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カテゴリー:Music

2022/06/10

ソウライヴのリーダー アラン・エヴァンスが架空の映画『ザ・ビッグ・ワン』のサントラをコンセプトに制作した『Crushed Velvet & The Velveteers』を聴こう♪

ソウライヴのリーダーでドラムを担当するアラン・エヴァンスが架空の70年代ブラックスプロイテーション・ムーヴィー『ザ・ビッグ・ワン』のサントラをコンセプトに制作した2011年の作品『Crushed Velvet & The Velveteers』をご紹介したブログ記事のタイトル画像です。

アラン・エヴァンスが制作した架空の70年代ブラックスプロイテーション・ムーヴィー『ザ・ビッグ・ワン』のサントラ

全開、ソウライヴのリーダーでドラムを担当するアラン・エヴァンスの初ソロ・アルバム『Let It Ride…』をご紹介していました。

 

ソウライヴのリーダー アラン・エヴァンスが2004年に制作したソロ・デビュー作『Let It Ride…』を聴こう♪

 

今回も引き続きアラン・エヴァンスのソロ・プロジェクトから1作品ご紹介したいのですが、少し変わった作品となります。

 

謎のバンド『クラッシュド・ヴェルヴェット・アンド・ザ・ヴェルヴェティアーズ』が繰り広げるスリリングな音楽

今回ご紹介するアラン・エヴァンスのアルバムは、『Crushed Velvet and the Velveteers(クラッシュド・ヴェルヴェット・アンド・ザ・ヴェルヴェティアーズ)』という謎のバンド名義でリリースされています。

 

バンドメンバーの名前もクラッシュド・ベルベット(ボーカル&ギター担当)やベンソン・”ダーティーフィンガーズ”・スティール(ベース&バックコーラス担当)のように変名が付けられています。

 

作品名は『The Big One』といって、こちらは架空の映画をコンセプトに作られたサントラという扱いです。

 

それも70年代前半に流行ったカーティス・メイフィールドの『Superfly』や…

 

アイザック・ヘイズが手掛けた『SHAFT』といった少しチープなブラックスプロイテーション・ムーヴィーをコンセプトにしています。

 

僕はどちらのサントラも大好きなのですが、正直言いますと映画の内容に関していえば「B級…いや、C級映画だな。」といった感じです。

 

サントラ作品は今の時代に聴いても素晴らしい歴史的名盤に違いありませんが、一方本編の映画の方は二流…いや、三流と言っても良いほどの質の低い内容でした。

 

それがこの時代のブラックスプロイテーション・ムーヴィーだったと思います。

 

他にもジェームス・ブラウンやボビー・ウーマック等、様々な一流ミュージシャンたちが三流映画のサントラを手掛けていました。

 

そんな「映画はイマイチだけれどもサントラ音楽は最高♪」

を狙っていたのかどうかはわかりませんが、この『The Big One』もアルバム・ジャケットのチープな絵柄がそういった雰囲気を伝えています。

しかし本作も中身の音楽は70年代ファンク・サウンドを現代によみがえらせたような質の高い内容となっております。

 

幸い(?)この『The Big One』には、ひどい内容の映画本編は存在していません。

 

ただそこにあるサントラ・ミュージックを聴けば良いだけです。

 

それでは今回はその架空の映画を観ている体でアルバム収録曲をご紹介したいと思います。

 

 

70年代ブラックスプロイテーション・ムーヴィー『The Big One』

犯罪が蔓延る大都市『ベルベット・タウン』の夜は長い。

 

マフィアやギャング、売春婦にポン引きが街をうろつく中、主人公のクラッシュが夜の街を歩いていた。

 

ここで流れるのがサスペンス・タッチのオープニング曲” The Big One (Main Theme)”だ。

 

クラッシュの正体はこの街を守る殺人課の刑事だった。

 

彼はこの街で起こるあらゆる事件の真相を突き止めようと今日も夜の街を歩いている。

 

ある日、夜の公園を歩いていると遠くから銃声が聞こえた!

 

音のした方へ慌てて走っていくと、そこにはクラッシュの親友ベンソンが血を流して倒れていた。

 

その時、うっすらと遠くの方へ走っていく男の影が見えた。

 

その男の手には銃が握りしめられていた!

 

その後ろ姿はベルボトムのジーンズ姿を履き、髪型はクラッシュよりも大きなアフロヘアーをしていた。

 

アップ・テンポなファンク曲”Thunderbird”が流れる中、クラッシュは犯人の後を追う!

