
2025/01/02
ソウライヴのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!
【第101回】おすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご介シリーズ
現代最強のジャズ・ファンク・バンド、ソウライヴ(Soulive)のおすすめアルバムをご紹介!
【おすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介シリーズ】の第101回です。
さて今回は、現代最強のジャズ・ファンク・バンド、ソウライヴ(Soulive)のおすすめアルバムを5枚選んでご紹介します。
ソウライヴについて
ソウライヴは、アメリカのジャズ・ファンク・バンドで、1999年に結成されました。
ソウライヴのメンバーは、、リーダーでドラマーのアラン・エヴァンス、その弟でキーボーディストのニール・エヴァンス、そしてギタリストのエリック・クラズノーの3人を中心に活動しています。
独特のグルーヴ感と洗練されたジャズとファンクの融合で、ソウライヴは世界中の音楽ファンを魅了してきました。
結成初期、彼らはライブ・パフォーマンスでの即興演奏を重視し、そのスタイルをスタジオレコーディングにも取り入れました。
ファーストEP『ゲット・ダウン!』は、そのエネルギッシュなサウンドで注目を集め、後の成功への道を切り開きました。
2000年にリリースされたデビューアルバム『ターン・イット・アウト』では、ソウライヴの代表的なサウンドが完成され、多くの批評家から高い評価を得ました。
続いて2001年にリリースされた『ドゥーイン・サムシング』は、彼らのキャリアにおける重要な作品です。
本作に収録されている曲”Doin’ Something”や”One in Seven”は、バンドの演奏技術と独自のアレンジが際立つ楽曲として知られています。
このアルバムは、ファンク、ジャズ、ソウルの要素を巧みにミックスし、幅広いリスナー層を獲得しました。
その後もソウライヴは精力的に活動を続け、2002年にはアルバム『ネクスト』をリリースします。
本作のリリース時期のみサックス奏者のサム・キニンジャーが正式メンバーとして加入していましたが、2003年にはバンドメンバーから外れています。(その後もゲストでライブに参加することはあります。)
この作品では、ギターリフとオルガンのハーモニーがより強調され、彼らの音楽的な進化を示しました。
特に、収録曲の”Tuesday Night’s Squad”や”Flurries”に”Liquid”の3曲は今でもライブで頻繁に演奏されている定番曲となりました。
ソウライヴの音楽は、単なるジャズやファンクに留まらず、ヒップホップやソウル、ブルースの要素も取り入れることで、独自のスタイルを築き上げています。
その結果、彼らはジャムバンド・シーンや国際的な音楽フェスティバルでも高い評価を受けています。
エリック・クラズノーのギターは、テクニカルでありながらもエモーショナルな演奏が特徴で、アラン・エヴァンスのドラムはリズムの核を担い、ニール・エヴァンスのキーボードは楽曲全体に豊かな彩りを添えています。
ソウライヴの魅力は、ライブ・パフォーマンスにおいてさらに際立ちます。観客を引き込むエネルギッシュな演奏は、一度体験すると忘れられないものになるでしょう。
ジャズ・ファンクの新たな可能性を切り拓いた彼らの音楽は、これからも多くの人々に影響を与え続けるに違いありません。
それでは今回はソウライヴのオリジナル・アルバムから僕が好きな作品を5枚選んでランキング形式でご紹介します。
ベスト盤やコンピレーション・アルバムにライブ盤は除外しています。
まずは第5位からどうぞ。
ソウライヴのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!
