2024/06/23
オリジナル・アルバムを勝手にベスト5!ライフハウス編
【第11回】オリジナル・アルバムを勝手にベスト5シリーズ
アメリカで人気のロック・バンド、ライフハウスのおすすめアルバムをご紹介!
【オリジナル・アルバムを勝手にベスト5シリーズ】の第11回です。
今回はここ日本でよりも本国アメリカで絶大なる人気を誇るロック・バンドのライフハウスのおすすめアルバムを5枚ご紹介します。
ライフハウスは1999年にボーカル/ギターのジェイソン・ウェイドを中心に結成されたバンドです。
今では結成当初のメンバーはジェイソン以外残っていませんが、主に作詞作曲を担当しているのはジェイソンなので音楽性こそ多少変われどバンドとしての方向性は一貫しています。
基本的にはジェイソンにベースのブライス・ソダーバーグとドラムのリック・ウールステンハルムJr.の3人のバンドです。
時期によってはサイドギターのメンバーが加わっていることもあります。
ライフハウスは、ニルヴァーナ等のグランジ/オルタナ世代から大きな影響を受けたポスト・グランジ世代と呼ばれるバンドです。
前回ご紹介していたグー・グー・ドールズと似たまさにアメリカンなロックを演奏するバンドです。
グー・グー・ドールズのオリジナル・アルバムを勝手にベスト5!
グー・グー・ドールズと同じくライフハウスもデビュー当初はギターロックをやっていたのですが、作品をリリースするごとにギターが控えめになりポップな楽曲が増えていきます。
そのため今回のこのランキングでも僕が好きなギターロック系のアルバムが優先的に選ばれていることはご了承ください。
それでは今回もベスト盤やライヴ盤にコンピレーション・アルバムを省いたスタジオ盤から5作品を選んでご紹介します。
まずは第5位からご紹介します。
オリジナル・アルバムを勝手にベスト5:ライフハウス編
第5位:Lifehouse – 『No Name Face』
第5位は2000年(日本では2001年)にリリースされたデビュー作の『No Name Face』です。
本作に収録されている1stシングルの”Hanging by a Moment”がいきなりう全米No.1を記録する大ヒットとなりました。
この曲の大ヒットで一躍人気バンドとなったライフハウスは世界中のロック・ファンに知られる存在へとなりました。
もちろん僕も当時リアルタイムでこの曲を聴いてこのバンドを好きになりました。
ただこの曲のことを「どことなく明るくなった”Smells Teen Spirit”みたいな曲だな~。」と感じました。
そこでライフハウスが特集されていた当時の音楽雑誌を読んでみたのですが、ジェイソンはニルヴァーナから大きな影響を受けたと語っていました。
僕が思っていた通りに”Hanging by a Moment”はニルヴァーナの”Smells Teen Spirit”と同じように、「静かなヴァース部分→爆発的に盛り上がるコーラス部分」という構成でしたからね。
この曲は今もライフハウスを代表する楽曲です。
他にもアルバムから2ndシングルに選ばれたシリアスな”Sick Cycle Carousel”や”Quasimodo”に、まだギターロックをやっていた頃のライフハウスらしい曲”Unknown”に、後のポップ路線への布石が見え隠れする “Only One”、そして3rdシングルに選ばれたソフト・ロック風の”Breathing”等、良い曲満載です。
個人的にはリアルタイムで聴いたアルバムなので思い入れはありますが、その後のライフハウスと比べるとまだまだ未熟で荒々しさを感じるということで第5位となりました。
第4位:Lifehouse – 『Smoke & Mirrors』
2010年にリリースされた5作目のアルバム『Smoke & Mirrors』を第4位に選びました。
先ほどご紹介しいていた『No Name Face』から10年が経ったライフハウスは、演奏面でも作曲面でも全てでクオリティが上がっています。
特にジェイソンの歌が初期と比べると驚くほどに向上しています。
特に1stの頃はしっかりと出せていなかったサビ部分でのシャウトする歌い方は本作リリース時が全盛期だと言えます。
それはアルバムからの2ndシングルにも選ばれたアルバム1曲目のの”All In”を聴くとわかるかと思います。
