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カテゴリー:Music

2019/02/11

デイヴィッド・T.・ウォーカーのメロウな傑作!1976年の『On Love』を聴こう♪

数多くのセッションでギターを弾いた名セッションギタリストのデイヴィッド・T.・ウォーカー

デイヴィッド・T.・ウォーカーのメロウな傑作1976年リリースの『On Love』をご紹介します。

前回に引き続きデイヴィッド・T.・ウォーカー(以下:デビT)の作品をご紹介したいと思います。

 

前回ご紹介していた1973年の最高傑作『Press On』の次の作品になります。

 

デイヴィッド・T.・ウォーカーの最高傑作⁉1973年の名盤『Press On』を聴こう♪

今回は『Press On』のリリースから約3年後の1976年に制作されたメロウな傑作『On Love』をご紹介します。

 

この作品は、1970年代にデビTが所属していたOde(オード)レーベルでの最終作となります。

 

デビTのソロアルバムとしては6作目です。

 

その後、1980年代に入ってから現代に至るまでに10作品ほどリリースしていますが、どれもレーベルが違っていたりしてサウンドも変化していきます。

 

デビTのギタープレイこそブレはないものの、やはりレコーディングの環境や時代性の変化と共に、バックの演奏陣のサウンドが変わったりします。

 

その点、1971年の名作『David T. Walker』から始まるOde(オード)レーベル時代の3作は、どれもサウンドに統一感があって、3枚を通して違和感なく聴けます。

 

これらの1971年の『David T. Walker』、1973年の『Press On』、そして今回ご紹介する1976年の『On Love』をまとめて『Ode(オード)3部作』と呼んでも良いと思います。

 

それぐらいサウンドや取り上げる楽曲に共通点があるからです。

 

しかしだからと言って、この3作が全て内容か?と言われると……そこは違います。

 

僕のイメージでは、『David T. Walker』は”ポップ”で『Press On』は”ファンキー”、そしての『On Love』は”メロウ”だと感じます。

 

そういったわけでこれらの作品を、その日の気分に合わせて聴くと良いと思います。

 

元気を出して明るい気分になりたい日には『David T. Walker』で!

 

天気も良く朝からノリの良い気分で行きたい日には『Press On』で!

 

曇り空や雨の日、もしくは少し落ち着きたい日には『On Love』で!

 

みたいな感じがあっているのかな?と思ったりもします。

 

それでは、『On Love』のご紹介をしたいと思います。

 

 

David T. Walker – 『On Love』

01.On Love
02.I Wish You Love
03.Lovin’ You
04.Our Lives
05.Windows Of The World
06.Feeling Feeling
07.Kinda Sorta
08.Let Me In Your Life
09.I Get High On You

 

Personnel:
David T. Walker – Lead Guitar
Ray Parker – Rhythm Guitar on Tracks: 03, 04, 09
Jerry Peters – Piano on Tracks: 01, 05 to 08
Joe Sample – Piano on Tracks 02, 04, 09
Gary Coleman – Synthesizer on Tracks: 02 to 04, 09
Chuck Rainey – Bass on Tracks: 05, 07, 08
Wilton Felde – Bass on Tracks: 01 to 04, 06, 09
Ed Greene – Drums on Tracks: 02 to 04, 09
James Gadson – Drums on Tracks: 01, 05 to 08
Bobbye Hall – Percussion On Tracks: 01, 05 to 08

 

With Backing Vocals

 

Recorded: at A&M Recording Studios.
Released: 1976.

 

アルバム参加メンバー

基本的には前3作と同じようなミュージシャンが参加しています。

 

ピアノにベースやドラムなどは、曲によってメンバーが変わっています。

 

ジョー・サンプルが2曲目4曲目9曲目でピアノを弾き、それ以外の曲ではジェリー・ピータースがピアノを弾いています。

 

チャック・レイニーは5曲目7曲目8曲目でベースを弾いており、それ以外の曲ではウィルトン・フェルダーがベースを弾いています。

 

ドラムも、2曲目3曲目4曲目8曲目をエド・グリーンが叩いていて、それ以外の曲ではジェームス・ギャドソンがドラムを担当しています。

 

また本作ではサイドギタリストとして、レイ・パーカーJr.が3曲目4曲目9曲目に参加しています。

 

デビTとレイ・パーカーJr.は、マーヴィン・ゲイやレオン・ウェアなどの多くの作品で共演している仲です。

 

参加メンバーだけでなくアルバムジャケットも、当時のブラック・ミュージック系に多い「エロジャケ」なのが目をひきますね。

 

それこそレオン・ウェアの1976年の作品『Musical Massage』のようでもあります。

 

デイヴィッド・T.・ウォーカーの参加したおすすめの歌物アルバム3選!

 

 

CD屋さんで購入する時にちょっぴり恥ずかしくなりそうなエロジャケですが、中身はそんなエロくないのでご安心ください。(笑)

 

デビTのギタープレイがあまりにメロウで艶っぽいのでエロジャケになった……ということで。(笑)

 

ちなみに裏ジャケには、まだ若かった頃のてんこ盛りアフロ時代のデビTの写真が掲載されています。

 

ギブソンのバードランドを手にしているのも懐かしさを感じます。

 

この時代のデビTのメインギターでした。

 

それではアルバムの中身の方も見ていきましょう。

 

 

 

 

アルバムの内容

本作からデビTのワウペダルが登場しなくなります。

 

もちろんこれは、「ワウギターがない=ファンキーな楽曲が少なくなる」……ということにも繋がります。

 

ワウギター好きの僕としては、ワウ名人のデビTのワウ演奏が聴けないのは残念ではありますが……しかし本作以降は更にメロウなギター演奏のクォリティーが上がっていきます!