 

しかしあと少しのところで逃げられてしまう。

 

この犯人を捕まえることを心に誓ったクラッシュは自宅へと帰っていく。

 

家に帰ると同棲中の恋人フェリシアが心配そうに待っていた。

 

ベンソンが撃たれたことをニュースで見たようだ。

 

クラッシュの安否を心配していたフェリシアだったが、彼の無事を知り一安心した。

 

クラッシュはフェリシアを落ち着かせようと何事もなかったかのように振る舞い、2人は一緒のベッドで夜を過ごすことになる。

 

ソウルフルな女性シンガーのが歌うスウィートなバラード曲”Felicia’s Love Theme”が流れる。

 

次の日、さっそくクラッシュは街へと繰り出し聞き込み調査を始めた。

 

日差しの良い朝の街を歩くテーマ曲は軽快なファンク曲”Detroit Slim”だ。

 

クラッシュは聞き込みのため行きつけの理髪店にも寄ってみた。

 

すると店主のバリーが昨日の朝早くにカーショップの店員アイザックの大きなアフロヘアーをセットしたという。

 

ベルボトムのジーンズ姿で現れたアイザックは痴情のもつれでベンソンと揉めていることを話していた。

 

どうやら共通の知り合いの女性マリーナと三角関係にあったらしい。

 

さっそく事情を聞きにマリーナが務めているダイナーへと向かった。

 

昼はダイナーでウェイトレスとして働くマリーナは売春婦でもあった。

 

ファンキーなワウギターとオルガンのロングトーンをバックにファズを効かせたロックギターが緊張感を誘う”The Lay Down”が流れる中、クラッシュはマリーナに事情を聞く。

 

ベンソンと付き合っていたマリーナだったが、夜の客として一晩を過ごしたアイザックにしつこく付きまとわれていたと話す。

 

どうやらアイザックがマリーナを自分のものにしたいがためにベンソンを逆恨みしていたようだ。

 

それを知ったクラッシュは、ワウギターがチャカポコとバックで鳴るのに乗せてファンキーなホーンが炸裂する”Memphis Stomp”を聴きながらアイザックの働くカーショップへと向かった!

 

しかしカーショップへ行くとアイザックの姿は見つからない。

 

カーショップのオーナーにアイザックの行方を尋ねてみると…やつはロンドンへと向かう飛行機に乗る予定でつい先ほど車で空港へ向かったと話していた。

 

英国へと国外脱出を図っているようだ!

 

段々とテンポ・アップしていく3部構成のファンク曲”London Black Parts 1, 2 & 3″が流れる中、クラッシュは愛車のトランザムに乗ってアイザックの向かった空港へと行方を追っていく!

 

ビンゴ!

 

「今日の俺はツイている!」

 

さっそくアイザックが乗る車を見つけた!

 

サイドミラーでクラッシュの姿に気づいたアイザックはアクセルをおもいっきり踏み込んだ!

 

クラッシュも負けずとトランザムの限界に挑戦した!

 

“Theme from Shaft”や”Junkie Chase”のような慌ただしいワウギターの曲”Big Chase”が流れる中、2人の激しいカーチェイスが続いた!

 

追いついたクラッシュはアイザックの車に向けてハンドルを切り、車体でタックルをブチかました!

 

瞬間!

 

アイザックの車が横転して止まった。

 

それでも逃げようとするアイザックを捕まえたクラッシュは「なぜこんなことをした!」と激しく捲し立てる。

 

怯えた表情のアイザックは、「怒りに任せてベンソンを撃ってしまったが殺すつもりはなかった…ただ脅してマリーナとの仲を裂きたかったんだ。」と話す。

 

事件は解決しアイザックを捕まえることは出来たものの、亡くなってしまったベンソンを生き返らせることは出来ない虚しさを感じたクラッシュは、エンディング・テーマの” The Big One (End Theme)”が流れる中、街を去っていく。

 

1曲目の”The Big One (Main Theme)”との違いは、こちらの” The Big One (End Theme)”にはカーティス・メイフィールド風のファルセット・ボーカルが入っている。

 

70年代ニュー・ソウルのテイストを残して映画の本編はクライマックスを迎える。

 

エンドロールが全て流れた頃、弾むシャッフル・ビートに乗せてブルース・ロック曲の” In Comes Slade”が流れる中、次回作を期待させるような予告と共に映画は幕を下ろす。

 

もちろん次回作などないのだが…。

 

以上、【ソウライヴのリーダー アラン・エヴァンスが架空の映画『ザ・ビッグ・ワン』のサントラをコンセプトに制作した『Crushed Velvet & The Velveteers』を聴こう♪】でした。

 

今回は架空の70年代ブラックスプロイテーション・ムーヴィーがコンセプトということで、その映画をご紹介する流れでアルバムの収録曲にも触れてみました。

 

もちろんここまで書いてきた映画の内容は全て僕が勝手に想像して書いたものです。

 

実際にはこんな無茶苦茶な映画は存在しませんよ。

 

それは置いといて…しかしこの『The Big One』というアルバムに関してだけを見れば、70年代ファンクを意識した良作だと言えます。

 

もし70年代のワウギターがチャカポコ♪と鳴るファンキーなレア・グルーヴ作品がお好きな方でしたら、本作はすぐに気に入ることでしょう。

 

カーティス・メイフィールドやアイザック・ヘイズがお好きな人にもおすすめです♪

 

アラン・エヴァンスの70年代ファンクへの憧れが反映されたアルバムです。

 

ソウライヴ好きだけでなく全ファンク好きに聴いてもらいたい、そんなアルバムです。

 

ちなみに架空の映画部分で僕が書いた登場人物の名前は、ブラック・ミュージックがお好きでしたら元ネタが誰だか全てわかるかも!?

 

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