第5位:Soulive – 『Turn It Out』
第5位は、2000年にリリースされた1stフル・アルバムの『Turn It Out』です。
本作は、1999年にリリースされた1stEP『Get Down! 』に続く初のフル・アルバムでした。
その『Get Down! 』に収録されていた”So Live!”と”Uncle Junior”の2曲が、ライブ・バージョンにて再収録されています。
どちらの曲も今でもソウライヴのライブで演奏される機会が多い曲なのですが、特に”Uncle Junior”はソウライヴを代表する曲の1つとなりました。
残念ながら本作のライブ・バージョンよりもその後にリリースされるライブ盤に収録されているバージョンの方が演奏のクオリティが上がっていますが、それでもここでお得意のライブ演奏を収録して事に意味があります。
ソウルとライブを混ぜ合わせたバンド名を付けているだけあって、スタジオ録音の曲よりもライブ演奏の方が熱い演奏が繰り広げられているからです。
他にも、今でも頻繁にライブで取り上げられている”Steppin'”や、こちらも再収録のサム・キニンジャーをフィーチャーした”Rudy’s Way”に、スティーヴィー・ワンダーのカバー曲”Jesus Children”もその後のライブで度々演奏される曲となりました。
またフュージョン系ジャズ・ギター界の大御所ジョン・スコフィールドがゲストで参加している”Nealization”も見逃せません。
日本での来日公演ではなかなか実現は難しいのですが、ソウライヴがアメリカでライブを行う際にちょくちょくジョンスコがゲストで参加していることがあります。
その際にこの”Nealization”や、ジョンスコがメデスキ、マーティン・アンド・ウッドをバックに従えて制作した1998年のアルバム『A Go Go』に収録されている”Hottentot”を共演することが定番となっています。
他にもジョンスコの2003年のアルバム『Up All Night』から”Whatcha See Is Whatcha Get”を共演することもあり、その度にエリック・クラズノーとジョンスコの師弟対決のようなギター・バトルが繰り広げられています。
本作はソウライヴにとって初のフル・アルバムとなった記念すべき作品ではありますが、キーボードのニール・エヴァンスがタイトル曲の”Turn It Out”を気に入っておらず、いつの日からかライブで演奏されることがなくなりました。
どうやら自身が若く未熟だった頃に作った曲の出来に満足しておらず、本人の中では「なかったこと」にしたいようなのですが…ソウライヴのファンとしては決して悪い曲ではないので、考えを改めて欲しい所です。
第5位に選んだ『Turn It Out』は、その後、バンドとしての演奏力が格段に上がることを考えれば演奏面でも未熟さが見られるアルバムではありますが、「ソウライヴらしさ」を感じられる作品ではあります。
本作に収録されている”Steppin'”や”Uncle Junior”に”Rudy’s Way”、そして”Turn It Out”こそが本来のソウライヴのあるべき姿だったと思えます。
第4位:Soulive – 『Break Out』
第4位は、2005年にリリースされた4作目のスタジオ・アルバム『Break Out』です。
前作までブルー・ノート・レコードに所属していたソウライヴが、本作からレーベルを転々とすることになります。
このアルバムは、コンコード・レコードからリリースされました。
先にご紹介していた『Turn It Out』は、正統派のソウル・ジャズ作品でしたが、本作辺りからソウライヴのアルバム作りに変化が現れ始めます。
本作には、現代版ニューオーリンズ・ファンク・バンドのダンプスタファンク(Dumpstaphunk)で活躍するアイヴァン・ネヴィルや、R&Bk界の大御所歌姫チャカ・カーンに、ペダル・スティール・ギターの名手ロバート・ランドルフ等の豪華なゲストが参加したコラボ曲が数多く収録されたアルバムです。
もちろんアイヴァン・ネヴィルやチャカ・カーンは、ボーカリストとして参加しており、歌もの曲が多いアルバムとなりました。
本作リリースの2年後に制作される次回作の『No Place Like Soul』で一時的にソウライヴは、ボーカリストにトゥーサンをメンバーとして迎えるのですが、その布石とでも言えるボーカル曲の多いアルバムとなりました。
そんな中でインスト曲の”Reverb”と”Vapor”の出来が一番良いのは皮肉なことです。
この2曲を演奏する際にはボーカリストがいらないため、今でもライブでよく演奏される定番曲となりました。
結局インスト曲がソウライヴには一番合っています。
ちなみにジミ・ヘンドリックスのカバー曲”Crosstown Traffic”も本作に収録されているのですが、このスタジオ・バージョンでは歌メロ部分をロバート・ランドルフがペダル・スティール・ギターで弾いています。
その後、ライブでもこの曲は演奏されているのですが、その度にをロバート・ランドルフを呼ぶことは出来ないので、ライブではエリック・クラズノーがワウギターで歌メロを弾いています。
その様子は2004年にリリースされたインスタント・ライブ・シリーズの『Aggie Theatre – Fort Collins Co 10/6/04』に収録されています。
このライブ音源は、2004年10月6日にコロラド州フォート・コリンズの”Aggie Theatre”にて録音されています。
第4位に選んだ『Break Out』は、それまでのソウル・ジャズ、ジャズ・ファンク路線から少し離れて多彩なゲストを迎えて制作した実験作となりました。
良く言えば、ソウライヴが進化を恐れないバンドだと言うことを知らしめた作品ではあるのですが…悪く言えばその後にボーカル・アルバムを制作したりジミヘンのカバーから始まったポピュラー・ロックへの接近から全編ビートルズのカバー・アルバムを制作することになる布石ともなってしまいました…。
ボーカル・アルバムやビートルズのカバー・アルバムも悪くはないのですが、「それはソウライヴ名義でやらなくっても…。各々のソロ・アルバムでやって欲しかったかな。」と個人的には感じてしまいます。