10年以上のキャリアも積んでスタジオ・アルバムの制作もベテランの域に達しているため、本作はサウンド面でもレベルが高いです。
タイトル曲”Smoke & Mirrors”のサウンドの厚みを聴くと、1stアルバムの頃のスカスカだったバックの演奏がショボく思えてしまうほどです。
ただ第4位という順位に選んだ理由としては先行シングルの “Halfway Gone”があまりにもヒット狙いのポップな曲だからです。
もちろん悪い曲ではないのですが、当時この曲のMVがYouTubeで解禁された時には「ん~ポップになり過ぎだな~…。」と少し残念に感じました。
もはや印象に残るギターリフや、コーラス・エフェクターを上手く使ってギターで弾いた印象的なメロディー・ライン等はなく、若者受けするダンサンブルな曲で露骨にヒットを狙ってきたな…と思いました。
厳しい評価をしましたが、決して僕はこの曲が嫌いなわけではありません。
サビ部分の一緒に歌いたくなるようなキャッチーな展開は大好きです♪
ただこのシングルがリリースされてから約半年後にリリースされた本作『Smoke & Mirrors』を聴いて、過去作よりもギターの影が薄くなってしまったのは残念に思いました。
そういったわけで第4位となりました。
第3位:Lifehouse – 『Who We Are』
今回のランキングでは第3位ですが…本作『Who We Are』はシングル曲が強力なアルバムです!
2007年にリリースされた4作目の『Who We Are』からは、”First Time”、”Whatever It Takes”、”Broken”と順番に3曲がシングル・カットされました。
僕個人としてはこの3曲はライフハウスの全楽曲の中でも5本の指に入るぐらい好きな曲です。(残りの2本は”Spin”と”You and Me”)
曲が良いだけでなくこの3曲はMVのクオリティも高いです。
特に僕は”Whatever It Takes”の感動的なMVが大好きなのですが…なぜかこの曲のMVは公式から削除されています。
10年近く前は公式YouTubeで公開されていたのに、ある日から急に非公開となりました。
なぜなのでしょうか?
もしかしてMVの中でジェイソンが映画『イレイザーヘッド』のTシャツを着ていたからとか?
まさかね…ハハハ。
多分何らかの権利問題が生じたのかもしれませんね⁉
シングル曲のクオリティの高さはライフハウスの全アルバム中で最高レベルなのですが、それ以外にも1曲目の “Disarray”も名曲です。
この曲もニルヴァーナ・マナーに添った「静かなヴァース部分→爆発的に盛り上がるコーラス部分」パターンの曲なのですが、この頃からジェイソンのシャウトが以前以上に上手くなっています!
「よく喉がつぶれないな~」と感じると様なパワフルなシャウトです!
またこれまでのライフハウスにはなかったような 曲調の”The Joke”や、アコースティック・ギターのカッティングが心地良い “Easier to Be”に、ジェイソンのファルセットが爽やかな “Mesmerized”と良い曲が収録されています。
しかしこのアルバムからじょじょにポップな要素が増してきた感はあります…。
第2位:Lifehouse – 『Stanley Climbfall』
第2位は2002年にリリースされた2ndアルバム『Stanley Climbfall』です。
本作リリース前に先行シングルの”Spin”がリリースされました。
前作『No Name Face』の1stシングル “Hanging by a Moment”が大ヒットしたため、それに続く2ndアルバムからの先行シングルということでファンからの期待が大きかったと思われます。
しかしこの曲は全米No.71とヒットはしませんでした…。
でも僕個人としては “Hanging by a Moment”よりもこの”Spin”の方が好きです。
“Hanging by a Moment”はあまりにもニルヴァーナ・ライクなので…。
それと当時TV放送されていたランキング番組のエンディングでこの”Spin”のMVが使われていました。
やはりバンドが演奏するかっこいい映像が視聴者にもたらす効果は絶大で、このMVを観た僕はすっかりハマってしまいました!
