2024/06/21
オリジナル・アルバムを勝手にベスト5!プライマル・スクリーム編
【第9回】オリジナル・アルバムを勝手にベスト5シリーズ
アルバムを発表する毎に独自の音楽性を築いてきたプライマル・スクリームのおすすめアルバムをご紹介!
【オリジナル・アルバムを勝手にベスト5シリーズ】の第9回です。
今回はスコットランドのグラスゴーで結成されたバンド、プライマル・スクリームのおすすめアルバムを5枚ご紹介します。
プライマル・スクリームは、1982年に元ジーザス&メリーチェインのドラマーを務めていたボビー・ギレスピーとその友人のジム・ビーティの2人で結成されています。
ジム・ビーティは1stアルバム・リリース後に脱退をしていますが、その後ボビーの昔馴染みだった2人のギタリスト、ロバート・ヤングとアンドリュー・イネスが加わりプライマル・スクリームの活動が波に乗っていきます。
ちなみにプライマル・スクリームは、アルバムをリリースする度に音楽性が変っていることがあります。
1stアルバムはジム・ビーティの12弦ギターを中心としたギター・ポップ/ジャングル・ポップ風の作風でしたが、パンク・ロック好きの2人のギタリストが参加した2ndアルバムではMC5やストゥージズのような歪んだギターが暴れ回るガレージ・ロック風の音楽性に変っています。
その後もダンス・ミュージック、ルーツ・ロック、ダブ、テクノ、エレクトロニカ、サイケデリク・ロックと様々な音楽性を取り入れています。
それでもプライマル・スクリームとしての個性は失われておらず、どのアルバムを聴いても「ちゃんとプライマル・スクリームだな!」と納得がいく出来なのがこのバンドの魅力です。
しかしながら、さすがに僕も全ての作風が好きなわけではありません。
正直言いますと、エレクトロ路線のアルバムは苦手で、普段はほとんど聴きません。
もちろん僕の好みが違っているというだけで、そういったアルバムのレベルが低いわけではありませんのでお間違いなく。
どちらかというと僕自身がギターを弾くために、ロックなギターが目立つアルバムが好きです。
そういった観点も踏まえて今回のランキングをご覧になって下さい。
今回もベスト盤やライヴ盤は省いています。
所々で追加情報としてEPをご紹介していますが、基本はオリジナルのスタジオ盤から5枚選んでいます。
もしかしたら今回のランキングは意外性があるのかも知れません!?
一般的な音楽雑誌のおすすめとは順位が違っていると思います。
そういったところも僕自身のアイデンティティが出ているんじゃないのかな?と思います。
それでは第5位からどうぞ。
オリジナル・アルバムを勝手にベスト5:プライマル・スクリーム編
第5位:Primal Scream – 『Vanishing Point』
第5位は1997年にリリースされた5作目『Vanishing Point』です。
『XTRMNTR』→『Evil Heat』と続くエレクトロ路線3部作の始まりでもある本作がなぜこのアルバムが今回のランキングに入っているのか?
それは、このアルバムは僕がリアルタイムで初めて購入したプライマル・スクリームの作品だからです。
そのため子供の頃に何度も聴いたという思い入れもあります。
それ以前のプライマル・スクリームがどういったバンドなのか知らないまま本作を聴いたのですが、僕はてっきりこういったエレクトロニクスやクラウトロック、そして時折ダブを交えた音楽性がこのバンドの特徴なのだと勘違いしてしまいました。
その後に『Screamadelica』や『Give Out but Don’t Give Up』を聴いた時は「全然違うバンドみたい!」と驚きました。
そんな『Vanishing Point』ですが、実はアルバム後半に”Medication”といったガレージ・ロック風の曲も収録されています。
その次にモーターヘッドの”Motörhead”をデジタル・ロック風にアレンジしたカバーも収録されています。
そして本作は1971年に公開されたアメリカ映画『バニシング・ポイント』からインスパイアされて作られています。
先行シングルとしてリリースされた3曲目の”Kowalski”の曲名は同映画の主人公の名前から付けられています。
また10曲目の”Trainspotting”は、その曲名の通り映画『トレインスポッティング』に提供された楽曲です。
本作の11曲だけでも様々な音楽的要素が混じり合った実験的アルバムです。
ちなみに本作リリースの3ヶ月後にエイドリアン・シャーウッドがダブ・リミックスしたアルバム『Echo Dek』も発売されました。
僕が人生で初めてダブを体験したのがこの『Echo Dek』でした。
ギターが目立たないアルバムですが、初めて購入したプライマル・スクリームのアルバムだったので思い出ランキング入りといった感じでもあります。
もちろん名作なのでつまらない作品ではないですよ。
ところで元ザ・ジャム、元スタイル・カウンシルのポール・ウェラーは、『Vanishing Point』→『XTRMNTR』→『Evil Heat』までのエレクトロ・ミュージックの時期が好きだとあるインタビューで語っていました。
僕は『Vanishing Point』はまだしも…『XTRMNTR』と『Evil Heat』はあまり聴くことはありません。
音楽の好みは人それぞれですね。
だから色んなジャンルが生まれて面白くなっていくんですが。
色んな意見があった方が可能性は広がるので良いことですね。
第4位:Primal Scream – 『Give Out but Don’t Give Up』
『Vanishing Point』を聴いた後に後追いでこの『Give Out but Don’t Give Up』を聴いた時はその音楽性の違いに驚きました!