 

前作『Press On』の”With A Little Help From My Friends”や”Superstition”のようなファンキーなカッティングが聴ける楽曲は減ったけれども、本作収録曲はゆったりとしたメロウな楽曲は増えています。

 

ということは、デビTの本来のギターの「音」をより楽しめる作品だとも言えます。

 

まずは1曲目”On Love”から始まります。

 

アルバムタイトルにもなったこの曲はデビT自身の作曲です。

 

アルバム1曲目からメロウな世界観が始まります。

 

ゆっくりと丁寧にコード音を弾き始め、ハープ奏法から独特のダウンチョーキングまで……これほどまでにメロウな演奏をするデビTは、今までになかったほどです!

 

ちなみにこの曲は、ライヴでは”Lovin’ You”のイントロとして弾くことがあります。

 

“On Love”のイントロを短く弾いた後に”Lovin’ You”に繋げるいった感じです。

 

その様子は2007年にリリースされた映像作品『LIVE IN TOKYO AT COTTON CLUB』で観ることが出来ます。

 

 

メロウな1曲目の次は1964年にグロリア・リンがヒットさせた”I Wish You Love”です。

 

この曲は女性コーラス入りです。

 

そして3曲目”Lovin’ You”は、もちろんミニー・リパートンの有名曲のカヴァーです。

 

これ以降、”Lovin’ You”はデビTの得意曲となりました。

 

僕も過去に何度かデビTのライヴを観に行ったことがあるのですが、毎回”Lovin’ You”を演奏してくれました。

 

先の映像作品の『LIVE IN TOKYO AT COTTON CLUB』でも観ることが出来ます。

 

ミニー・リパートンの歌メロをギターに変えてインストで演奏しているのですが、本当に「ギターが歌っている!」かのような名演ですので未聴の方はぜひとも聴いて頂きたい曲です。

 

ライヴ演奏などでは、デビT流のメロウなオクターヴ奏法が登場します。

 

前作『Press On』の7曲目”I Who Have Nothing”でも登場していた、5弦の音とそこから2フレット下がった2弦の音で弾くオクターヴ奏法です。

 

通常のウェス・モンゴメリーもようなオクターヴ奏法ではなく、この場合はピックは使わずに5弦を親指で、2弦を中指で摘まむように弾きます。

 

こうすることで、通常のパワフルなオクターヴ奏法とは違ったメロウなオクターヴ奏法を弾くことが出来るんです。

 

この奏法を”Lovin’ You”のライヴ演奏時に披露することもあります。

 

ちなみに”Lovin’ You”のライヴ音源は、デビTが山岸潤史さんと一緒に90年代にやっていた『Band of Pleasure』のライヴ盤『Live At Kirin Plaza』で聴くことも出来ます。

 

 

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Ryo
本作の一番の聴きどころは
やはりこの”Lovin’ You”です♪

 

次の4曲目”Our Lives”もミニー・リパートンが歌った曲です。

 

ミニー・リパートンの原曲のようにスティーヴィー・ワンダーのハーモニカはありませんが……うっとりするとようなメロウさは同じぐらいです!

 

5曲目”Windows Of The World”は、バート・バカラックとハル・デヴィットが書いた曲で、ディオンヌ・ワーウィックが1967年に歌った曲です。

 

後にバート・バカラックの曲ばかりを取り上げた作品をリリースすることになるデビTなのですが、この頃からバカラックの楽曲との相性は抜群です!

 

これまでに数多くのバカラック作品をデビTは取り上げているのですが、どれも名演と言えます!

 

この”Windows Of The World”も、デビTがギターで演奏するために作られた楽曲なのでは?と勘違いしてしまいそうなぐらいにデビTのギタープレイにぴったりの楽曲です。

 

“Lovin’ You”と同じく本作のハイライトのひとつです♪

 

6曲目”Feeling Feeling”と7曲目”Kinda Sorta”は、共にデビTの書いた曲です。

 

お得意のハープ奏法満載の”Feeling Feeling”と、ダブルストップ音をクロマチックで下降していくお得意のフレーズで始まる”Kinda Sorta”共にデビT印の名演です♪

 

8曲目”Let Me In Your Life”は、ビル・ウィザーズの曲です。

 

後にアレサ・フランクリンやエスター・フィリップスなども取り上げた美しいバラード曲です。

 

デビTは、序盤こそゆったりとした演奏をしているのですが、途中からテンポアップしてポップに演奏しています。

 

そしてアルバム最後の収録曲となる9曲目の”I Get High On You”は、スライ&・ザ・ファミリー・ストーンの創始者であるスライ・ストーン(シルヴェスター・スチュアート)が1975年にリリースした1stソロ・アルバムの『High on You』に収録されていたファンキーな曲です。

 

メロウな楽曲が続いた本作でしたが、最後の締めはホーン隊も参加したファンキーな曲で締められています。

 

ワウペダルやキレッキレのカッティングは出てきませんが、それでも十分ファンキーな演奏です♪

 

 

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Ryo
おすすめ曲は、#1 #3 #5 #6 #9

 

 

以上、【デイヴィッド・T.・ウォーカーのメロウな傑作!1976年の『On Love』】のご紹介でした。

 

『David T. Walker』と『Press On』と合わせて1970年代のOde時代の3部作として、本作『On Love』も外せないアルバムだと思います。

 

特にデビTのライヴで毎回のように演奏される”Lovin’ You”が収録されているので見逃せません!

 

デビTの作品群の中でも特にメロウな『On Love』もおすすめです♪

 

 

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