特に当時としてはまだ珍しかったスムーズなスピン・ショット(被写体の周りをぐるぐると回るように移動しながら撮影する方法)に目が釘付けになりました。
まさに”Spin”=「回転させる」をいう曲名にぴったりの演出です。
また2ndシングルに選ばれた”Take Me Away”もヒットこそしませんでしたが、曲調が明るくなったグランジ風といった良曲です。
この曲の制作には当時のバンドのベーシストだったセルジオ・アンドレイドも参加しているのですが、こういった曲調がヒットしない時代となったためライフハウスは本作以降ポップな路線へと進むこととなります。
そのポップ路線に賛成できなかったセルジオは本作を最後に脱退してしまいます。
そして代わりに今もライフハウスでベースを弾くブライス・ソダーバーグが加入することとなります。
ヒット・シングルこそないものの、まだこの頃はギターが目立つロックを演奏していました。
そういった意味でも僕はこの『Stanley Climbfall』は好きな作品です。
第1位:Lifehouse – 『Lifehouse』
第1位は文句なしにライフハウスの最高傑作『Lifehouse』です。
バンド名を冠したセルフ・タイトルの本作は2005年にリリースされた3作目のアルバムです。
バンド名をアルバム・タイトルに付けたのは、まるで「このアルバムの路線こそがライフハウスなんだ!」と宣言しているかのようです。
前作『Stanley Climbfall』リリース後に短期間の活動休止を経て、ベース交代もあり3年振りのアルバムとなりました。
ここで一気に音楽性がポップ路線へと変わります。
しかし後のアルバムと比べると路線変更1作目となる本作はまだギターが活躍するアルバムでした。
しかも過去2作にも増してアコースティック・ギターの出番も多く、温かみを感じさせるサウンドが魅力です。
後のアルバムと比べるとデジタル色も薄く、オーガニックなサウンドが独特な雰囲気を醸し出しています。
先行シングルに選ばれた”You and Me”はライフハウスを代表するバラード曲で、当時はアメリカの結婚式の曲としても人気だったようです。
温かみのあるアコースティック・ギターの音色と、ジェイソンのソフトなボーカルが素晴らしい名曲ですね♪
またこの時期からジェイソンの髪型もセンター分け(今流行りのセンターパートとはちょっと違うのでこの言い方です。)から短髪に変わりましたね。
この曲だけでなくアルバム1曲目の”Come Back Down”も琴線に触れるような美しいメロディー・ラインが感動的な楽曲です。
アルバムからの2ndシングルには、ジェイソンの感情のこもったシャウトするサビ部分が感動的な”Blind”が選ばれました。
この冒頭3曲の流れはライフハウスの全アルバムの中でも随一の完璧さです。
全体的には前作『Stanley Climbfall』や次のアルバム『Who We Are』と比べると大人し目の楽曲が多いのですが、その分アルバム全体を通して聴きやすくはなっています。
これからライフハウスを聴いてみたい人には、まずはこのアルバムから聴いて欲しいです。
以上、【ライフハウスのオリジナル・アルバムを勝手にベスト5!】でした。
ライフハウスは2015年にアルバム『Out of the Wasteland』を出してからニュー・アルバムをリリースしていません。
あれから約9年の時が流れましたが、バンドは解散したわけではないようです。
アルバムこそリリースしていませんが、2021年にキャリア初となる5曲入りEP『Goodbye Kanan』をリリースしています。
音楽性こそ変わりましたが、ライフハウスらしさは失われていません。
このEPリリースからもすでに3年近くが経ちましたが、久しぶりのニュー・アルバムのリリースを期待したいところです。
近年はあまり精力的に活動をしていないため、以前にもまして日本ではこのバンドは忘れ去られてしまった感は拭えませんが…このブログ記事を通して若い世代の人にもライフハウスという良いバンドを知ってもらえたら喜ばしいことです。
これからライフハウスを聴いてみたいと思った方はぜひこのブログ記事を参考にしてみて下さい。
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