奏するタイプだと思います。

 

その分、演奏する楽曲に適したメロディーを奏でるので、「テクニックを聴くだけ」にならず「今演奏している音楽全体を聴く」ことが出来ます。

 

テクニカルなプレイヤーは、見た目にも派手で初見での驚きも多いかと思います。

 

ただ彼らの演奏する楽曲は、「単なるシンボル」であって、別にどの楽曲を演奏しても「ソロを吹くための道具」と感じてしまうことがたまにあります……。

 

しかしこのリー・ホーガンズにロイ・ハーグローヴや古くはマイルス・デイヴィスのような見せかけのテクニックに頼るのではないトランぺッターは、「まずは楽曲ありき」の演奏をしています。

 

なので、楽曲が単なるシンボルにならずに、どれもが色彩豊かな個性を持っているように聴こえてきます。

 

そういった観点からも、僕はこういったトランぺッターが好きです。

 

またマイルスやロイとの共通点に、『従来のストレート・アヘッドなジャズだけに留まらない柔軟な音楽性』があります。

 

彼らの演奏する『ジャズ』には、多くの言語が含まれています。

 

「スウィングしなけりゃ意味ないね!」ではありません!

 

彼らの作り出す音楽は、「4ビートだけじゃなくって、8ビートでも16ビートでもブレイク・ビーツでも何でも来い!」という「向かうところ敵なし」感に溢れています。

 

そういったどんなジャンルのリズムにも対応できるミュージシャンこそ本当に聴くべきアーティストですよね。

 

それでは、新世代の天才ジャズ・トランぺッターのリー・ホーガンズの2作目のアルバム『What We Play Is Life』をご紹介します。

 

 

Lee Hogans – 『What We Play Is Life』

 

01.What We Play Is Life (Intro)
02.Groove
03.For Her
04.1172 Bounce
05.Against All Odds (Featuring Misha Fair)
06.Hustler’s Anthem
07.The Way Of Chuang Tzu (Featuring Marcus Miller)
08.Gemini
09.Children Of The Night
10.Untitled
11.99 1/2 Won’t Do
12.URSoul (Featuring John Robinson)
13.Roots And Rhythm
– Bonus Tracks for Japan
14.Gemini Reprise
15.Soul Fiesta

 

アルバムの内容

まるでマイルス・デイヴィスの『On The Corner』や、ロイ・ハーグローヴのRHファクターの作品のようなストリート感覚が漂うなアルバム・ジャケットのデザインですね。

 

アルバムのタイトルも『俺たちの演奏している音楽は人生そのもの』というのもストリートで生活する人々を表現しているかのようです。

 

収録された楽曲も、従来のジャズの枠を超えたネオ・ソウルやジャジー・ヒップホップ系の楽曲が並びます。

 

9曲目のウェイン・ショーターの楽曲”Children Of The Night”以外は全てリー・ホーガンズのオリジナル曲になります。

 

また本作には豪華なホーン隊やボーカリストなど数多くのミュージシャンが参加して制作されているのですが、なんと1曲のみですがマーカス・ミラーがベースで参加しています!

 

というわけで、マーカス・ミラーがお好きな方にも本作はおすすめのアルバムとなっております♪

 

さて、1曲目”What We Play Is Life (Intro)”は、挨拶代わりのヒップホップ作品です。

 

と言っても、女性や男性の声が入った語りこそありますが、ラッパーが登場してライムをまくしたてるようなことはありません。(本作では1曲のみラップが入った曲がある程度です。)

 

あくまでもヒップホップ風のブレイク・ビーツを使用しているだけで、控えめでうるさくないRHファクター風のオシャレなサウンドです。

 

どうしても「ヒップホップ」というと、過激で暴力的な「ギャングスタ・ラップ」を想像して敬遠する方が今でもいらっしゃったりしますが……もう少し「ヒップホップ」に対するイメージを変えてもらえたらな……と思うことがたまにあります。

 

僕が知り合いやバンド・メンバーにおすすめのヒップホップ作品を紹介する際にも「え……ヒップホップ聴くんですか?やかましくないですか?」とか言われることがたまにあります。

 

多分彼らは「ギャングスタ・ラップ」を想像してるんだと思うのですが、僕が聴くのはコモンやア・トライブ・コールド・クレストやザ・ルーツなんかの『ジャズ』の要素が見え隠れするヒップホップです。

 

何も「アッパーで攻撃的」ばかりなのがヒップホップではありません!

 

同じことはファンクでも言えますね。

 

アース・ウィンド&ファイヤーやタワー・オブ・パワーのような「アッパーなファンク」もあれば、70年代以降のスライのような「ダウナーでクールなファンク」もあります。

 

僕の好きなヒップホップは、後者のような「ダウナーでクールな」ものです。

 

リー・ホーガンズのこの作品も「アゲアゲ」なノリのものではありません。

 

RHファクターの系譜を継いだ「クールなヒップホップ」です。

 

このイントロの1曲目からそういった「クールなヒップホップ」を聴くことが出来ます。

 

次の2曲目”Groove”は、2012年にデジタル配信でリリースされていたシングル曲です。

 

この曲は、YouTubeの公式チャンネルでも観ることが出来ます。

 

バックの演奏がヒップホップ的ではありますが、割とメロディー部分はオーソドックスなジャズ風だったりもしますね。

 

