
2025/01/03
ザ・ニュー・マスターサウンズのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!
【第102回】おすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご介シリーズ
ディープ・ファンク・ムーヴメントの火付け役となった銀河系最強のジャズファンク・バンド、ザ・ニュー・マスターサウンズ(The New Mastersounds)のおすすめアルバムをご紹介!
【おすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介シリーズ】の第102回です。
さて今回は、ディープ・ファンク・ムーヴメントの火付け役となった銀河系最強のジャズファンク・バンド、ザ・ニュー・マスターサウンズ(The New Mastersounds)のおすすめアルバムを5枚選んでご紹介します。
ちなみにザ・ニュー・マスターサウンズをこのシリーズの102回目に取り扱うことになったのは、2006年の4作目のアルバムにして代表作の1つ『102%』に掛けました。
ザ・ニュー・マスターサウンズについて
ザ・ニュー・マスターサウンズは、イギリス・リーズ出身のジャズ・ファンク・バンドで、1999年に結成されました。
結成当初のオリジナルメンバーは、エディ・ロバーツ(ギター)、ボブ・バーチ(オルガン)、サイモン・アレン(ドラム)、ピート・シャンド(ベース)の4人で構成されており、彼らの演奏スタイルは「ディープ・ファンク」と称されるグルーヴィーでソウルフルな音楽性が特徴です。
2007年にはボブ・バーチに替わり、ジョー・タットンがキーボード担当として加入し、現在のラインナップが完成しました。
ザ・ニュー・マスターサウンズは、伝統的なファンクやソウル、ジャズをベースにしたサウンドで、ファンクのルーツを現代に再現すると同時に、彼ら独自のアプローチで新たな命を吹き込んでいます。
そのキャリアの中で、多くのスタジオアルバムとライブアルバムをリリースしており、代表作として『Be Yourself』や『Ten Years On』、そしてファンから特に高い評価を得ている『Therapy』が挙げられます。
これらのアルバムには、深いグルーヴと洗練されたアンサンブルが詰まっており、世界中のファンクファンを魅了し続けています。
バンドのサウンドの中心を担うのは、エディ・ロバーツの卓越したギタープレイと、サイモン・アレンの正確かつ躍動感あふれるドラミングです。
また、ピート・シャンドの骨太なベースラインとジョー・タットンの多彩なキーボードプレイが加わることで、ザ・ニュー・マスターサウンズの音楽に独特の深みが生まれています。
この4人の息の合ったパフォーマンスは、ライブにおいても圧巻であり、観客を熱狂の渦に巻き込む力を持っています。
ザ・ニュー・マスターサウンズは、これまでにアメリカ、ヨーロッパ、日本を含む世界各地でツアーを行い、その名を国際的に広めてきました。
特に、彼らの楽曲”One Note Brown”や”Nervous”はライブでの人気曲として知られており、観客の心を掴むグルーヴを感じることができます。
ジャズ・ファンクの伝統を引き継ぎつつ、現代的なアプローチで進化し続けるザ・ニュー・マスターサウンズ。
彼らの音楽は、ファンクやジャズが好きな方にはもちろん、まだこのジャンルに触れたことのない方にもぜひ聴いてほしいバンドです。
それでは今回はザ・ニュー・マスターサウンズのオリジナル・アルバムから僕が好きな作品を5枚選んでランキング形式でご紹介します。
ベスト盤やコンピレーション・アルバムにライブ盤は除外しています。
まずは第5位からどうぞ。
ザ・ニュー・マスターサウンズのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!