しかし『Break Out』には、”Reverb”と”Vapor”の2曲が収録されている点は見逃せません。
またタイトル曲の”Break Out”は、この時期以降はライブで演奏されることがなくなった曲なのですが、この曲もなかなか良い曲なので、また復活して欲しいと思います。
第3位:Soulive – 『Doin’ Something』
第3位は、2001年にリースされた2ndアルバムの『Doin’ Something』です。
本作は大手レーベルのブルー・ノート・レコードからリリースされています。
そのため前作の『Turn It Out』と比べると、各楽曲の録音のクオリティが格段に上がっています。
荒々しかった『Turn It Out』と違って、洗練された録音に変わっています。
楽曲の方もクオリティが上がっており、”One in Seven”や”Cannonball”に”Solid”といった曲は今でもライブでよく演奏されています。
特にエリック・クラズノー作の”One in Seven”は、クラズノー自身がライブでギターソロを弾きまくる定番曲となりました。
また最近ではライブで演奏されることこそ少なくなりましたが、アルバム冒頭の”Hurry Up… And Wait”と”Doin’ Something”の2曲もソウライヴの代名詞のような名曲です。
面白いのが”Doin’ Something”を演奏する際に、途中でハービー・ハンコックの”Chameleon”を挟むのが定番となっています。
当時のことを思い出せば、本作のリリースから日本でもソウライヴが認知されるようになりました。
ちょうど僕も、リアルタイムではなかったのですが、数年遅れてこの『Doin’ Something』からソウライヴを聴き始めました。
たまたま知り合いと飲みに行ったメキシカン・バーでこの『Doin’ Something』が流れていました。
その時はソウライヴを知らなかったので、僕は「メキシカン・バーなのに、なぜかオシャレなオルガン・ジャズが流れてるな~!?」と気になっていました。
あまりに気になったので帰り際にマスターに「今店内で流れてるこの曲って誰の曲ですか?もしかしてジミー・スミスの最近の作品ですか?」と聴いてみました。
するとマスターが「いや、私もよくわからないんですがこのCDを流していました。」と『Doin’ Something』のCDを見せてくれました。
その場にいた友達に「お前、よくそんなこと聞けるな~。恥ずかしくないの?」と言われたのですが、僕にとっては「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」という考えの方が大事です。
恥ずかしがってもじもじ悩んでいる暇があるのなら、即行動でしょう!
次の日にCDショップにいってすぐに『Doin’ Something』を購入しました。
それ以来、ソウライヴに20年近くハマることになるきっかけでした。
そういった思い入れもあり、この『Doin’ Something』は第3位となりました。
しかし、この『Doin’ Something』よりも好きな作品が他に2枚あります。
それが次に紹介する第2位と第1いになります。
第2位:Soulive – 『Next』
第2位は、2002年にリリースされた3作目のスタジオ・アルバム『Next』です。
本作リリース時のみサム・キニンジャーがサックス奏者として正式メンバーで参加していました。
本作もゲストに大物ミュージシャンが数名参加しています。
“Clap!”には、ヒップホップ・バンドの代表格ザ・ルーツのMCであるブラックソートが参加しており、ラップを披露しています。
“I Don’t Know”には、元グルーヴ・セオリーの歌姫アメール・ラリューがボーカルで参加しています。
当時流行りだったヒップホップやネオ・ソウルの影響も感じられるアルバムとなりました。
また本作は、海外盤と国内盤では収録曲が多少違っていました。
国内盤には収録されていない”Joyful Girl”には、デイヴ・マシューズが参加しており、”Bridge to ‘Bama (Hi Tek Remix)”には、ラッパーのタリブ・クウェリが参加しています。
タリブ・クウェリと言えば、ザ・ルーツのクエストラヴやディアンジェロが結成したソウルクエリアンズにも名を連ねており、更にはそのソウルクエリアンズの一員でもあったモス・デフとブラック・スターを結成していたことがあります。
これは余談なのですが、2000年代初期のソウライヴのブート盤を聴いていると、モス・デフがちょくちょくゲストとして参加しており、ソウライヴのジャム演奏をバックにラップを披露しています。
また2007年頃のソウライヴは、ライブでセッション定番曲の”Feel Like Makin’ Love”をゲスト・ボーカルを迎えて、ディアンジェロのカバー・バージョンのアレンジで演奏しています。
このようにソウライヴは、当時のヒップホップやネオ・ソウル界隈とも関係がありました。
そういったところが、この時期に流行ったオルガンを中心とする他のディープ・ファンク・バンドと違っていた点です。
さすが流行の最先端であるニューヨークのバンドだけあって、他のバンドと比べると当時から群を抜いて垢抜けていました。
僕が本作を初めて聴いたソウライヴの作品『Doin’ Something』よりも好きな理由もそこにあります。
本作の方がオシャレです。
ちなみに先にもご紹介していましたが、”Tuesday Night’s Squad”と”Flurries”と”Liquid”は、その後もライブの定番曲となりました。
特に”Tuesday Night’s Squad”は、ホーン隊が以内状態でもソウライヴの3人で演奏することもあります。
意外とこのシンプルなトリオ演奏でも悪くない曲です。
また本作の日本盤CDには、ボーナストラックとして前作に収録されていた”Doin’ Something”のライブ音源が収録されているのですが、その音源が先にご紹介していたハービー・ハンコックの”Chameleon”を挟むバージョンなので要チェックです!
