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カテゴリー:Music

2019/06/01

ソニー・ロリンズが1973年に『東京中野サンプラザ』にて行った来日公演のコンプリートCD盤を聴こう♪

ソニー・ロリンズ、1973年の来日公演『Complete Sonny Rollins In Japan』を聴こう♪

日本人ジャズ・ギタリストの増尾好秋さんを含むジャズ・ロックな演奏は必聴!

今回はジョン・コルトレーンと並んで僕の尊敬するミュージシャンのひとり、ソニー・ロリンズが1973年に『東京中野サンプラザ』にて行った来日公演の様子をCD2枚に収録してまとめたコンプリート盤『Complete Sonny Rollins In Japan』をご紹介したいと思います。

 

本作には当時のロリンズバンドに在籍していた日本人ジャズ・ギタリストの増尾好秋さんが参加しているのもポイントです!

 

その前にちょっとだけ僕がソニー・ロリンズを知ったきっかけ話を書いてみたいと思います。

 

 

ソニー・ロリンズは特別な存在!

 

僕が10代の頃にジャズに目覚めたのは、当時たまたまやっていた『ジャズ特集』のTV番組を観てからです。

 

その当時はまだ高校生になったばかりでした。

 

僕は音楽に目覚めるのも中学3年生の時と遅かったので、その時点ではまだ1年ぐらいしか経っていませんでした。

 

聴いていたのは、U2やエアロスミスなどの洋楽ロックが中心でした。

 

しかしその『ジャズ特集』のTV番組を観てすっかりジャズに魅了されてしまいました!

 

確かその時は『サックス奏者編』の特集でした。

 

そこでまずスーツ姿のままで汗だくで”My Favorite Things”を演奏しているジョン・コルトレーンを観て驚きました!

 

「この人はなぜあんなに必死でサックスを吹きまくっているんだろう?その果てには達成しなければいけないものが何かあるのかな?」と高校生ながらに不思議に感じました。

 

そして番組が進んでいった頃に、モヒカン姿が衝撃的なソニー・ロリンズの写真が登場しました。

 

『ジャズ=気取った音楽』と勘違いしていた当時の僕はこれにも驚きました!

 

スーツ姿でビシッとしたイメージだったジャズマンが……まさかのモヒカン頭????(笑)

 

ソニー・ロリンズの姿に『ロック魂』を感じました。(笑)

 

そういったわけで、僕がジャズを聴き始めたきっかけはジョン・コルトレーンとソニー・ロリンズの2人からでした。

 

あれから20年以上経った今でもこの2人への音楽的な尊敬の念は変わっていません。

 

おそらく僕にとっては一生ジョン・コルトレーンとソニー・ロリンズの2人のミュージシャンへの想いは変わらないと思います。

 

そんな2人の偉大なミュージシャンなのですが、ジョン・コルトレーンも一度日本で来日公演を行っています

 

しかしジョン・コルトレーンに関しては、そもそもコルトレーンが亡くなってから僕が生まれています。

 

どうあがいてもコルトレーンのライヴを観に行くことは不可能なことでした。

 

しかしソニー・ロリンズは、2000年代に入ってから3度程来日公演を行っています。

 

運良くその3回とも僕は観に行くことが出来ました。

 

なので、ソニー・ロリンズは3回生で観たことになります。

 

そういったこともあって、僕にとってソニー・ロリンズは大きな存在でもあります。

 

自分がギターでアドリヴ演奏をする際にも、ソニー・ロリンズを意識して弾いてみることだってあります。

 

ちなみに僕が20代だった頃、趣味のひとり海外旅行のために英会話を習っていたのですが……ちょうど20日後にソニー・ロリンズを観に行くことをカナダ人のブライアンという先生に英語の練習ついでに自慢したことがありました。

 

「あと20日後にソニー・ロリンズを観に行くんだ。」と僕が言ったらブライアンが「それは凄い!」というので、僕は「ソニー・ロリンズ知ってるんだ?」と少し以外に思い聞き返してみました。

 

するとブライアンが「カナダ人でソニー・ロリンズを知らない人間なんてひとりもいない!」と言ってました。

 

これはさすがにカナディアン・ジョークだとは思うのですが(?)しかしブライアン自身がソニー・ロリンズを知っていたのは話が通じてよかったです。

 

この時に「20日後」ということを英語にする場合は”in 20 days”と”in”を使うことを学びました。

 

さて話を戻しますと……そんな偉大なソニー・ロリンズの来日公演は、僕が生まれる以前の過去にも何度か行われていました。

 

その一つが今回ご紹介する『Complete Sonny Rollins In Japan』です!