第5位:The New Mastersounds – 『Renewable Energy』
第5位は、2018年にリリースされた11作目のスタジオ・アルバム『Renewable Energy』です。
本作は、近年のザ・ニュー・マスターサウンズ(以降:ニューマスター)のアルバムの中でも特にジャズ・ファンクのルーツに立ち返ったかのような名作です。
ジェイムス・ギャングの曲”Funk 49″を含むものの、エディー・ロバーツの敬愛するジャズ・ギタリストのグラント・グリーンに捧げられた曲”Green Was Beautiful”や”Yokacoka”といった60年代後期のオルガン系ジャズ・ファンク曲を彷彿させる名曲が収録されています。
どちらの曲でもエディー・ロバーツがギターソロを弾きまくっており、ライブでも盛り上がる曲です。
またミーターズ風ニューオーリンズ・ファンク系の曲”Chicago Girl”や、ファンキーなピアノがオシャレなアシッド・ジャズ系の曲”Tantalus”等も印象に残る曲です。
次回作で『Shake It』でラマー・ウィリアムズ Jr.が全面的に参加した異色のボーカル・アルバムを制作することになるのですが、その前に正統派のジャズ・ファンク作品『Renewable Energy』を残してくれたことはありがたいことでした。
第5位は、近年のニューマスターの作品の中でも特に正統派のジャズ・ファンク曲が揃った『Renewable Energy』です。
第4位:The New Mastersounds – 『Therapy』
第4位は、2014年にリリースされた9作目のスタジオ・アルバム『Therapy』です。
2012年にリリースされた前作『Out on the Faultline』をリリース後に、エディー・ロバーツがソロ・アルバムの『It’s About Time』も制作しており、2013年はエディー・ロバーツは「エディー・ロバーツ・ウェスト・コースト・サウンズ」名義でソロでのツアーを開始していました。
2013年はニューマスターでの活動をほとんど行っておらず、当時の僕は「もしかしてこのままエディー・ロバーツはソロ活動に専念してニューマスターは解散してしまうのかな?」と心配になったものでした。
しかし2014年になると本作『Therapy』をリリースして、それに伴いニューマスターのツアーが再開されました。
僕はニューマスターのライブを年代毎にいくつも聴いているのですが、その中でも2014年辺りから急にバンドとしての一体感やエディー・ロバーツのギターソロの腕前が上がっていると気付きました。
ここを境目としてニューマスターは、よりバンドとしてのクオリティが上がっています。
もしかしたら各メンバーのソロ活動や、2013年のちょっとしたツアーの休止がよりバンドのとしての結束を固めてくれたのかもしれませんね!?
さて、ブルーノ・マーズの人気曲”Treasure”のインスト・カバーを含む本作は、勢いのあるジャズ・ファンク曲の”Old Man Noises”や、ジャム・バンド風の”Morning Fly”に、ミーターズ風の”Monday Meters”等の名曲が揃っています。
またキム・ドーソンがリードボーカルを務めたアシッドジャズ曲”I Want You to Stay”にファンク曲”Soul Sista”や、ダンサンブルな”When It Rains…”にニューマスターのメンバーが口笛でテーマを吹く”Whistle Song”といった多彩な楽曲も含まれています。
先ほどの『Renewable Energy』よりも上位の第4位に本作『Therapy』を選んだのもそういった多彩な楽曲が収録されているからです。
第3位:The New Mastersounds – 『Plug & Play』
第3位は、2008年にリリースされた5作目のアルバム『Plug & Play』です。
本作は1曲目の”Hole In The Bag”が特に人気のアルバムです。
ニューマスターの1つの特徴である「ミーターズを上手い具合に模倣したオリジナル曲を作ること」が最も良い形で現れた曲です。
最近はニューマスターのアルバムも増えて代表曲も増えたのでこの”Hole In The Bag”も必ず演奏してくれるとは限らないのですが、しかしもしこの曲がライブで始まると「ワーッ」と盛り上がります。
2023年の大阪公演でもこの曲のドラムのイントロが聞こえた瞬間から盛り上がりました!
また本作には、ワウギターがかっこいいこれまたミーターズ風の曲”Thermal Bad”や、グルーヴィーなジャム曲”Altitude”に、ジャズ・ファンクドラマーのアイドリス・ムハンマドから曲名を付けたジャジーな曲”Idris”等の人気曲が多数収録されています。
ただし本作は女性ボーカルのディオンヌ・チャールズをフィーチャーしたアルバムでもあり、彼女が歌う”I Mean It So”、”Looking For An Answer”、”All We Can Do”、”King Comforter”といった歌もの曲が4曲収録されています。
これらの曲は、当時の来日公演ではディオンヌ・チャールズ本人もニューマスターと一緒に来日していたのでその際には披露してくれていましたが、今後はセットリスト入りすることがまずないであろう曲になります。
そういった点で本作は第3位となりました。
アルバムの3分の1が今後ライブでは出来ない曲ですからね…。
もちろん”Hole In The Bag”や”Thermal Bad”といった名曲が収録されている点は大きいです。
またライブではほぼ演奏されることがないアルバム終盤の曲”Beyond The Bleak Horizon”もなかなか良い曲だったりします。