第2位は、ソウライヴの作品の中でも最もオシャレなアルバム『Next』でした。
ちなみに本作の次に発売された初のライヴ盤『Soulive』をリリース後にソウライヴはブルー・ノート・レコードから離れることになります。
本作と『Doin’ Something』と『Soulive』、そしてアルバム未収録曲を追加した中から11曲選んで集めたコンピレーション・アルバム『Steady Groovin’』が2005年にリリースされました。
このコンピレーション・アルバムがブルー・ノート・レコードからの最後のリリースとなりました。
第1位:Soulive – 『Up Here』
第1位は、2009年にリリースされた6作目のスタジオ・アルバム『Up Here』です。
前作『No Place Like Soul』がインスト2曲を除いてほぼ全編ボーカル曲だったのに対して、本作はゲスト・ボーカルのナイジェル・ホールが歌う”Too Much”と”Prototype”に、アラン・エヴァンス自らが歌う”Tonight”以外は従来のソウライヴらしいインスト曲となりました。
前作がボーカル・アルバムだっただけに本作がリリースされた当初は「原点回帰したアルバム」のように言われていたのですが、今にして思えば「原点回帰と言うよりも、更にダイナミックに進化したアルバム」だと感じます。
過去作以上にロック的なダイナミズムを取り入れたジャズ・ファンク曲が増えています。
またエリック・クラズノーのギター演奏や音作りにも変化が現れています。
クラズノーは、デビュー当時の1999年から2001年辺りまではフルアコのギターを使っており、エフェクターもワウペダルとTS9の薄い歪み系以外はほとんど使っていませんでした。
ギターソロもグラント・グリーンやウェス・モンゴメリー風のジャジーなプレイスタイルで、チョーキングよりもオクターヴ奏法の方を重宝していました。
しかし2003年にリリースされた初のライブ盤の『Soulive』辺りからオートワウを使ったり、ディレイにトレモロやフェイザーを使い始めています。
それから徐々にギターの歪みも激しくなっていき、ジミヘンの曲をカバーした2005年の『Break Out』辺りからチョーキングを多用したロックなアプローチでギターソロを弾くように変化していきます。
そして本作辺りでオクターバーを使うようになります。
オクターバーは、ギターの原音にオクターブ上の音や下の音を加えて、音に厚みを出すことが出来るエフェクターです。
ハードロックやヘヴィメタルのギタリストがよく使うエフェクターだったのですが、最近ではネオ・ソウル・ギタリストのケリー・2・スムースやトム・ミッシュにリュ-ベンウォン、更にはソウライヴを好きなバンドに挙げている磯貝一樹さん等もよく使っているエフェクターです。
本作の2曲目”The Swamp”でクラズノーが弾いているテーマ部分のギターの音がまさにそのオクターバーを使用した音色です。
といったように、ギター好きの僕としては本作はクラズノーのギターサウンドやプレイスタイルが進化したことが好きなアルバムになった1つの理由です。
もちろんそれだけでなく楽曲のクオリティも高いものばかりです。
1曲目の”Up Right”は、ニール・エヴァンスのキーボードが暴れ回るファンク曲で、ゴージャスなホーン隊がかっこいい曲です。
続く2曲目の”The Swamp”は、先ほどもご紹介していたようにクラズノーのギターが活躍するダイナミックなジャズ・ファンク曲です。
歌もの曲の”Too Much”と”Tonight”は、ジェームス・ブラウン流のファンク曲です。
“Backwards Jack”は、クラズノーのフェイザーを掛けたギターサウンドが特徴的なファンク曲です。
“PJ’s”は、今でもライブで頻繁に演奏されるクラズノー作のインストのバラード曲です。
この曲は、ジミ・ヘンドリックスの”Little Wing”や、ソウライヴがライブでよく演奏しているスティーヴィー・レイ・ヴォーンの”Lenny”の系譜を受け継ぐバラード曲です。
この系譜の曲としては、クラズノーが師事したトモ藤田さんの”Sweet Home”も同じ路線の曲ですね。
クラズノーもトモ藤田さんも、更にはクラズノーと同門のジョン・メイヤーも同じようにみなスティーヴィー・レイ・ヴォーンから多大な影響を受けていますからね。