 

 

Sonny Rollins – 『Complete Sonny Rollins In Japan』

[Disc-1]
01.Powaii
02.St. Thomas
03.Alfie
04.Moritat

 

[Disc-2]
01.Sais
02.God Bless The Child
03.Hold ‘em Joe

 

Personnel:
Sonny Rollins – Tenor Saxophone, Soprano Saxophone
Yoshiaki Masuo – Guitar
Bob Cranshaw – Electric Bass
David Lee – Drums
James Mtume – Percussion

 

Recorded : Nakano-San Plaza Tokyo, September 30, 1973.

 

アルバムの内容

本作は当時LP盤で発売されていた『Sonny Rollins In Japan』に3曲の未発表ライヴ音源をプラスしたCD2枚組コンプリート盤になります。

 

追加収録されたのは同日のライヴ録音の3曲で、[Disc-2]が丸ごと追加収録曲になります。

 

演奏メンバーは……リーダーのソニー・ロリンズを始め、日本人ジャズ・ギタリストの増尾好秋さん、ロリンズ・バンドではお馴染みのベーシストのボブ・クランショウ、ドラムのデイヴィッド・リーに日本でも大人気のパーカッショニストのエムトゥーメの5人編成です。

 

ロリンズではお馴染みの『ピアノレス・ワンホーン・クィンテット』ですね。

 

ピアノをバンドに加えることも少なくはないのですが……ロリンズはもっと自由にアドリヴ演奏をしたいがためにピアノをバンドに入れることをあまりしなかったようです。

 

ハーモニーに制限が掛かるためでしょうか?

 

そのため本作のバンド編成のように、ピアノの代わりにギターを入れてライヴを行うことの方が多いようです。

 

さて、[Disc-1」の1曲目はさっそく当時のロリンズの新曲”Powaii”から始まります。

 

この曲はそれまでのオリジナル・アルバムには未収録の曲で、本作に収録されたのが初めての楽曲です。

 

いきなり誰も知らない曲から始まるなんて……当時の耳の肥えた日本のお客さん相手になかなか挑戦的ですよね!

 

そういった常に挑戦する態度もかっこよく感じます。

 

曲調は、1970年代前半のクロスオーバー系のジャズ・ロック調です。

 

まるでフレディー・ハバード辺りが演奏しそうな曲調ですね。

 

もはやジャズではなくてロックな曲調なのですが……しかし「ジャズがロックと混じって何が悪い?」といった感じでもあります。

 

よっぽどストレート・アヘッドな4ビートのジャズしか受け入れられない!といった頑固者でもない限り、この曲を聴いたら「すごいかっこいい曲!」と思うはずです。

 

僕は言うまでもなくこういったジャズ・ロック曲が大好物です♪

 

何なら本作はこの”Powaii”を聴きたいがために聴いているといっても過言ではありません。

 

ちなみに本曲は18分47秒もあります。

 

その間に、ロリンズのサックス・ソロ→増尾さんのギター・ソロ→ボブ・クランショウのエレベ・ソロ→デイヴィッド・リーのドラム・ソロとレベルの高いアドリヴ合戦が繰り広げられます。

 

もちろんテーマからリードするロリンズの気迫が一番凄まじく感じます!

 

また従来のジャズ・ギタリストとは違って、エフェクターを駆使したロックなサウンドの増尾さんのギター・ソロも堪りません。

 

むしろロック・ファンにこそ聴いて欲しい曲でもあります。

 

「ジャズって気取った音楽だけじゃないんですよ。こういったロック調でかっこいい曲もたくさんあるんですよ。」ってね。

 

いきなり初出の曲から始まった挑戦的なライヴ盤ではありますが、2曲目は打って変わってロリンズの代表曲”St. Thomas”が始まります。

 

当時から人気が高かったカリプソ風のこの曲はいつも安心して聴けますね♪

 