第2位:The New Mastersounds – 『102%』
第2位は、2006年にリリースされた5作目のアルバム『102%』です。
今回【おすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介シリーズ】の第102回にニューマスターを選んだのは、本作のタイトルや、収録曲の”102%”に合せてでした。
本作リリース当時はちょうどディープ・ファンクが日本でも最高潮に盛り上がっていた時期でした。
そのタイミングでディープ・ファンク界を代表するバンドのニューマスターが名作『102%』をリリースしてくれたことはシーンの活性化に大きな影響を与えました。
タイトル曲の”102%”は、ミーターズからの影響を良い感じでオリジナル曲に昇華しており、特に人気の高い曲です。
最近ではライブで演奏される機会も減りましたが、それでもこの曲がセットリスト入りするとなると会場は大いに盛り上がります。
他にも、ジャム・バンド的な中間部でのキーボードソロやギターソロが大活躍する”Carrot Juice”や、ダンサンブルなファンク曲の”Give Me A Minute (Pt 2)”にグルーヴィーな”Thirty Three”、そしてフェラ・クティに捧げられた”Hey Fela!”等の人気曲が収録されています。
そんな人気曲に囲まれて影が薄い曲もあるのですが、実はスローな”Colorado Sun (Jesse’s Backyard)”やファンキーな”Talk Is Cheap”等の曲も悪くない出来です。
どちらの曲もライブ映えしそうな曲なのですが、セットリスト入りすることはまずないのが残念です。
第2位に選んだ『102%』は、これから初めてニューマスターを聴いてみたいと考えている初心者さんにも最初の1枚としておすすめ出来る名作です。
第1位:The New Mastersounds – 『Ten Years On』
第1位は、ニューマスターの結成10周年を記念して制作された2009年の6作目のスタジオ・アルバム『Ten Years On』です。
今年2025年には結成26年になるのですが…当時は10周年というだけでも「よく続いたな~。」とファンながらに思いました。
2000年代初頭にディープ・ファンク・ムーヴメントが日本にも上陸して、2000年代中期にはそのムーヴメントは最高潮に達していました。
しかし音楽ジャンルの流行りは10年持てば良いところで、パンク・ロックにしてもグランジにしても2~3年で勢いは衰えていくのが現実です。
ディープ・ファンクの盛り上がりも2000年代後半には衰えており、ほとんどのバンドが解散してしまいました。
そんな中でニューマスターは結成10年を迎えて、なおもこのような最高傑作のアルバムを残してくれました。
『Ten Years On』は、これまでの集大成とでも言うべき傑作でした。
1曲目のファスト・チューン”San Frantico”は、ニューマスターを代表する曲となり、ライブでも盛り上がる名曲です。
この曲以外にも”MRG”と”Dusty Groove”に”Make Me Proud!”は、その後もライブで良く演奏される曲となりました。
特に”Make Me Proud!”は、バンドのお気に入りの曲のようで、今でもアンコールの最後に演奏されることが多い曲です。
また日本のフジロック・フェスティバルに出演できた喜びを曲にしたソウル・ジャズ曲”The Road To Fuji Rock”も人気の曲で、来日公演ではよく演奏してくれる印象です。
他にも最近ではあまりライブで披露してくれていませんが、”Soulshine”や、フルートが荒れ狂うジャズ・ファンク曲の”Chocolate Chip”にキャッチーなメロディーラインを持った”Flimsy”といった名曲も収録されています。
終盤に”Cielo”や”Ooom”といった実験的な曲を含むものの、全体を通して聴くと過去作以上に良質な曲ばかりが集められていることに気付きます。
10周年どころか今や四半世紀を超えて活動を続けているニューマスターの最高傑作は今のところこの『Ten Years On』だと言えます。
今後は30周年の節目に、この『Ten Years On』以上の傑作を生み出してくれることを期待しましょう。
第1位は、結成10周年を記念して制作されたニューマスターの最高傑作『Ten Years On』でした。
以上、【ザ・ニュー・マスターサウンズのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!】でした。
ザ・ニュー・マスターサウンズは、結成から四半世紀以上経った今でも新作アルバムを定期的にリリースしており、活動ペースが落ちることはありません。
コロナ禍での休止はあったものの、ほぼ毎年のようにライブ活動も行っています。
昨年末には約2年振りとなる来日公演も行われており、今後も更なる来日公演を期待できます。
もちろん2024年にリリースされた現時点での最新作『Old School』も、新たな時代のソウル・ジャズの名盤となりえる素晴らしい出来でした。
もし今回このブログ記事でザ・ニュー・マスターサウンズを知ったという方も、今からでも遅くないのでぜひこのランキングを参考に各アルバムを聴いてみて下さい。
そしてこのブログ記事のPR欄にも書いています通り、これを書いている僕自身はザ・ニュー・マスターサウンズが一番好きなバンドです。
そのため当ブログでは、ザ・ニュー・マスターサウンズを取り上げたブログ記事が最も多くなっております。
ぜひ当ブログの他のザ・ニュー・マスターサウンズの記事も読んで頂けたら嬉しいです。
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