本作はブルースやR&Bにカントリー・ミュージックの要素を取り入れたアメリカン・ルーツ・ミュージック風の作品です。
シングル・カットされたロック・チューン”Jailbird”と”Rocks”の2曲はエアロスミスやブラック・クロウズがお好きならハマることでしょう!
もちろんエアロスミス好きの僕はこの2曲に大いにハマりました!
“Jailbird”に至ってはイントロのあのギターリフを自分でもコピーして弾いてみました。
またアルバムからの3rdシングルに選ばれた名バラード曲”(I’m Gonna) Cry Myself Blind”も泣けます…。
“Funky Jam”と”Give Out but Don’t Give Up”には、パーラメント/ファンカデリックの創始者ジョージ・クリントンが参加したジャム曲です。
ムーディーな”Free”では女性ボーカリストのデニス・ジョンソンをリード・シンガーに起用しています。
彼女の色っぽい歌い方が曲の雰囲気に合っています♪
またサザン・ロック風の”Big Jet Plane”にローリング・ストーンズ風の”Call on Me”と素晴らしい楽曲が並びます。
1970年代初期のアメリカン・ロックがお好きな方におすすめのアルバムです。
第3位:Primal Scream – 『Screamadelica』
ニルヴァーナの『Nevermaind』やパールジャムの『Ten』等のロックの名盤が数多くリリースされた1991年にプライマル・スクリームも最高傑作『Screamadelica』をリリースしています。
間違いなく最高傑作なのですが、今回のランキングでは3位に選びました。
このランキングには僕自身が「よく聴くアルバム」という個人的な嗜好も含まれているからです。
代表曲の”Movin’ On Up”や”Loaded”に”Come Together”といった人気曲も含まれていますが、ダンス・ナンバーが多いのと、サイケデリック過ぎるのが普段僕があまり聴かない要因です。
それでも、一部ではカルト的人気のある13thフロア・エレベーターズの”Slip Inside This House”は意外性のあるカバーで好きな曲です。
ちなみに本作にはタイトル曲は収録されていないのですが、後にリリースされた4曲入りミニ・アルバム『Dixie-Narco EP』に”Screamadelica”という10分越えの曲が収録されています。
今となってはマニアックなEPですが、プライマル・スクリームをもっと知りたい!という人は要チェックです!
間違いなくプライマル・スクリームの最高傑作だと思いますが、僕としてはこの後にご紹介する2枚のアルバムの方がよく聴きます。
第2位:Primal Scream – 『Beautiful Future』
個人的には明るい曲調のギターロックが好きです。
そういったわけで第2位に2008年にリリースされた9作目『Beautiful Future』がランクインしました。
先行シングルに選ばれた”Can’t Go Back”や1曲目のタイトル・トラックの”Beautiful Future”や”Suicide Bomb”といったキャッチーなギターロックが最高です♪
また過去作で取り入れていたダンス・ミュージックの経験を活かしたアルバムからの2ndシングル”Uptown”等、単なるロック・アルバムではなくそれまでに培ってきた音楽要素を上手く散りばめたアルバムです。
このアルバムも好きでよく聴くのですが…それ以上に好きなプライマル・スクリームのアルバムがあります!
第1位:Primal Scream – 『Riot City Blues』
やはりこのアルバムが一番好きでよく聴きます♪
『Riot City Blues』は2006年にリリースされた8作目のアルバムで、ある意味で原点回帰となったガレージ・ロック風の作品です。
とは言っても、2ndアルバムの『Primal Scream』のような古き良き時代のガレージ・ロックといった感じではなく、新時代に合わせた新たなガレージ・ロックです。
アルバムのサウンドも現代風で、特にイネスとヤングのギターの音が素晴らしいです。
ただしヤングは本作リリース前に健康上の問題からバンドを離れ、その後2014年に亡くなっています。
ヤングが参加した最後のアルバムと言うこともありますが、本作こそプライマル・スクリームの本来の音楽性なのかな?と感じます。
特にシングル・カットされた”Country Girl”と”Dolls (Sweet Rock and Roll)”の2曲のロック・チューンのかっこよさはプライマル・スクリームの全楽曲中でもトップ・レベルです!
またヤングのハーモニカの音色が哀愁漂うカントリー・バラード調の”Sometimes I Feel So Lonely”も3枚目のシングルに選ばれています。
他にも”Nitty Gritty”や”When The Bomb Drops”に”The 99th Floor”といった曲も派手なギターがかっこいいです。
個人的には『Screamadelica』や『Give Out but Don’t Give Up』よりも、更に進化した『Beautiful Future』や本作『Riot City Blues』の路線で今後もバンドを続けていって欲しいと思っています。
その後リリースされたサイケデリックな『More Light』やダンス・ミュージック風の『Chaosmosis』も良い作品なのですが…やはり『Riot City Blues』のガレージ・ロック路線がプライマル・スクリームには合っていると思います。
以上、【プライマル・スクリームのオリジナル・アルバムを勝手にベスト5!】でした。
おそらくほとんどの音楽雑誌だと『Screamadelica』を1位に選ぶと思うのですが、僕の中での1位は『Riot City Blues』です。
もしこのブログ記事を読んでこれからプライマル・スクリームを聴いてみたいな~と感じた初心者の方はぜひこのランキングを参考にしてみて下さい。
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