その代わりこの曲に関してはキャッチーなテーマ・メロディーが中心となるので、そこまで熱いアドリヴ演奏をすることはありません。

 

ソロを演奏するのもロリンズだけになります。

 

僕が観に行った3回の来日公演でも、この曲は「ファン・サービス」のような感じでテーマを何度も吹くことが中心でした。

 

次の3曲目”Alfie”もロリンズの十八番曲です。

 

元は映画のテーマ曲のこの曲も、そのキャッチーなテーマ・メロディーを中心に演奏が始まるのですが、先の”St. Thomas”と違って増尾さんのギター・ソロがあります。

 

Ryo@Dixiefunk Lab.のTwitterアイコン
Ryo
文句なしに素晴らしいギター・ソロですので
ギター弾きの人は必聴です♪

 

[Disc-1]最後の収録曲となる4曲目”Moritat”もロリンズの定番曲です。

 

“St. Thomas”のオリジナル録音が収録されていたアルバム『Saxophone Colossus』に同じく収録されていたクルト・ワイル作曲の「三文オペラ」劇中歌になります。

 

 

ちなみに「モリタート」とは「罪状記」のことです。

 

人気の楽曲なのでお客さんの合いの手も入るのですが……拍手のリズムが全然あってないですね。(笑)

 

この曲も主役のロリンズのみアドリヴ演奏を披露しています。

 

テーマからソロまでロリンズがフロントに立って吹きまくります!

 

ここまでがオリジナルの『Sonny Rollins In Japan』に収録されていた4曲になります。

 

[Disc-2]の3曲はCD化の際に追加収録された音源です。

 

1曲目の”Sais”は、パーカッション奏者のエムトゥーメが書いた楽曲で、先の[Disc-1]の”Powaii”と同じようなジャズ・ロックの曲調です。

 

ロリンズは、テナー・サックスからソプラノ・サックスに持ち替えています。

 

ジョン・コルトレーンやウェイン・ショーターとはまた違ったトーンでソプラノを吹き上げています。

 

なんと29分以上もあるこの長尺曲では……

 

ロリンズのソプラノ・サックス・ソロ→増尾さんのギター・ソロ→エムトゥーメのパーカッション・ソロ→ボブ・クランショウのエレベ・ソロ→ロリンズの過激なフラジオ奏法!

 

といった順番でアドリヴ演奏が展開されています。

 

かなり長い演奏時間の楽曲ですが、未発表のまま終わってしまってはあまりにもったいない楽曲だと思います。

 

次の2曲目”God Bless The Child”もロリンズの十八番曲になります。

 

ビリー・ホリディが書いたこの哀愁漂うバラード曲を、情熱的なロリンズのテナーで演奏されると堪りません♪

 

イントロはロリンズの独奏から始まって、徐々にバックの演奏陣が参加していく形です。

 

増尾さんのどこかケニー・バレルを彷彿させるようなお洒落なギター・ソロや、ボブ・クランショウのエレベ・ソロもあります。

 

そして[Disc-2]の最後の3曲目”Hold ‘em Joe”は、ハリー・グレン・トーマスJr.が作曲したカリプソ調のナンバーです。

 

ハリー・グレン・トーマスJr.のオリジナルよりもラテン風味は抑え気味ではありますが……そこはあくまでロリンズは「ジャズマン」であるからでしょうね。

 

歌メロをテナーの音に置き換えて豪快に吹くロリンズが最高です♪

 

こういった楽曲において、いつもボブ・クランショウのベースラインがとても効果的だと気付きます。

 

他にも増尾さんのエリック・ゲイル風の楽し気なギター・ソロも聴けます。

 

アルバムの最後はロリンズお得意のラテン・ナンバーで締めくくられているのも素晴らしいですね♪

 

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
おすすめ曲は、[Disc-1]#1 #4
[Disc-2]#1 #3

 

以上、【ソニー・ロリンズが1973年に『東京中野サンプラザ』にて行った来日公演のコンプリートCD盤を聴こう♪】でした。

 

本作を聴く場合は、ぜひともこの2枚組コンプリートCD盤を聴いてみてください。

 

普段ロックを聴いていて「そろそろジャズも聴いてみようかな?でもいきなりガチのジャズはちょっと……。」といったジャズ初心者の方の入門アルバムとしてもおすすめです♪

 

 

 

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