ジャジー・ヒップホップというと「ヒップホップ」と付く言葉だけで敬遠する方もいらっしゃいますが……メロディー部分はそのままでリズムを変えたら普通にジャズになります。

 

この楽曲のリズム部分を変えてハードバップ風に演奏することも出来ると思います。

 

なので、リズムが変わっただけで「これはジャズではない!」というのは……何か違う気がします。

 

音楽というのは時代に合わせて進化するのが当たり前だと思いますので、偏見を捨ててオープンマインドで聴きたいものですね♪

 

ピアノのイントロが美しい次の3曲目”For Her”は、歌こそ入っていませんが……ネオ・ソウル系のバラード曲です。

 

ディアンジェロやエリカ・バドゥの楽曲のようなドラムのリムショットで始まる4曲目”1172 Bounce”もネオ・ソウル系の楽曲です。

 

この辺は、モロにRHファクターからの影響を感じますね。

 

いやRHファクターというよりも、ロイ・ハーグローヴも参加していたソウルクエリアンズ系統ですね。

 

5曲目”Against All Odds”は、フィル・コリンズの有名なバラード曲とは全く別物です。

 

ミーシャ・フェアという女性シンガーがゲストで参加しています。

 

どことなくジル・スコットやアンジー・ストーンを思い起こさせます。

 

もちろんリー・ホーガンズのトランペット・ソロもフィーチャーされています。

 

6曲目”Hustler’s Anthem”もこれまたRHファクター風のジャジー・ヒップホップ曲です。

 

そして次の7曲目”The Way Of Chuang Tzu”には、なんとベースでマーカス・ミラーが参加しています!

 

しかもベースだけでなくイントロのバス・クラリネットを吹くのもマーカス・ミラーです。

 

もちろんマーカスのベース・ソロも聴ける本作一番の聴きどころともいえる楽曲です♪

 

出来ればアルバム全部でベースを弾いて欲しかった……ですが、それじゃー製作費が足りなくなりますよね。(笑)

 

マーカスの卓越したベースを堪能した後は、再びジャジー・ヒップホップな8曲目”Gemini”が続きます。

 

女性コーラスが参加したシティ・ソウル風のアーバンな楽曲です。

 

9曲目のウェイン・ショーターの”Children Of The Night”もアート・ブレイキーのハードバップ調のドラミングからブレイク・ビーツに変わって演奏されています。

 

この曲でも言えることなのですが、やはりリズムが変わっても本質は『ジャズ』なんですよね。

 

と言ったわけで、「ヒップホップ」という言葉に偏見を持たずに楽曲の持つハーモニーやメロディーをしっかりと感じ取って聴きましょう♪

 

次の10曲目の”Untitled”が、なぜその曲名なのか?それとも元から曲名を付けなかったのか?はわかりませんが……こちらはネオ・ソウル系のバラード曲です。

 

ネオ・ソウルと言っても幅広いもので、この曲はディアンジェロやエリカ・バドゥではなく、まるでエリック・ベネイやジャヒームが歌いそうなソウル・バラッド系の楽曲です。

 

更に11曲目の”99 1/2 Won’t Do”は、ミュージック・ソウルチャイルドが歌いそうなキャッチーなメロディーを持つネオ・ソウル曲です。

 

『ヒップホップ』が幅広い音楽性を持つように『ネオ・ソウル』も演奏するミュージシャンによって全く異なった音楽性を持っていますよね。

 

こういった幅広さこそが、様々なジャンルの音楽を聴いていて飽きない部分だと思います。

 

どれもが同じだと、すぐに飽きてしまうと思います。

 

12曲目”URSoul”は、本作唯一のラップ曲です。

 

北アイルランド出身のDJジョン・ロビンソンがラップを披露しています。

 

僕は普通にラップも好きなのですが……もしかしたらこういった楽曲は「ジャズを期待して聴いた人」には受けが悪いのかもしれませんね。

 

本編最後の13曲目”Roots And Rhythm”は、どことなくRHファクターの”Out of Town”を思わせるようなアグレッシブな楽曲です。

 

逆にヒップホップの要素が薄いので、最後のこの曲の方が聴きやすいという方もいるかもしれませんね。

 

さて、日本盤には2曲のボーナス・トラックが収録されています。

 

まず14曲目の”Gemini Reprise”は、8曲目の”Gemini”の短いバージョンのような感じです。

 

この曲は8曲目とそこまで変わらないのであまりありがたみはありませんが……15曲目の”Soul Fiesta”は、ギター・ソロも活躍するラテン風味のジャジー・ヒップホップ曲です。

 

これは本編に収録されていても違和感のない出来だと思います。

 

ジャジーなギター・ソロがお好きな方には、この”Soul Fiesta”が収録されている日本盤をおすすめします!

 

 

 

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
おすすめ曲は、#2 #4 #7 #8 #13 #15

 

 

以上、【マーカス・ミラーもプリンスも認めた新世代のトランぺッター リー・ホーガンズの『What We Play Is Life』を聴こう♪】でした。

 

これまで『ジャジー・ヒップホップ』の『ヒップホップ』という言葉だけでこういった作品を聴かず嫌いになっていたという方にも、ぜひおすすめした作品です。

 

この『What We Play Is Life』から『ジャジー・ヒップホップ』を聴き始めましょう♪

 

 

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