ジョン・メイヤーなら”Slow Dancing In A Burning Room”があるように、ここの門下生は、”Little Wing”や”Lenny”路線のオリジナル曲を作らないと一人前じゃないのかも?…と、さすがにそれはこじつけの冗談です。
残りの曲、”Hat Trick”と”For Granted”はホーン隊が活躍するブラス・ファンク系の曲で、”Prototype”はナイジェル・ホールがソウルフルに歌うバラード曲です。
このうち”Hat Trick”と”For Granted”の2曲は今でもよくライブで演奏している定番曲です。
特に”For Granted”の方は、エリック・クラズノーのお気に入りの曲のようで、ソロ活動時にホーン隊が参加していない時でも、ホーン抜きで演奏しています。
例えば、エリック・クラズノーがトリオで活動しているE3バンドの時や、ギャラクティックの名ドラマーのスタントン・ムーアと結成したクラズノー・ムーア・プロジェクトでもこの”For Granted”をライブで披露しています。
この”For Granted”では、フェイザーやトレモロ等の揺らぎ系のエフェクターやオクターバーのようなエフェクターを切って、シンプルなクリーントーンの音色でジャジーなギターソロを弾くのが定番になっています。
これは曲名からもわかる通り、クラズノーが敬愛するジャズ・ギタリストのグラント・グリーンに捧げた曲だからです。
この曲こそ、初期のソウライヴを彷彿させる「原点回帰」の曲だと言えますね。
しかし”Up Right”や”The Swamp”といった過去作にはなかったダイナミックなジャズ・ファンク曲も収録されているので、単純な「原点回帰アルバム」ではなく、やはり「進化したアルバム」と評する方が適しています。
最近では”The Swamp”と”Backwards Jack”をライブでは演奏してくれなくなったのですが、どちらも良い曲なのでまた復活して欲しい所です。
本作の後、ビートルズのカバー・アルバムを出したり、スローな曲ばかりの『Spark!』を出したり…思わぬ方向にソウライヴは進んでいきます。
近年では映画音楽を担当するようになったニール・エヴァンスの影響で、『Cinematics』というEPシリーズを始めており、昨年2024年にようやく第2弾の『Cinematics, Vol. 2』が6年振りにリリースされました。
正直言いますと、僕は最近のソウライヴの作品が好きではありません。
本作『Up Here』がリリースされた当時は、「今後のソウライヴはこの路線でアルバムを制作していくのかな?それなら今後も期待できそう!」と喜んだものです。
しかしそれとは違った方向に進んでしまって…個人的にはとても残念に感じています。
今回のランキングで1位に選んだように、僕は本作『Up Here』の路線が好きです。
ぜひ今後のソウライヴには、この『Up Here』に続くようなダイナミックなジャズ・ファンク作品を作って欲しいところです
ちなみに本作の輸入盤には、日本のブルー・ノート東京で行われたライブ『Live at Blue Note Tokyo』の映像が収録されたオマケDVDが付属したアルバムもリリースされています。
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以上、【ソウライヴのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!】でした。
このブログの自己紹介でも書いていたり、度々ソウライヴについてのブログ記事を書いていることからもわかるかと思いますが、僕はソウライヴがザ・ニュー・マスターサウンズと並んで最も好きなバンドです。
ザ・ニュー・マスターサウンズに関しては、今も素晴らしい作品を作り続けてくれているのですが、ソウライヴは今回1位に選んだ『Up Here』以降はいまいちな作品が続いています。
ぜひ今年か来年辺りにはダイナミックな『Up Here』の路線か、もしくはオシャレだった『Next』の路線で「ソウライヴらしい」アルバムを制作して欲しいです。
そんな願いも込めてこのブログ記事を書きました。
今回初めてソウライヴについて知ったという方は、ぜこのブログ記事のランキングを参考にソウライヴの各アルバムを聴いてみて下さい。
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